日記・blog

東京仙人の思案生首

娯楽の殿堂「東京」に住んでいながら、仙人に甘んじる男が送る愛と涙と勇気のstory。

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創刊日:2001-03-14  
最終発行日:2009-09-30  
発行周期:不定期  
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2000/01/01

「ハンマープライス」

 今日は4月1日。エイプリルフールであり、年度始めであり、今日生まれ
た子は昨日生まれた子より1学年下になることが決まる日であり、そして
我が部屋に新しい冷蔵庫が来る日だ。新しいといっても中古だから古い
んだけど。

 仙人、今回冷蔵庫を手に入れようと初めてヤフーオークションなるものに
足を踏み入れてみた。いままで売るモノもお金もないわで、全くの門外漢と
して暮らしてきたが、とうとう私もニュースや事件でたびたび取り上げられる
物欲魔境に当事者として入るのかと結構浮き足立ちながらも、気分はサザビー
に参加するVIPそのもので、ボロは着てても心は錦よろしくタキシードを心に
着込みパソコンの前に座ったのである。

 10日後、粉骨砕身されたボロ仙人がヤフーオークションの外に放り出され
ていた。

 結論から言うとあまり安くなかったのである(仙人、あまりに貧乏なので皆
さんの貨幣価値とはかなり隔たりがあります)。というか、最初は激安なんだ
な、これが。

 「えーっ!マジに!500円?」「こっちは2000円やけど、自動霜取り装置
付きや」「こんなんやったら、新品買う気なくなるな」と、ヤフオクの冷蔵庫
エリアに入った時、あまりに良心的な価格設定ぶりに狂喜し色めきたった
私は、借金増やしてまでパソコン買ってホント正解やったとしみじみ思って
いたのである。

 もちろん、オークションと銘打っているからには競りがおこなわれ、最初の
価格は、あって無きような物であることは分かっていたが、スタートの値段の
見たこともない敷居の低さに、つい「これやったらもしかして5000円以内で
手に入れられるかも」と、期末試験や入試後の受験生のように自分に都合
のいい希望的観測を抱いてしまっていたのである。

 しかし大体そのような希望は叶ったことがなく、今回もその例外ではなかっ
た。ここ10日間くらいは寝ても覚めても市場の八百屋オヤジのように競りに
参加し、声ならぬ指を枯らしていたが、どの世界でも新参者に対する当たりが
激しいのは同じで、ハンドルネームに(新規)などと背番号しょわされている
私など出会い頭に場外に吹っ飛ばされてしまうのである。

 というか元々上限5000円しか出せない私などハナから勝負にならないのだ。
最初は愛想よく低かった値段も、競り終わりのハンマーが打ち鳴らされる頃に
は10000円くらいになっているのは常で、待てよ、これに加えて運搬費がかか
るのかと今さらながらに気付く己のバカぶりと相まって、仙人すっかり人生を
投げてしまったのである。

 しかし、ヤフオク、最後の数分間の攻防は何なのだろう。大体どの戦いも、
あと5分で締め切り時間というちょうどその時、ヤフオクの数々のステージで
たっぷりと生血を吸ってきたデカイ背番号を背負った2人、もしくは3人が、
真打ちといった感で突然登場するや否や、それまでの牧歌的な風景が一変、
開き直ったかのように価格が上がり始め、丁々発止の一騎打ちがおっ始まる。

 そのせめぎ合いつばぜり合いの激しさたるや竹刀と真剣くらいの差があり、
となれば、それまで20時間くらいかけて100円200円と爪に火を灯すように
価格を上げてきた足軽たちは、露払いになり下がり、両横綱の取り組みを
土俵際で見るぐらいしか仕様がない。

 そんな足軽の一人になった私は、
「いけっ」「よし!」「そこでもう一押しっ」「なんや根性ねえなあ」「よし、勝った!」
などと、お前そんなことしてる場合かってな感じで応援に熱中してしまった。
つくづく凡人やねえ、私は。

 結局、足軽同士の斬り合いだけで矢折れ刀尽き、落ち武者となった私は、
他の方法を考えねばならなくなったのである。

 ところが意外に早く見つかった。近くの質屋に6000円の冷蔵庫が鎮座まし
ましていたのだ。見た感じでは状態も結構なものだ。しかも近くだから運送費
もいらないという。うーむ、何たることだ。この10日間の戦いは何だったのだ。
私にパソコンは必要なのだろうか。思いっきりアナログで手に入れてるやんか。

 というわけで、もうすぐ届くはずなのである。今日はいかにも日記みたいに
なった。こんなのは初めてやね。まだまだ、どんなメルマガになっていくか分
かりませんが、今後とも皆さんよろしゅう。m(__)m

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