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ロンドン日記

96年夏、仕事を辞め、ブリティッシュロックを夢見て渡英。 ロンドンでの生活を中心に、身近な出来事を独断と偏見でお届けします。愛犬ウディーとの奮闘記もお楽しみに!

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ロンドン日記 vol.129

2003/09/30

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      ロンドン日記 vol.129
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◇日本との時差:マイナス8時間(グリニッジ標準時-夏時間)◇

ウディー(夫)の幼馴染セッジの結婚式が8月に行われた。 場所はノッティンガ
ム。 ホテルで挙式と披露宴、夜の部の披露宴が行われた。 一箇所ですべて済ませ
るのは日本の挙式スタイルに似ているが、イギリスではこれは普通ではない。 

セッジが友人の挙式に参列した時、挙式、披露宴と一日中長時間待たされたり、、長
距離を移動しなければなかっりと、非常に大変だった経験がこのアイディアに至った
らしい。 レジストリーオフィスの人をホテルに招き、二階のバーの半分を挙式会場
にアレンジして、挙式は行われた。 

短く速やかな式。 これが教会だったら式が永遠に続き、参列客も一苦労ということ
が多い。 日本で参列した友人の挙式が教会で行われたことがあり、その時、神父さ
んのなが〜いお話と、その後、参列客と共に聖歌の三唱なんてものもあった記憶があ
る。 初めて参列した結婚式だったので、これが普通なのかと思っていたが、今思え
ば、あれは教会スタイルだったのだろう。

セッジは彼のスタイリッシュさと共に、挙式もスピーディー、そしてオリジナルなも
のだった。 彼はリングの交換の後短い詩を読み上げた。 2,3行の短な詩、でも
彼気持ちが凝縮された詩だった。

*****

挙式が終わると挙式会場のすぐ隣に移動し、軽くシャンペンを飲みながらカップルを
祝う。 その後、記念撮影のためにホテル内のお庭へ移動した。 

今年の夏はイギリスで史上最高気温を記録する猛暑の続く夏だった。 セッジの挙式
も、そんな暑い週末に行われた。 雲ひとつない青空、燦々と注ぐ太陽の光。 幸せ
そうな二人とその家族。 とても絵になる光景だった。

*****

記念撮影が終わるとホテル内のレストランへ移動し、披露宴が行われた。 ウディー
はベストマンだった為、新郎新婦席の新郎の直ぐ横に座った。 私はセッジの家族の
テーブル。 セッジのお兄さんの前に席が用意されていた。

食事が一通り終わり、スピーチの時間がやってきた。 ウディーもスピーチしなけれ
ばならない。 なぜか私の方が緊張してしまう。 不思議なことにウディーのスピー
チが新郎のスピーチよりも後に設けられていた。 私としては、さっさとスピーチを
終わらせてホッとしたいところだったので、とても違和感を感じた。 普通、ベスト
マンがスピーチをして、最後に新郎がスピーチするんじゃないのかな? これって、
私の勝手な思い込み?

ウディーのスピーチの番がやってきた。 そして彼が立ち上がったその時、会場に浮
浪者のような男が入ってきた。 ホテルの人はそれを気にする様子がない。 奥の
テーブルの前に立ち、しきりに何か話しかけている。 その浮浪者風の男が振り向い
た。そして、「ウディー、どうだい調子は?」
誰この人?! あぁぁぁぁぁぁっ!イギリスのコメディー「ONLY FOOL AND HOSES」
のキャラクター Del Boyではないか?! 本物?

「ウディーどうだい、元気にしているかい?」快調なジョークで会場を笑わせる。 
最初私を含め、状況が把握できずあっけに取られていた出席者達も、ようやく笑える
余裕が出てきた。

実のところ、私はずーっと本物のテレビに出ている役者だと思っていた。 今思えば
本当の役者はす既にかなり白髪なのでそんな訳はなかった。 それにしてもそっく
り。 声から立ち居振る舞いから、ジョークから。 まるでDel Boyだ。

ウディーはセッジによって嵌められたのだ。 これはセッジがウディーの緊張を解す
ためと仕掛けた彼の優しさだった。 緊張を解したか、余計にスピーチがし難くなっ
たかは本人しか分からない。 会場にいたセッジの友人たちはしきりにウディーへ
「あんな事が起きた後にスピーチしなくちゃならないなんて、可哀想だったよね。僕
ならあの状況じゃスピーチ出来なくなっちゃうよ。」と口々に同情を寄せていた。 
ウディーは Del Boyの登場のあと、短いスピーチで済ませたのは言うまでもない。

*****

昼の部の披露宴が終わると夜の部まで少し時間が空く。 私とウディーはセッジの友
人マイキーとアリスと共に、新郎新婦のスウィートへ押しかけた。 ここは華やかな
挙式の楽屋裏。 アリスも新婦のヘレンもリラックスして靴を脱いでいる。 

セッジが、「夜の部に着る服、これとこれ、どれがいいと思う? やっぱりウエディ
ングドレスに合わせて。。。。」とごちゃごちゃ言っているところをすかさずへレン
が、
「セッジ、自分が一番したいようにすれいいのよ、あなたの日なんだから」
私は彼女のこのコメントに心を動かされた。 

セッジは今回が二回目の結婚。 バツイチ男である。 最初の奥様はとても美しい人
だったが、それと同時に、自分が常に輪の中心でないと満足できない人だった。 私
が知っているセッジはいつも彼女にびくびくしているようで、家にいてもリラックス
していないような気がした。 結婚式も誰を招待するか、どのように進行するかすべ
て彼女の意見だった。 

ウディーは挙式に呼ばれなかったのだ。 彼女はウディーが彼女の一生に一度の記念
となる日にはさわしくない存在と判断した。 ウディーはその時とても傷ついたし、
セッジもその状況をどうする事の出来ない自分に無力感と、ウディーに対して後ろめ
たさを感じているように見えた。

こんなこともあり、ヘレンの「自分の好きなようにしていいのよ、あなたの日なんだ
から。」というコメントにとても心を打たれた。 そして、セッジの選択に間違えが
ないことを確信した。

*****

夜の部の披露宴は、昼間、挙式が行われたバーをディスコ会場へアレンジしてのパー
ティーだった。 前半はライブバンドがオールディーズの曲を演奏していた。 勿論
これはある程度年齢の行った出席者たちをエンターテイメントするためのセッジとヘ
レンの優しさである。 後半はDJがバトンタッチ。 若者たちの為にダンス音楽をア
レンジした。 

夜の部には多くの友人たちが呼ばれていた。 セッジの幼少期の友人、ノッティンガ
ムに住み始めてからの友人たち、仕事の同僚たち。 彼は幅の広い友人を持っている
ように思われた。 友人層の広さは彼の幅の広さを象徴している様だった。 そし
て、パーティーは12時を過ぎるまで行われた。

その夜、私たちは挙式が行われたそのホテルに泊まった。 その日、一日中とても幸
せそうだったセッジの笑顔は忘れない。 セッジのお父さんもとても幸せそうだっ
た。 「今日を十分満喫するんだよ。もう次はないんだから!」とセッジに言ってい
た話を後から聞いた。

まり子

◎ 発行人プロフィール◎
1972年生まれ、横浜出身。1996年7月よりロンドン住人。
1年半の語学留学後、結婚してロンドンに居着く事となる。
現在、日系企業の事務員(と称する何でも屋)。
1999年の夏 赤のMINIクーパーを購入。
2001年12月マイホーム購入。
2002年3月末犬のウディーが我が家に加わる。
http://members.aol.com/marikoabe/woody/woody01.jpg  ←愛犬ウディー
2003年5月赤のMINIクーパースポーツパックを購入。MINIが2台となる。
http://members.aol.com/marikoabe/mini.jpg    ←愛車

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創刊日:2000-03-17  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
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