国際情勢

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Wing-Mel No.388 教科書反対運動の実態

2001/09/03

 _/          _/  _/                      教科書反対運動の実態
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_/    _/    _/  _/  _/    _/  _/    _/                YoJirou
 _/  _/  _/    _/  _/    _/  _/    _/      H13.09.03 4,653部
 _/  _/      _/  _/    _/    _/_/_/         JOG Wing No.388
                                _/     国際派日本人の情報ファイル
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     論議を呼んだ、扶桑社版中学歴史・公民教科書は、一般の公
    立校では全国542地区すべてで採択されず、採択率は1%に
    もならなかった。反対運動勢力は勝利宣言をし、中韓は喜んだ。
    果たして反対勢力の勝利だったのだろうか?

●偏見を露にした「弱者狙い撃ち」論

         扶桑社刊中学歴史・公民教科書が、東京都と愛媛県(歴
        史だけ)の養護学校で採択されることになった。このこと
        は、公立学校での初の採択事例になったこともあり、扶桑
        社刊教科書に批判的な態度を採る層からは、明らかな懸念
        や反発が示されている。その懸念や反発の中で聞こえてき
        たのは、「何故、養護学校なのか」という声である。

         たとえば、作家の大江健三郎氏は、去る8月8日付朝日
        新聞朝刊紙上で、「養護学校に使わせるのは、抵抗の弱い
        相手への狙い撃ちです。権力を持った者と、その意を体す
        る者らの、勘定合わせにすぎません。どこに障害者への教
        育的配慮がありますか」と不快感を露にしている。

         しかしながら、われわれは、「何故、養護学校なのか」
        という問い掛けそれ自体が、既に偏見の匂いを帯びている
        ことに気付かなければならない。

         中学卒業までは養護学校に通い、そこで「挫(くじ)けな
        い」の一事を叩き込まれた私の印象からすれば、この種の
        批判は、欺瞞に満ちたものである。実際のところ、障害を
        持つ子供にとって、養護学校を卒業した後に出て行くこと
        になる実社会は、「善意に満ちた空間」などではない。障
        害を持つ幾多の人々にとって、実社会での諸々(もろもろ)
        の困難に挫けずに自分の立場を守っていく日常は、「平
        和」よりも「闘争」の言葉で形容するに相応しいものであ
        ろうし、その現実に相対する際、「人権」といった抽象的
        な概念は、あまり役に立つものではない。

         とすれば、障害を持つ子供にとって大事なことは、その
        障害の種類や程度によって、自らの限られた能力を極限ま
        で伸ばす機会を手にすることである。その一環として、も
        し、知力の鍛錬が求められるならば、却って難解と評され
        る「歯ごたえのある教科書」の方が、その目的に沿うはず
        である。扶桑社刊教科書批判に与する人々は、どのように、
        この辺りの事情を考えているのであろうか。

         率直にいえば、個人であれ国家であれ、「独立した存
        在」であることは、殊の外、難しい。黒船来航という形で
        「西洋の衝撃」に直面して以降、我が国の道程では、煎
        (せん)じ詰めれば「独立した存在」であり続けることに総
        てが振り向けられていた。たとえ、我が国が、その道程の
        途中で様々な過誤を犯したとしても、「独立した存在」で
        あるために積み重ねられた先人達の努力は、絶えず振り返
        られてよい。

         健常なる子供ならば、進学や就職といった機に、我が国
        の社会で「独立した存在」となるための関門を潜(くぐ)る
        ことは割合、簡単かもしれないけれども、障害を持つ子供
        が、関門を抜けるには、多くの困難を伴うものである。

         そうであるならば、明治以来の先人達の努力に触れさせ
        て、「独立した存在」への意志を鼓舞することは、障害を
        持つ子供に対する教育の有り様としては、明らかに大事な
        ものである。その点でも、扶桑社刊教科書は、諸々の批判
        にもかかわらず、障害を持つ子供が使用するに不適切であ
        るともいえないのである。

         差別や偏見を糾弾する人々が、実は期せずして差別感情
        や偏見に囚われている点で、最も度し難い存在であるとい
        うこともある。扶桑社刊教科書をめぐる内外を巻き込んだ
        騒動の過程で、このことを垣間見たのは、私には誠に後味
        の悪いものであった。
        (産経新聞 8.28 櫻田 淳氏 『正論』 より抜粋)

■編集者・YoJirouより■

■教科書の採択反対運動

     論議を呼んだ、扶桑社版中学歴史・公民教科書は、東京都や
    愛媛県の養護学校など6校と8府県の私立9中学校での採択だ
    けにとどまった。一般の公立校では全国542地区すべてで採
    択されず、採択率は1%にもならなかった。

     これまでの自虐的歴史教科書から、日本に誇りを持てるよう
    な教科書が出来上がったら、「復古的な歴史観」「歴史の流れ
    を逆行させるもくろみ」と朝日新聞など左傾マスコミが採択阻
    止のプロパガンダを執拗に展開し始めた。これは朝日常套の外
    圧呼び込みプロパガンダである。予定どおり、これに呼応した
    内外の組織的採択妨害工作が始まった。

     この常軌を逸した妨害工作を朝日新聞は「こうした世論の広
    がりは、敗戦から半世紀余を経て、民主主義や人権意識が血肉
    化されてきたことをうかがわせる」(朝日新聞 8.17 社説)と、
    絶賛した。

     一出版物の抹殺を図ろうとする運動を、「民主主義や人権意
    識が血肉化されてきた」と絶賛するとは、朝日新聞の賞賛する
    ところが奈辺にあるか語るに落ちている。

     教育委員の自宅にカミソリの刃が送付されたり、いったん扶
    桑社の採択を決めた地区の関係者宅には脅迫電話が相次いだと
    いう。東京都が養護学校での扶桑社版の採択を決めた日の夜に
    は、「つくる会」の事務所の入るビルが放火されるというテロ
    事件まで起きた。

■朝日外圧誘導記事引用の常套手段

        <以下朝鮮日報より>
         もちろん日本政府は、わい曲グループに負けない程の国
        際的な“恥”をかかされた。文部科学省はわい曲教科書に
        検定合格の公認証を出し、歴史的認識の乏しさを表出した。
        日本政府が力を貸した教科書のわい曲は、庶民の力によっ
        てその勢いに歯止めがかかったのだ。

         その結果、問題の教科書を採択した学校は1%にも満たな
        くなる見通しだ。8月15日の採択締め切り日にならなけれ
        ば結果は分からないが、わい曲教科書を枯死させた“1986
        年の第2次教科書問題”の裁判のような事態に発展する可
        能性も少なくない。

         小泉首相が8月15日に靖国神社を参拝することを主張し
        ている問題でも、世論の反対が強くなっているムードだ。
        朝日新聞の調査によれば、参拝を控えた方がいいと要求し
        ている意見がここ1カ月の間に42%から65%まで急上昇して
        いる。(朝鮮日報 8.7)

    ※最後の部分は、こんな事実があったのだろうか。ウソっぽい。
      (YoJirou)

     「新しい歴史教科書をつくる会」は、8月16日に発表した
    声明文で、朝日新聞とともにNHKを名指しで、「(NHK
    は)客観的報道を装いつつ、韓国からの脅迫ニュースをトップ
    ニュースで流しつづけ、現実には扶桑社版を暗に不採択にする
    妨害工作に全国規模で加担した」と批判した。

■過激派を混入させた反対運動

         新しい歴史教科書をつくる会本部を狙った8月7日深夜
        の放火事件は、過激派によるゲリラ事件と断定された。扶
        桑社の中学校歴史・公民教科書をめぐる組織的な抗議・妨
        害活動には「あらゆる手段で採択を阻止する」と叫ぶ過激
        派の影が見え隠れしていたが、公安当局は、大衆運動にま
        ぎれて教科書問題への取り組みを行ってきた過激派が、実
        力闘争に転換したとみて警戒を強めている。
    
         扶桑社教科書の採択に対する抗議活動を呼びかけている
        のは、旧社会党・総評系などでつくる「教科書情報資料セ
        ンター」▽共産党と友好関係にある「子どもと教科書全国
        ネット21」▽在日本大韓民国民団−など。
    
         公安当局によると、これらの団体などが中心になった行
        動には、過激派活動家が「市民グループ」を装って紛れ込
        むケースが目立っている。
    
         文部科学省や東京都国立市役所、杉並区役所、東京都庁
        で行われた抗議行動で、中核派や旧第四インター、共産主
        義者同盟系各派の活動家の姿が確認されているほか、革労
        協や革マル派なども扶桑社採択阻止を主張している。
    
         いったん扶桑社の採択を決めた栃木県下都賀地区で採択
        撤回運動を行った「とめよう戦争への道! 百万人署名運
        動」は中核派が主導して結成された組織だ。
        (産経 web 夕刊 8.8)

         直接、担当者に面会を求めた団体もあった。
         部落解放同盟栃木県連合会は二人一組で各市町を回り
        「教育長に会わせてほしい」などと要請し、扶桑社の不採
        択を求める文書を手渡した。
         在日本大韓民国民団栃木県本部は五人程度で小山市や栃
        木市を訪れ、採択の再検討を求めた。その様子を「民団新
        聞」七月十八日号でも取り上げている。
        
         抗議攻勢は委員の自宅にも及んだ。
         ある自治体の教育長の側近は「教育長の自宅に『採択し
        たら取り返しのつかないことになる』と電話があり、憔悴
        していた」と証言する。
         扶桑社派とみられていた栃木市の教育委員長宅には脅迫
        電話までかかった。
         電話は深夜一時、二時ごろ、かかってきた。「あんたん
        とこのおばあさんは九十歳だってね。石段から落ちなけれ
        ばいいね」
        「あっ、寝てたの? 神社が火に包まれちゃうよ」という
        男の声だったという。(産経新聞 8.25)

■中核派(革命的共産主義者同盟全国委員会)HP

         「やったぞ!」「扶桑社の教科書は不採択!」。7月2
        5日午後2時過ぎ、杉並区役所6階の教育委員会室のまわ
        りの廊下で、歓声と拍手がわき起こった。「不採択勝利
        !」と大書した紙を広げた市民団体の人びとの笑顔が輝く。
        
         杉並区教委の教科書採択審議が行われた24、25日の
        二日間の闘いは、息づまるような高揚と緊張の連続だった。
        24日の昼には、教職員組合や区職労の労働者、市民団体、
        在日朝鮮人ら550人余が区役所前に集まり、゛人間の鎖
        ″で区役所を完全包囲した。
        
         最大の焦点となってきた東京・杉並で、ついに「つくる
        会」教科書の採択が阻止されたのだ。昨年11月以来の闘
        い、とりわけ4月3日の検定合格以来116日間の闘いが
        かちとった勝利だ。区教委には「つくる会」教科書に反対
        する数百の請願が提出され、市民団体から1万2千筆を超
        える署名が提出された。区役所前では連日座り込みが行わ
        れた。地域住民と労働者、そして在日アジア人民、アジア
        人民との共同の闘いが勝利を切り開いた。
        
         採択結果を受けて、ある区民は「いろんな人たちが集ま
        って一つの大きな力となって、素晴らしい勝利をかちとる
        ことができました。でも闘いは続きます。日本の国民がこ
        れから二つに分かれてぶつかっていく、そういう時代が来
        ていると感じます。『つくる会』教科書絶版まで、闘い続
        けます。教育委員会に教科書を採択させてはなりません。
        誇りを持って歩み続けます」と語った。
        
         また、7月11日に公立校で初めて「つくる会」歴史教
        科書採択を決めた栃木県下都賀(しもつが)地区教科書採
        択協議会は、25日に再度協議会を開催し、11日の決定
        を白紙に戻して、「中学用歴史は東京書籍」と決めた。労
        組、市民団体、在日の人びとなどの必死の闘いが、決定を
        覆して大きな勝利をかちとったのだ。
        
         全国で採択が続々行われているが、「つくる会」教科書
        を採択した地区は一つもない。杉並、国立、栃木の勝利を
        全国に押し広げ、すべての地区で採択を阻もう。
         週刊『前進』(2016号)
        <中核派(革命的共産主義者同盟全国委員会)HPより>

    ※革命的共産主義者同盟(革共同・中核派)とは何もの

         革共同は、反帝国主義・反スターリン主義世界革命に勝
        利し、共産主義社会を実現することを究極の目的としてい
        る革命党です。
        
         革共同は、プロレタリアートの武装蜂起によって帝国主
        義国家権力を暴力的に打倒し、日本 ― 世界革命を実現し、
        労働者階級・人民大衆が主人公となる社会を築きあげるこ
        とで、戦争と搾取・収奪、あらゆる差別・抑圧をなくし、
        現代社会の矛盾と諸問題を解決していくことができると考
        えています。
        (革共同(中核派)HPより)

    ※「中核派」と言えば、ある年代以上には学園紛争、成田闘争
      で勇名?をはせた超過激派集団であることはご存知でしょう。
      いまだに時々革マル派などと殺し合いをやっている。

■言論封殺史の特筆大書事件

         テレビを見ていたら、コメンテーターの弁護士が「意外
        です、1%もあったなんて。あんなものゼロ%でいい」と
        語っていたのにはさすがに驚いてしまった。日本の社会風
        土に本来のファシズムは存在しない。しかしこの思想は弁
        護士たちが忌み嫌うはずのファシズムそのものではないか。
        
         「私は君の考え方に反対だ。しかし君がそう考える自由
        はあくまでも守る」といったのは、十八世紀フランスの思
        想家ボルテールである。だが「つくる会」反対派は、相手
        の言論や出版の自由を完全におしつぶそうとたくらみ、目
        的のためには手段を選ばなかった。
        
         これは言論封殺の戦後史でも特筆すべき一ページだろう。
        
         「市販本」は歴史・公民あわせて70万部を超えている
        という。ベストセラー必ずしも良書とは限らないが、こん
        なにも広く読書人に受け入れられていた。笑うべし、「採
        択率1%未満」はいかに卑劣な妨害工作が行われたかを証
        明する数字ではないか。
        (産経抄 8.18)

    _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ ニュース _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/
 「市民の教科書研究所」では各社の新旧シェアの比較を行っている。

         扶桑    帝国    東書    清水   大書    教出   日文   日書
 現行  −−    1.5%    35.8%    2.8%    20.2%   21.7%   3.3%  14.7%
 新規  0.0%    8.7%    49.5%    2.3%    13.7%   17.5%   1.4%   6.9%
 比較  −−   +7.2%   +13.7%   -0.5%    -6.5%   -4.2%  -1.9%  -7.8%
 http://www.h2.dion.ne.jp/~kyokasho/

     現行教科書でも偏向度の少ない東京書籍、帝国書院がシェア
    を伸ばし、最も自虐色の強かった大阪書籍が大きくシェアを落
    としています。扶桑社の教科書の採用率は低かったものの、教
    科書の正常化という面では、大きな成果を上げたと言える。
   (JOG Wing No.387)

■方向は決まった

     今回の教科書騒動は採択ということでは、反対運動勢力に圧
    殺されてしまったが、これは結局は彼らの運命を決定づけるこ
    とになるだろう。反対勢力、反対運動がいかなるものかいまま
    で何も知らなかった国民に知らしめる結果となった。
    
     おとなしく、物言わぬ賢明な日本庶民は反対運動勢力に対し
    て何もしないだろうが、態度で示して、黙って刺すだろう。こ
    れはじわっと効いてくる。まだ当分は執拗な中韓の外圧呼び込
    みは止みそうもないが、実態が広く暴露された今となっては、
    方向は決まったようなものだ。その意味で「新しい歴史教科
    書」は大きな役割を果たした。たとえ今後とも採用されること
    がなくても、多くの国民の歴史の見方は大きくそちら側へとシ
    フトしていくだろう。十年後が楽しみだ。

【関連】
『本当は恐ろしい教科書問題』 JOG Wing No.0281 YoJirou (H13.01.29)
http://www.melma.com/mag/56/m00000256/a00000287.html
『朝日・中・韓連携 日本教科書検閲網』 JOG Wing No.302 YoJirou
(H13.03.12)
http://www.melma.com/mag/56/m00000256/a00000308.html
『教科書をダシに戦争ごっこ』 YoJirou  JOG Wing No.369
(H13.7.23)
http://www.melma.com/mag/56/m00000256/a00000375.html

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