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彼の声

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彼の声 2015.1.23 「イスラムの大義」

2015/01/23

現状では誰も何も信じていないわけではなく、
信じているからこそ彼らなりに行動し、
発言しているのかもしれないが、
それが現状であり、
現状の一部となって行動し発言していることに、
気づいているにしても、
気づいたところで現状から抜け出られるわけでもなく、
現状に限界づけられ、
それを超えることなどできはしない。
だが一方でそれが思い込みなのも、
彼ら自身が痛いほどよくわかっていることかもしれない。
要するに現状を完全に把握したとは思えないわけで、
全てを把握できないのに、
それを超えるとか超えようとするとか、
そんな試み自体が独りよがりの思い込みでしかなく、
やっていることが客観性とは無縁の、
恣意的で無根拠な認識に基づいた行為なのだ。
それもわかっていることであり、
すでに気づいていることだろうか。
しかし彼らとは具体的にどんなたぐいの人たちを指すのだろうか。
イスラム原理主義に染まった人たちや、
イスラム国の人たちなのか。
それもあるかもしれないが、
彼らでなくてもかまわないのではないか。
特定の集団に属する人たちを念頭において語っているわけではない。
彼らは誰であってもかまわないのだ。
フィクションの登場人物たちでもかまわない。
誰彼ともなく彼らに含まれ、
気が向いたらそこから逸脱してもかまわないわけだ。
世の中に組織や団体などいくらでもり、
それは中核派でも革マル派でも構わないのであり、
在特会や自衛隊員でも海上保安庁の職員たちであってもかまわない。
必ずしも暴力を行使できない立場の人たちであってもかまわない。
行動できなければ、
言動や言説を行使すればいい。
それがダメなら音声や映像を用いて訴えかけてもかまわない。
ともかく大勢で寄り集まって、
何かしら行使することが肝心だろうか。
それらを行使しないとすれば、
他に何があるというのか。
できるだけ何もしないようにしなければならないだろうか。
でもなんのためにそうしなければならないのだろうか。
ためにではなく、
それ以外の何かなのか。
それとは特定できない何かを求めているのでもなく、
何かのために何をやろうとしているのでもないなら、
ではどうすればいいのだろうか。
どうもしないことが肝心だろうか。
それは様子見というわけでもなく、
ただわけがわからないだけか。
そうでなければ結局利害関係で考えるしかないのではないか。
それ以外に人と人との間の組織的な結びつきが考えられるだろうか。
性的な結びつきや友情などでは強度が足りないか。
人はなぜ経済的な結びつきを求めてるのだろうか。
そこに無意識の生存競争があるからか。
ただ利益を得て繁栄したいがためだけに、
集団間であるいはその中で権力争いを繰り広げているのわけか。

フランスでは1980年代に死刑が廃止され、
ギロチンによる首を切断する処刑もなくなった。
日本ではまだ絞首刑が存続していて、
死刑判決を受けた者は、
病死しない限りはいずれ処刑されてしまうだろう。
オウム真理教の麻原彰晃氏はまだ処刑されていないはずだが、
彼が率いたカルト宗教教団は、
何を目指していたのだろうか。
この世の楽園を実現しようとしていたわけか。
それは桃源郷のたぐいが想像させる、
苦しみとも憎しみとも無縁の理想郷だったのだろうか。
しかし件の教団内部では階級があり、
上位カーストには絶対服従の
厳しい戒律に支配されていたのではなかったか。
集団としてはありがちな、
公平や平等とは無縁の武装組織が構成されていたはずだ。
人は人を服従させて自らの思い通りに操りたい。
どの組織や集団でもそんなことばかりがまかり通り、
支配と被支配の関係が当たり前のように成り立っている。
中東の湾岸諸国の王国でも、
石油という天然資源を基盤とする王族支配を、
そこから脱して民主的な価値観を確立したと信じる欧米人が、
ダブルスタンダードを適用して容認しているわけで、
そういう欺瞞的な態度に反発している人々が大勢いるのだろうし、
しかもそれらの王族達が自国内での民主革命を恐れ、
自分たちの支配を維持継続させるためのスケープゴートとして、
今やイスラム国と自称するようになった武装集団に、
資金援助していたわけだが、
それが予想外に急成長して、
勢力を拡大して手に負えなくなって、
なんとしてでも押さえ込む必要に迫られているようで、
たぶんそれは人の陰謀や策略を超えた
自然の力が発動した結果なのかもしれず、
欧米諸国や湾岸の王族達の利益に反する事態なのだろうし、
その地域に暮らす一般の人々が抱く真の狙いは、
王族たちの支配を終わらせ、
イスラエルを消滅させることで成就するのかもしれないが、
そうなっては困るから、
欧米諸国はイスラム国を必死で抑え込もうとしているのだろうし、
それとともにイスラエルを存続させたままの状態を、
できれば平和的に維持したいわけだが、
その状態はそこに暮らす一般の人たちの犠牲の上にしか、
成り立たないこともわかっているのではないか。
それはアメリカと同盟関係にある王族たちにも
わかっていることであり、
そこにジレンマがあるのかもしれないが、
それらの同盟や連携が
経済的な利害関係に基づいていることでしかないのは
百も承知のはずで、
その辺の事情を見誤ると、
とんでもない勘違いを助長してしまうのではないか。
はっきり言って、
イスラムの大義など空疎なスローガンでしかなく、
実質的な中身など無いも同然であり、
とても感情移入するような代物ではあり得ない。
結局誰もが崇高な建前論を掲げる一方で、
目先の経済的な利害関係の中で生きていて、
しかもそうなっている現状を意識することができないわけだ。
集団的な意識の中では、
ナイーブにイスラム教を信奉している一方で、
日々やっていることはあからさまな商売であることを、
やっている当人たちが認識できていないのであり、
しかもそれに感情移入してしまう
イスラムとは無関係の外部の人間までいて、
そんな経緯が事態をより一層ややこしくしているわけだ。

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創刊日:2001-03-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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