日記・blog

マキブリ

マキブリ(MAKIGAMI BRICOLAGE の略)は、ヒカシューの巻上公一によるメールマガジンです。豊富な音楽経験による不思議声帯的エッセイ、イベント、CD、口琴、ホーメイ情報を満載。

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maki-bri

2000/03/05

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マキブリMAKIGAMI BRICOLAGE
創刊2号              2000年3月5日
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目次

口上
スケジュール
声帯エッセイ「寝ながら歌を歌う」巻上公一
音楽NY通信■■加藤英樹「マイク・パットン」
------------------------口上-----------------------------
みなさん、こんにちは。
湯河原幕山梅林は梅が見ごろです。
土日は、山の岩肌でロッククライミングをしていたり、
梅との取り合わせが不思議な光景です。
その間をメジロが駆け抜けます。

今回からクイックインカムあるあるネットからの配信になりました。

---------------------スケジュール--------------------------
3月8日(水) 午後8時 新宿ピットイン ベツニ・ナンモ・クレズマー

3月12日(日) 午後7時30分 吉祥寺 Star Pine's Cafe 
        Tel: 0422-23-2251
                        WORLD HIKASU MODE 21
        出演 ヒカシュー、イノヤマランド

3月15日 函館芸術ホール 詩のボクシング
                 TEL.0138-52-1185(担当:木村)
                 日本朗読ボクシング協会(TEL.042-345-0845)

3月18日 午後5時 神楽坂セッションハウス・ガーデン
      03-3266-0461
      「ソフィアの正体」シンポジウム、ビデオ上映。
      ビデオ「シティ・アーカイブ」「ソフィア3」
                 料金2500円 学生1500円
      問合せ0465-63-0578

3月22日 札幌大学卒業式 立花泰彦、太田惠資、巻上公一
      夜もライブ予定あり。

4月25-30日演劇『エジプトロジー〜ぼくの頭は大トンカチだった」
      阿佐ケ谷ザムザ
      http://www.st.rim.or.jp/~makigami/rf.html
-----------------------声帯エッセイ-------------------------
「寝ながら歌を歌う」 

寝ながら歌を歌ったことがあるだろうか。

1998年、藤井貞和の詩、高橋悠治作曲の「寝物語」で、ぼくは寝ながら歌
を歌った。これは指揮者の田中信昭氏が中心となってやっている組織「新し
い歌を創る会」の委嘱作品として作られた。

フィリピンのパラワン島の叙事詩「クダマン」は、横たわったシャーマンが
ほとんど1音で朗唱する。そして時々、登場人物に結びついたメロディー
の動きがある。高橋悠治は、藤井貞和の子供が病気で寝ている詩「寝物語」
を読んで、作曲にクダマンの方法を使用した。歌い手が横たわっている横に
は箏奏者(高田和子)がいて、箏が病気の子供の声を聞きだす役割を担って
いく。

初演はサントリーホール小ホールで、他の作品がピアノをバックに歌う大き
なスカートを穿いたベルカントだったので、この作品は実に異色だった。し
かし、寝ながら歌うというのは、唾液が比較的多いぼくにとって、けっこう
大変だった。なぜなら時々鼻の方に逆流してむせてしまいそうになるのだ。
それに病気の子供の声の大きさというのがなかなかむずかしい。病気の気分
でかすかに歌えば詩が聞こえないし、頑張りすぎると元気すぎておかしい。
力の入れ具合に相当な工夫がいる。
普通、寝ながら歌うというと、なんだか気楽そうだが、それを人に発表する
というのは、思い掛けない試練があるものだ。

さて、その「寝物語」を再演するというので、世田谷パブリックシアターに
出かけた。箏は初演と同じ高田和子、歌は西岡茂樹。ちょっと痩せ型の西岡
さんは、暗い中高田さんに手を引かれながら出てくるところは、すこーしふ
くよかなぼくより合っているなと思った。

でも歌いはじめると、どうしてもお腹から声が出てしまう。西岡さんは新し
い歌を創る会関西支部のリーダー的な人だから、たぶん見事な声を持ってい
るのだろう。それがどうもわかってしまう。それにけっこう歌になっている。
ぼくはこれをあまり歌にすると詩がこちらに届かないのではないかと思う。
声質が均一というのも考えさせられる。音程の取り方もぼくと違うようだ。
なにしろこの歌は普通とは違うものを要求してくるから大変だ。可笑しくて、
悲しくて、飄々としている。藤井さんの佇まいのような歌なのだ。

観ていると自分が初演しただけにいろんなことがわかってくる。自分にはう
まくできなかったところをどうやるのだろうかとか、熱心に見入った。

終わると大きな拍手が起こった。この曲はやはり素晴らしい。何かとてもう
まくいっている。悠治さんもお気に入りの曲に違いない。

新しい歌を創る会の面白い所は、ここで作られた歌を各支部が自分たちで上
演するところだ。今日観た以外にも各地で「寝物語」やられているなんて、
本当に不思議な感じがする。もっといろんな人のいろんなやり方を聴いてみ
たいものだ。

休憩をはさんで、藤井貞和、高橋悠治の新作「スイジャクオペラ《泥の海》」
という大作が上演された。これは儀式的な作品で、石井かほるさんの振付も
あり、構成が大変興味深かったが、途中で風邪のためにかなり熱が出てきた
ので、冷静な判断ができるような鑑賞ができなかった。

2000年2月13日 15:30  世田谷パブリックシアター

巻上公一

■■音楽NY通信■■加藤英樹■■
<2000年2月24日 ニッティング・ファクトリーにて>

マイク・パットン、マーク・リボー、加藤英樹、シム・ケインの顔合わせで
即興ライブ。
マイクはフェイス・ノー・モアやミスター・バングルのボーカリスト。
ギグの前日にマイクから留守伝があり、「連絡をくれ」とのこと。
お互い初対面だが、当日、顔を合わせた瞬間から「とにかく楽しくやろう」
と盛り上がる。

11時30開演予定だが、観客が全員入るのに1時間も待つことになる。
楽屋でバイオリンのエイブン・カンとプロデユーサーの恩田晃に久しぶりで
再会。
シムは、ウイスキーのボトルを手にしながら、「おまえと一緒に合わせてい
くから」という。

本番が始まるとまずは音が8ビートに収束していく。
演奏が進むにしたがって、お互いの動きを聞くことへの緊張感が高まってき
た。
マイクが僕に向かって「行け!」と叫んでくる。
リボーがちゃんと、僕のために空間が開けてくれた。
シムをマイクがあおっている。
マイクがステージに向かって綺麗に唾を吐いた。

午前2時。演奏が終わるとマイクは大急ぎで、後片づけ。
これからツアーでヴァージニアに向かうという。

ライブの後で「エモーショナル・インテリジェンス 」という言葉を思いだ
した。
言語ではなく感情をつかってコミュニケーションをマネージメントする能力。
マイクはこの才能にとても優れている人だ。

加藤英樹

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編集後記

ニューヨークでは、突然電話がかかってきて、すぐにライブ。
加藤さん活躍してますね。
*
もうすぐ久しぶりのヒカシューライブです。
どうぞお誘い合わせの上お出かけください。
*
音楽配信が遅れています。でもあと一息。
どうやら現場は大変なようです。
*
是非、お知り合いにマキブリご紹介ください。

巻上公一


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