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くまから・かまから

みやこふつ(宮古島の方言)で語るエッセイや方言講座、民謡解説、おしらせなどがあります。宮古島出身の人も、そうでない人もまーつき(一緒に)みやこふつを楽しみましょう。

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くまから・かまから vol.407

2018/04/19

■── 宮古島方言マガジン ────────────────────■

  くまから・かまから  第1・3(木)発行 《vol. 407 2018.4.19》
 
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   もくじ
   「宮古のお祝い」           與那覇 淳
   ◇あの話をもう一度
    300号特集」
   「うまかまの みゃーこふつ
         (あちこちの宮古方言)」 ライター12名
   「借景の美」             松谷初美
   「編集後記」             松谷初美
    
    こんにちは〜。
   白い百合、あかーあかぬ(赤い)グラジオラス、薄いピンクの
   月見草など初夏を感じさせる花が咲き始めた宮古です。
      ぱだーぱだ うらまずなー(お元気ですか)?
   vol.407をお届けします。
   ぬかーぬか(ゆっくり)お楽しみくださいね〜。

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「宮古のお祝い」           與那覇 淳(平良・鏡原出身)
 
 赤ちゃんの なーふぃー(命名)、小学校の入学、高校合格、卒業、成人
祝い、子どもの成長の節目ごとにお祝いが行われます。古今東西見られる本
土の人生儀礼、祝い事と宮古のそれは少し趣が違います。

 私の やらびぱだ(子どもの頃)は身内だけでその節目を祝っていました
が、いつの頃からか親戚や両親の友人、知人らが集い盛大なお祝いが行われ
るようになりました。
 
 なーふぃー祝いは出産して2、3か月経過して母子ともに落ち着いたころ
に、それぞれ個々の日程で行われますが、入学、合格、成人祝いは島中で同
じ日にお祝いが持たれます。
 
 しばーしばぬ(狭い)社会なので友人や、知人、模合仲間の子の情報はす
ぐに耳に入りますので招待がなくてもお祝いに駆け付けます。それを見越し
てお祝いのある家庭では、オードブル、お刺身、しーむぬ(吸い物)、酢の
物、デザートなどが大量に準備されます。親戚の数、職場の規模、付き合い
が多いか少ないかによっても違いますが、一軒に100人ほどが押しかけて
うぷよーい(大宴会)となります。

 お客さんを迎える方も大変だが、訪ねる方も一晩に何軒も廻らなければな
らないので強行軍です。10数軒もある人は夫婦で振り分けたりして、なん
とかこなしていきます。祝い座にあがると節目を迎えた子にお祝儀を差し上
げて、子どもの両親や祖父母にあいさつをして座卓を囲むと、手際よく料理
が運ばれてきます。

 しーむぬ(吸い物)をいただき、お刺身に手を付け始めたころにはオトー
リ(回し飲み)の口上が誰からともなく始まり、泡盛の入ったグラスが口上
主から順繰り手渡されていきます。運転手を伴っているかタクシーで廻るの
であれば、祝い酒も飲めるがそうでなければ早々に切り上げて、つぎのお祝
いのお宅へ向かわなければなりません。

 あんちーぬ(このような)祝い座でやまとぅの人(移住者)を見かけるこ
ともしばしば。先日、初めて島のお祝いに招待されたという、やまとぅの方
と同席しましたが、その方は多くの人たちが集う盛大な祝宴にびっくりして
いました。祝い座で男性と女性の座る場所が別々になるのも、特徴のひとつ
のようです。

 お祝儀のお返しに商品券かお米券が渡されますが、小学校の入学祝いであ
ればそのお返しを来客に渡すのは入学した子どもが担います。封筒には入学
したばかりの子が自分の名前とお祝いに来てくれた方へのお礼の言葉などが
書き入れてあり、祝い客の気持ちをやわらげます。

 お祝いのお返しも時代とともに変わってきました。つい最近までケース入
りのお米が主流でしたが、ホールのケーキが流行っていた頃もありました。
ふぉーきさいん(食べきれない)ほどのケーキの山を見て妻とどうしたもの
かと思案したこともありました。

 お土産のお返しの封筒の束がポケットを膨らませ、祝い座の余韻が夜更け
の家路になびき長い一日が終わります。こうしたお祝いをしてもらった記憶
はないが、高校受験に合格したときに母方の祖母が4キロほどの道のりを歩
いて訪ねてくれました。15の春を乗り切った私の顔を見るなり踊ってくれ
たのが懐かしく思い出されます。母は祖母の踊りを見たのは初めてだと話し
ていました。50年ほど前の思い出です。

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◇あの話をもう一度

 300号特集
 「うまかまの みゃーこふつ(あちこちの宮古方言)」

                      vol. 300  2013.9.19

●【一人称、二人称、三人称 編】
 
・「わたし」→吾(わ)→ばん(平良、城辺、上野、下地、佐良浜)
 
  「わたし」の後ろに付く助詞などによって変化
       吾(わ)→ば (平良、城辺、上野、下地、佐良浜)
           →ばー(下地与那覇、佐良浜)
           →べー(多良間)
 
・「わたし」→吾(あ)→あ (伊良部)
           →あん(多良間)
 
  「わたし」の後ろに付く助詞などによって変化
        吾(あ)→あ (多良間)
            →あー(伊良部、多良間)
            →あん(伊良部)
 
  (例文)私のもの
 
  (1)ば が もの(平良、城辺、上野、下地、佐良浜)
 
  (2)あ ー もの(伊良部)
 
  (3)あ が もの(多良間)
 
  (例文)私は宮古人
 
  (1)ば やー みゃーこぴと(平良、城辺、上野、下地)
 
  (2)ばー みゃーこぴと(下地与那覇)
 
  (3)ばー みゃーこひと(佐良浜)
 
  (4)あ ばー みゃーこぴと(伊良部)
 
  (5)あん や めーくぴと(多良間)
 
  (例文)私たちの家
 
  (1)ばん たが やー(平良、城辺、上野、下地)
 
  (2)ぱん てぃが やー(伊良部)
 
  (3)ばん てぃが やー(佐良浜)
 
  (4)べー たが やー(私たちの家)(多良間)
 
・「あなた」→ おれ → うら → うう"ぁ 
            (平良、城辺、上野、下地、佐良浜、多良間)
 
     → い(汝)→ い(伊良部)
           → やー(伊良部)
 
       「あなた」の後ろにつく言葉によって変化
             やー → やん(伊良部)
 
・「かれ」 → かい(平良、城辺、上野、下地、佐良浜)
 
     → かり(下地与那覇、伊良部)
 
 (例文)あなたとわたしと彼の家に行こう (彼=あの人)
 
 (1)うう"ぁ と ばんと かいが やーんかい いか
                   (平良、城辺、上野、下地)
 
 (2)うう"ぁ と ばんと かりが やーんけー いか(下地与那覇)
 
 (3)やんと あんと かりが やーんかい いか  (伊良部)
 
 (4)うう"ぁ と ばんと かいが やーんかい いかでぃ
                             (佐良浜)

 <地域担当>

  ◎平良
    ビートルズ世代のサラリーマン(下里)
    宮国優子(下里)
    Motoca(下里)
    神童(島尻)
  ◎城辺
    宮国勉(西中)
    大和の宮古人(長南)
  ◎上野
    マツカニ(高田)
  ◎下地
    クイチャーマン(与那覇)
    松谷初美(高千穂)
  ◎伊良部
    菜の花(仲地)
  ◎佐良浜
    sarahama三女(池間添)
  ◎多良間
    糸州幸子

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「借景(しゃっけい)の美」    松谷初美(下地・高千穂出身)

 先日、「かたあきの里」(昔ながらの赤瓦の家の宿泊施設)に行く機会が
あった。ぞうわーつき゜(良い天気)で青い空と赤瓦のコントラストがなん
とも、かぎーかぎ(美しい)。

 咲き乱れるブーゲンビリアも美しく、写メをたくさん撮った。日差しが強
くなってきたので赤瓦の家から離れ松の木の近くで休んでいた。そこでふと
赤瓦の家の方向を見ると、家の っしかた(後ろ)に木々が連なり、森の中
にある家のような景色が目に飛び込んできた。

 きれい・・・と思わずつぶやいた。宮古には大きな山がないので、家の後
ろにある木々がたくさん映るというのはあまりない。家に近いと後ろは見え
ないので、これまで2回ほど来たことはあったが、この景色にまったく気が
つかなかった。

 この木々は、施設の敷地内にあるものではなく、道を挟んだ北側の植物園
の東(大野山林あたりになるのか)側に植わっているものだ。このあたりは、
宮古で自然が多く残っている場所で生き物たちの楽園にもなっている。

 私が見たのは、その景色を取り込んだ借景の美というものか。(以前、N
HKの番組「ブラタモリ」で嵐山の美を庭に取り込んだ「借景」の話があり、
それを思い出した。この番組で借景のことを知った次第)

 先にも書いたが、宮古には山らしい山がなく、また緑も少ない。年々開発
も進み、どうなっていくのだろうと時々思う。大人になればなるほど、自分
がいかにこの宮古の自然から恩恵を心身ともに受けてきたかを実感する。だ
からか、木々の1本、1本、草花も本当に愛おしく、この先々は、もっと豊
かな自然があふれるようにと願う。して、自分も何かしていかなくてはとも。

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「編集後記」                     松谷初美

 肌寒い日が続いていましたが、天気が良くなりだんだんと過ごしやすく
なってきました。今度の日曜日(4月22日)は「第34回全日本トライ
アスロン宮古島大会」が開催されます。アスリートの皆さんも続々と宮古
入りです。応援の幕の掲示や花などもたくさん植えられ、ムードも高まっ
てきました。今年も友人の応援で宮古じゅう回る予定です。アスリートの
皆さん、頑張ってくださいね。

 さて、今回の くま・かまぁ のーしが やたーがらやー?

 淳さんのお祝いの話、そうそう!と思いながら読みました。3月には、
高校の合格祝いがあって、宮古はまさにそんな感じでしたね。最後のお
ばあさんが踊ってくれた話、ジーンときました。素敵な想いの表現です
ね。

 あの話をもう一度は、300号特集からお届けしました。この回の特集は
結構人気で、何回も読んでいますとか、今度宮古の人たちが集まるので
コピーして配ってもよいですか?などなど連絡がきます。分量が多いの
で少しずつ掲載していきたいと思っています。

 「かたあきの里」で見た景色は結構衝撃でした。大野山林あたりは、
これからもそのままであってほしいですね。よろしければ、あなたのお
気に入りの場所があればおしえてくださいね。

 貴方の感想もぜひ、お聞かせくださいね。メールでも、掲示板への書き
込みもお待ちしてます!投稿もぜひお気軽に〜。宛先は くまどー(こち
らですよ)kumakama@mbp.nifty.com
 
 今回まい しまいがみ ゆみふぃーさまい たんでぃがーたんでぃ〜〜。
 
 次号は、5月3日(木)発行予定です。
きょうも、佳い一日でありますように!
あつかー、またいら〜。
 
──◆─────────────────────────────◆──
   編集・発行  : 松谷初美
   メール    : kumakama@mbp.nifty.com
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創刊日:2001-03-20  
最終発行日:  
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