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くまから・かまから

みやこふつ(宮古島の方言)で語るエッセイや方言講座、民謡解説、おしらせなどがあります。宮古島出身の人も、そうでない人もまーつき(一緒に)みやこふつを楽しみましょう。

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くまから・かまからvol. 418

2018/10/04

■── 宮古島方言マガジン ────────────────────■

   くまから・かまから  第1・3(木)発行 《vol.418 2018.10.4》
 
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    もくじ
    「あの大切な出会いを」          キムキム
    ◇あの話をもう一度
    「ミャークフツ講座 助詞編1」      ひさぼう
    「防風林を」               松谷初美
    「編集後記」               松谷初美

     こんにちは〜。   
    また台風が来ていますね。宮古は風が強くなってきました。
    くま・かま、vol.418 お届けです!
    ぬか〜ぬか(ゆっくり)お楽しみください〜。

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「あの大切な出会いを」         キムキム(平良・西里出身)

「やー、こんにちは、ワイ〜と頑張っているか?」中学3年の時の担任の先
生は、いつも満面の笑みで応じてくれ、一瞬にして緊張が緩む瞬間があった。
 
 数年前の冬。同級生からのメールで先生の訃報を知った。最後に会ったあ
の時、「また今度ね、頑張るんだよ」と励まされた。生前の先生の最後の姿
は、宮古を離れて、ヤマトで浪人すると決めた後、帰省した時、友人達と先
生の家で、アルバムを開き、思い出話が尽きなかった日。

「あがぃ、お前なんかは難儀な教え子だったさいが(もう、君達は手のかか
る教え子だったよ)先生は、いつ〜も、ばたふさりて(腹が立って)いたん
だよ〜」

「またまた、一番かわいい教え子だったと思っているくせに!」

 こんな会話ができる先生は、他にいない。

「人間は、いつ永遠に別れることになるかもしれない。だからこそ、今日こ
うやって会うことができたことをあたらか〜と思わんとね」

「あぐとは、あたらかだよ。いつがみまい、大事にしなさいね〜(同級生は
大切だよ。いつまでも大事にしなさいね)」

 まだ、若かった私達には先生の気持ちの半分も理解できていなかったはず。

 中学時代、家が学校から近い私は、朝はいつもギリギリ滑り込みセーフ。
「おはようございま〜す」というと、先生は「おそうございま〜す」と返し
てきた。「へへへ・・・」「へへへじゃな〜い。もう少し早く家を出ろ」と
いつも怒鳴られたけど、怖いと思ったことは、一度もない。今となっては、
怒ってくれる人もいないから、懐かしくありがたいが。

 小学校時代、先生の奥さんが担任だった。優しくて、笑顔が素敵な あぱ
らぎ(美人な)先生で、子供達に大人気。母親のような温かい先生だった。
して、中学では、父親のような ふがましゃ(頑固な)おやじ先生・・・。
まさに育ての両親である。

 宮古のような島でなければ、こんな経験も少ないかもしれない。と思うと
先生との出会いも、もっと大切にしたかったと後悔してしまう。

 人との出会いは、人生の中で大きな原動力となったり、人生を左右するも
のだ。成長も、仕事も、人生も、人との関わり合いがあってこそだと思う。
人と向き合い、出会いを大切にするから、自分とも向き合える。

 先生との出会いはまさにそうであった。

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◇あの話をもう一度

「ミャークフツ講座 助詞編1」      ひさぼう(平良・西仲出身)

 助詞「は」と「を」の使い方

 共通語の助詞「は」と「を」は、その前の言葉が何であれ、変化すること
はない。ところが、ミャークフツの場合、これが変わる。場合によっては、
前の語尾もいっしょに変わったりする。

1.「は」が、その前の主語の語尾、によって変化する例。
 
 ◆前の語尾が、あ(A)の場合。以下( )の中は宮古方言のローマ字表記。
  花(PANA)は〜 ⇒ ぱなあ(PA NA A)〜 
  親(UYA)は〜 ⇒ うやあ(U YA A)〜 
  私の家(BAGA YA−)は〜 ⇒ ばがやー や(BA GA YA- YA)〜 
 ◆前の語尾が、い(I)の場合
  酒(SAKI)は〜 ⇒ さきゃあ(SA KYA A)〜
  大根(UPUNI)は〜 ⇒ うぷにゃあ(U PU NYA A)〜
  手( T )は〜 ⇒ てぃ(T YA)〜 ※ T はローマ字と同じ発音
  木(KI−)は〜 ⇒ きー や(KI− YA)〜 
 ◆前の語尾が、う(U)の場合
  箱(PAKU)は ⇒ ぱこおー(PA KO−)〜  
  蛸(TAKU)は〜 ⇒ たこおー(TA KO−)〜 
  石(ISU)は〜 ⇒ いっさ (ISS A)〜 
  星(PUSU)は〜 ⇒ ぷっさ(PUSS A)〜 
 ◆前の語尾が、む(NM)の場合
  神(KANM)は〜 ⇒ かんま(KA NM MA)〜 
  波(NANM)は〜 ⇒ なんま(NA NM MA)〜 
 ◆前の語尾が、ん(NN)の場合
  お金(JINN)は〜 ⇒ じんな(JI NN NA)〜 
  犬(INN)は〜 ⇒ いんな(I NN NA)〜 
 ◆前の語尾が、ZZの場合
  頭(KANAMAZZ)は〜 ⇒ かなまっざ(KA NA MA ZZA)〜
  米(MAZZ)は〜 ⇒ まっざ(MA ZZA)〜

2.「を」が、その前の語尾、によって変化する例。
  これは、上記「は」の場合の例をそっくり当てはめることにする。

 ◆前の語尾が、あ(A)の場合。 
  花(PANA)を〜 ⇒ ぱのをー(PA NO−)〜  
  親(UYA)を〜 ⇒ うよをー(U YO−)〜 
  私の家(BAGA YA−)を〜 ⇒ ばがやー ゆ(BA GA YA- YU)〜
 ◆前の語尾が、い(I)の場合
  酒(SAKI)を〜 ⇒ さきゅうう(SA KYU U)〜
  大根(UPUNI)を〜 ⇒ うぷにゅうう(U PU NYU U)〜
  手( T )を〜 ⇒ てぃーゆ(T YU)〜(注)Tはローマ字と同じ発音
  木(KI−)を〜 ⇒ きー ゆ(KI− YU)〜
 ◆前の語尾が、う(U)の場合
  箱(PAKU)を〜 ⇒ ぱくううー(PA KU−U)〜 
  蛸(TAKU)を〜 ⇒ たくううー(TA KU−U)〜
  石(ISU)を〜 ⇒ いっすぅ(ISSU)〜
  星(PUSU)を〜 ⇒ ぷっすぅ(PUSSU)〜 
 ◆前の語尾が、む(NM)の場合
  神(KANM)を〜 ⇒ かんむ(KA NM MU)〜
  波(NANM)を〜 ⇒ なんむ(NA NM MU)〜
 ◆前の語尾が、ん(NN)の場合
  お金(JINN)を〜 ⇒ じんぬ(JI NN NU)〜
  犬(INN)を〜 ⇒ いんぬ(I NN NU)〜
 ◆前の語尾が、ZZの場合
  頭(KANAMAZZ)を〜 ⇒ かなまっずぅ(KA NA MA ZZU)〜
  米(MAZZ)を〜 ⇒ まっずぅ(MA ZZU)〜

3.以上のことから、たとえば、地名や人名が、言葉の頭にきた場合は、次の
  ようになる。
  
  平良は ⇒ ぴさらあ    平良を ⇒ ぴさろお
  下地は ⇒ しもじゃあ   下地を ⇒ しもじゅうう
  城辺は ⇒ ぐすくびゃあ  城辺を ⇒ ぐすくびゅうう
  上野は ⇒ うえのお    上野を ⇒ うえぬうう
  小泉は ⇒ こいずみゃあ  小泉を ⇒ こいずみゅう
  吉田は ⇒ よしだあ    吉田を ⇒ よしどお

  老婆心ながら、人名を「さん付け」で呼ぶときは、次のように定型になる。

  小泉さんは ⇒ こいずみさん な 小泉さんを ⇒ こいずみさん ぬ
  吉田さんは ⇒ よしださん な  吉田さんを ⇒ よしださん ぬ

                参考文献『宮古古諺音義』新里 博 著 

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「防風林を」               松谷初美(下地・高千穂出身)

 今年は台風の発生が多い。東京から宮古にUターンしてから4年余りが経つが、
台風の後の木々の様子が気になるようになった。車を走らせながら、周りの木々
につい目がいってしまう。

 緑豊かな山(雑木林)のように見えていた場所が台風が去った後に見ると中が
そーきー(広々と)なり、風に弱い植物だけだったり、また、いんばた(海のそ
ば)に沿って、緑がいっぱいあると思っていたところが、実は単に手入れがされ
ず、ギンネムなどが生い茂っていただけだったというのが、台風の後、よく分か
る。

 最近は、うぷあみ(大雨)も多く、赤土が道路まで流れされ溜まっているのも
見られる。車が通るとタイヤとともに んた(土)が運ばれ、んたのついた道路
が長く続く。

 台風の後の植物を見ると塩害にやられいて心が痛むのだが、そんな中に青々と
茂っているのがフクギとヤラウギー(テリハボク)の葉である。「台風?そんな
のあったけ?」と涼しい顔をしている。

 昨年の長時間吹き荒れた台風の後、平良港近くに行く用事があった。そこには
フクギの並木があるのだが、台風の後だというのに、その青々しさの連続と言っ
たら!台風の後、枯れたような色しか見ていなかったので、大変な衝撃であった。
海の近くで潮も相当かぶったと思うのだが・・・見事なくらいに影響を受けてい
なかった。本当に素晴らしい。塩害に強い植物であることを実感した。

 それから、今年の台風24号の後、近くの御嶽のそばに青々とした ヤラウギ
ーを見つけて嬉しくなった。ヤラウギーも台風に強いのだ。2つの植物が防風林
に適しているのは周知の事実だと思うが、私は昨年から今年しみじみと実感した。

 今、宮古は建築ラッシュだ。山や畑だったところが次々と開発されていく。そ
れも必要なことだったりするが、このまま進むと、どうなってしまうんだろうと
しわ(心配)になる。

 植物が いきゃらふ(少なく)なれば、海の栄養分も、いきゃらふなるらしい。
海のそばには、やまかさ(たくさん)の防風林が必要だ。島を海風から守るため、
島から土などがそのまま流れないようにするためにも。

 実行に移すことは難しいことだけれど、ドライブしながら頭の中は、そんなこ
んなのシミュレーションでいっぱいだ。

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「編集後記」                     松谷初美

 台風24号は、うまかま(あちこち)に大きな爪痕を残していきましたね。
まだ停電が続いているところも多いとのこと。お見舞い申し上げます。東京にい
る息子に連絡をしたら、あちこちで木が倒れているとの ぱなす(話)。すぐ後
を追うように台風25号。被害が出ないことを願うばかりです。

 週末に台風が来ると、予定されていた行事が中止になったり、延期になったり。
いろいろ支障が出てきますね。関東ふるさとまつりが10月8日に、上野水上音
楽堂でありますが、台風の影響が出ないことを願うばかりです。それよりも、私
は飛行機に乗れるでしょうか。(笑)

 さて、今回のくま・かまぁ のーしが やたーがらやー?

 キムキムさんは素敵な先生に教わったんですね。卒業後もいろいろと交流が持
てたご様子。お亡くなられたとは残念ですが。先生との出会いは、一生の宝です
ね。

 ひさぼうさんのミャークフツ講座、分かりやすいですね〜。助詞の変化の仕方、
法則があるんですよね。文字だけですが、音声まで伝わってきそうな解説だと思
います。

 台風は多くの被害をもたらしたりしますが、いろいろなことをも ならーして
(教えて)くれる気がします。台風25号の動きが気になりますね。対策をしっ
かりしていきましょう。

 貴方の感想もぜひお聞かせください。メール、掲示板への書き込み、大歓迎で
す。宛先は、くまどー(こちらですよー)kumakama@mbp.nifty.com
投稿もお待ちしています〜。

 今回まい しまいがみ ゆみふぃーさまい たんでぃがーたんでぃ〜〜。
 
 次号は、10月18日(木)発行予定です。
きゅうまい、ぞう(今日も良い)1日でありますように!
あつかー、またいら〜。

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   編集・発行  : 松谷初美
   メール    : kumakama@mbp.nifty.com
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創刊日:2001-03-20  
最終発行日:  
発行周期:月2回 第1・3木  
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