政治・経済

チホウ政治じゃーなる

「民主主義の学校」と呼ばれる地方自治には、不思議なことがいっぱい。そんな誰もが知れば呆れる「知呆」な「地方」の政治の話を樺嶋秀吉が独断で報告。

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チホウ政治じゃーなる vol.330

2006/02/27

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【チホウ政治じゃーなる】  ■■■ ■ ■ ■ ■ ■ ■■■ ■ ■
 vol.330 特別号      ■   ■■■ ■ ■■■ ■ ■ ■ ■
 2006/2/27 発行      ■■■ ■ ■ ■ ■ ■ ■■■ ■■■
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  知れば誰もが呆れる「知呆」な話題や、思わず褒めたくなる「知褒」な
  出来事を地方紙や地方版から探し、報告する地方政治ミニ・ニュース。
  この号の配信部数は合計3,690部でした。 http://www.kabashima.com/
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      政治家、公務員、都道府県別「ひどさ」を総検証!
        民主主義のコストについてとことん考える
          『「税金ムダ喰い」のカラクリ』
 樺嶋秀吉著 光文社ムック(光文社刊) 定価(本体952円+税)
  内容紹介はこちら→ http://www.kabashima.com/pr/zeikin.html
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発行人より
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●これまでにも何度か紹介したと思いますが、コミュニティ構築にうってつけ
のソフト、XOOPS Cube(ズープス キューブ)を使って、市民グループや選挙
の候補者にぜひ使ってほしいサイトのモデルを個人献金促進委員会サイト内に
試験的に作ってみました。
http://www.kenkin.com/index.php

「チホウ政治じゃーなる」サイトの再構築も進んでいないのに、何をやってい
るかと怒られそうですが、次の統一地方選挙が1年後に迫ってきたので、もう
タイムリミットとばかりに見切り発車したしだいです。これから、ネットコミ
ュニティのモデルサイトとして中身を少しずつ紹介していきますので、ときど
き訪れてみてください。

 このソフトの特長はなんといっても、その豊富な機能を操作する権限をサイ
トにログインするユーザごとに細かく設定できることです。ここではとりあえ
ず、スタッフ1(総括責任者)、スタッフ2(フォーラム担当)、スタッフ3
(スケジュール担当)、ボランティア、支援者、そしてサイトを運営する管理
者の6種類設定してあります。管理者(樺嶋)を除く5者のユーザ名とパスワ
ードが出ていますので、実際にログインしてみて、どの機能が使えるか(ある
いは使えないか)を試してみてください。

 ちなみに、サイトのメニューの中にある「お知らせ」はブログ、「このまち
をこう変えたい」はフォーラム(掲示板)、「アンケートに協力して!」は投
票、「いろんな行事に参加しよう」はイベント案内、「こんな活動してます」
は写真アルバム、「スケジュール確認を!」は予定表の機能となっています。

 このような多種多様な機能を、まるでパズルのように組み合わせていくこと
ができます。私もまだまだ一ユーザにすぎませんが、皆さんのメンバーの中に
インターネットに少し詳しい人がいたら、すぐに利用することができます。

詳しいことはXOOPS Cubeの公式サイトをご覧ください。
http://jp.xoops.org/

●千葉県市川市の「1%条例」が4月で施行2年目を迎えます。新年度の申請
団体は、今年度の83団体(うち審査を通過したのは81団体)を上回る99
団体にのぼりました。私がまとめた今年度報告書( http://www.kabashima.com/
からダウンロード可)で「支援者1人当たりの個人住民税額が異常に高い」と
問題点を指摘した、某納税貯蓄組合は今回、申請を見送ったようです。よかっ
た、よかった。


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コラボ vol.30 ■ダイジェスト■          2006-2-01
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[協働を模索する条例・政策の研究——第5回]
協働のまちづくり条例(山形県白鷹町)
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01:町外の人と積極的に連携
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櫻沢靖子 Sakurazawa Yasuko 早稲田大学大学院政治学研究科博士後期課程

★すばらしい自然と「町民力」★

  白鷹町は、橋本光記町長が合併特例法の期限を目途にした合併はおこなわな
い方針を示したことでも知られている。町長がそう決めたことには多くの理由
があるだろうが、すばらしい自然環境と「町民力」がその決め手となったので
はないだろうか。

★モンゴル語ビジネス、アジア国際音楽祭も★

 町の広報誌などによれば、こうした以前からあった地域の力、そしてこれま
で町が行ってきた審議会委員の公募や計画立案への町民意見の反映といったこ
とを条例という形で明文化したという。実際にこの条例で特長的なのは、「町
民と町は、町出身者及び町への関心が高い人々と連携し、その識見をまちづく
りに活かすよう努めるものとする」(第13条)と白鷹町出身者らとの連携を
明記した点である。町外の人との連携を謳っているのがユニークだ。

 実は、白鷹町はこれまで外国人研修生や花嫁を受け入れてきたことをきっか
けに、官民でモンゴル語ビジネスを起こしたり、実行委員会組織で「アジア国
際音楽祭」を主催してきた経緯がある。

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02:農村ならではの住民同士のつながりがベース
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★率直な意見が聞かれる座談会★

 そしてもうひとつの特長として、「町は、この条例の施行後5年を超えない
期間ごとに、この条例がまちづくりの基本原則として適切に機能しているかを
検討し、その結果を踏まえ、この条例を見直す」(第17条)と、条例が機能
しているかについて検討し、見直すことを規定している点が挙げられる。

 実際、この条例の理念ともいえる「幸せと満足感が実感できる豊かで住みよ
いまちの実現」のために協働のまちづくり推進座談会を開催している。その座
談会では、参加者からは率直な意見が出されているようだ。例えば、「財政の
行き詰まりを町民のボランティアで埋めてもらおうという意図が感じられる」
といった住民負担の増加を懸念する意見や、「条例制定前に座談会を開催すべ
きだった」といったようなものだ。

★スキルアップと人材育成から生まれる町民力★

 こうしてみると、白鷹町はこの条例以前から農村ならではの住民同士のつな
がりが生きている町のようだ。しかし、自治体としてはこれからますます厳し
い状況になっていくことが予想される。自治体として自己責任ということは非
常に重要なことではあるが、住民には自己責任だけでなく、これまで培ってき
た住民同士の支え合い、助け合いというものをこれからもずっと大切にして欲
しいと願うばかりである。


[取材メモから]
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03:国民保護法と雪害
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千葉茂明 Chiba Shigeaki 編集者

★県版の国民保護計画★

 武力攻撃や大規模テロが発生した際の避難・救援、被害拡大防止などを定め
た国民保護法が2004年6月に公布、同年9月に施行された。国が「国民保
護に関する基本指針」を閣議決定し、都道府県国民保護モデル計画を各都道府
県に通知したのは05年3月末。都道府県は05年度中に県版の国民保護計画
を策定しなければならないが、12月までに策定したのは福井、鳥取の2県の
み。

★実動訓練★

 福井県は国との共催で昨年11月27日、全国初の国民保護法実動訓練も実
施した。美浜原発が国籍不明のテログループに襲撃され、放射能汚染の恐れが
出たとの想定だった。

 訓練では原発から3キロメートル圏内に避難命令が出された。住民の避難は
徒歩が原則。実際には、車で逃げる住民が多く、交通渋滞を起こすのでは、と
いう指摘があった。また、テログループの鎮圧は図上訓練にとどめ、私権制限
につながる土地収用なども行われなかった。

★雪害での犠牲★

 一方で、差し迫った災害はどうか。今冬は日本海側を中心に記録的な豪雪が
続く。ある災害対策担当者は、三八豪雪(1963年)、五六豪雪(1981
年)とは明らかに様相を異にするという。一つは地域の過疎・高齢化が進んだ
こと、もう一つはクルマ社会が進展したことだ。

 自治体には住民の生命・財産を守る役割がある。除雪費が底をつき、ジレン
マに陥っている自治体も多い。武力攻撃やテロでもないのに、死亡者が100
人を超えるなんて、あまりにも痛ましすぎる。こんなときこそ、まさに「国民
保護」の姿勢が求められるのではないか−−。


[テーマ書評]
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04:地域社会は団塊世代をどう迎えるのか——自治体の2007年問題
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宮川純一 Miyakawa Junichi 編集者

★日本人の大移動が始まる?★

 新聞やテレビで騒がれている「2007年問題」が、いよいよ目前に迫って
きた。経済や産業の世界では、スキルと経験を蓄えた団塊世代が大量退職する
ことにたいへんな危機感がもたれていることは、もうお分かりだろう。

 しかし、それとは対照的に、これはひょっとしたらチャンスかもしれないと
ばかりに、新たな「顧客」ならぬ「住民」を呼び寄せようと躍起になっている
のが、都市圏外の地方自治体である。特に過疎化、人口流出に頭を悩ませてき
た自治体にとっては、田舎暮らしを夢見る団塊世代を呼び込んで人口増を図る
絶好の機会到来なのである。

★やる気と自信満々の団塊世代★

 すでに子育ても終わり、まもなく定年を迎える人たちは、生まれた土地、住
み慣れたまち、あるいは真新しい土地で、第二の生き方を模索しているようだ。
『団塊の世代だから定年後も出番がある』(布施克彦著 洋泉社新書 200
6年)の著者は、第一次産業や地方の活性化に団塊世代の存在は不可欠だとし
て、彼等が担うべき役割を次のように挙げている。

 農家や漁師へのチャレンジ、あるいは行政を支える役割を担うための介護活
動、学校とタイアップした子育て支援、テレビやパソコンなどに没頭する子供
を外に引きずり出してメンコ・缶蹴りなど子供の“正当な”遊びを叩き込む、
まちのガードマン、環境改善、草刈り、多文化共生、お祭りの復活……といっ
たありさまだ。

★地方には地方の現実がある★

 とはいえ、大方のシニアの本音は、仕事や家庭に縛られずゆっくりと暮らし
たいというのがほとんどだろう。

 しかし、なかにはこんな例もある。『トラウマの国』(高橋秀実著 新潮社
 2005年)を見てみよう。電機メーカーで定年を迎えた奈良県在住の渡辺
さんは、壱岐列島の西ノ島に定住を思い立った。晴耕雨読の生活を楽しんでも
らいましょうと町が売り出した移住促進プランは、その名も「シルバーアルカ
ディア計画」。住宅は役場が用意するという好条件だ。渡辺さんは飛びついた。
その本当の狙いが、「地方交付税が頼みなんです。その計算のベースは人口で
す。ひとりでも増えれば、有り難いのです」(役場の産業建設課長)とは露知
らずに。

★自治体破綻、道州制という想定外の問題★

 さて、最後に考えないといけないのが政治経済に絡む地方の現実だ。『10
年後の日本』(『日本の論点』編集部編 文春新書 2005年)の冒頭は、
「変わる日本社会のかたち」として、治安悪化、地方分権のゆくえ、老朽化す
るインフラなどを取り上げているが、今後地域の財政責任が今より明確に求め
られることは間違いない。

 地方制度調査会の答申で明確に打ち出された道州制にしても、この制度によ
って「予算の投下が州の中核都市に集中すれば、従来は過疎地に振り分けられ
ていた予算まで削られることになる。また州の中核都市に人口や経済活動が集
中すれば、過疎地はますます過疎化する」(『日本の論点』)ことで、地域内
格差がより大きくなる可能性もありうるのだ。

 自治体にとって団塊新住民は「カネのなる木」となるのか。その答えはいま
だわからないが、まもなく地域社会デビューを果たすであろうその影響力に注
目したい。


[あとがき]
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05:豪雪とコミュニティ
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 この冬の雪害については『取材メモから』で千葉茂明氏も触れていますが、
お年寄りの被災者の多さには本当に心が痛みます。とくに4メートル近い積雪
を記録した新潟県津南町と、国道の通行止めで秋山地区が孤立した長野県栄村、
そして雪の重みで民家が押しつぶされた飯山市は、昨年、仕事とプライベート
な旅行で何度か足を運んだところだったので、大雪がもたらす被害の情報はと
ても気になりました。

 昨年、栄村の秋山地区を車で訪れたのは新緑の季節でした。江戸時代の文人、
鈴木牧之が著した『秋山紀行』によって初めて紹介され、「秘境・秋山郷」と
して村の観光資源にもなっているところですが、そこを通る国道405号は国
道とは名ばかりの山道です。かつて新聞記者として山形で勤務していたときは
スキー大会や事件・事故の取材で一冬に何度も蔵王を往復し、今も夏のキャン
プや秋の紅葉狩りで年に数回はいろんな山道を走りますが、この秋山郷を通り
抜ける細くくねった国道には難儀しました。地元の集落で暮らす人たちの苦労
が偲ばれるというものです。

 このときの取材は、国の市町村合併政策に抗って自立を宣言した栄村の村長、
高橋彦芳氏の人物ルポを書くためだったのですが(『アエラ』2005年7月
25日号の「現代の肖像」)、その高橋村長が「コミュニティの再生が最優先
課題」と語っていたのを思い出します。小さな自治体に、より大きなしわ寄せ
がいく昨今の財政状況では、そう遠くない将来、栄村も合併の渦に巻き込まれ
るかもしれません。けれども、集落を中心としたコミュニティさえ確立できて
いれば地域が衰退することはない——そう村長は信じているのです。

 何十年ぶりという、この大雪。栄村にかぎらず、全国の豪雪地帯で過疎化が
いっそう進み、コミュニティの崩壊に拍車がかからないことを祈ります。(了)
(樺嶋)


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チホウ政治じゃーなる
編集・発行人 樺嶋秀吉
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