音楽

歌お!かねひろマガジン

みんなのうた「象だゾウ」の作者、かねこひろゆきの音楽エッセイ。

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歌お!かねひろマガジン172[中学生アカペラグループ]

2006/01/27

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歌お!かねひろマガジン172[中学生アカペラグループ]

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お元気ですか。
私は風邪対策をいろいろと実施中です。
歌を歌うというのは実は大変な重労働でして、
健康な体が必須なのであります。
そこでうがいはもちろん、
レバニラ炒めを食べたり、
鶏鍋を食べたり、
しょうが湯を飲んだり
青豆入り豆乳を飲んだり、
バナナを食べたり、と大忙しなのです。
一方、栄養のあるものを摂取すると肥満化が促進されるため、
夜9時を過ぎたら食べないように生活習慣を改めたりしています。

みなさんはどんな風邪の予防をしていますか?
かかってしまう前にブロックするのが大切です。

さてさて、かねマガです。よろしく。

◆中学生アカペラグループ

これは一年以上前の話。

私はとある商店街をぶらぶらと歩いていた。
すると、どこからともなく生演奏の音が聞こえて来たのだ。
「おや?こんなところでいったいなんだろう」
私は音のする方へと引き寄せられて行った。

すると商店がとぎれ、小さな空き地に出た。
そこには小さな仮設の舞台が作られていた。
その上では男性が一人、生ギターをかき鳴らしている。
フラメンコである。
そのギターに合わせて女性3人が踊っていた。
平均年齢は40歳くらいか。
うまいのか下手なのか私にはわからなかった。

ダンスが終わり、司会者が舞台そでから出てきた。
「ナントカ町フラメンコクラブの皆さんでしたー」
パラパラパラとまばらな観客が拍手した。

「さて、次はホニャララ中学の有志によるアカペラ演奏です!」

セーラー服の女の子がまず一人舞台に上がった。背が高い。
続いて、二人、三人と並んでゆく。合計5名。
最後に小学生かと見まごうばかりのかわいい男の子が出てきて、
ペコリとあたまを下げた。
学生服で、坊主頭。えなりかずきに似ている。

女の子5名は横一列に並んだ。その前にマイクスタンドが一本。
えなり君は彼女らから離れて立っている。その手にはいつの間にかマイク。
「えなり君がリードヴォーカル?」私は驚いた。

ところが歌い始めたのは中央の長身の女の子だった。
「ナンバーワンにならーなくてもーいいー」と歌い出す。
ああこれはSMAPの「世界で1つだけの花」ではないか。
彼女が「〜もともと特別な オンリーーワン〜」まで歌い切った時だ。
とつぜん、えなり君が「チキチキ、ブン!チキチキ、ブン!」と叫び出した。
どうやら彼はボイスパーカッション担当らしかった。
しかしそれはどう聞いても、力強く「チキチキ ブン」と言っているだけなのだ。

えなり君の「チキチキ ブン」に呼応するように、
先ほどまで沈黙していた残りの女の子4名が、「らーらららーららー」と
イントロのフレーズを歌いだした。
それは高低二部にパートが分かれていた。
ハモっているようで、どこかが微妙にずれている。

歌はAメロに突入した。
主旋の子が「花やのみせさきにー」と歌いだすと、他の4名は
「あーあー」とバックハーモニーにまわった。
おかしい。全然ハモっていない。
主旋の子の表情が険しくなった。
「もう!何やってんのよ!」という苛立ちが見て取れた。
ところが不協和音のハーモニー班はさらに焦っていた。
低音部の一人が他の音につられまいと声を張り上げた。
「私の音はこれ!これなのよ!」とぐいぐい突き進む。
高音部の二人もそれに対抗して声を張り上げる。
それぞれが「私は正しい!」と思っているらしかった。
そのためどこまでいっても彼女らはハモらないのだ。
不協和のまま音量が倍増したコーラスを背負った主旋の子は
「負けるもんかー」とばかりに大声で対抗した。

人は焦るとどんどんテンポアップしてゆく性質がある。
スローバラードのはずの「世界で1つだけの花」がミディアムテンポに
なり、さらに加速する勢いである。
すると驚いたのは、えなり君だ。
誰も彼もが「チキチキブン」を追い越してゆこうとする。
「遅れてはならじ!」彼は顔を真っ赤にして倍速で叫び出す。
「チキチキ ブン!チキチキ ブン!」

主旋の子はもはや目を閉じて「私だけでもしっかりしなくちゃ」と
コーラスから逃れるようにわが道をゆく。

どこまでもハモれないコーラス班はそれでも懸命に声を出す。

えなり君はひらすら「チキチキブン!」をがなりたてる。

これほど壮絶な「世界で1つだけの花」は始めてであった。
やがて、手に汗にぎる演奏にも終わりの時が来た。

全員が一礼すると司会者が舞台に上がって来た。
彼はえなり君の存在が非常に気になったらしく、
「君は何をやっていたの?」とあまりもアケスケに疑問をぶつけた。
「ぼ、ぼくは、ボイスパーカッションをやってます」
「えーと、それはいったい…」
「ドラムスを口でやるんです」
「ああ!あれはドラムの真似だったんですね」
えなり君は小さい声で「はい」と答えた。

彼ら(彼女ら)の演奏は1曲だけで終わりだった。
私はホッとした。
「終わってよかった」という安堵感に満たされつつ、
「ええのんか〜?これでええのんか〜?」とも思った。

あれから一年半、えなり君たちは上達しているだろうか?

次回は「一人編集会議」をお届けします。

◆編集後記 ------------------------------------------------------

前回捜索願いを出した、私に似ている(らしい)元保育園の先生歌手の情報は
1通も届きませんでした。やっぱりそうなのであるなあ。
100名以上の読者がいるが、読んでいる方は半分もいないのでは?
リアクションを起こすのは通常多くても1パーセント。
と、なると反響は年に1回1名からあれば良い方であると言えるでしょう。

果たしてこのメルマガはいつまで続くのか?
紙媒体の「時々かねひろ新聞」も創刊されたことであるし、両方は正直しんどい。
という訳で次回は今後のかねマガの動向を一人で考えるのだ。

感想、大歓迎! kanehiro3@hotmail.com  へ送ってね。

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http://www.os.rim.or.jp/~kanehiro/

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発行者:かねこひろゆき
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創刊日:2001-02-18  
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