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くまから・かまから

みやこふつ(宮古島の方言)で語るエッセイや方言講座、民謡解説、おしらせなどがあります。宮古島出身の人も、そうでない人もまーつき(一緒に)みやこふつを楽しみましょう。

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くまから・かまから vol. 388

2017/05/18

■── 宮古島方言マガジン ────────────────────■
 
  くまから・かまから  第1・3(木)発行 《vol. 388 2017.5.18》
 
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   もくじ
    「初夏は木の実ざんまい
         ー自然は遊びの宝庫」     さどやませいこ
    ◇あの話をもう一度
     「お袋との会話から」         アモイ
    「2017つれづれ」            宮国優子
    「お知らせ」              
    「編集後記」              松谷初美

       こんにちは〜。沖縄地方、梅雨入りしました。
      雨が続いて、すぷーすぷ(湿っぽく)していますが、
      気持ちはカラリとお届けしますよ!
      vol.388お楽しみくださいね〜。

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「初夏は木の実ざんまいー自然は遊びの宝庫」
 
                さどやませいこ(城辺・新城出身)
 
 <ヤマへおやつ採りに行こう?>
 初夏は実に不思議な季節だ。4月8日から、五月中旬頃までの期間を
「陽春」と呼ぶ。その間、「うーずん」(潤旬)と「若夏」が適度に繰り
返され、大地の潤いと生命の息吹が見事にハモル、そんな月だ。
 
 幼少の頃、今のようにお菓子のような嗜好品が無い頃、野山は子どもた
ちにとってのパラダイス。この季節は木の実採りの最盛期だった。ザウカ
ニ(グミ)、ポー(クロイゲ)、ントゥビ(ノイチゴ)など、野山へ行け
ば、いくらでも採れた。これらが今で言う「おやつ」だった。
 
 終業式や卒業式を終え、春休みといえば、子どもたちは朝から連れ立っ
て野山に出掛ける。手にはアルミニュームの弁当箱を持って。蔓性のザウ
カニは、頭上で小ぶりのラグビーボール状の赤い実が鈴なりにぶら下がる。
友だちと競い合って採り、甘酸っぱいその実を時々は口に放り込む。食べ
た後は、種を口の中から飛ばす競争。他愛の無い遊びにキーキーとよく笑
った。
 
 石垣や海岸沿いで岩を抱くように繁茂するクロイゲ。冬になるとブルー
ベリーのような小さな球状の実をつける。春先は、それが黒っぽい紫の実
になり「ポー」と呼んだ。甘くて口の中でとろけるので、いくらでも食べ
られた。ところが後が大変、口の中がお歯黒のように真っ黒になるからだ。
でも子どもたちにとってはこれも遊びのうち、みんなでスミイカの舌を出
し合って喜んだ。
 
 ナワシロイチゴと呼ばれる野苺は、なぜか原野の草茫々の中でみつけた。
葉や茎はやや棘っぽいが、ツヤツヤした実はまるでルビーのようだった。
枝もしなるほどたわわに実ったイチゴを見つけるのは感動そのもの。甘酸
っぱい実をまず口にはこび、暫く味覚の陶酔感に酔いしれた。チガヤやス
スキなどを掻き分け実をさがしている内に、雲雀の巣を見つけたりするの
も冒険のうちで、野山は子どもたちにとって栄養補給と遊びの宝庫だった。
 
 <沼でかっぱになる?>
 当時、遊びといえば自然の中にあった。カーズゥク(沼)に馬を洗いに
行った男の子たちは、浮き草のホテイアオイを集めて筏を作り、海賊ごっ
こ。草刈に行った兄の帰りが遅いと心配していたら、友達ら数人と草バク
(草束を賭けた遊び)に興じていた。
 
 ガジュマルの木を突付き、樹液を出してチュウインガム作り。夏は、マ
ーニ(クロツグ)の葉の筋を輪にし、ジョロウグモの糸を絡ませた捕虫網
を作って蝉捕り。捕った蝉を集める入れ物は、筒状にくるんだ芭蕉の葉。
すべてが、自然の中にあるもので足りた。
 
 女の子は子守りをしながら、お手玉やおはじき、あやとりをして遊んだ。
その中で、わらべ歌がうまれ、今日に歌い継がれている。子どもたちは豊
かな自然の中で、生活の知恵を働かせてきた。親の手伝いも遊びに転化さ
せて貧困を謳歌、その逞しさこそを、今の子どもたちに伝えていくべきだ
ろう・・・。昔の暮らしを甘酸っぱく思い出した芽吹きどき。
 
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◇あの話をもう一度

「お袋との会話から」vol.221 2010/6/3   アモイ(平良・宮原出身)
 
1、庭に駐車してある車のドアをロックしてなかったので、夕方ロックす
  るためにキーを持って外へ出てこうとしている時の会話。
  
  お袋「んざんかいりゃー?」(どこへいくの?)
  僕 「車んかいてぃ」(車まで)
  お袋「来間んかいてぃー んなまからなー?」
     (来間までよーと、今からなー?)
 
2、僕が家で掃除機を掛けていて、靴下を吸い込んでしまった。
  靴下が詰まって、掃除機がうなっているのを見ていて一言。
 
  「そうじきゃー くつしたーふぁいどぅ ばたんちうーさいが」
  (掃除機は 靴下を食べて、はらいっぱいになっているさいが)
 
3、スナック菓子を買ってきて、袋ごとテーブルに置いて一緒に食べてい
  た。袋に「スナック菓子」と書いてあるのを見て一言。
 
  「いいまた、スナックんな あんちぬむぬーどぅ ふぃーさいがやー」
   (あーなるほど、スナックではこんな物を食べさせるんだね)
 
4、耳が遠いせいもあって、テレビ番組ではゲームとかのように、目で見
  てすぐわかる番組が好きなお袋は、毎週、「東京フレンドパーク」を
  見ているのに、番組名を知らないので教えてあげた。
 
  「うぬ ばんぐみゅーばー『東京フレンドパーク』てどぅあーさーい」
  (この番組は東京フレンドパークというさー)
 
  「『農協フレンドパーク』ていー?」

  農協が身近な存在なのである。
 
5、お袋は指を使いすぎると、ときどき指がけいれんしてしまう事がある。
  その時は中指が前に突きでて、指の間を広げるような格好をしている。
  ある日テレビをみていると、
 
  ♪私のお墓のまーえで泣かないでください〜そこに私はいません・・
   いよいよさびの部分♪千のかーぜーにー千のかーぜになってー・・
 
  秋山雅史が腕を広げて、感情移入しながら、高らかに歌い上げる。
  手を上げ気味にして指にも力がはいって、指の間を広げるようなしぐ
  さをしている。指の広げ方が、自分が痙攣したときの格好に似ている
  のを見て一言。
 
  「ういまい けいれんなしーなーどぅ うーべ? 」
  (この人も けいれんしたり しているのかなー?)
 
6、懐メロの番組で昔の歌い手がでてきて唄を歌っているのを楽しそうに
  みていた。美空ひばりが登場して、♪あーあー 川の流れのようにー
  と高らかに歌っているのを見ていて一言。
 
 「かしゅぬきゃーまい やっかいやー すにってぃからまい あーぐー
  あーかに」(歌手の人達もたいへんだねー 死んでからも 唄を必死
  にうたって)
 
7、宮古テレビの懐かしの宮古祭りのビデオに親父がインタビューされて
  いる場面があり、ビデオテープでそれをみせた。9年前に亡くなった
  親父がインタビューに答えている姿をみて一言。
 
  「あがいー うりゃーうまんどぅ あんちー まーりゅーさいがやー」
  (あがいー この人(父)は そこで あんなふーに 居るんだねー)
 
8、お袋は家の周り畑でほんの少しバジルを栽培し、週に一回程度仲買人
  を通して本土へ出荷している。そのバジルを刈り取って揃えて束ねて
  いると、バジルにまぎれてカマキリがでてきた。それを見て一言。

  「ならまいどぅ ないちんかい いかってぃー うむいゆーさいが」
  (カマキリも、本土にいこうと 思っているはずさー)
 
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「2017つれづれ」           宮国優子(平良・下里出身)

 東京もすっかり夏めいてまいりました。宮古は暑さがすごいんだろう
なぁと思いつつ、毎日仕事しています。私事なのですが、数か月前から知
り合いの紹介で教育系ITの会社をお手伝いに行っています。定期的にどこ
かに通うということは、新しい発見があって だいず(非常に)興味深い
です。
 
 東京の人はなんで宮古に行くんだろう、と思うことがしばしばあります。
行き帰りの電車の中でぼんやりとわかったことがあります。こういった日
常の風景から逃れて何か素敵な刺激が欲しいんだなぁ、と。そして、そこ
に笑顔の人やきれいな海があったらいいなぁ、と思うのであろうなぁ、と。
 
 宮古に何回か行けばわかると勝手に思っているが、島の人のおおらかさ、
愚直さは、そうそう都会でお目にかかれるものではない。宮古の人の当た
り前は、都会の当たり前ではないし、またその反対もしかり。

 私が思うに、都会は自然にみんながコンセンサスを取ろうとする。それ
は謙虚さもあり、めんどくさい人にはみんなわかっていても顔を上手にそ
むける。勿論、宮古にもそういうところはある。でも、決定的な違いは、
何か宮古の人の内在する喜びや怒りにふれたとき、きちんと反応するとい
うことだ。良くも悪くも。私はそれが刺激じゃないかな、と思う。

 文化背景が違うので、上手に言語化は互いにすぐにできないけれど、正
面からの愚直さは引き出される。人は無意識に自分そのものでありたいか
ら、その自分らしさを表現したとき、何かカタルシスが生まれるのではな
いだろうか。それが憤慨や感激であったとしても。宮古での体験はそのト
リガーになるような旅のハプニングが起きやすいのだと思う。
 
 人に会って、海に抱かれて、人はまっぱだかになる。まるで赤子のよう
な感性を取り戻していく過程を、宮古島で味わうのではないかと思う。私
の繊細な友人は、長期間滞在した後、いろんな意味で宮古の明暗を話して
くれた。彼の思う南国楽園とはちがったようだ。でも、それを彼は貴重な
体験として話してくれた。島出身者としては、耳の痛い話もあったけど、
それでも聞いてよかったな、と思う。
 
 そして、島のもうひとつの楽しさは島の人の傾聴力と潔さなのではない
かと思う。それは、私のなかでは「あららがま」な感じがするのだ。東京
から宮古に旅立った人に、土産話を聞くことが、最近の私の喜びになった。
島らしい「人を人として迎え入れる優しさと厳しさ」は、非常に興味深い。
 
 今月、安いチケットがとれたので宮古に帰る。来月は父の三十三回忌で
娘三人と珍道中だ。久しぶりなのに、なぜだか久しぶりな気がしない。で
も、行くとまた違ったことを感じるのであろうなと思う。お会いするみな
さま、どうぞ宜しくお願いします。いつも隙間時間を見ながらなので、突
撃訪問的になってしまうのでどうぞお許し下さい。

 今の私にとって、東京は私の故郷ではないけど、大切な娘たちの故郷で
もある。さながら私はハーフ宮古人のような気分です。宮古の話題はネッ
トを開けばリアルに伝わってくるし、仕事も、研究もどっぷり・・・。
30年近く前、あんなに足蹴にして、宮古を出たのに不思議でたまらない。
そして、私のような人がこれからはもっと増えるんだろうな。そんな気が
します。
 
 世の中の仕組みが変わってきているから、仕事も勉強も離島のハンディ
と言われたものが価値に変わっていくのだろうと思う。今、宮古に通って
いる人たちは、島を食い物にしないように気をつけている人が多いように
思います。それは自分たちも生きていく場所だからだろう。旅の恥はかき
捨てにならない宮古島になってきている。リピーターの彼らは、その兆し
をいち早く気づいている人たちなんじゃなかろうか。などなど、締切ギリ
ギリで頭フル回転で書いております。伝わるかな、笑。あとからね〜。
 
 お知らせです。
今年は日本アニメ100周年。そのアニメを日本で始めたのは、なんと宮古
島出身の下川凹天です。あまり知られていないので、勉強会ならぬ同好会
で、月命日の26日に東京の大岡山で集まっています。5月26日は命日にな
ります。ご興味のある方はぜひご連絡ください。最近は蔵書も増え、宮古
と日本の歴史を振り返りつつ、サブカルチャーや芸術についておしゃべり
をしています。

 mail:3892yuko@gmail.com

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「おしらせ」

◆5月27日(土)開場:17時 開演:18時 マティダ市民劇場
 オペラ「泥棒とオールドミス」(ジャン・カルロ・メノッティ作品)が
 上演されます。ブロードウェイでも上演され、大ヒットとなったメノッ
 ティの傑作コメディオペラ。ぜひ、この機会にお楽しみください。
 開演前、終演後にロビーでコーヒーを飲むことができます。(チケット
 にコーヒーの割引券がついています)

 【演出】 粟國 淳
 【出演】 黒島 舞季子(ミス・トッド)
      平山 留美子(ミス・ピンカートン)
      宮城 美幸 (レティーシャ)
      仲本 博貴 (ボブ)
 【ピアノ】棚原 俊平

 チケット:一般 2,800円  中学生/高校生 1,000円
      小学生 500円  未就学児 無料

 プレイガイド:BOOKSきょうはん宮古南店

 <問合せ> 一般社団法人 沖縄オペラアカデミー
       098-911-8436

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「編集後記」             松谷初美(下地・高千穂出身)

 んなま、ばんたが やーんな(今、我が家では)、百合の花が満開です。
またこの時季、うまかま(あちこち)の木々の若葉が生い茂り生き生きと
しています。モモタマナやフクギの若葉の色が だいずきれい〜。それか
ら今年は、トックリキワタの実がたくさんついて、今、実がはじけて白い
綿がぶら下がっています。これまた、ぴるます(不思議な)光景です。

 前号でお知らせをした「ジョン・ナカマツ ピアノリサイタル」に行っ
てきました。ジョン・ナカマツ氏は、北米沖縄県移民3世の世界的ピアニ
スト。ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールの優勝者(第10回・
1997年)でもあります。演奏はすべて暗譜。力強さと優しさとしなやかさ
がすべて含まれるような素晴らしい演奏で会場はもの音ひとつせず、ジョ
ン・ナカマツ氏の音の世界が広がっていました。とても礼儀正しく、演奏
後のインタビューも人柄が表れるようでした。アンコールは「芭蕉布」。
これがまた何とも優しく、沖縄への想いがあふれるような演奏で、心に響
きました。行って良かったです。

 さて、今回のくま・かまぁ のーしが やたーがらやー?

 せいこさんの木の実ざんまいの話に共感された方、多かったことでしょ
うね。子どもたちの生き生きとした姿が伝わってきました。まーんてぃ
(本当に)季節の木の実を探し回ることの楽しかったこと。いくらでも語
れます。(笑)

 あの話をもう一度は、今月は母の日もありましたので、アモイさんのお
母さんのお話しをお送りしました。何度読んでも笑えますね。ナイスなお
母さんに拍手を送りたくなります。そして、お母さんとの日々の会話を面
白がるアモイさんにも。

 優子さんの宮古へのまなざしは、深いですね。「人を人として迎え入れ
る優しさと厳しさ」分かる気がします。下川凹天さんの勉強会も楽しそう
ですね。深くて、ひろーい宮古がそこにはあるはず〜。興味のある方は、
ぜひぜひ!

 貴方はどんな感想を持たれましたかー?感想をお寄せくださいね。
宛先は、くま がみ。(こちらまで) kumakama@mbp.nifty.com
投稿も どんない(どしどし)お待ちしています!
 
 きゅうまい しまいがみ ゆみふぃーさまい たんでぃがーたんでぃ!
(きょうも 最後まで  読んでくださり ありがとうございました!)
 
 次号は6月1日(木)発行予定です。
(前号できょうの発行日が間違っていましたね。まつがいどー!)
きゅうまい、ぞう(良い)一日をお過ごしくださいね。
あつかー、またいら!
 
──◆─────────────────────────────◆──
   編集・発行  : 松谷初美
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