音楽

歌お!かねひろマガジン

みんなのうた「象だゾウ」の作者、かねこひろゆきの音楽エッセイ。

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歌お!かねひろマガジン266[ミュージカルは変? ]

2010/12/31

さようなら2010年。
もうすぐだね、2011年。

まだまだやらねばならぬ事が多いのであるが、
ちょっと一休み。
メルマガを書いて、遊ぶのだ。

ワーイ!ワーイ!

さて、みなさん。
ミュージカルはお好きですか?
どうもタモリさんはお嫌いみたいです。
「わざとらしさがいや」という事らしいのです。

どう思います?

たしかに、コンビニの店員が、
いらっ〜しゃい〜ま〜せ〜♪
と歌で迎えてくれたりしたら、ギョッとするに違いない。
まわれ右して、別のコンビニへ行きたくなるだろう。

しかし、それがミュージカルの1場面であるならば
「あり」ではないのか。
どうなんです、タモリさん!

などと思っていた私であったが、
昨年DVDで「ドリーム・ガールズ」を見た私は
ちょっとした衝撃を味わった事を、白状せねばなるまい。

この映画は、女性3人のコーラスグループのサクセスストーリー
である、というのは知っていた。
だが、ミュージカルだとは知らなかった。
ミュージシャンが曲を演奏するのは当然だし、
しばらくは普通の映画として見ていた。
ところが、途中で突然登場人物が自分の心情を
歌い出したのである。

「なんだこいつ!歌で話すやつなんていねーよ」と私は思った。
しかし、次の瞬間「ハッ!」と気付いたのだ。
そうか!これはミュージカルだったんだ!

そして、ミュージカルと気付く前に味わった違和感こそ
タモリさんが言う「わざとらしさ」なのではないか?
と悟ったのでした。

なるほど!

では、この違和感はなぜ発生するのか?
会話から歌へと唐突につながってゆく点に問題がある。
そう断じて良いだろう。

ではこの違和感を払拭するにはどうすれば良いか?
1つの方法は、全編を歌にしてしまうことだ。
会話も何もかも、すべてが歌!

確かに、「会話から歌」の違和感は無くなるが、
歌でしか話せない国に迷い込んだような、落ち着きの無さが
あることは否めない。

そもそも西洋には、オペラがある。
あれもまた、丸ごと歌の世界だ。
全部を歌にした場合、今度は劇中で歌を歌う、
という表現がむずかしくなってしまう。

さあ、これから歌いますよ〜(というセリフがすでに歌)
わたし〜はあなた〜を〜(ここからが劇中歌)

あーややこしい。

「ニュールンベルグのマイスタージンガー」でこの問題
に直面したワーグナーは、劇中歌はもったいをつけ、
ことさら朗々と響かせるように歌わせて、地のセリフ歌と
区別している。

ところで、ここまで問題にしていた「違和感」とはちょっと
違うかも知れないが、ミュージカンルではない映画の中に
唐突に歌が入って来るスタイルが、かつての日本映画にはあった。

それは昭和30〜40年代の作品に多く見られたもので、
時代劇で登場人物が、弥次喜多よろしく旅に出たりすると
どこからともなく、「ひゃかぽこ、ひゃかぽこ……」
とおかしげなイントロが聞こえて来て、
「旅〜は、道連れ〜、日本晴れ〜」みたいな
どうでもいい歌をうれしそうに歌いだすのだ。

私はあの歌が苦手であった。
とてつもなくはずかしい気持ちで一杯になるのだ。
今でも謎だが、あの演出は何だったのだろう。

そして逆にドラマと歌が違和感無くなじんでいた作品も
あったと気付くのだ。
それは「ひょっこりひょうたん島」である。
これは人形劇で、登場キャラクター全員が歌う。
ミュージカルのようなしっかり作り込まれた歌ではなく、
その場で思いついたような、かなり適当な歌であった。
しかし、物語の流れの中に無理無く入っていて
特に「違和感」を感じなかった。

このスタイルの人形劇はその後も製作されてゆき、
それにつれて音楽のクオリティも上がって行った。
その最高傑作は「プリンプリン物語」ではないかと思う。
もっとこの作品は評価されてしかるべきだ!
とこの機会に述べておこう。

人形劇のように、生身の役者ではないキャラクターを
使えば、ミュージカル特有の違和感はかなり抑える事が
できるようだ。

それはディズニーの一連の作品を見れば明らかだろう。
だからタモリさんには、「リトル・マーメイド」あたりを
オススメする次第であります。
あれなら、楽しめるのではないか?

やや!もう年が明けてしまう。
さらばじゃ。
よい年を!

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創刊日:2001-02-18  
最終発行日:  
発行周期:週刊  
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