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Wing-Mel No.1698 新国家建設の息吹を感得した飛鳥路巡り(丸山公紀)

2010/06/04

■■■■ JOG Wing ■ 国際派日本人の情報ファイル ■■■

        新国家建設の息吹を感得した飛鳥路巡り

                                              丸山公紀
■転送歓迎■ No.1698 ■ H22.06.04 ■ 9,158 部 ■■■■


 去る22、23日にかけて小生が所属している日本青年協議会・日本協議会が主催する第25回「日本の誇り」歴史体験セミナーの事前研修会が奈良・飛鳥で行われ、多忙な中ではあったが、天武・持統両天皇による古代の新国家建設の歩みを学べることもあり参加した。

 今、平城遷都1300年祭で奈良市は賑わっているが、実は聖武天皇時代の東大寺大仏をはじめとする華やかな仏教文化が繰り広げられる前には、大化の改新を成就させた天武天皇と持統天皇時代、国際的には唐・新羅という大国に囲まれる中で、いち早く律令体制を構築、古事記・日本書紀の編纂、大嘗祭の確立、伊勢神宮の式年遷宮の制度を始められるなど、実質的には古代の基礎はこの時代につくられたものである。

 とくに1日目にはサイクリングで飛鳥浄御原跡、甘樫丘、藤原京跡、天香具山、雷丘、天武天皇・持統天皇陵を巡ったが、新緑の新しい芽吹きの雰囲気の中、万葉の柔らかな香り漂う風に吹かれながらの野外研修は約4時間かかったが、十分に新国家建設に向けた万葉の人々の活力を感じたものだった。ちなみに地元の人々が毎日のように旅人と出あうのが慣れているのか、年配の方も若い人も挨拶をしてくれ、何か温かい気分となった。

 甘樫の丘は当時、蘇我一族が邸宅として位置したところであるが、ここからは飛鳥板葺宮を見下ろすところであり、すぐ南には蘇我氏のお寺にある飛鳥寺が広がっていいて、いかに蘇我氏の権力が大きかったかが一望できた。

 そして藤原京跡を訪ねるのだが、694年、持統天皇時代に飛鳥浄御原宮から遷都したのだが、その大部分は平城京に移されたとのことで、今は草原と門の目印として柱が立っているに過ぎない。しかし、藤原京資料館で見たイメージは平城京と並ぶ位の大きなものであったことがわかってきているとのことで、大いに驚いた。

 天香具山は大和三山の一つであり、神霊が天下った神聖な山と崇められたが、実際に舒明天皇が国見をされた時の御製を全員で拝誦した。

 大和には 群山あれど とりよろふ 天の香具山 登り立ち 国見をすれば 国原は 煙立ち立つ 海原は 鴎立ち立つ うまし国ぞ あきつ島 大和の国は

 天香具山の登口にある国見をされたと伝わる碑からは飛鳥を一望できる位置とはいえない。 しかし、舒明天皇は天智・天武天皇の御父上に当たるが、この調べは飛鳥の地をうたいながら大和の国全体をあるぺき姿、イメージする大いなる平穏な宇宙を湛えているようで、自然と気持ちが広々とした開けた心持ちとなる。

 岡野弘彦氏(歌人・國學院大學名誉教授)は歌は古代人にとって単なる文学表現でないこと、万葉集の叙景歌は客観的に風景を表現しているのではなく、自分たちの住む村の野山や川を祝福し、力のある言葉を凝縮させた歌の力によって、かくあれかしと願う状態に変質させようとする祈りの心の形であると指摘しているということも研修会で学んだ。当時の人々は精神の浄化は言葉の浄化から始まることを知っており、おのずと豊かな心性を育てていったのであろう。

 そして雷丘で柿本人麻呂の歌を拝誦した。

 大王は神にしませば雨雲の雷の上に廬りせるかも

 天武天皇は挙兵をして天智天皇時代にあった大豪族との因縁を断ち、地方の小豪族や下層の官人・庶民たち、広汎な人々の支持によって僅か、一ヶ月で天下を統一、それはもう神さながらの威光があるからこそ、大空のあの雷の上に仮宮を造っておいでになるとの気持ちをうたったものであるが、心の底から天皇の神々しさを愛でている調べである。

 歌の調べを口ずさめば口すさぶほどに、万葉の人々の調べが耳元で鳴り響いているようであった。

 そんなわけでまだ頭の中に飛鳥の世界が渦巻いている。国家変革の気力は古代の先人たちの歴史を丁寧に紐解くことに養われることを確信している。


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