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Wing-Mel No.443 密室独裁国家の難癖付け

2001/12/24

 _/          _/  _/                      密室独裁国家の難癖付け
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_/    _/    _/  _/  _/    _/  _/    _/                YoJirou
 _/  _/  _/    _/  _/    _/  _/    _/      H13.12.24 4,923部
 _/  _/      _/  _/    _/    _/_/_/         JOG Wing No.443
                                _/     国際派日本人の情報ファイル
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     米国への同時テロとその報復戦などで、北朝鮮を取り巻く環
    境は悪化し、孤立しかけている。孤立した際、北朝鮮がとる常
    套手段は日韓米の分断工作だ。「行方不明日本人」調査の中止
    もその一環とみてよい。この際、日本は対北朝鮮交渉を焦る必
    要はまったくない。日米韓の政策調整に尽力すべきだろう。孤
    立化により暴発する可能性も出てくるかもしれない。備えはあ
    るか?

      ●「聯合ニュースによると、朝鮮民主主義人民共和国(北朝
        鮮)外務省は30日、警視庁が東京の在日本朝鮮人総連合
        会(朝鮮総連)中央本部などを家宅捜索したことを非難す
        る声明を発表した。 声明は、警視庁による捜索や元幹部
        の逮捕は、「共和国(北朝鮮)の主権に対する暴力的な侵
        害」にあたると厳しく非難している。 朝鮮総連の中央本
        部は、日本での北朝鮮の事実上の在外公館にあたり、家宅
        捜索が入ったのは1955年の朝鮮総連創設以来、初め
        て」。(CNN 12.2)

    ●●「朝鮮中央通信によると、北朝鮮の朝鮮赤十字会は17日、
      日本国内で日本人拉致疑惑が問題視されていることに反発、
      「日本側が要請した『行方不明者』の消息調査事業を全面中
      止する」と表明した。 北朝鮮では最近、在日本朝鮮人総連
      合会(朝鮮総連)中央本部捜索や一連の在日朝鮮人系金融機
      関幹部の逮捕などに関して、「北朝鮮を敵視し、朝鮮総連を
      弾圧する策動だ」(12日付労働新聞)などとマスコミ、関
      連団体を総動員した対日非難キャンペーンが繰り広げられて
      おり、調査中止表明は“対抗措置”の一環と見られる」。
      (読売新聞 12.18)

■編集者・YoJirouより■

■難癖付けは密室国の常套手段

     北朝鮮は、赤十字会が「日本人行方不明者」の調査中止を発
    表したことで、韓国との離散家族相互訪問の中断に続き、人道
    問題に関した対外交渉の道をまた自らふさいだ。

        「日本反動勢力がありもしない『拉致』問題について騒ぎ、
        反共和国敵視策動に執着するのは、我々に『テロ国家、テ
        ロ支援国』のレッテルを張り、共和国を圧殺し、自らの軍
        国化を進めようとする犯罪目的がある」と主張。

         また、98年の発表を繰り返す形で「日本側の言う『行
        方不明者』は、わが共和国の中にいないことが判明した」
        と指摘した上で、日本側の姿勢により消息調査事業に「大
        きな難関」が作り出されたために調査を中止すると表明し
        た」。(毎日新聞 12.17)

     何かと難癖をつけて、決められていた会談や交渉を、一方的
    に拒否するのは北朝鮮の常套手段である。愚かなマスコミが世
    紀の大事件、南北統一が今にもありそうに騒ぎ立てた、昨年の
    金金首脳会談以来、韓国は一旦決めた交渉や会談日程を北朝鮮
    に一方的にキャンセルされる憂き目にしょっちゅう逢っている。
    あまりに頻繁にあるのでYoJirouも記録しておくのが馬
    鹿らしくなって止めた。

     記録の一部だけ上げても、最大の課題となっていた金正日の
    ソウル答礼訪問は、金大統領の再三の呼び掛けにもかかわらず、
    ついに実現しなかった。離散家族の再開は延期され、南北閣僚
    級会談も決裂。南北関係は冬の時代に逆戻りしてきた様相だ。

     彼らは初めから約束を守ろうなどとは考えていていないだろ
    う。気を持たせておいて、何か難癖をつけるきっかけを探し、
    一方的に相手を拒否する。相手がうろたえるのを見て、相手は
    これほど我々と交渉したがっていたのだ、やはり金正日首領様
    のご威光は素晴らしいと優越感に浸る、という程度の国と見て
    よい。

■YoJirouの予言?

     YoJirouは JOG Wing No.0210 (H12.08.28)で、

        「北朝鮮の戦略は謀略ということを常に意識して行われて
        いると見るべきだと編集子は考える。まず、頑ななイメー
        ジから、いきなり対話、柔和ムードを持ち出し相手を感激
        させて冷静な判断力を失わせる。そこでジワーッと対話へ
        の対価、見返りを求めてくる。相手が譲歩をし始めると、
        突然対話ムードを止め、一方的に難癖をつけて相手を非難
        し攪乱する。軍事独裁体制は結局は国をオープンにできな
        い、すれば崩壊に向かう宿命にあることを一番知っている
        のは独裁者である。逆に言えばオープンさせて崩壊させる
        手もあるということか?」

     と予言(?)したが、金金会談後の北朝鮮の動きはまったくこ
    のとおりに動いている。最近とんと姿を見せず、発言を聞かな
    くなった金正日は、また日本などの馬鹿マスコミを感激させる
    次の攪乱策、謀略を考えていることだろう。いつまで金独裁が
    保つか。

■すり替えも北の常套手段

     平成11年(1999)12月、頼りない、信用できない村山富市
    元首相を団長とする超党派議員団の訪朝を機に、政府間交渉と
    並行する形で北京で開かれた日朝赤十字会談では、(1)「日
    本人行方不明者」のしっかりした調査を当該機関に依頼(2)
    日本側が人道的食糧支援を実施(3)日本人配偶者里帰りの再
    開(4)1945年以前の朝鮮人行方不明者の安否確認 --- 
    などで合意した。しかし、打ち続く北朝鮮の一方的拒絶姿勢で
    南北関係も冷え込み、日朝交渉も事実上中断している。北側は
    拒絶される責任は一方的に相手側にあるといつもの難癖を声高
    に叫ぶだけだ。そのくせ、食料援助だけはしっかり要求する。

    「人間の自主性、人権を最も重んじることを本性とするわが国
    (北朝鮮)では『拉致』などありえず、あったこともない」と、
    朝鮮赤十字会は恥ずかし気もなく広言した。調査中止の理由に
    ついては「日本側が謀略的な『拉致』騒動でわが国を冒涜(ぼ
    うとく)し、朝鮮人民の神経を極度に刺激して『行方不明者』
    の消息調査事業に大きな難関が作り出されたため」と難癖を付
    けている。難癖と膏薬はどこにでも着く。

        「はらわたが煮えくり返る思いだ。拉致というテロに対し
        て、日本は調査打ち切りを『はい、そうですか』と受け入
        れることしかできないのか。米国とは全然違う」と話すの
        は53年7月、福井県小浜市で婚約者と一緒にこつ然と姿
        を消した地村保志さん(当時 23)の父、保さん(72)だ」。
        (産経新聞 12.18)

     破綻した在日朝鮮人系金融機関「朝銀信組」のずさん経営に
    対する捜査当局の強制捜査が各地で進む中、北朝鮮は最近、報
    道機関を通じて「民族弾圧」と声明を発表するなど激しく反発
    し政治問題にすり替えようとしている。拉致問題を絡めて朝銀
    問題をうやむやにしようという魂胆が見え見えだ。北朝鮮とは
    そういう国だ。

■テロ支援国家リスト「北朝鮮は残すべき」

         北朝鮮が米国政府から受けているテロ支援国家の指定の
        解除を求めていることに対し、米側はあくまで厳密な基準
        を保ち、簡単には解除してはならないとする報告書が、ワ
        シントンの有力研究所ヘリテージ財団から出された。

         同報告書は指定解除すべきではない理由として北朝鮮が

        (1) 過去40年に3600人以上の韓国民を拉致し、う 
             ち442人をなお拘束している
        (2) 日本国民を少なくとも10人を拉致したままとなっ 
             ている
        (3) ビンラーディン一派を含む外国のテロリスト組織(ス
             リランカやフィリピン)とのかかわりを保ってきた
        (4) 90年代にはイラク、リビア、パキスタン、イラン 
             などに化学兵器、生物兵器、弾道ミサイルなどの部 
             品や技術を売ってきた−ことなどをあげている。
            (産経新聞 12.4)

     このことも行方不明(拉致)者調査中止の一方的宣言と関係
    はあるだろう。拉致とは関係ないとうそぶき、主張するためだ。

     我が国も対北朝鮮外交を急いで推進しなければなどと焦る必
    要はまったくない。じっくり腰を据えて臨むべきだ。対北朝鮮
    外交は国際情勢の変化と深くかかわっているからだ。

     北朝鮮が今後、どのような対外政策をとるにしても、日米韓
    3国との関係修復に相当の時間がかかることは間違いない。同
    時テロによる環境の悪化と合わせて、北朝鮮の孤立化は当面続
    くだろう。この期に野中闇将軍などの暗躍で朝銀問題などを闇
    に葬ってはならない(最近、故金丸信元自民党副総裁が、朝鮮
    総連への強制捜査に関して警察庁などに圧力をかけていた事実
    が、明るみに出てきた。野中闇将軍なども大いにこの種の可能
    性はある)。

     北が孤立化から暴発する可能性も視野に入れておく必要もあ
    るだろう。

【関連】
『朝銀信用組合と朝鮮総連と北朝鮮』 YoJirou JOG Wing No.423
(H13.12.03)
http://www.melma.com/mag/56/m00000256/a00000440.html
『食糧難と援助の悪循環 北朝鮮』 JOG Wing No.391 YoJirou
(H13.09.10)
http://www.melma.com/mag/56/m00000256/a00000397.html
『北朝鮮の路線転換は可能か』 JOG Wing No.0289 YoJirou
(H13.02.12)
http://www.melma.com/mag/56/m00000256/a00000295.html
『米朝交渉の隠れた動機』 JOG Wing No.0281 YoJirou
(H13.01.22)
http://www.melma.com/mag/56/m00000256/a00000283.html
『潰れぬ、潰さぬ北朝鮮』 JOG Wing No.0266 YoJirou
(H12.12.25)
http://www.melma.com/mag/56/m00000256/a00000272.html
『奴隷のマスゲーム?』 JOG Wing No.0244 YoJirou
(H12.11.06)
http://www.melma.com/mag/56/m00000256/a00000250.html
『真の策略家はどちら?』 JOG Wing No.0234 YoJirou
(H12.10.16)
http://www.melma.com/mag/56/m00000256/a00000240.html
『金正日将軍さまへの欽慕の情』 JOG Wing No.0230 YoJirou
(H12.10.09)
http://www.melma.com/mag/56/m00000256/a00000236.html
『自分の力の源泉は軍事力だ』 JOG Wing No.0210 YoJirou
(H12.08.28)
http://www.melma.com/mag/56/m00000256/a00000216.html

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