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Wing-Mel No.2845 現代の寓話:空爆に怯える日々に逆戻り

2019/03/04

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           現代の寓話:空爆に怯える日々に逆戻り

                                           上間裏 アキヒコ
■■ 転送歓迎 ■■ No.2845 ■■ H31.03.04 ■■ 7,791部■■


米朝会談がパーになりましたね。
トランプが怒って席をけって、
あっという間に米国に帰ってしまった。

黒電話は最後のチャンスを逃しました。
先代、先々代からの悲願、
「米国を交渉の場にひっぱり出す」を、
あの手この手でやっと実現したというのに。

そして米国から甘い蜜さえ提示された。
「北朝鮮は豊かな国になるだろう」とね。
心を入れ替えて親米国家になれば、
制裁解除どころか豊かにしてやるぞという意味ですね。

トランプならではのリップサービスかも知れませんが、
米国からこんな条件を引き出した独裁国は皆無です。
黒電話は本当にもったいないことをしたもんです。

そもそもの話ですが、
米国は別に独裁国家について、独裁を理由に、
「滅ぼすべき」と考えているわけではありません。
中南米諸国との関係を見ても分かるとおり、
親米である限り、独裁国家ともつきあいます。

だいいち「独裁国は滅ぼすべき」なんて言ったら、
人類の半分以上を滅ぼさないといけなくなる。
だからそんなことは絶対にいいません。
むしろ「独裁国の人々も生きる権利がある」という。

ですから北朝鮮の金独裁も容認してもらえた。
心を入れ替えて親米国家になれば、ですよ。
米国は独裁国家を許容するが反米国家は許容しない。
これは国家として当たり前のことです。
核ミサイルを向けられては困りますからね。

北朝鮮は独裁のままでも構わない。
ただし親米国家であると宣言しないといけない。
「米国に背かない」と証明しないといけない。
そのためには核兵器の全面放棄と、
拉致被害者の全員解放を自分らでやらねばならない。

なぜ自分らでやらねばならないか?
当たり前ですよ。
他国からは分からないことが多いからです。

「核兵器はすべて廃棄しました」といいながら、
こっそりとどこかに隠しているかも知れない。
「拉致被害者は全員帰しました」といいながら、
こっそりとどこかに幽閉しているかも知れない。
疑いだしたらキリがない話です。

だから米国がリストアップした施設を
破壊するだけではダメなんです。
米国も100%すべてを把握しているわけではないので。
だから「主体的に」自分たちから、
核兵器のすべてを廃棄する必要があるのです。

そしてさらに重要なことは
「廃棄した」事実を他国に信じてもらうこと。
すべての廃棄プロセスを外国マスコミに公開し、
世界から信用してもらうことが必要です。
米国はこれをやれといっていた。

ところがところが、黒電話の対応は論外だった。
「これらの施設を放棄しますわ」とリストを出したら、
米国から「おい、●●●●が抜けてるぞ」と言われた。
どこにどんな施設があるのか、
かなりのところまで、衛星でバレているんですよね。

黒電話はそこを甘く見ていた。
バレてないし誤魔化せると思っていた。
しかしトランプからすれば、
こんな最初の段階でウソをつくようでは話にならん、
「こいつらは信用に値しない」となるわけです。

それで取引はパーです。
黒電話の体制保証と豊かな経済発展は消えました。
宝の山に手がかかるところまで行きながら、
ウソと誤魔化しを見抜かれてすべてを失った。
まるで寓話みたいな展開ですね。

これもそもそもの話ですが、米国は、
いつまで経済制裁を続けていても構わないのです。
制裁を受け干上がっているのは北朝鮮の方ですから。
だから「非核化を急がない」ということもできる。
自分たちが困っているわけではないのでね。

むしろ黒電話の方こそ、
制裁解除のために、一刻も早く非核化を進め、
なおかつそれを信用してもらう必要があるのです。
北朝鮮の方がお願いする立場なんです。
お願いして信用してもらわないといけないのです。
あれこれ条件をつけて交渉できる立場ではない。

黒電話はそこのところが分かってなかった。
北朝鮮指導者にとって、
トランプと話ができるというのは、
まさに千載一遇のチャンスだったのですよ。
これですべては終わり。
また空爆に怯える日々に逆戻りとなったのです。

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