日記・blog

マキブリ

マキブリ(MAKIGAMI BRICOLAGE の略)は、ヒカシューの巻上公一によるメールマガジンです。豊富な音楽経験による不思議声帯的エッセイ、イベント、CD、口琴、ホーメイ情報を満載。

全て表示する >

maki-briマキブリ23号 ベトナム転んで

2001/12/22

        ■■■■■■■■■■■■■■■■■     
         マキブリMAKIGAMI BRICOLAGE 
         23号     2001年12月22日
        ■■■■■■■■■■■■■■■■■
本日12/22 クチノハ・クリスマス お茶の水OCCホール 午後6時開演
---------------------------------目次------------------------------------------
えーと
ベトナム転んで
巻上公一スケジュール
ニューアルバム
情報いろいろ
---------------------------------えーと----------------------------------------
今年もあとわずか。
概ね計画はクリアしたとはいえ、やり残したことも多い。
9月、10月、11月が許容量を越えたスケジュールだったので、
机の前でじっくりする習慣がなくなってしまった。
そんなわけでマキブリをこまめに出せない始末。
さて、
本日は、ローレン・ニュートン、室伏鴻、石川高とのコンサート。
面白くなると思うよ。

-------------------------------ベトナム転んで----------------------------------
11月中旬は、休暇を兼ねてベトナムのハノイにいった。
いきなり空港で白タクに乗ってしまったが、けっこう気の弱い雲助で助かった。
それともこっちの顔が恐かったからか。

宿泊は高級ホテル、街中の喧噪とのギャップが凄い。
気楽に街を散歩しようと考えていたが、見渡しても歩いている人はいない。
人々は自転車かカブに乗り、月光仮面のようなマスクをして
忙しそうにたえず移動している。
だからのんびり歩いているだけで観光客とすぐわかってしまう。
もっとものんびり歩くには排気ガスがひどすぎるし
交通ルールもでたらめに見えて理解できない。

安くておいしいベトナム料理を堪能と考えたが
生来清潔病のぼくは、南方の汚らしい佇まいの屋台には到底入る気がしない。
「生水は飲まないほうがいい」と聞いているので、何から何まで不安でいっぱいだった。
「食事はどこにしようか」と訊かれれば、「ホテルでいいんじゃない」と答えていた。
実際、初日はホテルの中華を食べた。

次の日、ギタリストの内橋夫妻と合流。
通訳を雇い、旧市街ハンモン通りの楽器店に向かった。
ベトナムの楽器は、けっこう面白い。
もっとも有名なのは、ダンバウという一弦琴。
その名の通り、スチール弦が一本張ってあるだけのもの。
竹のピックで弾くのだが、そのままの音はけっして出さない。
必ず弦にわずかに手の一部を触れさせ、ハーモニクスだけで演奏する。
ハーモニクスだとドとソの音くらいしか出ないので
弦の端に付いているレバーで弦をたわめたりして音を変化させる。
この音の移動のポルタメントが美しく心地よい。

そこでいろんな楽器をいじっているとひとりのドイツ人がやってきた。
ちょっとヒッピー風だが身なりはきちんとしている。
「この楽器を知ってるか」とおもむろに口琴を出し演奏した。
質問された内橋は、「あそこにマエストロがいるよ」とぼくを指した。
彼は楽器のバイヤーで、特にベトナム口琴を扱っているとのこと。
トラン・カンハイやアントンなどの演奏を1999年にモルンで観たという。
「どのくらい口琴を買うの?」
「8000個」
「春に注文したの4000個がもう売り切れたから」
「ドイツではいま流行ってるの?」
「ジャンベ、ディジュ、そして口琴がいまね」
いろいろ話したり演奏しているうちに、彼はぼくに興味を持って
じっくり話したいということになったので、
夕方ホテルのロビーで会う約束をした。

さて、おなかが空いたので、通訳のハーさんに軽食をリコメンドしてもらった。
するとなんとも汚い店構えのフォー・ボャウというベトナム麺屋さんに案内してくれた。
ぼくひとりなら絶対に入らない店だが、仕方がない。
フォーとは米で作った麺であっさり味のスープにたくさんのハーブを乗せたもので
日本で言えば立ち食いそば屋感覚のものだ。
注文すれば1分もしないうちにできあがる。
しかしこれなかなかにうまい。

ホテルに戻るとドイツ人の男はもう来ていた。
あれこれ口琴の話をして、
「ドイツのどこに住んでるんだい」
「ライプツィッヒ」
「へぇ、東だね。ぼくは来年の3月にコンサートでドレスデンに行くよ」
「本当かい、ライプツィッヒは隣だから、コンサートをオーガナイズしたいな」
と、ひょんな話が降って湧いた。

滞在3日目、ホテルロビーでベトナム国営放送のトゥアンさんを通訳に
キム・シンの息子のタンさんと面談した。
今回の旅行のもうひとつの目的であるキム・シンのCD録音の話である。
この息子がマネージャー役をやっているのだが、条件が全然折り合わなかった。
それにほんの少し前にアメリカで有名なギタリストとCDを録音したというし、
ソロアルバムもスウェーデンの会社が録音したという。
こちらは録音の意味があまりなくなったというわけだ。
ただ怪しいのは
この息子、マネージャーという割にアメリカの会社もギタリストの名前も
まったく覚えていない。
「ライ・クーダーがやりたがっていたから、彼かな?」
と訊いても、「・・・」という感じ。
その後、なんだかお金の話ばかりになり、すっかりうんざりしたので
録音はこちらが断ってしまった。


そんなわけで仕事もなくなりすっきりしたので観光のみになった。
といってもふたたび楽器屋に入り浸ったり、水上人形劇を見たり、昼寝をしたり。

食事もやっと慣れてきた。
楽器屋の並びにダッキムという店で食べたブンチャーという食べ物が忘れられない。
ブンという麺に、揚げ春巻きや焼き肉を乗せてにヌックマムベースのたれをかけ
山盛りのハーブを乗せて食べるものだが、どうもうまく説明できない。
これを日本で置き換えられる食べ物がないからだ。

食事の後はまた楽器屋だ。何軒もあるので実に楽しい。
ベトナム月琴Dan Nguyet、ベトナム口琴Dan Moiなど
ベトナムの楽器をたくさん買った。
特に月琴ダングエットは気に入った。
これさえあればキム・シンチックな演奏はもちろん
たいていの演歌は弾ける。
実は以前から、口に共鳴させて鳴らす二胡クニーというのが欲しかったのだが
演奏してみて、あまり難しかったので買うのを断念した。

ホテルで休んで夜ふたたび夕食に出かけた場所はハンモン通り。
ハノイガーデンというレストランでソルトチキンなどを食べていると
例のドイツ人と楽器店の夫婦が一緒に飲んでいた。
楽器製作者の旦那にビールをおごられ、談笑。
まだ小さい楽器店夫婦の子供を抱っこしたらいきなりおしっこを膝にかけられた。
どうやらオムツというものをしないようだ。

内橋が「もう一度ここには来そうだな」と言う。
「そうかい」とぼく。
「俺の勘は当たるんだよ」と内橋は自信満々。

ベトナムの音楽にはつかみ所のない不思議な浮遊感がある。
内橋と一緒にそんなものを作ってみようかという気になってきた。

--------------------------巻上スケジュール-------------------------------------
●12月22日(土)
クチノハ・クリスマス はみだした声の聖夜
Lauren Newton、巻上公一 デュオ
ゲスト 室伏鴻(舞踏)、石川高(笙)

前売り 3,000円 当日 3,500円 学生 1,800円
OPEN 17:30 START 18:00 
場所:お茶の水OCCビル・8Fホール 03-3296-1001
千代田区神田駿河台2-1 OCC北館8階
チケット office@makigami.com
http://www.makigami.com/kuchicri.html
rockjazz.com

●12月23日(日)
エアジン
Lauren Newton、巻上公一 デュオ
http://www.angel.ne.jp/~air-gin/Jazz/index.html
横浜市中区住吉町5-60  tel/Fax.045-641-9191

●12月26日(水)
亀山 月の庭
Lauren Newton、巻上公一 デュオ
http://csx.jp/~tukinoniwa/top/top.html
三重県亀山市西町438 TEL 05958-2-0252


●12月27日(木)
磔磔
Lauren Newton、巻上公一 デュオ
http://live.co.jp/~tommy/BEPOSI/takutaku/ 
京都市下京区富小路仏光寺下ル  電話075-351-1321

●12月30日(日) John Zorns Cobra2001
巻上公一部隊
秋元 カヲル ギター
太田恵資 ヴァイオリン
梅津和時 サックス
江崎将史 トランペット
佐藤正治 ドラムス、パーカッション
冷水ひとみ キーボード
JINMO  ギター
田中悠美子 義太夫、太棹三味線
津山篤 ヴォーカル、他
西田ひろみ ヴァイオリン
松前公高 シンセサイザー、サンプラー
水谷浩章 ベース
ほか
渋谷ラママ
http://la.mama.gr.jp/

----------------------------------ニューアルバム--------------------------------
1.エキアタル・レコード創設 自分のレーベルを作りました。
 第一弾はオンダール・モングンオールの『虹のホーメイ』EKI-1101 2500円
 かなり深い味わいのアルバムです。ホーメイファンにはたまらないアルバムになったと
 自負しています。
 http://www.makigami.com/ekiattar/

2.イノヤマランドなどを出しているクレセントからは、
 トゥバ・アンサンブル『エスケ チェル 異郷の地にて』10月21日発売 2800円
 
3.キングレコードから10月30日発売で巻上公一プロデュースによる 
ワールドミュージックライブラリー「アルタイのカイ」
ポロット・バイルシェフ『秘密の夢 英雄叙事詩の世界』 KICC5301 2800円  

4.そして同じくキングから「トゥバのホーメイ」、
 ユジュム『ウルテムチェイ ホーメイの天地」KICC5302 2800円が発売。

5.TZADIKからは、ヒカシュー『HIKASHU HISTORY』10月17日発売 2100円
 77年の音源から93年のライブまでレア音源の嵐

6.スイスのINTAKTからは『DAVID MOSS VOCAL VILLEGE PROJECT』が発売。
 1997年のチューリッヒでのライブ。2500円
 巻上、Phil Minton、Catherine Jauniauxらが参加

1から6すべて通販受け付けます。
http://www.makigami.com/1714.htm

----------------------------------情報いろいろ------------------------------------
●YBS RADIOで特別番組「巻上公一の極楽声帯紀行」を制作しました 
 山梨放送YBSで12月30日午後6時から約1時間放送されます。
 山梨近郊の方、聴いてみてください。AM765
 面白い音源たくさんかけました。 

●「猿女」のCD予約受付中
 日本舞踊界の重鎮 花柳寿南海さんの舞踊に感銘を受けた漫画家 美内すずえさんが書
 き下ろし、花柳寿南海さんに捧げた脚本に、作曲家 佐野芳彦さんが新しいオラトリオ
 として作り上げた作品です。
 声と口琴で巻上が参加しました。詳細は下のURLで 
http://www.makigami.com/sarume.html 

●3月はドレスデンのリュートフェスティバルへ
 トルステンがぼくの声と薩摩琵琶、笙、クラリネットなどで曲を作りました。

●4月はベルギーのブルージュに声のワークショップの講師で行くことになりました。
 新しくできたインスティチュート・オブ・リビングヴォイスという団体の招聘です。
 ここで何名か選び、9月にイタリアのベネトンのでファブリカ文化センターで
 2回目のワークショップとコラボレーションを行い、オーストリアのシュバルツで
 コンサートをする計画です。うまくいけばかなり大きな仕事になりそうです。

●来年トゥバ音楽、アルタイ音楽などのコンサートを企画したい自治体等の方ご相談に乗ります。

******************************************************************************
●いばびとばさんとLoroさんが拙ソロCD「殺しのブルース」と「民族の祭典」の再発
 運動をしてくれています。詳しくは
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Stage/9571/

●マキブリでは新規読者を常時募集しています。 是非、お友達にご紹介ください。
 スケジュール転載可です。宣伝にご協力ください。

●はなうた掲示板 気軽にお書きください。
http://www.makigami.com/BBS/
マキブリの掲示板  マキブリのことお書きください。
http://bbs.melma.com/cgi-bin/forum/m00003155/

●マキブリのスタッフ、スポンサーになりませんか? 連絡は、
office@makigami.com まで。。

●突然マキブリが送られて困っている方はいつでも解除できます。


*******************************************************************************
登録・解除は、
http://www.makigami.com/から
登録・解除 バックナンバーはこちらで読めます。http://www.melma.com/mag/55/
m00003155/a00000001.html創刊号のみこちらです。
http://www.makigami.com/maki-bri.html/
このメルマガは、melmaとまぐまぐから発行されています。

===============================================================================

不定期刊行
編集・発行人 巻上公一
巻上公一の『音楽なら極楽』ホームページ
http://www.makigami.com/
office@makigami.com
makigami@st.rim.or.jp
===============================================================================

※このメールマガジンの無断転載・複写を禁止します。(C)COPYRIGHT 2001 KOICHI 
MAKIGAMI/ ALL RIGHTS RESERVED 



規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2000-02-26  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
Score!: 98 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。