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Wing-Mel No.391 食糧難と援助の悪循環 北朝鮮

2001/09/10

 _/          _/  _/                      食糧難と援助の悪循環 北朝鮮
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_/    _/    _/  _/  _/    _/  _/    _/                YoJirou
 _/  _/  _/    _/  _/    _/  _/    _/      H13.09.10 4,681部
 _/  _/      _/  _/    _/    _/_/_/         JOG Wing No.391
                                _/     国際派日本人の情報ファイル
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     6日、北朝鮮は、無視し続けてきた南北閣僚級会談を今月1
    5-18日にソウルで開くとした韓国側提案を受け入れると通
    告してきたという。これにはどんな背景があるのだろうか。

●北朝鮮 今年も食糧大幅減産

         世界食糧計画(WFP)のバーティーニ事務局長は8月2
        1日、北朝鮮視察の帰途立ち寄った北京市内で記者会見し、
        北朝鮮の今年の穀物収量は当初予測を大幅に下回る17万
        2千トンにとどまるとの見通しを示した。

         同事務局長は、「今年3−6月に北朝鮮を見舞った干ば
        つの影響による大幅減産だ」と述べた。WFPでは今年の
        収量について当初49万7千トンと予測していた。

         WFPの対北朝鮮食糧支援は人口の3分の1にあたる7
        60万人をこれまでカバーしたが、同事務局長は援助継続
        の必要性を訴えた。WFPでは食糧事情に関する視察活動
        の裁量権拡大で北朝鮮政府と合意した。
        (産経新聞 8.22)

■編集者・YoJirouより■

■「偉大な将軍様」誇大報道

         北朝鮮では、金正日総書記の訪露を「全世界が注目し延
        べ3百億人が視聴した」と報道がなされた。8月13日の
        平壌放送は、「酷暑、暴雨もいとわず数万里の外国訪問の
        道程で精力的な対外活動をする偉大な領導者、金正日同志
        の訪露に全世界が注目している」とし、「世界五大陸で延
        べ3百億人余りの人々が敬愛する将軍のロシア公式訪問の
        報を視聴した」と伝えた。
        (産経新聞8.15)
        
     数でいうと、地球上の人間が一人残らず5日間“対外活動を
    する偉大な領導者、金正日同志”を視聴したというのだから、
    スゴイ国だ?!こんなウソを真顔で言える国もスバラシイ?!
    
     訪露中のこれだけ“偉大な領導者”サマが何を恐れて、ロシ
    アと北朝鮮による異様なほど過剰な警護、警備をなされたのだ
    ろう?これだけ“敬愛”されている“偉大な領導者”サマがま
    さか暗殺されることはありますまい。北朝鮮のみなさまは偉大
    な“領導者”サマの下、満足なさっていらっしゃるのでしょう
    から。ではあの異常な警護、警備は何だったの? ロシアで殺
    される可能性でもあったのでしょうか?

■江沢民歓迎に延べ100万人

     中国の江沢民国家主席一行を歓迎するため、北朝鮮当局が訪
    問中に動員した平壌市民らは、3日間で延べ百万人近くに達し
    た。中国側での報道などから判明した。

         3日の到着時、赤やピンク色の造花を手に空港から市街
        への沿道を埋めた市民は「数十万人」(新華社電)。翌4日
        夜に中朝首脳がそろって鑑賞したマスゲームは、演技参加
        者が「十数万人」(人民日報)、演技の一端をになう観客も
        「十五万人収容のスタジアムに空席なし」(同)という状況
        だった。5日の出発時にも「万単位の人々」(中国共産党
        の発表)が空港までの沿道で中朝友誼のスローガンを叫ん
        だ。さらに、平壌到着時や朝鮮戦争の中国人民志願軍の記
        念塔献花では、北朝鮮の人民軍が分列行進した。
        (産経新聞 9.6)

     こうした、一糸乱れぬ不気味、異様な数の人民動員の影には
    何があるか。

     あのマスゲームのために、いったいどれほどの子どもたちが
    授業をつぶし、苦しい思いで練習をしているか。かつ、少しで
    も間違ったら最後、その子の学校の校長が粛正されてしまうと
    いう、ものすごい抑圧を受けている。人権を尊重しないからで
    きることなのだ。90年に金丸信氏が訪朝して、巨大な競技場
    であのマスゲームを見せられていたく感動した話がある。この
    無意味なパフォーマンスがどんな圧制の下で行われているか、
    想像力がまったく働かなくなる、政治家が多い。(佐藤勝巳氏
     現代コリア研究所所長)。 ※これでコロッと洗脳される愚か
    な政治家も多いようだ。北朝鮮参りをする政治家の多くはこれ
    ではないか。

■乳幼児死亡率上昇、収入半減

         北京で開かれた国連児童基金(UNICEF)の会議で、
        朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の高官が、北朝鮮国内
        で、食糧難と経済危機により、乳幼児死亡率が上昇してい
        ることを実数を挙げて報告した。
        
         報告したチョ・ス・ホン副外相によると、北朝鮮では経
        済危機により、各家庭の収入がほぼ半減。一方で、乳幼児
        の死亡率が上昇し、国民の平均余命が短くなったという。
         (CNN 5.16)
       

■平均余命は6年間で6歳短く

         この報告書では、飢餓による死者数は明記されていない
        が、1993年に73.2歳だった国民の平均余命は、9
        9年には66.8歳に低下。5歳以下の子供の死亡率は、
        1000人あたり27人から48人にまで増えたという。
        
         一方、この間に、国民1人あたりの国民総生産は、99
        1ドル(約12万円)から457ドル(約5万6千円)に
        下落した。
        
         北朝鮮は95年-98年に、大規模な食糧不足に見舞わ
        れた。北朝鮮当局は、飢餓などで22万人が死亡したとし
        ているが、韓国や米国は27万人から200万人が死亡し
        たと見積もっている。(CNN 5.16)

■悲惨な実態

         そんな時に出版されたから『北朝鮮を知りすぎた医者』
        (草思社)という本はすこぶる衝撃的だった。北朝鮮で18
        カ月間、ボランティアの医療活動をしたドイツ人医師ノル
        ベルト・フォラツェン氏の手記で、また一つこの国の実態
        が明らかにされている。
        
         訪れた海州第二病院は患者であふれかえり、がたがたの
        ベッドにすし詰めになっていた。ハエと蚊にさらされ、き
        れいなシーツも石けんもない。悪臭の漂うなか、人間とは
        思えない姿で男がベッドに横たわっている。やけどを負っ
        ていたが、まるでホラー映画の吸血鬼だった…。
        
         想像を絶する体験が続く2月16日、金正日総書記の誕
        生日に招待されると、そこでは豪華な夕食会のパーティー
        が開かれ、高級幹部らはベンツを乗り回している。だがあ
        る日、西側記者を地下鉄や病院に案内したことで「破壊活
        動分子」のレッテルをはられ、国外追放された。(産経抄
         5.18)

■外国援助で延命

     韓国に亡命してきた黄長元書記によると、餓死者の数は正
    確に金正日に報告されているという。黄元書記はこの事実を脱
    出直前の96年11月に知った。金正日はどれくらいの人間が
    死んでいるか知っている。それなのに何の対策もせず、配給の
    95%をカットしておいてミサイル開発や金日成の遺体を安置
    する錦繍山記念宮殿建設に大金をかけている。「だから許せな
    い」と彼は亡命を決意した。金正日体制は確信犯で国民を殺し
    ている政権なのである。
    
    金正日体制が外国の援助で延命していることに、黄元書記は耐
    え難い怒りを感じている。ほんとうに北朝鮮の国民の命を救う
    ためには、何をなすべきか。いま私たち日本人は援助というカ
    ードを持っている。ムードに流されることなく冷静に、もっと
    効果的な使い方をきちんと考えなければならない。
    (佐藤勝巳氏 現代コリア研究所所長)

■いくら援助をしても

         日本政府が平成7年に行った北朝鮮への有償コメ支援で、
        北朝鮮がコメ代金約56億円にかかる利息総額約5億9千
        万円を滞納していることが6日、食糧庁の調査で分かった。
        日本側は昨年の日朝国交正常化交渉でも支払いの問題提起
        をしたが、北朝鮮側からの回答はなく、未払い額の延滞利
        息も約1億円にのぼる状況となっている。毎年約1億1千
        万円の利息分が未払いになり、その利息にかかる延滞利息
        を加算した結果、滞納総額は今年8月末で5億9千万円に
        達した。

         食糧庁では、支払い窓口である北朝鮮の機関、国際貿易
        促進委員会に対し、これまで毎月1回、計53回の督促状
        を出しているが、返答はない。
         昨年8月の日本での日朝交渉でも日本側は支払いを求め
        たが、北朝鮮側は、「(同委員会に)伝える」としただけだ
        った。(産経新聞 9.7)

         朝鮮中央通信によると、朝鮮民主主義人民共和国(北朝
        鮮)の労働党機関紙「労働新聞」は3日、先月末の日本の
        H2Aロケット打ち上げについて「日本反動勢力のロケッ
        ト発射はわが共和国を狙ったものだ」と非難した。
         同紙は「米国と日本は衛星打ち上げを中止しているわれ
        われの平和愛好的な立場を見誤ってはならない」と指摘。
        「われわれのミサイルは、わが国の自主権を尊重する国に
        限っては脅威にならないが、われわれを標的にして危険な
        ミサイル発射に頼る日本やその後押しをする一部の国にま
        で寛大さを示すものではない」と警告した。
        (共同 9.5)

     いくら援助や支援をしても、この程度の認識しか示さない国
    に援助する必要があるのか? しなければ、何をするか、どう
    なるか分からないという恐怖心から援助せざるを得ないように
    し向けるのが「ならず者国家」のならず者たる所以(ゆえん)
    なのだ。

■たかり外交は消えず

     指導者に対する絶対服従の国である北朝鮮には、指導者の好
    きなように扱われるままの「人民」はいても、政府に圧力をか
    けられる主権を持った「国民」
    は存在しない。いくら困窮しても、結束して反政府活動を起こ
    せないし、起こさない。それで指導者も平気で「人民」を無視
    した国家運営ができる。これが「人民(を好きなように扱う)
    共和国」の実態だろう。そのため外国から支援や援助をする宥
    和策は金正日のたかり外交を強化することにしかならないだろ
    う。金正日は、独裁体制を維持するために緊張緩和を利用して
    いるからである。 北朝鮮の行動をみれば、金正日が今後ゆっ
    くりと自由化を実施するとは到底考えられない。
    
     だが、韓国や中国にとっては、その方が都合がいいだろう。
    北朝鮮は受け取った支援金や物資を使って巨大な軍隊を維持し
    ているが、北朝鮮軍が無力になったら、何百万人という難民が
    中国と韓国に押し寄せるだろう。国際的な人権問題になるので
    韓国や中国の隊軍が発砲して追い返すわけにはいかない。頼み
    の綱は北朝鮮軍であり、難民流入を恐れる中韓の政府にとって、
    北朝鮮への人道的支援が軍隊に横流しされることは、むしろ好
    ましいことなのである。
    
     そのために大いに利用したいのが無能外交、謝罪外交の愚か
    な日本なのだが、中韓に都合のいいように日本を動かすために
    は、アメリカを動かさなければならない。そのための陽動作戦
    が、今回の江沢民の北朝鮮訪問と、金正日のロシア訪問という
    訳である。
    中露北朝鮮がグルになれば、アメリカとしても傍観はできない
    であろう。
    
     無視し続けてきた南北閣僚級会談を、今月15-18日にソ
    ウルで開くとした韓国側提案を、進んで北朝鮮側から受け入れ
    ると通告してきた(極めて珍しいこと)というのも、この動き
    の一環と読めるのである。

【関連】
『自分の力の源泉は軍事力だ』 JOG Wing No.0210 YoJirou 
(H12.08.28)
http://www.melma.com/mag/56/m00000256/a00000216.html
『金正日将軍さまへの欽慕の情』 JOG Wing No.0230 YoJirou
(H12.10.09)
http://www.melma.com/mag/56/m00000256/a00000236.html
『真の策略家はどちら?』 JOG Wing No.0234 YoJirou (H12.10.16)
http://www.melma.com/mag/56/m00000256/a00000240.html
『奴隷のマスゲーム?』 JOG Wing No.0244 YoJirou (H12.11.06)
http://www.melma.com/mag/56/m00000256/a00000250.html
『潰れぬ、潰さぬ北朝鮮』 JOG Wing No.0266 YoJirou (H12.12.25)
http://www.melma.com/mag/56/m00000256/a00000272.html
『米朝交渉の隠れた動機』 JOG Wing No.0281 YoJirou (H13.01.22)
http://www.melma.com/mag/56/m00000256/a00000283.html
『北朝鮮の路線転換は可能か』 JOG Wing No.0289 YoJirou
(H13.02.12)
http://www.melma.com/mag/56/m00000256/a00000295.html

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