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彼の声

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彼の声 2015.1.31 「世界の地域的な不均衡」

2015/01/31

アメリカ軍は果たして大統領の命令で動いているのだろうか。
たぶんそうだ。
形式的にはそうであり、
実質的にもそうだが、
大統領がアメリカ軍を動かさざるを得ない状況を、
国防総省と軍産複合体とCIAとが
グルになって作っていると言ったら、
それは穿ちすぎた見方だろうか。
アメリカ軍が中東やアフリカで何かやれば、
必ずそういう陰謀論的な見方や見解が
まことしやかにささやかれるのだが、
イスラム武装組織を影から資金援助したり、
テロリストの人材育成をしたりして、
彼らに騒乱を起こさせて、
アメリカ軍がその鎮圧に動くように仕組み、
結果的にイスラエルや湾岸の王族国家を維持継続させて、
その地域でのアメリカの権益をロシアやイランから守っている、
などと事情通の人たちが説くわけだ。
その一方でそれらの地域を
欧米流の民主的な国家にしたいと思わせるような発言をするのは、
あくまで国内のリベラル派を黙らせるための方便なのだろうか。
安易にダブルスタンダードという言葉を使いたくないのだが、
アメリカの国益が、
経済的な利益と民主的な価値観の推進のどちらに振れているのか、
あるいは両方ともに実現しようとしているのか、
現状ではその辺があいまいなままなのではないか。
少なくとも明確な意志は感じられないように思われる。
というか経済的な国益重視の国粋主義と、
リベラル的な民主主義の価値観を世界に広める使命とやらが、
巧みに融合しているように見せかけられているわけで、
本当に両者が政治的な目標として合致するのか
疑念を抱かざるを得ないのだが、
何かその辺がアメリカという国家の
矛盾を象徴しているような印象を受ける。
もちろんそれは恣意的な印象にすぎず、
実際にどうなっているかはわからないし、
そこに何か良からぬ意図や思惑が介在していて、
黒幕的な組織や団体があって、
そこから発せられる意志通りに世界が動いているのだとすれば、
その意志が何を狙っているかは、
フリーメイソンやイルミナティなどの陰謀論者が
語るところなのだろうが、
現状ではそれらを信じるに足る根拠はないように思われ、
百歩譲ってそのような団体が暗躍しているのだとしても、
彼らが目指しているとされる世界征服の野望が
何を意味しているのかわかりかねる。
アメリカ軍の兵器が如何に強力で、
装備や威力で世界各地の活動している武装勢力を圧倒していようと、
依然として紛争地域では戦闘が続き、
各地で爆弾テロも頻発しているし、
各国の兵器産業から武器や弾薬が供給され続け、
それで兵器産業を抱える国の経済が潤っているのだろうから、
しかもその国が、
リベラルな民主的な価値観を広める側の
西側先進国の一員だとしたら、
それこそ主張していることとやっていることが
完全に矛盾しているわけだ。
そしてたぶんそれでもかまわないわけで、
その矛盾こそが、
現状の世界を成立させているのだろう。
矛盾していないと、
国家も資本主義も成り立たないのであり、
両者ともにその矛盾から利益を得ているわけだ。

核兵器のように製造され配備されるだけでは、
あまり利益にならないのかもしれず、
製造され配備された兵器は、
実際に使われ消費されないと儲からないのであり、
供給があればそれに見合った需要が必要とされ、
世界の何割かは紛争地域でないと、
兵器産業もその規模を縮小しなければならず、
規模が縮小すれば、
それに携わる人員を削減しなければならなくなり、
それに伴って多数の失業者が生じてしまうわけか。
そう考えればアメリカの軍産複合体がなにやら陰謀を巡らせて、
紛争地域での戦闘を維持継続させている、
という見方も成り立つのかもしれず、
武力紛争が実際に起こっているから、
またそうなる危険性が高いから、
国防予算を増やし軍備を増強すれば、
兵器産業がそれだけ潤い、
その分野での雇用も増え、
そこで働く人々の生活も安定し向上するとなると、
それは紛争地域の人々の命を消費することで、
また将来そうなるかのもしれない人々を見越して、
今の経済的な繁栄を確保しているわけで、
そのようなやり方で
アメリカやその同盟国の経済が成り立っているのなら、
それは恐ろしいことかもしれない。
もちろん軍需産業だけで
経済が成り立っているわけでもないのだろうが、
主要各国の国防予算を見ても、
それは半端な額ではないのではないか。
それを無理に正当化するならば、
国を国として維持する上での
必要経費とみなしてもかまわないのだろうか。
国家経済が軍需産業頼みになるようでは、
危険水域なのかもしれず、
リベラルで民主的な価値観との矛盾が
最大限に増幅されてしまうだろうが、
そうなると破綻が間近に迫っていると言えるだろうか。
それが何の破綻なのかは、
そういう事態になってみなければわからないが、
ともかく武器は使われることを欲しているのであり、
使う機会を求めて兵器は造られ、
使われ消費されればまた造られ、
そのようなサイクルが循環していけば、
兵器産業がそれだけ潤うわけだ。
そして造り出された兵器が限度を超えて使用され、
その使用に歯止めがかからなくなると、
それはもう全面的な戦争状態であって、
もはや後戻りは利かなくなって、
戦火は軍需産業以外のあらゆる産業を食いつくし、
国土を荒廃させ、
兵器製造工場も破壊されて兵器さえも作れなくなれば、
そこで終戦となり、
富もほとんどが灰塵と化し、
国家経済もリセットされて、
また一から出直しとなるのだろうか。
だが現状はそうではない。
相対的に政治的に安定していて、
安全で平和な地域や、
あるいは圧倒的な武力を背景とした
他から攻め込まれない地域で兵器が造られ、
それらが政治的にも経済的にも不安定で、
戦火の絶えない紛争地域へと送られ、
そこで使用されているわけで、
その生産地と消費地との埋めることのできない隔たりが、
兵器産業の繁栄を支え、
安全地帯で軍需以外の産業を育んでいる国家を肥え太らせ、
そこでリベラルな民主主義を唱える機会を与えているわけだ。

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
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