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歌お!かねひろマガジン

みんなのうた「象だゾウ」の作者、かねこひろゆきの音楽エッセイ。

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歌お!かねひろマガジン268[飯島真理さんの話]

2011/04/23

ご無沙汰しております。みなさん、お元気でしょうか。
震災がありました。信じられない規模の悲劇に、言葉を失いました。
私は練馬の自宅にいました。なべやら、たらいやら、洗面器やらが
ドンガラガッシャーンと転げ落ちました。
あの日から、日本はその様相を一変してしまったように思います。

とりあえず、自分のやれることをコツコツやるしかないので
メルマガを書いてみるのでした。
これだって、ほんの少しでも楽しみに待っている人がいるのですから。

という訳で、長い長いインターバルですっかり忘れたでしょうが、
前回「飯島真理さんの思い出を書く」と予告しました。

さて、どこから話せばいいものやら。
「飯島真理ってどなたですか?」
そうですね。知らない人も今となっては多そうです。

あれは、年末のことでした。
いらないものを処分しようと整理していたところ、古いカセットテープ
がごっそり出て来たのです。
その中に「MARI  IIJIMA」と書かれたテープがありました。
「なんだっけ?」
試しにかけてみると、流れ出したのは
「愛・おぼえていますか」でした。
ああ!こ、これは!一気に様々な記憶がフラッシュバック。
まさに、超時空!

彼女との出会いは、1982年のアニメ「超時空要塞マクロス」でした。
リン・ミンメイ。それが、彼女の役名で、中華料理屋の看板娘。
ところが、オーディションをきっかけに、突然アイドルに!
というシンデレラストーリーが展開されるのですが、マクロスは
アイドルアニメに非ず。ロボットアニメなのでした。

マクロスはあらゆる意味で画期的なアニメでありました。
まず、メインスタッフに当時素人同然とも思える若手を起用した事。
その結果、今まで誰も見た事の無い映像が続出する事になった反面、
凝り過ぎた作画がスケジュールの遅延を招き、前代未聞の動かない
アニメ「11話事件」が起きたりもしたのです。

その中で「リン・ミンメイ」人気は一気に燃え上がり、
飯島真理さんも超人気者になってゆくのでした。

さて、ここでクイズです。
リン・ミンメイのデビュー曲のタイトルは?

はい、その通り!
「私の彼はパイロット」ですね。

では、飯島真理さんのデビュー曲は何でしょうか?
え〜と……。

これが驚いたことにハッキリしないのです。
初シングルは、NHKのアニメ「スプーンおばさん」の
テーマソングなのですが、これはデビュー前のアルバイト
という位置付けの仕事だったらしい。

そしてミンメイソングの「私の彼は〜」ですが、
この曲は元々「商品」として作られた曲ではなく、
あくまでもマクロス内でミンメイが歌うシーン用に
作られたBGMの一種で、長さも30秒ほどしかありません。
したがって、シングル化もされませんでした。

では彼女のオリジナルソングの初シングルは?
調べてみると(ネットは便利)
「きっと言える」が1枚目のシングルのようです。
しかし、公式プロフィールにはアルバム「Rose」でデビュー、
とされていて、「きっと言える」がデビュー曲とはどこにも
書かれていません。

デビュー曲不詳、というのもおかしな話なので、
3曲のデビュー曲がある、と考えるべきなのかも知れません。

私は当時、熱烈な飯島真理ファンという訳でもなく、
かと言って、ミンメイ命!というほどの思い入れもなかった。
ただ、伸びやかでしなやかな彼女の歌声が好きでした。

でも、今そのテープを聞き返してみると
やるせない、切ない、メランコリックな思いが胸にあふれる。
なんだろう?これは。

う〜む。

思い起こしてみると、リン・ミンメイというキャラクターは
マクロスが始まる前に、アニメージュのイラストで見ていたような
気がする。

キャラクターデザインは美樹本晴彦氏。
繊細な絵柄はまるで少女漫画のよう。
「こんなデザインで動かせるの?」とアニメファンは心配した。

実際、無理だったらしく、絵柄はグズグズに崩れて、
オリジナルの繊細なタッチは見る影もなかった。

この悲惨な作画に命を吹き込んだのが飯島真理さんの声だった。
まさに奇跡の出会い!

誰?飯島真理?新人声優さんかな?
などと思っていると、アニメージュにインタビューやら
写真やらが掲載されはじめた。

「ミンメイの新曲の振り付けは、私が考えたんですよー」
などという記事といっしょに、振り付けの連続写真が
掲載されたりもした。

そうこうするうちに、アルバムが出るという話で、
その中には「坂本龍一の秘蔵ッ子として」などという記述もあり
へえ!そうなんだーと思いつつも、この時点ではまだ飯島真理の
オリジナルソングは1曲も聞いたことがなかったのでした。

だから、デビュー盤は買おうか、買うまいか、迷った挙げ句
結局買わずじまい。飯島さん、申し訳ない。

さて、
テレビ版のマクロスは終盤に向けて、盛り上がりつつも
クオリティは玉石混淆もいいところで、しかもだんだん、
「玉」よりも「石」の比率が増してゆく。
それは作画のみならず、脚本からして支離滅裂となって
「ミンメイは何を考えているのかわからん子」という印象を
与えるようになってしまった。

華々しく始まった「超時空要塞マクロス」であったが、
結局失速したまま終わってしまった。

では失敗作だったのか?と人は思うであろう。
ところがどっこい、このアニメの本来の目的であるところの
おもちゃは大ヒットを記録したのだ。
パーツの差し替えなしで、戦闘機からロボットへの変形が可能
な完全変形バルキリーは売れに売れた。

プラモも売れた。

その結果、何が起きたか?
そう、劇場版が作られることになったのだ。
タイトルは「超時空要塞マクロス〜愛・おぼえていますか〜」

続きは次号を待て!

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創刊日:2001-02-18  
最終発行日:  
発行周期:週刊  
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