音楽

歌お!かねひろマガジン

みんなのうた「象だゾウ」の作者、かねこひろゆきの音楽エッセイ。

全て表示する >

歌お!かねひろマガジン182[長い歌は苦手]

2006/06/09

================================================================
   
歌お!かねひろマガジン182[長い歌は苦手]

================================================================
お元気ですか?かねひろです。

コンサートで子供達に「元気?」と聞くと全員が
「げんきー」と答える。
だが、「疲れてる人〜」と聞くと
「はーい!」と結構な人数の手が上がるのであった。
どっちなんだい?と大人は思う。
だがどっちも本当なのだ。
子供って面白い。

◆長い歌は苦手

歌は短い方が良い、というのが持論である。
テレビで使用される場合10秒から30秒が多いので、長く作っても
「使いづらいなあ」と言われるだけなのである。

そういう事情は別にしても、やはり歌は短い方が好ましい。
たとえば、コンサートで歌う場合。
歌い出した途端「ありゃ、この曲は受けないや」とわかってしまう事がある。
途中でやめるのも変だ。
だが、フルコーラス歌っても2分程度ならばすぐに次の曲に移れるではないか。
これが4分もあった日には、客席の空気はとことん冷えてしまうであろう。
それで良いのか?と私は問いたい。

「それで良いのだ」と答えた人は音楽に生活がかかっていないか、
バカボンのパパだけだろう。

私は音楽を生業(なりわい)とするモノであるゆえ、客席の反応が命なのである。
文字通り命がけである。受けないと生活が破綻してしまう。
つまり次の仕事が消えてなくなるのだ。

ステージに立つアーチストは歌うのが好きな人が多かろう。
そのような人はいつまでもいつまでも歌っていたいのだ。
自分の持ち時間を超過してしまう人が多いことからもそれは明らか。
彼らの多くは放っておけば何万年でも歌い続けるであろう。
ゆえに彼らの作る歌は長くなるのだ。
2分くらいでは歌った気がしないのだ。

それは大酒呑みが「ビールなんて酒じゃねえや!」と言うのと同じだ。
「2分なんて歌じゃねえ、そんなものイントロにもなりゃしねえぜ」と
言うわけである。ちょっとガラ悪くなったが他意はない。

その言い分は多少なりとわかる気がする。
だが、しかし聞き手の身にも少しは心を配ってほしいのである。
極論すれば、アーチストの気分なんぞ、どうだっていい。
聞き手が満足できるかどうかが重要であり、それが達成されないなら
演奏などしない方がなんぼかマシである。

私は観客として幾多のライブを見てきたが、
「もうこの曲はわかったよ、早く終わってくれー」
と思ってしまう事がよくあった。
長い歌には二つのパターンがある。

1つは1コーラスが長い歌。
果てしなく聞かされて「おっとここまでが1コーラスかよ」と愕然と
する。そして、2回目のイントロがはじまり2コーラス目に突入する。
「ええっ?また同じサイズを繰り返す気か?まさかね〜」と思う。
だが大抵その「まさか」なのである。
聞き手(私だが)は息もタエダエになる。

もう1つは同じフレーズ(主にサビ)の繰り返しが多い曲だ。
どんなに思い入れが深いフレーズなのか知らないが、
これでもか、これでもか、これでもか、これでもか、と繰り返されると
こちら(これも私だが)は呪いでもかけられているように思え、
仕舞には泣きそうになる。いや、泣いちゃったかも知れん。

歌を作っている人は2分というサイズを「短すぎる」と思うかもしれない。
だが決してそんな事はない。
ビートルズの「イエスタディ」はフルコーラスがほぼ2分しかない。
スローなバラードで2分なのである。
その長さで永遠に残る名曲が作れるのだ。
ビートルズにできてあなたにできない事があるだろうか?
同じ人間ではないか!

そもそも人類にとって丁度良い歌の長さとはどれくらいであろうか。
2分が短いと言うのなら3分ではどうか。4分では?
思い切って30分ではいかがか?
何?長すぎるとな?
よしわかった。すると最適な歌の長さは2分から30分の間のどこかに
ある!と結論付けてよかろう。

さて、どうしても曲が長くなってしまう人は次の点をチェックしてみよう。

1.イントロが長すぎないか?(4小節を超えたら切るべし)

2.サビに至るまでが長すぎないか?

3.繰り返しが多すぎないか?(本当に2番以降が必要か?)

これだけでかなりの短縮がはかれるはずである。
特に3番目は重要である。

我々は1コーラスの歌を書いたらすぐに
「さて、2番の歌詞はどうしよう」と考えてしまうのが常である。
だが、よーく考えてみよう。
どうして1番だけじゃダメなのか。
百歩譲って2番は必要だとしても、3番まではいらないのでは?
ましてや、4番5番12番など言語道断である。

童謡には1番だけの歌が多い。
たとえば「赤鼻のトナカイ」は1番しかない。
CDを聞くと、1番の後転調してインストでメロディを演奏、
調を戻してもう一度1番を繰り返して終わっている。
実質は1番だけだ。

「大きな栗の木の下で」は3番まであるが、歌われるのは1番だけ。
「げんこつやまのたぬきさん」も実は長大な曲だったりするが、歌われる
のはその冒頭部分のみ。
「こいのぼり」(やねよりーたかいー)も歌われるのは1番だけ。

秀逸な1番さえ存在すれば、それで歌としては充分生き残ってゆくので
ある。

逆に長いにもかかわらず生き残っている歌の方が少ないであろう。
ベートーベンの第九くらいか?(あれを歌と言っていいものならば)

とにかく、かねマガとしては「歌は短く、寿命は長く」をモットーに
皆様の歌が1秒でも短くまとまる事を祈念してやまないものであります。
よろしく!

次回のテーマは「コンサート作法」乞うご期待!

■一般向けストリートライブのお知らせ

亀戸サンストリート トイザらス前

6月11日(日) 14時〜16時 入場無料
雨天中止。リクエスト曲を中心に演奏します。

http://www.sunstreet.co.jp/

◆編集後記 ------------------------------------------------------

先祖がえりというか、只今原点回帰中である。
私の創作の原点は漱石である。
全部読み直すことにした。

それからSF。ヴォークトを今一度検証してみたい。
私はもともと文学畑の人間なのであった。
それがどうして童謡作家になっているのだろう。
人生は摩訶不思議であるな。

感想、大歓迎! kanehiro3@hotmail.com  へ送ってね。

◆かねひろのWeb Site [かねこランド]はこちら
http://www.os.rim.or.jp/~kanehiro/

**********************************************************
発行者:かねこひろゆき
*********************************************************

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-02-18  
最終発行日:  
発行周期:週刊  
Score!: - 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。