政治・経済

一新塾ニュース〜今のニッポンを変えろ!

1994年に大前研一を創設者として開塾したネクストリーダー養成のNPO法人一新塾。社会起業家、政治家を目指す方、仕事をしながら市民プロジェクトを立ち上げたい方へ最先端の市民の知恵をお届けします。「あなたの市民力で社会を一新」しませんか?

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【一新塾ニュース】第471号:『療育から両育を広げて』

2011/12/30

 ■ 塾生活動レポート
            『療育から両育を広げて』

                     一新塾第27期本科 重光喬之

 ■一新塾第30期(5月開講)の「説明会&体験ワークショップ」予約スタート!
  → http://www.isshinjuku.com/03bosu/b2_sietumei.html

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 メルマガ読者の皆さま、こんにちは。一新塾の森嶋です。
 2010年11月に一新塾第27期に入塾された重光喬之さん。2011年2月に5名の
 一新塾の仲間と共に「療育は両育」プロジェクトを立ち上げました。
 チーム全員で現場に何度も足を運び、プロジェクトは着々と前進してきました。
 プロジェクトにかける熱き重光さんの思い、ぜひ、じっくりお読みください。

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■■■■  塾生活動レポート
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■■           『療育から両育を広げて』
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■■■■                     一新塾第27期本科
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■私がこのテーマに取り組むきっかけ

“療育は両育プロジェクト”一新塾27期の重光喬之(32歳)と申します。
30歳までIT企業に勤めつつ、曲作りやクラブでのライブ活動を行っていました。
20代半ばまでは、どちらかと言えば自分本位な日々を過ごし、反面、自己防衛
のため接する人全てに気を遣い、感情を抑えながら生きていました。仕事では、
特に目的意識も持たずパターン化して過ごし、人との付き合いも表面的なもの
でした。音楽イベントでは、収支や集客に目が行き「なぜ、スタッフは動いて
くれないのだろう」と感じていました。

そんな私ですが、バンドの相方に誘われ調布市内の知的障がい児者療育施設と
関わり13年になります。当初、私は“ボランティア≒偽善ぽい”という先入観
を持っていました。

ところが、この施設で知的障がい児と向き合ううち、障がいの有無に関わらず
人は各々さほど変わらず、私自身が“ボランティア”と“彼ら”に対し、無関
心や無理解からくるイメージに惑わされていたと気づきました。

知的障がい児者と向き合あったことは、「私の人生観」や「私の人との接し方」
の転換のきっかけになりました。彼らと試行錯誤しつつやりとりするうち、
他者との関わりにも積極的になり、人の成長に喜びを見出すようになり、なに
より人に関心が持てるようになりました。また、当プロジェクトの対象となる
療育施設の施設長との出会いも、私の人生観に幅をもたらしました。このことが、
私がこのテーマに取り組むきっかけとなりました。

■療育とは

私の考える療育とは、知的障がい児の自立への後押し・支援の取り組みのこと
をいいます。具体的には、彼らが社会の中で共生し、少しでも生き易いように、
基本的生活習慣の獲得から始まります。社会性を身に着けるために、彼らなり
の意思表示の芽生えや表出、言語の習得を目指します。実践では、マニュアル化
されたスキル・ノウハウよりも、信頼関係を築きながら一人ひとりの状態に応
じた適切な課題をステップアップし、“できること、褒められること”への
自信や喜びに繋げていきます。

多くの方は、知的障がい者との関わりにおいて、「彼らはできないだろう、
わからないだろう」と決めつけてはいないでしょうか。言い換えれば「彼らから
与えてもらうことはないだろう」と。この状態が続くと私たちは、彼らを
“できない人・してもらうだけの人”へと追いやり、成長や自主性の芽を摘んで
しまいます。

■声無き抗議の頭突きを受けて

特別支援学校に通うA君、通所当時は褒められても喜びを感じず、喜怒哀楽
よりも快不快の判断に基づいて生きてきたように思えます。彼は、療育の
場で年々成長し集団を意識し、他者とのやりとりが行えるようになってき
ました。

そんな時、私は気ままに行動しているように見えた彼に「世の中には思い
通りにならないこともあるんだよ」と少し怖いお兄さんを演じ、接してい
ました。この時の私は、彼の行動の背景を読み取り、推測するという発想
がありませんでした。自発的な言葉を持ち合わせていない彼が、表現に
苦労しつつ、私と向き合っていることに思い至りませんでした。彼と出会っ
てから数年が経過し、やりとりはテクニック的になっていました。

ある時、彼と一緒に新宿駅で他の学童を待つ場面がありました。自閉症の彼は、
私達と違い、耳に入ってくる音の取捨選択ができません。頭の中は、きっと
音が騒音のように溢れていたのではないでしょうか。そんな彼に対し私は、
「待ちなさい」と半ば強制していました。彼は、慣れない多くの刺激から
逃れるため常同行動(同じ動作や行為を逃避や遊び等のため何度も繰り返し
行うこと)を始めました。再度私は、「お兄さんでしょ!しっかり立って
待ちなさい」と追い打ちをかけました。そんなやりとりの後、彼は刺激に
耐えられず、苦痛を表出できず、我慢を強いた私に、突然、抗議の頭突き
をしました。

その時は、痛みと彼を抑えることで精一杯でしたが、振り返ると「なぜ僕
の行動を勝手に止めるの。苦しいからこうしているんだよ」と彼が伝えて
いるように感じられ、パターン化した対応を押し付けていたことに気が付
きました。

今では、彼らの不安を探り、少しでも安心できる存在でありたいと心掛け
るようになりました。後日、彼が常同行動にふけっているのに向き合う
機会があり、その時は寄り添うことで落ち着きを取り戻すことができました。

■療育から生まれた両育観

彼らの自立のための療育が、実はこちらにも学びの機会を与えてくれたと
私は感じています。これを実感ベースの造語として“両育”と呼んでいます。
施設長の言葉を借りると、「彼らとの関わりには、人と人の向き合いの原点がある。」
私自身の両育変化を表すと、「“気遣い”から“気配り”」と「“パターン化・
マニュアル化”から“個別対応”」になります。結果的に、不要な緊張や警戒が
薄れ、気持ちが楽に生きられるようになりました。この両育観から健常者同士でも、
真摯に向き合えば立場や価値観を超え相互理解ができると確信しています。

■療育を取り巻く社会の現状

日本では、療育手帳所持者は、5年間で30万から40万へと増加しました(判定
基準・予算等で未所持者多数)最新の研究では、日本人の10人に1人が発達
障害と言われています。調布特別支援学校では、5年間で生徒数が140人から
200人に増えました。文科省発表では、全就学児童の8%(精神遅滞のない発達
障がい児6.4%及び手帳所持児1%強)が発達障害に該当するとされています。

しかし、障害者自立支援法による助成金の減少により、人件費と手間の掛る
療育は敬遠されています。また、福祉施設自体収入の大半を助成金に依存し
ており、国の方針次第で経営が左右されるという問題があります。

人手の必要な療育の場での療育者の確保・維持はとても困難になっています。
調布市内では、療育として位置づけ知的障がい児向けに個別・集団指導を提供
する6団体が、現在は1つのみとなりました。このままでは、一時預かり的な
施設が増え、子供たちは“お客さんのまま”成人してしまいます。

■療育を取り巻く社会のビジョン

社会に療育が普及し、療育者の質と数が向上し、個別・集団指導を提供できる
場・団体が増え、知的障がい児の自立の可能性が広がって欲しいと願います。
また、彼らは、“人との向き合い方”を見つめ直す機会を私たちに与えてくれ
ます。彼らは社会が円滑に回るカギを持っていると、私は感じています。
彼らが生き易い社会は、多くの人にとっても生き易い社会であると確信しています。

■今後の私たちの挑戦

“療育は両育”プロジェクトでは、来年早々に療育普及の社団法人を立ち上げます。
活動内容は下記4点です。

1、療育者の質の向上のため、施設長による先生や保育士、他施設職員、療育者
   を目指す学生や親御さんへのスーパーバイズ活動(≒療育の実践の知恵の
   手本を示す)の支援。
2、療育実務書や事例集の作成。後進育成のため、職人芸的な療育を動画や文章
   により学べるように。
3、療育白書の継続的な発行。療育や知的障がい・発達障がいへの、社会の関心
   を高め、支援の仕組みが形作られ、政策に繋がるように。
4、療育者の数の向上のため、国や助成金に依存せず療育を提供できるよう療育者
   育成基金の設立。

基金により療育者を養成し、療育活動の場が確保できれば、それに比例し子供たち
の自立や成長の可能性が広がります。子供のうちに人手とお金を掛けることで、
成人後の自立を促し、結果的に社会保障費抑制にも繋がります。

■踏ん張っている療育の場の支援

私たちは上記のプロジェクト活動と合わせ、今では数少ない療育施設が現状を打開
する支援もしています。私が長年お付き合いしてきた施設で、職員の自己犠牲や
周囲の温かい支援のもとなんとか成り立っている民間の療育施設です。春からの
制度移行に伴い、新たな重荷を抱えています。下記対応完了の後、施設長は施設
を後進に託し、療育スーパーバイズに専念します。
〇放課後等デイサービス”への移行:書類上の手続き
〇制度の建物要件変更に伴う施設移転:調布市内で新しい借地を探し、市の助成金を利用した建築全般の折衝
〇施設の継続性ある運営の仕組みの実現:職人芸や自己犠牲を必要としない健全な運営とサービスの提供

■療育から両育をつなげて
これらの活動を通し、知的障がい児の可能性が広がり、また、健常者と障がい者が
分け隔てない社会が実現できればと願います。
私たちの取り組みをfacebookで発信し始めました。http://www.facebook.com/ryouiku


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■■■■            【 参加者募集 】
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■■    一新塾 第30期(5月開講) 説明会&体験ワークショップ
■■■         〜東京・名古屋・大阪で開催!〜
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 一新塾第30期は2012年5月に開講いたします。
 このたび、第30期の「説明会&体験ワークショップ」のスケジュール
(3月開催分)が決定いたしましたので、メルマガ読者の皆さんに一早く
 お伝えさせていただきます。

 説明会では、映像を交えながら一新塾でどのように学び、どのように仲間
 と切磋琢磨し、どのようにプロジェクトを立ち上げ、どのようにアクション
 していくのかを、わかりやすくお伝えさせていただきます。
 さらに、市民が社会創造に参加するための知恵のエッセンスもお伝えさせて
 いただきます。

 ぜひとも、ご参加ください。
 皆さまとお会いできますこと楽しみにしています。

 説明会の主な内容(予定):
      ●激動の時代だからこそ、削ぎ落とす学びでミッションを鮮明に!
      ●「自分の人生」と「社会の現実」を交じり合わせる現場主義
      ●「根っこ」と「幹」がつながる目覚めの連鎖
      ●誰もが社会創造に参加できる「志のコミュニティ」とは?
      ●1年間でここまで変る!(学び、発見、成長、同志)
      ●三束のわらじを履こう!〜「社会起業」「政策提言」「市民プロジェクト」
      ●OB/OGとの交流タイム・質問タイム

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【東京本科 説明会&体験ワークショップ】
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 日時:2012年3月17日(土)15:00〜17:30
    2012年3月21日(水)19:30〜21:40
    2012年3月28日(水)19:30〜21:40
    2012年3月31日(土)15:00〜17:30

    ※4月分の説明会の予定は決まり次第、掲載させていただきます。

 会場:一新塾セミナールーム
    (住所)東京都港区芝3-28-2カスターニ芝ビル2F
    (地図)http://www.isshinjuku.com/01issin/i_chizu-1.html

 講  師:森嶋伸夫(一新塾代表理事・事務局長)

 参加費:無料

 お申込み:末尾の申込フォーマットにてお願いします。
      なお、各回とも定員がございますので、お早めにお申込み
      いただければ幸いです。


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【大阪地域科 説明会&体験ワークショップ】
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 日時:2012年3月24日(土)13:30〜16:00

     ※4月分の説明会の予定は決まり次第、掲載させていただきます。

 会場:「難波市民学習センター」
    (住所)大阪市浪速区湊町1丁目4番1号 OCATビル4階
    (地図)http://www.osakademanabu.com/namba/

 講師:森嶋伸夫(一新塾代表理事・事務局長)

 参加費:無料

 お申込み:末尾の申込フォーマットにてお願いします。


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【名古屋地域科 説明会&体験ワークショップ】
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日時:2012年3月25日(日)13:30〜16:00

     ※4月分の説明会の予定は決まり次第、掲載させていただきます。

 会場:「ウィルあいち」
    (住所)愛知県名古屋市東区上堅杉町1番地
    (地図)http://www.will.pref.aichi.jp/frame/f-kotu.htmll

 講師:森嶋伸夫(一新塾代表理事・事務局長)

 参加費:無料

 お申込み:末尾の申込フォーマットにてお願いします。


< 一新塾「第28期」概要 >━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ◎開 講:2012年5月27日(日)
 ◎期 間:12ヶ月、『講義』『プロジェクト実践』『コンサルティング』
      平日夜間・土日で学びます(月4〜5回程度)
 ◎コース:政策提言・実現コース
      社会起業コース
      市民プロジェクトコース
 ◎ 科 :本 科(東京)
      地域科(大阪・名古屋)
      通信科
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


-------------<申込フォーマット宛先:iss@isshinjuku.com>-----------------

 ■一新塾第30期(5月開講)説明会&体験ワークショップに参加します。

 【東京会場】
  2012年
    ( )3月17日(土)15:00〜17:30
    ( )3月21日(水)19:30〜21:40
    ( )3月28日(水)19:30〜21:40
    ( )3月31日(土)15:00〜17:30

 【大阪会場】
    ( )3月24日(土)13:30〜16:00

 【名古屋会場】
    ( )3月25日(日)13:30〜16:00

 お名前:
 ご住所:                        (〒  −   )
 TEL:
 FAX:
 E-mail:
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創刊日:2001-01-16  
最終発行日:  
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