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Wing-Mel No.420 民主主義を疑ふ

2001/11/05

 _/          _/  _/                      民主主義を疑ふ
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_/    _/    _/  _/  _/    _/  _/    _/                YoJirou
 _/  _/  _/    _/  _/    _/  _/    _/      H13.11.05 4,871部
 _/  _/      _/  _/    _/    _/_/_/         JOG Wing No.420
                                _/     国際派日本人の情報ファイル
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■編集者・YoJirouより■

     国際派日本人養成講座 JOG (213) (H13.10.28)でJOG
    編集長が『Common Sense: 民主主義・再考』を論じておられた。
    YoJirou もこの問題には学生時代から興味を持ち続け
    ている。日本の根幹に関わる問題だが、あまりにも根幹的な問
    題で、しかも「民主主義」は善、正義であることが当たり前過
    ぎると思われている問題なので扱われることは少なく、扱った
    としても『いまどき「民主主義を考え直してみよう」などと言
    ったら、たちまち危険人物扱いされかねない。「ファシスト
    !」などという罵声が飛んできそうだ』(伊勢雅臣編集長)。

     今でもこうなのだから、30数年前なら尚更であった。Yo
    Jirou が『民主主義を疑ふ』という小論を書いたのは昭
    和42年(1967)であった。大学3年、21歳だった。Y
    oJirou は関西の大学に在学していたが、学生運動、大
    学紛争がぼちぼち始まりかけるころだった。まだあまり激しい
    ものはなかった。しかし、東京の大学では、釘を打って殺傷力
    を高めた棒(角材)で殴り合いをしているそうだ、というよう
    な噂を聞いて驚いていたころだった。

     学生運動に限らず、政治運動は、それは「民主主義」じゃな
    い、「民主的」じゃない、というお題目で双方が相手を攻撃、
    撃破しようとするのが日本の戦後のおきまりである。大学紛争
    も、大学側は「民主的」じゃないと攻めるのがおきまりだった。
    極論でいえば「民主的」じゃないと言って、相手を殺すところ
    までいくのが政治運動の具になる「民主主義」である。

     学生運動、大学紛争が過激化する兆候を感じる中で、この問
    題を追及してみたい衝動にかられて一気に書き上げたのが『民
    主主義を疑ふ』というこの小論であった。この文が尊敬するあ
    る先生(大学教授)の目に留まり、当時、国の先行きを憂う、
    東京の学生数人が発行を始めた『論争ジャーナル』という新刊
    雑誌に紹介していただいた。掲載されると、一部では多少評判
    になった。当時、筆者は福田恆存氏に傾倒していたので、気負
    って歴史的仮名遣いで書いた。

     若気の気負いが鼻につくかも知れませんが、今後、数度に渡
    って分載しますので読んでいただければ幸甚です。

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●民主主義を疑ふ (1)

■民主主義は全てを超越した絶対的な善か■

■警鐘の封じ込め

     敗戦後二十数年、わが国は経済において驚異的な発展をとげ、
    国民生活は一応安定し、国内では平和ムードが謳歌され、戦後
    二十年の勝利と歌はれてゐる。しかし、この平和は土中深く根
    を下した、真に安定した平和であらうか。心ある人々は決して
    そのやうには見ないであらう。

     真に国の前途を思ひ、真剣にものごとを考へる人々はつねに
    警鐘を鳴らし続けてゐるのであるが、このやうな警鐘は太平に
    慣れた人々の耳には狂人のたはごとぐらゐにしか聞えず、かへ
    って、今の平和を乱すけしからぬ半鐘だと思はれるであらう。
    そして、その半鐘を封じ込めようとするのが常である。俗な比
    喩でいへば、朝気持ちよく寝てゐるのに目覚し時計が鳴り、そ
    れをうるさがつて蹴飛ばすか、蒲団の中へ押し込めてしまふや
    うなものである。

■愚者の武器「民主主義」

     ではどのやうな手段によつて封じ込めがなされるか。その最
    も強力な武器は「民主主義」といふ大義名分である。よほど自
    信のある警報家でも、この「民主主義」をつきつけられるとす
    ごすごと引き下がるのが普通である。それほどに「民主主義」
    は戦後日本の国内における強力兵器なのである。

     この武器の構造を何一つ知らずとも、それを自分のものであ
    るかのごとく振りまはしてゐれば、卑怯者であらうが、馬鹿で
    あらうが、日本国中大威張りで歩けた。向ふところ敵無しとい
    ふやうな一時期もあつた。少々間違つたことであらうとこの武
    器さへ持つてゐれば正義として通用させることができた。逆に
    たとへ正論であらうと、この武器を所持してゐないとなると、
    武器所有の側から総攻撃をくらつて敢へなく撤退するはめにな
    る。

■手軽な武器の生み出すもの

     人間だれしもかくのごとき強力簡便な武器が手に入ると、そ
    の手軽るさをいいことに、己れの素裸の心身を鍛練しようとし
    なくなるものである。己れの心はどんなに貧弱であらうとこの
    武器を扱ふ小手先の器用さがあれば立派に通用するからである
    (この種の言論人の何と多いことか)。そこで人々は、己れの
    心魂をもつてぶつかる真剣勝負を軽蔑し、小手先の事にのみ汲
    々とするやうになる。安易な誤魔化しで表面を糊塗し能事終は
    れりとする。現在、日本のいたるところに見られる浮薄な風潮
    の大半はここに源を発すると言つても決して過言ではないと信
    じる。

     最近マスコミの売れつ子となつてゐる会田雄次京大教授をし
    て、戦後の日本に「完全に欠如してゐるのは、本物への意欲で
    ある。… 戦後の日本は本質的に、イミテーション以外の何物
    も創造しなかつたといつて過言ではないだらう」、と言はしめ
    てゐるのも、つき詰めれば先に述べたやうなところへ行きつく
    のではなからうか。

■浮薄な風潮の根元

     そこで、今日、日本中に蔓延してゐるこの浮薄な風潮を少し
    でも善くせんとするならば、誤魔化しや隠蔽の具として用ゐら
    れる「民主主義」を根本的に検討、批判する必要があるやうに
    自分には思はれるのである。もう、かう言つただけで恐れ、戦
    き、右翼だ、反動だと喚き立てる徒輩がゐることであらう。

    「民主主義」とは動かすべからざる絶対的真理のやうに考へて
    ゐる人々がゐるからである。否、むしろ敗戦後の知識人の大部
    分、進歩派、保守派を問はず、特にマスコミ、言論界で活躍す
    る人々は、「民主主義」とは絶対不動、永遠不滅の真理である
    と考へてゐるのではあるまいか。あるいは考へたがってゐると
    いつた方がよいかもしれぬ。

     これらの指導よろしきを得た戦後の若い世代も、所謂「民主
    主義教育」が徹底してゐるので、「民主主義」こそはすべてを
    超越した絶対的な善であると思ひこんでゐるやうに思はれる。
    このやうな観念を少しでも揺振てみてやらうと思つてこの文章
    を書き始めたのである。 <続く>

【参考】
 『民主主義・再考』(JOG No.213 H13.10.28)
http://macky.nifty.com/cgi-bin/bndisp.cgi?M-ID=0367&FN=20011028001206

     JOG (213) (H13.10.28)で伊勢編集長が勧めておられる、
    長谷川三千子さんの「民主主義とは何なのか」(文春新書)は
    最新の名著です。是非読んでみられることをYoJirou 
    もお勧めします。

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