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本誌は「ジョーク/(ブラック・)ユーモア)」を媒介に、実践・研究を通して、現代のエンタテインメントを取りまく文化状況を総合的に捉えることを目標とした、ちょっとキュートなアングラ・ポップ・マガジンです。

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【●トーテムとタブー/真昼の半魚人○Vol.24】

発行日:1/31

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  ●○●○●      トーテムとタブー       ○●○●○
  ○●○●○     ――真昼の半魚人――      ●○●○●  
  ●○●○●    2005.1.31.発行 Vol.24           ○●○●○
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■CONTENTS-----------------------------------------------------------
●(1)編集前記/編集部

○(2)連載/D.H.どろんぱの「ごまかし笑いでアンニョンハセヨ」

●(3)連載/がちゃぴんの「天国への階段」

┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃1┃編集前記
┃ ┃     /編集部 田淵アントニオ・どろんぱ・がちゃぴん
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

(D)はやいもので我々ももう5年目だね。
(G)月日が流れるのは早いものですね。私などこの5年の間に身辺もずいぶん
変わりました。就職、転職、転地・・・。
(D)もともとは無職でスタートしたわけだから暮らし向きがよくなったよう
で、微妙なところだね。
(G)まあそれぐらい時の流れは早いということで。
(D)k.m.p.という女性二人組のユニットがあって、旅行記エッセイなどですご
く人気があるし、10年におよびキャリアで知名度は圧倒的に高いと思うんだけ
ど・・・。
(G)「ぐるぐる」な方々ですね。(http://rose.ruru.ne.jp/kmp/
(D)デザイナーとして会社に属しつつも、そのあまりの不条理さに退社。
その後、好きなことをするために貧乏にも耐え、フリー・マーケットからス
タートして、デビュー作『エジプトが好きだから。』(1996)は持ち込みだっ
たみたいね。
(G)フリーになってからの悪戦苦闘ぶりも涙なしには読めないですけどね。弱
い立場につけこまれて、原稿料を踏み倒されたり、しらばっくれられたり、と
か。
(D)『k.m.p.のやなコトをどーにかこーにか。』(2000)のように、子供の頃
のすごく繊細な感受性を保ちつつも、たくましいんだよね。やはり好きなこと
をし続けるのが一番であると。
(G)そのためにはどんな障害もものともせずがんばらないといけないですね。
(D)というわけで我々も5年目に突入するわけだが・・・。
(ア)おいこら。
(D)あ。やたら久しぶりじゃないですか、田淵さん、元気でしたか?
(ア)元気は元気だがな。おれもあまりに久しぶりで、ソデで待機していなが
ら、出るタイミングを失いつつあった。緊張した。
(G)この5年間にとって田淵さんとは何でしたか?
(ア)ん? 難しいことを聞くなよ。何も世界に貢献していないというわけで
はないがな。k.m.pの方々も標榜しているように「金もうけプロジェクト」は
進行しつつある。なぜか持ち出し(投資)ばかりで先に進まないのが残念だ
が。
(D)田淵さんがいうと不思議と腹黒いプロジェクトに聞こえますね。
(ア)おれも私腹をこやしたいよ。おまえらはぶくぶく太る一方だがな。
(G)ま。そんなわけで今年もよろしくお願いしますよ。
(D)年末年始は『天才たけしの元気が出るテレビ』のDVDなどが出たので、
懐かしくみたのですが、ちょっと細切れすぎて余韻にひたれないのが残念。
(G)あれでも見たいと思うコーナーのごくごく一部ですからね。どこをター
ゲットにするかですけど、じゃあ20枚組DVDボックスがあったら、買うかとい
うと採算がとれないでしょ。
(D)日本の80年代バラエティの極端さは今、アメリカで評価されてるね。
(G)町山智浩さんの『USAカニバケツ』(2004)などで紹介されてますね。
(D)まさか「jackass」が日本使用でDVD発売されるとはね。
(G)アメリカのTVバラエティですね。MTVが狂ったのでは、とも言われ
る・・・。
(D)今思うと、2本のバラエティは元気があったよねえ。『元気が出るテレ
ビ』もそうだけど、「お笑いウルトラクイズ」などはまた観てみたいな。
(ア)「jackass」日本版なら今すぐに作れるぞ。ネットで配信するか。
(D)パクリはよくないですよ。
(G)やるならやっぱり「まるもうけプロジェクト」ですかね。
(ア)パクリだろ。
(G)半魚人グッズ作りませんか?
(D)『カッパの飼い方』以後、空前のカッパ・ブームですしね。半魚人もいけ
ますよ。
(ア)それこそ『元気が出るテレビ』のパクリ。晴海で半魚人ネタやってただ
ろ。
(D)ドキッ。
(G)こんな感じで今年もよろしくお願いします。
(ア)だめだダメだ駄目だ。今年はやるぞ。もうこういうだらだらした茶番に
はつき合わない。
(G)とかいってるまにあと数十分でこのメルマガを送らないと消失してしまう
のですよ。
(D)『ネバー・エンディング・ストーリー』の虚無みたいだな。
(ア)他人事じゃない。
(G)というわけで今年はがんばりましょう。田淵さんの新連載もはじまりま
すし。
(ア)そうそう。新連載はだな。昨年1年間の成果をすべて結集させたもので、
久々の自信作だな。舞台はポルトガルですでに資料も整った。
(D)あ。もう虚無が間近に。
(G)では続きは次回ということで。
(ア)次回っていつだよ。

┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃2┃連載/D.H.どろんぱの「ごまかし笑いでアンニョンハセヨ」(第25回)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「都市伝説のゆくえ・再び」

 ブルンバン『消えるヒッチハイカー』(1981)の出版以後、日本において
も、80年代は「都市伝説」があふれた時代であった。
 『ドラえもん』の最終回で実はすべての物語がのび太の妄想にすぎなかっ
た、というウワサがまことしやかに伝わり、作者がメディアでそのウワサを
撤回するという異常な事態までが引き起こされた。バブルを経て、「人面犬」
や「トイレの花子さん」など、ホラーブームのあおりも受けて「学校の怪談」
がブームと化す。
 ブーム過ぎ去りし後からふりかえってみれば、なぜあんな奇想天外な話が
流布していたのか、不思議でならないのも「都市伝説」の特徴である。また、
民俗学の見地から、都市伝説研究が行われていったように、おおよその類型
は過去の伝説伝承にたどることができる。
 21世紀を超えて、新しい「都市伝説」はどのようにして生まれる余地があ
るだろうか。
 アメリカでは、「9.11」にまつわる「都市伝説」が事件の直後に、メディ
アをにぎわせたのが記憶に新しい。もっとも話題となったのが、20ドル札を
折っていくと、世界貿易センターのツインタワーが黒い煙をあげているかの
ように見える、などの「20ドル札の預言」であろう。「9.11」の「9+11=
20」という数字のマジックといい、不思議な因縁が絡み合っている。
 さてこうした現在の都市伝説の中でも、「TDL誘拐未遂事件」という「都
市伝説」が20世紀末の日本において口々に語り継がれていた。4人家族の
一行のうち、一番小さい子供がトイレに出かけたきり、帰ってこない。い
ったいどうしたのか? あわてて園内の迷子センターに連絡をとるが、一
向に見つからない。

「それから約一時間後、中東風の民族衣装を着た外国人観光客のグループが、
母と娘のいる出口に向かって歩いてきた。ふと見ると、体を両側から抱きか
かえられている子供がいる。具合でも悪くなったのだろう、と思いながら
その子が履いている靴を見た母親は、体をこわばらせた。数日前に息子に買
ってやった靴とまったく同じものだったのだ。母親はすぐさま子供に走りよ
り、髪の毛を覆っているロープを引き剥がした。
 そこには、髪の毛を金色のスプレーに染められ、カラーコンタクトを入れ
られたわが子の姿があった。意識がもうろうとしているらしく、目の焦点が
定まらない。何かの薬を飲まされたのかもしれない。近くにいた係員が、す
ぐにこのグループを取り押さえた。男の子は医務室に連れていかれ、応急処
置と簡単な検査が行われた」(宇佐和通『ザ・都市伝説』171頁)

宇佐和通『ザ・都市伝説』(新紀元社、2004)は、『消えるヒッチハイカー』
以降の様々な都市伝説を包括的にまとめた上で、最後の章において、現在ま
さに進行しつつある「都市伝説」の根源をさぐるために、「TDL誘拐未遂事件」
の調査に乗り出す。
 調査の結果、同時期に日本国内およびアメリカでも同様の噂が流布していた
ことがわかり、驚くべき結末として、この噂の「原話」にたどりつく。
この本の肝になってしまう箇所になるのだが、要はかつての伝説の焼き直しに
すぎないものであったということがわかるのだ。
 ここから先の興味としては、都市伝説の伝達過程であり、インターネット時
代において、それがどのように変容する/しないのか、という問題である。
 そして類型の枠を超えた「都市伝説」ははたして今後、成立することが可能
であるのだろうか。現実の方がよほど不可解な状況にある現在、我々が都市伝
説を求めるのはむしろ、現実では得られない「懐かしい安心感」によるものな
のかもしれない。

┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃3┃連載/がちゃぴんの「天国への階段」(第25回)
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「あの頃、平安京エイリアンと」

 世の中は、ゲームをする人間としない人間とに大別される。

 というほど大げさなものではないが、ここ20年のスパンで見て、もっとも激
越な変化を迎えた領域はゲーム業界だろう。ゲーム機のハードだけをとっても
栄枯盛衰がこれほどませにすさまじい世界はあるまい。
 よく言われることだが、もはや「ゲームをする」という生半可な気持ちで接
しているようではこの世界でまっとうに生きることなどできない。あらゆる娯
楽が究極的にはそうであるように、これまで生きてきた足跡がゲーム観のすべ
てに現れるものであり、全身全霊を打ち込んで取り組まないかぎり、向上は得
られない。ハード面の発達の度合いだけをとっても、人間の知力を凌駕したと
ころをすでに志向しつつある。
 ところが、そんなゲーム界の、中でもディープな世界が対岸からはまったく
見えてこない。ゲームセンターももはやアーケードゲームは体感型シミュレー
ションなどにすっかりのっとられてしまい、ゲーマーの姿も押しやられてしま
った。
 そんな中、ブルボン小林と名乗る『ジュ・ゲーム・モア・ノン・プリュ』
(太田出版、2004年)というどこまでも人をくったタイトルのゲーム批評本が
出版された。
 はっきりいって、今のゲーム業界の最先端の様子はこの本からもとうていわ
からない。むしろ1979年の「平安京エイリアン」以降のゲームがはたして日本
の文化や思想にとってどういう意味をもっていたのか、を考えさせるものだ。
とはいえ、決して難解な言葉や思想で語られたものでもなく、実際にかつての
ゲームを再体験しつつ、自由に思いをつづるエッセイの体裁をとっている。作
者自身「筋金入りでもない、知識自慢もできない」一ゲーム愛好者の立場から
の視点によるところも大きいのだろう。それほど詳しくない人、実際に体験し
たことのない人であっても、わかりやすく語ってくれている。
 いわゆる「クソゲー」とされるものの中にも、後に再評価される「たけしの
挑戦状」など時代をあまりにも先駆けすぎてしまったものもある。あるいは、
ゲームとともに成長し、大人になった著者が、大人になってからかつてのゲー
ムに触れることで、「子供の頃はわからなかった」新たな発見にであったりす
る。
 1972年生まれの著者ならではの、現在のようにあまりにも細分化してしまっ
た時代では二度と味わうことができない、ゲームが共通項であった時代の懐か
しいメモワールでもある。
 
 中でもとりわけ笑わせてもらったエピソードがこれ。『ザ・コンビニ』とい
うゲームでの一コマ。

「僕の『ヒヨコマート一号店』は、開店後3日たっても、一円も売り上げがあ
がらない。ヤバいくらい売れないではないか。客はけっこう入ってくるのにだ。
なのに、誰も買わない!
 横からのぞきこんだ友人が言った。
『棚が全部、壁のほうを向いているよ』」(70頁)

ちなみに著者はゲームのコラムニストであると同時に、というよりは、小説家。
特に覆面というわけでもないのだが、なかなか余芸としてもなかなかおもしろ
い。

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