哲学・心理学

哲学クロニクル

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[chronique:00067] 「ワトソン、ホワイト・カラ

2001/02/17

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       哲学クロニクル 第67号
           (2001年2月17日)
「ワトソン、ホワイト・カラーの犯罪者」
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今日は噂の著書『IBMとホロコースト』の
著者のインタビューをご紹介します。L'Expressの今週号です。
例のごとくはしょったり、脚色したりしています。
サイトでは時評を更新、ゲノムについて再び
http://nakayama.org/polylogos/chronique/
からどうぞ


「ワトソン、ホワイト・カラーの犯罪者」
著者インタビュー
エドウィン・ブラック(著者)+クリスティアン・マカリアン(レクスプレス誌)
L'Express, 2001/02/16


【問】この調査はどのようして行われたのですか。
【答】この調査はほんとにミッション・インポッシブルのようでした。最初はな
にか発見できるか、とても疑問だったのです。もしも情報がまとめられてすぐに
アクセスできるものなら、この60年の間にもうだれかが発見していたでしょう。
文書がとても広い範囲に散らばっていたので、最初はパズルのようにさまざまな
資料を集めて、ある共通の意味を与えるという作業から始めました。
 調査の間を通じて、この事件の不吉で残忍な性格に驚かされ続けました。一例
をあげましょう。一九四一年のルーマニアの国勢調査は、ドイツの子会社である
デホマクではなく、なんとニューヨークの親会社が指導したのです。

【問】ショアーにおいてIBMが直接の責任を負う部分はどこでしょう。
【答】IBMなしでも、ホロコーストはすべての形で行われたでしょう。しかしIBM
なしには、ナチスの犠牲者の数は実際よりもはるかに少なかったはずです。その
意味ではIBM社長のワトソンへの評価はスキャンダルと言わざるを得ません。
現代的な企業で先見の明があった社長どころか、ホワイトカラーの犯罪者なので
す。わたしは百回はIBMに文書へのアクセスを認めるように要求しました。す
るといつも「お求めの文書の所在が不明です」という決まり切った返事が戻って
くるのです。IBMは自分たちの過去が許容できない性質のものであることを知
りながらも、わたしの主張を否定するほどには、かこついての知識が十分でなか
ったのです。IBMはわたしに協力しようとはしませんでした。わたしはIBM
に、自分たちの歴史の共犯者になるのはよせと忠告したのですが、無駄でした。
わたしは言ったものです。「真理を探せ。さもなくば真理が汝を訪れることにな
る」と。

【問】IBMは1940年の6月6日にヒトラーと公式に決別していますね。戦争が始
まった時点から、距離をおいていたとIBMは主張するのでは
【答】IBMがデホマグは管理下になかったと主張するのは予想していました。
でもわたしは、ワトソンがデホマクを個人的にコントロールしており、年に二度
か三度はベルリンに赴いていることを指摘したいのです。1939年以降、ワトソ
ンは強制収容所の建設にも、ユダヤ人の大量追放にも、ユダヤ人の絶滅にも反対
しませんでした。ワトソンは目をつぶってナチスがIBMのパンチカードを自分の
ものにするのを妨げることはなにもしなかったのです。それだけではありません。
IBMは収入を確保しつづけ、まれなほどの利益を得ていたのです。ワトソンだ
けがすべての責任を負う人物です。創造できないかもしれませんが、デホマクは
毎月ダッハウの収容所に、サービスを提供した代価をSSの兵器部に請求し続け
たのです。

【問】報復は心配ではなかったですか
【答】わたしは過去と現在について語るだけで満足しています。
その他のことは、強制収容所の生存者、その弁護士、訴訟
を開始すべきだと考える人々、そして歴史家の仕事です。歴史と正義が真理を要
求しています。今、自らを弁護しなければならないのはIBMです。

【問】あなたの書物の最後の部分でとくに衝撃的だったのは、IBMが戦後、ま
ったくその責任を問われなかったことです。
【答】ナチス時代のIBMのすべての幹部は報償を与えられ、昇進しました。そ
の忠誠心が報われたのか、その効率の高さが報われたのでしょう。わたしは情報
を知らず、命令を実行することに満足していたIBMの幹部たちを責めようとは
思いません。しかしワトソンとその取り巻きたちは、自分たちのしていることを
十分に承知していたことだけは繰り返し指摘したいと思います。

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     (c)中山 元
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創刊日:2000-12-11  
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