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Wing-Mel No.2890 1分で読む日本の思想(10) 源実朝 − 短歌史に名をとどめた悲劇の将軍

2019/08/09

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   1分で読む日本の思想(10) 源実朝 − 短歌史に名をとどめた悲劇の将軍


■■ 転送歓迎 ■■ No.2890 ■■ R01.08.09 ■■ 7,761部■■

 実朝は将軍として朝廷を補佐し、武家政治の秩序を整えようとしたが、幕府の実権は母方の北条氏が握ることになり、和田氏ら頼朝以来の有力御家人たちは、次々に内紛や画策の中に滅ぼされてゆく。こうした血なまぐさい権力抗争の中にあって、将軍としていかにあるべきかを苦悩、煩悶した。そして、あるべき為政者像をいつしか聖徳太子に求めるようになった。

 実朝は将軍という立場にありながら、執権職。北条氏の圧力のもと、生命の危険すら感じながらも真実と向き合い、真心を以って治世に当たろうとし、その心情表現の術を歌に求めたのであろう。
従って、実朝の歌は、花鳥風月の観念美の世界を脱却し、直接体験に基づく人生表現としての歌ともいうべきものであり、短歌史上、正岡子規から「柿本人麿以来の歌人」と評された理由もそこにあると言える。その歌には、仏教・神道の思想を一つに溶かし込んだ日本的情意が溢れているものが多い。

『金愧和歌集』より

ながめつつ思ふも悲し帰る雁行くらむ方の夕暮れの空

【訳】(如月〈二月〉二十日過ぎのことであったそつか)夕暮れていく空をじっと眺めながら、この空を雁が北へ帰って行くのだと思うと、なんとも悲しいことだ。

いとほしや見るに涙も止まらず親もなき子の母を尋ぬる

【訳】かわいそうで、見ていると涙が止まることなく溢れてしまう。父母を亡くした幼い子供が、母の行方を探し求めている姿には。

大海の磯もとどろに寄する波われてくだけてさけてちるかも

【訳】大海の荒磯を轟かすように寄せて来る波が岩に当たって割れて、砕けて、裂けて散っていく。


1. 國武忠彦『語り継ごう 日本の思想』、明成社、H27
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/479421426X/japanonthegl0-22/

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