音楽

歌お!かねひろマガジン

みんなのうた「象だゾウ」の作者、かねこひろゆきの音楽エッセイ。

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歌お!かねひろマガジン256[タダコン探訪記1]

2009/12/01

こんにちは。
かねひろです。

世間はもう12月って、ほんと?
恐ろしいことだ。

もっとゆっくりできぬものか。

◆新企画第三弾「タダコン探訪記」

タダコンとは何か?
それはタダ(無料)で聞けるコンサートのことである。
つまり、この新企画は、タダでコンサートを聞いてきて
あーだ、こーだ、言ってみよう、という趣向なのだ。

さあ、みなさん!聞きに行こう!
と、誘っているわけではない。
「聞いてきたよん」と一方的に報告するだけだ。

仕事がない時は、お金はないがヒマはあるので
せめて心だけでもケアしようと
タダコンを聞きに行くのである。

ところで、タダのコンサートにもいろいろな形態がある。
博物館の中で開かれているものもあるが、
その場合は入場料が必要になるので、「タダコン」とは言えぬ。

同様に、喫茶店やらバーやらで「ミュージックチャージフリー」
というパターンも「タダコン」ではない。
飲食代が発生してしまう。

また、ストリートミュージシャンも除外する。
彼らは、本来
投げ銭が必要な「有料コンサート」であるはずだから。

前置きはこれくらいにして、早速はじめよう。

第一回目のタダコンは〜〜〜?
時は平成21年11月18日(水)、午後0時15分〜45分。
会場は練馬区役所、本庁舎入り口のアトリウム。

いざいざ!まいる!

近所と思って油断した。
駆けつけた時には、コンサート開始時刻を5分過ぎていた。
演奏は始まっている。
クラシックピアノだ。
椅子が120席用意してあるが、満員!
立ち見の人数も2〜30人はいるだろう。

それにしても、なんという広大なホールだろうか。
120個の椅子を並べても、余裕がありまくり!
楽器はグランドピアノ1台だが、ホール全体に響きが行き渡り
さながら音の雨がふりそそいでいるかのようだ。

「どうぞ」すっとプログラムが差し出された。
「あ、ありがとうございます」
受け取ってみると、淡いグリーンの厚紙に単色ながら
両面印刷されている。
立派なプログラムだ。
「第155回 アトリウムミニコンサート♪」
そんなに続いているのか!と驚く。

このプログラムのおかげで、
1曲目がエルガーの「愛の挨拶」であったと
ここに記すことができる。

曲が終わり、拍手が響く。
ピアニストは立ち上がると、ハンドマイクを手にした。
「ありがとうございます」
彼女が今回の演奏者、黒田紀子さん。
プロフィールによると、東京芸術大学を出ている方らしい。
白いロングドレス、小柄な方だ。

「次はショパンのワルツを3曲続けて演奏したいと思います」
ほほう!と私はうなった。
演奏者自らが言葉を発するのは、クラシックコンサートでは
滅多にないことだからだ。

曲目だけではなく、それぞれの曲について説明があり
聴衆はふむふむと熱心に頷いている。

説明が終わると、彼女はマイクをピアノの中に置いた。
ややっ!あのまま弾いたら、マイクがハウるのでは?
と思ったが、そんなことはなかった。

私はハッとした。
どこかにPA担当者がいて、マイクを切ったのだ。
なかなかではないか。うむむ。

ワルツ第七番 嬰ハ短調
子犬のワルツ
華麗なる大円舞曲

演奏は進む。どれも非常にポピュラーな曲で
客席に「あ、これ知ってるわ!」的な空気が流れる。

演奏は端正で、曲の良さを前面に押し出して
余計な色はつけない。磨かれた音である。
繊細なだけではなく、「大円舞曲」では力強さも
充分に表現されていて、
生ピアノの醍醐味を堪能できた。

「最後の曲は、ラフマニノフの曲です」
なんでも、ラフマニノフはとても手の大きい人で
「1オクターブ半、ドからソまで届いたそうです」

そんな手の大きな人が書いた曲をどうして、
手の小さい彼女が弾けるのだろう?
疑問に思ったが、その点に関しては何の説明も無かった。

曲が始まった。

ソナタ第二番 変ロ短調 作品36より第二、三楽章

ショパンとは一転して、気迫の演奏だ。
本気と書いて「マジ」と読むぜ、の勢い。
聴衆も圧倒されている。

だが、席を立つ人はいない。
いや、立てないのだ。

音楽の魔力によって、ここ練馬区役所は
異世界へと変貌したのである!
うそだと思うなら、「ラフマニノフ」と
3回続けて言ってみたまえ!

というような、熱演が終わると
大きな拍手が沸き起こったのであった。
パチパチパチパチ……

プログラム記載の曲はすべて終了。
でもちょっと、あとちょっと聞きたいなーと
おそらく誰もが思ったはず。

すると
「もう1曲だけ」と言って彼女はピアノに向かった。

おおっ!なんというサービス精神であろう。
しかも曲は「君といつまでも」
加山雄三の曲なのである。

これはアッサリとした編曲で、2分ほどの演奏だった。

再び盛大な拍手。
そして、市役所の担当職員とおぼしき男性が今後の
スケジュールを読み上げ、コンサートは終了した。

ピッタリ30分。さすがお役所だ。

練馬区に限らず、区役所などの公共施設は
タダコンポイントとして要注目だ。

今回はここまで。

次回は新企画第四弾「音楽シネマ館」をお届けします。
お楽しみに!

◆日記を引っ越しました。

今までの「かねひろ日記」は
こちら↓でした。
http://www.diary.ne.jp/user/44628/

が、このたびso-netさんのblogに引っ越したのでした。
↓ここです
http://kanehiro3.blog.so-net.ne.jp/

とりあえず、11月分の記事は全部、新blogに転載したので
さるさるとの違いをご確認下さい。

■ブログ『手作り楽器でワオ!』
http://kanehiro3.at.webry.info/

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創刊日:2001-02-18  
最終発行日:  
発行周期:週刊  
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