国際情勢

JOG Wing 国際派日本人のための情報ファイル

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Wing-Mel No.416 軍事的常識の欠如

2001/10/29

 _/          _/  _/                      軍事的常識の欠如
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_/    _/    _/  _/  _/    _/  _/    _/                YoJirou
 _/  _/  _/    _/  _/    _/  _/    _/      H13.10.29 4,854部
 _/  _/      _/  _/    _/    _/_/_/         JOG Wing No.416
                                _/     国際派日本人の情報ファイル
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     日本の学校ではいま、米中枢同時テロをどう扱っているのだ
    ろうか。湾岸戦争の時は「自衛隊派遣は憲法に違反する」「日
    本が戦争に巻き込まれる」といった考え方に子供たちを誘導し、
    反戦ポスターなどを作らせたりする実践例が日教組の集会で報
    告されたことがある。「戦力を持たなければ攻められることは
    ない。持つことで逆に危険視される」、『軍備に反対する男子
    生徒は「戦争をしない意地を通そう。不戦を言い続ければ、他
    の国にも広がる期待もある」と繰り返した』(ある県の日教組
    HP)。一国平和主義に基づく“反戦平和”は戦後日本が生ん
    だ身勝手な論理であり、世界に通用しないのは、今や明白とな
    った。
    
●戦争を教える

     12歳の長男が通う現地校(ロンドン)では週1回、80代
    の女性元教師が講師を務める倫理・時事問題の時間がある。生
    徒の質疑に対し、講師は「アフガニスタン攻撃で英国民がテロ
    に遭うことは間違いないが、戦って勝利しなければならない」
    と迷うことなく答えたそうだ。

     また、国語の教材には戦史書が使われ、日ごろビートルズば
    かり聴いている団塊の世代の男性教師が背筋を伸ばし、「英国
    の偉大さ」について“講釈”を始めたとか。

     いわく
    (1)邪悪な国と戦ってきた英国は、いつも善
    (2)米国は日本に原爆を落とすなど、ときどき罪を犯す 
    (3)ロシアは市民を無差別に殺してきた最悪な国家。
    
     日本の「邪悪さ」に触れようが、米国人生徒がいようと、お
    構いなしだそうだ。

     日本人としての誇りについて日ごろ、長男には教えてきた。
    それでも、日本人としての“理論武装強化”に迫られた長男は、
    しつこいほど歴史などの質問をするようになった。
    (産経新聞 10.23 野口裕之特派員)

■編集者・YoJirouより■

■あまりにも無防備な日本

     戦後、日本は世界的にも稀な平和で安全な時代が続き、いつ
    しか日本人は「水と平和(安全)はタダで手に入る」と思い込
    むようになった。この言葉は故・山本七平氏の三十年昔のベス
    トセラー『日本人とユダヤ人』で一躍有名になり、いまでもよ
    く使われるが、これは世界の常識から見て異常な考え方で、か
    つ非常に危険な習性だが、今に至っても改められた気配はない。

     昭和52年(1977)の日本赤軍による日航機ハイジャック
    事件のとき、日本政府は「超法規的措置」として、犯人側の要
    求どおり服役中の赤軍派メンバーを釈放し、身代金を支払った。
    翌月発生した西独ルフトハンザ機ハイジャック事件では、西ド
    イツ政府が特殊部隊を突入させて解決したこともあり、国際社
    会から日本は批判を浴びた。テロリストに対しては決して妥協
    しないというのが、当時から国際社会では常識であった。その
    後、ペルーの日本大使館にゲリラが多数の人質を取って立てこ
    もるという大きなテロが起こったが、やはり日本政府はなすす
    べもなかった(当時の橋本竜太郎首相は情報収拾に当たってい
    る職員にアンパンを自ら差し入れて激励したと、世界の失笑を
    買った。非常時に一国の首相としてもっとなすべき肝心なこと
    があるだろうということだ。情けなかった)。テロに全面降伏
    をしてきたという前科が、金持ちニッポンをテロの格好の標的
    にしている可能性はいまだに続いている。アメリカへのテロ攻
    撃の最中、この可能性は益々高まっている。

■軍事的発想の欠如

     冷戦時代、アメリカが軍事力を背景にアジア外交を一手に引
    き受けたため、日本は東アジアの動乱とは無縁でいられた(ベ
    トナム戦争が象徴的)。それが日本の経済成長を大いに促進し
    た。しかしこれは、第二次大戦後のアメリカの対日政策による
    ものだった。日本の軍事的脅威を取り除き、貿易国家として生
    きる道を強制したのはアメリカだ。

     その結果、日本人は軍事力の国際関係に果たす現実的役割を
    認識できず、またする必要もなく戦後半世紀以上を過ごすこと
    となった。政治家も知識人もジャーナリストも、子どもを教え
    る教師も初歩的な軍事常識さえ失なった(というか、邪悪なも
    のとして排除してきた)。軍事常識なき国際関係論、外交論は
    空虚なものとならざるを得ないのが世界政治の現実だ。

     敗戦後半世紀、日本から軍事常識はほぼ完全に消滅した。軍
    事常識を喪失したということは国家常識の喪失であり、政治常
    識、歴史常識の喪失でもある。これが戦後五十余年の成果であ
    る。現在の日本のあらゆる混乱の源はここにあると言っても過
    言ではなかろう。

     戦後の日本は何事にせよ、戦略的発想ができない。戦略とは
    軍事的発想から来る。日本は敗戦以来、戦争とか軍事的なもの
    を頭から否定し、議論するだけでも、軍国主義者、軍国主義復
    活と罵られるしまつである。しかし、「戦い」は、別に戦争、
    戦闘行為に限るものではなく、グローバルマーケットでの金
    融・経済のせめぎ合いも「戦い」だ。戦いを恐れ、戦いを論じ
    ることを毛嫌いすることによって、軍事的な発想の応用である
    知略、戦略までも無視してしまったことに現在の日本の弱さと
    混乱、低迷がある。

     大学教育で軍事教育をしないのは世界広しといえども日本だ
    けというのは、今や有名な話となった(その後事態は変わって
    いるのだろうか)。

     軍事的知識、発想の欠如は今後とも日本人の大きな欠陥とな
    り、日本を悩まし続けることだろう。いつになったら普通の国
    になれるのだろうか。先は遠そうだ。

【関連】
『狙われる日本人』 YoJirou JOG Wing No.0247 (H12.11.13)
http://www.melma.com/mag/56/m00000256/a00000253.html

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