音楽

歌お!かねひろマガジン

みんなのうた「象だゾウ」の作者、かねこひろゆきの音楽エッセイ。

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歌お!かねひろマガジン260[儲からない話]

2010/06/13

ご無沙汰しております。
みなさん、ご無事でしょうか。

さて、
今回は「儲からない話」をしようと思う。
それは何かと言うと、手作り楽器の販売について、
なのであった。

売れないならば、儲からないのは当然である。
が、当店は月に一度とは言え、結構売れているのだ。
売れない月もあるが、
毎月、楽器を作り足さねばならないのであるから
長い目で見れば、作った楽器は完売していることになる。

なのに、まったく儲からない。
なぜだ。

多分、安く売りすぎているのだ。

原材料費を仮に500円としよう。
これをいくらで売ると儲かるのだろうか。

極端な話、501円で売れば、1円の利益が出るはずだ。
しかし、出店には出店料というものがかかるから、
1円の利益では、当然赤字になる。

では、1000円で売ればどうか?
これなら500円の利益が出る。

この価格で沢山売れれば、出店料はペイできるだろう。
しかし利益と原価がほぼ同じ、ということは
次回の材料を買えば1円も残らない。

これでもまだ、赤字なのであった。

ならば、1500円で売ればいいのではないか?

500円で6個作れば、原価3000円。
売価1500円だと、3個からが利益になる。

3個売れたとすると、
4500円ー3000円=1500円の利益。
売れた分を次回、補充するための仕入れ価格は
500円×3個=1500円

なんと!儲かったはずなのに、
またまた利益が消えている。

いやいや、売れ残った楽器が3個あるではないか!
とあなたは指摘するかも知れない。

次回も3個売れるとしよう。

売り上げ4500円に対して、
原価は1500円になるので、利益は3000円になる。

ここから、次回補充の3個分の原価を引くと
1500円が残る。

儲かったか?
いやいや、いつの間にか出店料を忘れていた。

2ヶ月がかりで利益が出るということは、
ここにかかる出店料は2倍になるということである。

やはり赤字だ。

では、まだ安すぎるのだ。
原価の4倍が妥当なのか?

ところが、どっこい。
2000円では、まず売れない。
お客様の大多数が「高い」と判断する価格になってしまうからだ。

そこで、目下楽器販売を継続すべきや否や、真剣に悩み中なのだ。
冷静に考えるならば、撤退すべきなのだろう。
このやり方では、永遠に利益は出ない。

実はもっとも大きな問題は、製造にかかる時間と手間だ。
どんな楽器でも1から作ると、1個1時間ではとてもできない。
最速3時間で仕上げるとしても、1日3個がやっとだ。
そして、その対価として手に入る金額は、1000円にも満たないのだ。

虚しい。
どう考えてもこれは「仕事」と呼べるシロモノではない。

原価をこれ以上下げるのは無理だ。
人件費を無料にしているのだから。

今後、大幅な値上げに踏み切るかも知れない。
値上げか?撤退か?
安い価格で楽器が買えるのは、今月が最後かもよ?

ではでは、みなさん、ごきげんよう。

次回は「あの人の声が好き!」を予定しているぜよ!

★6月19日(土)
 イーアスつくば ワークショップ

★6月20日(日)9:00〜16:00雑司ヶ谷 大鳥神社境内
 「手創り市」にて手作り楽器を細々と販売します。

 詳しくは主催者ホームページをご覧下さい。
 http://www.tezukuriichi.com/index.html

■ブログ『手作り楽器でワオ!』
http://kanehiro3.at.webry.info/

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創刊日:2001-02-18  
最終発行日:  
発行周期:週刊  
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  • 名無しさん2010/06/13

    いつもながら、文章が簡潔で、とっても面白かったです。しかし、内容はよく考えるとシリアスですね。