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Wing-Mel No.379 “靖国戦争”も終息か?

2001/08/13

 _/          _/  _/                      “靖国戦争”も終息か?
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_/    _/    _/  _/  _/    _/  _/    _/                YoJirou
 _/  _/  _/    _/  _/    _/  _/    _/      H13.08.13 4,5139部
 _/  _/      _/  _/    _/    _/_/_/         JOG Wing No.379
                                _/     国際派日本人の情報ファイル
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     小泉総理の靖国神社参拝もいよいよ大詰め。首相の靖国参拝
    の意義、経緯、思想的背景、その政治力学等を探ってみました。

●靖国参拝こそ首相の試金石

         参院選は自民党が勝利した。小泉純一郎首相への国民の
        信任であり、公約実現への期待である。公約の中で靖国神
        社参拝こそが小泉内閣が標榜する「改革実現」の試金石に
        なるのではないだろうか。

         なぜなら種々の公約は政策の適否、方法論など実行に種
        々の壁があるが、靖国参拝は期日もはっきりし、実現の可
        能性が最も高いと思える。

         小泉人気の要因の一つは「聖域なき構造改革」であり、
        現在の日本の閉塞感の打破にあると思うが、靖国参拝、憲
        法改正、集団的自衛権の整備など戦後の負の遺産の整理へ
        の期待も大きいのではないか。

         改革は行財政、経済だけではない。先の大戦に関するタ
        ブー部分の改革もあろうし、外交問題も含まれる。他国が
        内政干渉するのは、その国の国益を引き出せるからにほか
        ならない。

         首相には外交の悪循環を絶つ意味でも、公約通り「靖国
        参拝」を熟慮断行し、国民を欺かないでほしい。
                 (産経新聞 8.5 麻田 均氏 (42) 岡山市 投稿)

■編集者・YoJirouより■

■外交戦争の敵側カードを断ち切る総理

     靖国問題と教科書問題の外圧は「何ものにも臆せず毅然たる
    態度をとり続けられる首相が出ればそのうち必ず消滅していく
    問題である」。五年後、十年後になって、何故あんな下らぬい
    ちゃもんに大騒ぎをしたのか理解不能になるような問題である
    ことは断言してよい。しかも、それにより、日本の精神的再生
    も期待できる。いまのところ、小泉首相がその第一号総理にな
    りそうで楽しみである、

     とYoJirouはかねてから繰り返し主張している。“教科書戦
    争”は中韓ともにまだまだしつこそうだが、ひとまずは沈静化
    しそうな情勢になっている(今後再燃するとしても従来どおり
    にはいかないだろう)。これもひとえに小泉首相がいささかも
    動ずるところがないのに根負けし、これ以上粘っても反中・韓
    感情が燃え上がり、自国経済にも影響が出る事態になると判断
    したからである(あくまでも国益優先の打算が彼らの外交であ
    る。まあ、これが普通の外交であろうが)。従来の総理ならば、
    これだけ反発の攻勢を内外からかけられれば、オタオタして何
    らかの妥協案を示して、また一層相手をつけ上がらせ、後世に
    つけを回すということの繰り返しになっていたであろう。

■“靖国戦争” 開戦始末

     現在の靖国問題が始まったのは、昭和60年(1985)からであ
    る。中曽根首相は、かねてから「戦後の総決算」を標榜してい
    たが、59年に靖国懇談会を設け、その報告書に基づいて60
    年8月15日には公式参拝を行った。

     これに対し、8月7日の朝日新聞は、靖国問題を「中国が厳
    しい視線で凝視している」と書き、10日の人民日報は、靖国
    参拝に批判的な日本国内の動きを報道し、はじめは互いに相手
    国を引用する形で、反対運動を開始した。遂に14日には、中
    国外務省スポークスマンが、「アジア各国人民の感情を傷つけ
    る」と、はじめて公式に反対の意思表示をした。その後、社会
    党が訪中して、中国と一緒になって公式参拝批判の気勢を大い
    に上げ、反対運動は燃え上がり、中曽根首相は、その後退任ま
    で参拝できなくなってしまった。この時以来、この干渉の成功
    に味をしめた中国は、靖国問題干渉を中国外交政策の一部とし
    て維持し、それが中国の「国民感情」となり、日本国内左翼と
    相呼応しつつ今日に至っている。 (読売新聞 7.29 岡崎久彦
    氏)

■何のための“靖国戦争”か

     ここでも元凶はやはり朝日新聞である。今と少しも変わらな
    い。最初に朝日が外圧呼び込みのための火を点けて、「はじめ
    は互いに相手国を引用する形で」反対運動を展開していく。そ
    れに日本国内の左翼が乗り合わせて問題を過激化する。今回の
    扶桑社の教科書を巡る“教科書戦争”もまったく同じ経緯であ
    る。

     何のための外圧呼び込みか。自分の思惑、権力欲達成のため
    である。自分の思惑とは何か。“日本的なものを守ろうとする
    保守勢力”、端的に言えば、“天皇を尊重しよう、守ろうとす
    るような勢力”の撲滅である。この勢力は草の根まで染み込ん
    でいるいるので、なかなか朝日の力だけでは撲滅できない。
    外国勢に攻め込んで、助けてもらいたいということだ。

     百年前なら本当の意味での“亡国の徒”であり、国を売るも
    のである(今でもそうなのだが)。しかも、やっかいなことは、
    毎日新聞など“小(プチ)朝日”や、朝日系、毎日系のテレビ
    等の国を売る言動が跋扈していることである。これも*「Yo
    Jirouの法則」の末期症状だろうとは思うが。

■何のための“無国籍化”か

     では、何のための撲滅か。インターナショナル化、人権主義
    化のためである。要するに“普遍主義化、無国籍化”で日本を
    “国際的”な国にしよう、という彼らの勝手な“理想”である。
    何のことはない、二昔か三昔前の“理想”、「社会主義化」、
    「共産主義化」の現代的焼き直し版である。朝日新聞やプチ朝
    日的思想の変わらぬ理想は勝手な思い込みの“普遍主義”であ
    る。それは戦後の話だろうと思う人もいるであろうが、戦前か
    らそうである。“大東亜戦争”という“聖戦”によって“大東
    亜共栄圏”を築くという普遍主義を大々的に煽り、破滅へと導
    いた大実績がある(軍部にやらされたと言い訳をするかもしれ
    ないが、軍部をやらざるを得ないように追いつめたとも言える。
    首相の靖国神社参拝を止めざるを得ないように追いつめた逆バ
    ージョンである)。戦前は日本や天皇が中心にある普遍主義だ
    からダメだった、と反省して、戦後は日本や天皇を消す普遍主
    義を目指した。

     戦後は“普遍主義”によって、“日本的なるもの”を一掃す
    れば、素晴らしい(と彼らが勝手に思う)“人道的・民主的”
    理想世界(ソ連であり、中華人民共和国であり、朝鮮民主主義
    人民共和国であった。朝日は今もその思いは完全に断ち切れて
    いない)の仲間入りができる、という幼稚な理想が加わった。
    その発想から“日本的”なるものの撲滅願望が出てくる。その
    ためならば国でも売る。

■“靖国”の政治力学

     大きな思潮の流れは上で見たようなことだと思うが、現実の
    政治力学としては、以下のようなことになろう。

     小泉首相は必ず8月15日に靖国神社に参拝すると思うが、
    これによって、日本の政治家、ジャーナリスト、学者などで、
    だれが親中国派で、だれがそうでないのか、自ずとあぶり出さ
    れる。首相はそれを狙っているはずだ。 また、アメリカから
    圧力をかけてくる親中派の政治家、学者(民主党支持者に多
    い)のあぶり出しもできる。欧米の学者で、日本通を装って、
    日本の不況は構造改革では快方に向かわない、民営化ではダメ
    だ、とさかんに「教え」をたれるのが、民主党派、親中派だと
    言われる。

     親中派のあぶり出しは、何のためか、構造改革に反対して、
    景気対策に重点を置き、公共事業費ばらまきを迫るのが親中派
    だからである。日中米ともにそれによって甘い汁を吸える連中
    というわけだ。

     すでに、田中真紀子外相が事実上「辞任覚悟で」小泉首相の
    参拝をやめさせるよう説得すると表明した(後に断念したが)
    ことで明らかなように、親中派あぶり出し作業はもう始まって
    いる。真紀子氏は外相更迭は免れたものの、長くその地位に留
    まることはもはや不可能だろう。

     中国との関係から何とか参拝を思いとどまらせたい橋本派や
    公明党を相手にせず、「参拝」を公言する首相は、両者を困惑
    させるためにやっていると思われる。とくに、公明党は支持母
    体が創価学会なので、「参拝を許して連立を維持する」のは言
    い訳が立ちにくく、連立解消という事態になる可能性もある、
    とまで読んでいると思う。

■首相の靖国神社参拝で一番の痛手

     また、小泉首相の8月15日靖国神社参拝で一番痛手を被る
    のは、日本遺族会会長でありながら、不甲斐なくも、中国の恫
    喝で靖国参拝を止めた、旧守派の長、橋本竜太郎氏だというこ
    とも当然読んでいるはずだ。強力な集票マシン日本遺族会の大
    量の票が、小泉首相に流れることになろう。小泉首相が橋本派
    の領袖より格が上になる可能性大である。

     小泉総理は何があっても8月15日に靖国神社参拝をすると
    思うが、もし参拝しないでじっとしていれば、旧守派の橋本派
    から小泉内閣のすることなすことへの妨害、嫌がらせ攻撃を受
    けるのは必至だ。8月15日の靖国神社参拝が親中派、旧守派
    をあぶり出し、追い落とす絶好のチャンスを作れるはずだ。

     しかし、日本の哀しいところは、小泉総理が引退しても、同
    じように毅然として、動じない見事な総理が出る可能性、人材
    があるか、はなはだ心許ないところである。ここを中韓は見透
    かしているので、またぞろ攻めて来ればぺしゃんとなる可能性
    大だ。嗚呼、哀しきかな日本!国家百年の大計を建てられる人
    材を百年かかって育てなければ!

■アメリカの影

     最後に、万一小泉総理が靖国神社参拝を断念するようなこと
    があるとすれば、中韓の圧力ということもあるが、アメリカの
    影があるということを忘れてはならないだろう。アメリカは日
    本の教科書や靖国神社参拝に何ら価値を認めてはいない。ただ、
    同盟国で役に立つし、アメリカの言うことを聞く、ということ
    で、愛想をよくしてくれているだけだ。日本は役に立たないと
    か、刃向かう、勝手な動きをすると見たら、容赦なく教科書問
    題でも、靖国神社でも、パールハーバーでも、何でも利用して
    攻撃してくるということだ。攻撃勢力もちゃんと温存している。
    アメリカが攻撃してくるとしたら中韓の比ではないだろう。真
    に警戒すべきはアメリカである(その意味では、中国、北朝鮮
    が親米でないのが大いに日本の国益に寄与してくれているとも
    言える)。

     価値は自国で造り、護っていくものだ。他国の顔色をうかが
    って決めるものではない。いざとなれば、誰も助けてはくれな
    い、護ってはくれない。


*「YoJirouの法則」とは何か、以下を参照してください。
JOG Wing No.372 (H13.07.30) YoJirou 『嫌中・嫌韓ムードに火が点
くぞ!』
http://www.melma.com/mag/56/m00000256/a00000378.html

【関連】
『教科書をダシに戦争ごっこ』 YoJirou  JOG Wing No.369
(H13.07.23)
http://www.melma.com/mag/56/m00000256/a00000375.html
『教科書問題決着?』 YoJirou JOG Wing No.366 (H13.07.16)
http://www.melma.com/mag/56/m00000256/a00000372.html
『小泉新総裁 朝日 ≒ 朝○日● の報道』 YoJirou JOG Wing No.330
(H13.04.30)
http://www.melma.com/mag/56/m00000256/a00000336.html

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