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Wing-Mel No.439 反「親米保守派」

2001/12/14

 _/          _/  _/                      反「親米保守派」
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_/    _/    _/  _/  _/    _/  _/    _/                図越 寛
 _/  _/  _/    _/  _/    _/  _/    _/      H13.12.14 4,897部
 _/  _/      _/  _/    _/    _/_/_/         JOG Wing No.439
                                _/     国際派日本人の情報ファイル
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     米中枢同時テロは、我が国にとって、思想的観点から、大変
    興味深い。その意味するところは、反米親中左翼は論外である
    が、保守派における「親米」と「反米」である。反米保守派の
    反米という言葉に語弊があるとすれば、反グローバリズム、反
    アメリカニズムということである。民族派と呼ばれる思想形態
    も、概ね反米保守派の思想と合致するものであろう。親米保守
    派の極致が、対米追随派に堕落してしまうことである。

     テロに際し、ブッシュは、これは自由と民主主義に対する攻
    撃であり、文明国、ひいては自由主義陣営に対する攻撃である
    といった。大東亜戦争に於いても、米国は、「日独伊ファシズ
    ム対自由と民主主義を愛する連合国」という図式、構図、二項
    対立に持ち込んだ。今回も同様である。野蛮なテロリズム対自
    由主義陣営である。そうなると、果たして中共や北鮮はどうな
    るのか。もちろん日本にとっては、拉致事件があるから北鮮は
    テロリズムであるが、他国から見ると不鮮明である。中共は、
    チベットや新彊ウイルグに対するテロリズムがあるが、それは
    世界から不問にされている。中共は反テロ声明を出し、米国と
    共に歩むことを掲げている。これでは、歴史観が狂ってしまう。
    共産主義国家のテロによる無数の粛清の断罪は、一体どうなる
    のか。そして今回は、明らかに、アメリカに対する攻撃である
    にも関わらず、それを稚拙なメディア戦略でもって文明国に対
    する攻撃であるとすり替えた。それによって、世界中の国々が
    対米支援を表明し、米国の思いのままとなった。アメリカが反
    テロをいうのは茶番である。原爆はテロであるが、これ一つと
    っても米国の仕掛けがあることがわかる。

     このような観点から、小生の思想は、反米保守派である。小
    生が師事している知識人は、西部邁、佐伯啓思である。そして、
    親米保守派の代表格であり、今般のテロ解説者としてテレビに
    頻出している岡崎久彦の言説には、辟易せざるを得ない。その
    他の親米保守派として列記してみると、産経新聞、読売新聞、
    小泉純一郎、阿川尚之、森本敏 志方俊之、岡本行夫が挙げら
    れる。親米保守派と反米保守派の境界に位置していると思われ
    るのが、田久保忠衛、佐瀬昌盛、中西輝政、である。親米保守
    派の問題点は、経済制度はもちろんのこと、文化的、社会的側
    面でのアメリカニズムに対して、非常に警戒心が脆弱であると
    言うことである。アメリカニズムとは、反歴史、反伝統、反共
    同体の性質であり、求める先は市場原理主義と世論である。

     平成十二年秋に発表されたアーミテージ(後にブッシュ政権
    に於いて国務副長官となる)が中核となって作成したレポート
    「日米、成熟したパートナーシップに向けて」に記されている
    「日米関係は、米英関係になるべき」という箇所を、しきりに
    親米保守派は引用する。しかし、日米は、同盟国ではあっても、
    決して米英のようにアングロ覇権を共有している「同族」では
    ない。日米が、同盟国であっても、その内実は、戦略的同盟国
    にとどめるべきであり、将来、どの時点に於いても、同盟解消
    ありきの外交カードを備えておくことが必須である。
    
     このように言うと、必ずや、親米保守派から、日米同盟をな
    くせば、日本は「孤立」するという非難があがる。大東亜戦争
    の敗因も「孤立」であったという。しかし、少なくとも、将来
    的には、「米軍帰国のシナリオ」が必要である。米軍帰国の上
    で、戦略的同盟関係はあり得るだろう。やはり、歴史を見つめ
    るならば、他国軍がどのような理由であれ自国領土内に駐留し
    ているのは、「異常」である。
    
     そして、日本は米国から六年八箇月にも及ぶ「占領政策」を
    受け、その占領基本法たる日本国憲法は、今なお厳然と存在し
    ている。その後の日本政治、つまり自民党政治は、対米追随の
    みであった。占領解除後の吉田ドクトリンによる戦後体制の責
    任は、もちろん馬鹿な日本人にある。しかし、その大本をつく
    ったのは、占領政策である。米国との協調は是とするものの
    (あらゆる制度的側面で世界一のため)、「親米」と名乗る性
    癖は、理解に苦しむ。
    
     我が国の歴史とは、米国は旧敵国であり、占領政策を遂行し、
    東京裁判史観を散布したことである。なにも、旧敵国であるこ
    と、さらに反米を遮二無二に強調したいわけではない。だが、
    対米認識として欠かせないものが、昭和二十年三月十日の無差
    別空爆テロで我が同胞十万人を虐殺された「東京大虐殺」、八
    月六日の「広島大虐殺」、八月九日の「長崎大虐殺」である。
    これらの虐殺に関して、我が国民は、東京裁判史観によりそれ
    に対する反骨精神を削がれ、米国に於いては、この「テロ犯
    罪」に関し、不問にされたままである。この状況に対して反旗
    を翻しているのが、小林よしのりである。『SAPIO』十月
    二十四日号と十一月十四日号に於いて、「反アメリカニズム」
    「反構造改革」の旗を掲げた。

     冒頭に述べたように、今回のテロは、思想的に大変興味深く、
    親米・対米追随保守派をあぶり出すことになった。岡崎久彦は、
    テレビに出演し、アメリカ支援を主に強調していた。テレビの
    効果から見て、第一に言うべき事は、集団的自衛権を、政府解
    釈を変更して行使するように主張し、第二に、憲法改正の王道
    を威風堂々と説かねばならなかった。さらに、集団的自衛権の
    行使を明言しないのならば、対米支援は不可能と言うべきであ
    った。それが、知識人としての使命であろう。テレビの効果を
    最大限に利用し、政治的圧力をテレビを通して行える絶好の好
    機を、対米追随保守派に奪われた感は否めない。(敬称略)

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