国際情勢

JOG Wing 国際派日本人のための情報ファイル

政治・経済・外交・社会・文化などの分野において「元気な日本」を作るためのオピニオン誌です。

全て表示する >

Wing-Mel No.375 “教科書戦争”日本市民軍陣営の敗北

2001/08/06

 _/          _/  _/                      “教科書戦争”
 _/          _/      _/_/_/      _/_/_/         日本市民軍陣営の敗北
_/    _/    _/  _/  _/    _/  _/    _/                YoJirou
 _/  _/  _/    _/  _/    _/  _/    _/      H13.08.06 4,501部
 _/  _/      _/  _/    _/    _/_/_/         JOG Wing No.375
                                _/     国際派日本人の情報ファイル
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/   _/_/     _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 

     市民団体「子供と教科書の全国ネット21」の事務局長をして
    いる俵義文氏は、激しい戦いが展開されている“教科書戦争”
    の日本市民軍陣営の司令塔だ。彼は昨年の春、右翼グループ
    「新しい教科書を作る会」が宣戦布告して以来、わい曲された
    歴史教科書の学校進出を阻止するため、市民運動を先導してい
    る。

     「わい曲教科書の採択を事実上“0”にするのが我々の目標
    です」

     記者はこれまで1年の間に5回程彼に会ったが、今回のよう
    に言葉と表情に余裕が感じられたのは初めてだ。栃木県をはじ
    めとする日本全域で、わい曲教科書の採択を拒否する動きが拡
    散しているからなのだろう。

     俵氏は教科書運動の聖地と呼ばれている「子供・・・ネット
    21」の10坪余りの事務所で記者を迎えた。5人のボランティア
    が忙しく動き回っており、壁にピカソの「ゲルニカ」の模写と、
    韓国の挺身隊(従軍慰安婦)対策委員会のカレンダーがかかって
    いるのが目を引いた。(朝鮮日報 7.23)

■編集者・YoJirouより■

■“教科書戦争”

    “戦局”は“教科書戦争”から“靖国戦争”へと移りつつある。
    韓国も威勢よく振り上げた拳の降ろしどころがなくて困ってい
    たが、「つくる会」の教科書採択が圧力等であまり進まないの
    をこれ幸いやれやれと拳を軟着陸させようとしている。

     朝鮮日報がいみじくも書いているように、たとえ比喩であっ
    ても、彼らは“戦争”気分でやっているのである(YoJir
    ouもそう言ってきた)。

■“教科書「代理」戦争”の市民ゲリラ集団

         日本では歪曲された歴史教科書の採択をめぐり、右翼と
        良心的な知識人、父兄、市民団体間の戦いが激化している。
        
         教科書採択戦争には、歴史美化を通して極右思想を定着
        させようとする右翼勢力と、これを防ごうとする知識人な
        ど良心勢力間の「思想戦争」という意味が込められている。

         教科書採択戦争を主導している主役を通し、今回の「戦
        争」の背景や流れなどを探ってみたい。

         日本を率いる知識人が布陣した、学界、政治界、マスコ
        ミ界には「つくる会」に反対する声が根強い。

        ◇学界=多くの進歩的、良心的な学者らが反対運動に取り
          組んでいるが、代表的な人物としては東京大学の和田春
          樹名誉教授を挙げることができる。
 
         アジア・現代朝鮮(チョソン)史を専攻した進歩的学者
        の同氏は、日本の「行動する良心」として学界の反対運動
        を主導している。同氏は「つくる会」の教科書が検定を通
        過した後も、他の歴史学者らと集中分析を行い、51カ所
        の誤りを指摘するなど、右翼学者らとの理論論争を主導し
        ている。

         ノーベル文学賞を受賞した作家の大江健三郎氏、東京大
        学の坂本義和名誉教授などを含めた知識人7人も、「つく
        る会」教科書の検定通過を反対する声明を発表した。 小
        森陽一氏など東京大学教授30余人は、日本の大学では初
        めて、最近、学生たちと一緒に「つくる会」教科書に対す
        る組織的な反対運動に乗り出した。北海道教育大学の三上
        勝夫教授ら29人も「つくる会」への反対声明を出すなど、
        各地で学者らの反対声明が相次いでいる。  琉球大学の高
        鳩伸欣教授ら3人は昨年から「つくる会・扶桑社・産経新
        聞が他の教科書を誹謗することは公正取引法違反」とし、
        公正取引委員会に提訴するなど、「つくる会」の教科書に
        対抗する法的闘争を繰り広げている。

        ◇マスコミ界=朝日・毎日新聞などが積極的に反対の立場
          を示している。2紙は昨年、「つくる会」の教科書問題
          が起きた時から歴史歪曲、侵略美化の問題点を指摘し、
          拒否運動を側面から支援している。

         そのため朝日新聞の場合、右翼マスコミから左翼に追い
        込まれ、集中的に批判されることもあった。最近は東京新
        聞も反対する論調を見せている。『世界』『論座』などの
        雑誌も「つくる会」の問題点を明らかにする記事を頻繁に
        報道している。

         ジャーナリストの和仁廉夫さんは、今年初め右翼勢力の
        教科書歪曲を企んだ歴史を暴いた『歴史教科書とナショナ
        リズム』という本を発刊した。

      ◇政界=野党の社民党、共産党が積極的に反対している。特
        に、社民党の土井たか子党首は、最近「つくる会」教科書
        の不採択運動に本格的に取り組むと明らかにした。

       この他、「言論文化労組会議」やピースボート、日本帝国
      時代に満州で軍生活をした人々で構成された「中国帰還者連
      絡会」など、多くの団体が反対声明を発表している。
                                      (韓国 中央日報 7.27)

     見よ、この見事な呼応ぶり! まさしく、外国の支援を受け
    た、あるいは“敵”を支援する売国、裏切り集団「日本市民軍
    陣営」である。要するに茫漠として捕らえどころもなく芯もな
    い戦後日本の密林に跋扈したゲリラ集団の最後の残党である。
    JOG Wing の前号(No.372)の「YoJirouの法則」
    によって滅びゆく運命にある者たちの最後の光芒とも言えるだ
    ろう。

■兵糧が尽きそう

     しかし、戦争には絶対兵糧がいる。日本軍の失敗のひとつは
    兵糧、補給を軽視したことにあると言われるが、“韓国軍”も
    兵糧を軽視していたことに気づき慌てているが、ちょっと遅か
    ったかも知れない。

     韓国は今年を「観光年」として官民挙げて外国人観光客の誘
    致をPRしている。韓国の外国人客のうち半数近くは日本人で
    ある。今業界はかき入れ時の夏を迎えているが、「教科書反
    日」の影響で日本人観光客が激減し、ただでさえ苦しい韓国経
    済の中で青息吐息のようである。

         対日強硬策に出た韓国で思わぬ“副作用”が起こってい
        る。毎年、夏休みシーズンになると韓国に訪れる日本から
        の観光客が、今年は半数近くに激減。教科書問題の余波を
        受け、訪韓キャンセルが相次いでいるという。

         訪韓キャンセルが顕著に表れているのが旅客機の客席状
        況。韓国の航空会社にとって日韓路線はドル箱路線。特に
        夏はキャンセル待ちが続発する時期だ。大韓航空では例年
        7月、週114便の日韓路線が満席となるが、今年に限っ
        ては二割がたが空席だという。

         かき入れ時に思わぬ災難を受けた観光関連業界だが、韓
        国観光公社の康重石・日本部長は「懸念しているのは(教
        科書問題の)長期化だ」という。特に秋まで今の状況が続
        けば、日本からの修学旅行のキャンセルも十分予想され、
        韓国の観光業界への打撃も小さくはない。

         韓国政府内部ではこの事態を深刻に受け止めており、日
        本で大手旅行代理店の協力を得て、韓国観光キャンペーン
        を急きょ展開している。              (産経新聞 8.1)

■ゲリラたちの戦闘

     “教科書戦争”の“日本市民軍陣営の司令塔”と韓国側に持
    ち上げられて得意になっている「子供と教科書の全国ネット2
    1」の事務局長の俵義文氏(60)は、朝鮮日報とのインタビュー
    で得々と、次のようなことを言っている。

        −「新しい歴史教科書を作る会」側はわい曲教科書を10%
        以上の中学校で採択させるという目標を立てているが。
        
        ▲「希望事項であるだけだ。多分不可能だろう。我々は問
        題の教科書の採択率を0に近付かせ、枯死させることを目
        標にしている。今のような傾向なら目標の『事実上0%』
        も不可能ではない。私立学校はわい曲教科書を採択してい
        る学校が少しあるが、全体の93%を占める公立中学校では
        我々の目標が実現される可能性が十分ある」

        −自信があるか?
        
        ▲「問題は東京だ。来週から始まる東京各地区の採択戦が
        教科書戦争の最終戦であり、勝負所になると見られる。東
        京にはわい曲教科書を採択する動きが活発な危険地域が数
        カ所ある。更に石原慎太郎東京知事が直接動いている。彼
        が先頭に立ってわい曲教科書が採択するよう、各地域の教
        育委員会に圧力を加えている」       (朝鮮日報 7.23)

     新しい歴史教科書を「枯死させることを目標にしている」と
    か、新しい歴史教科書を採択しそうな「危険地域」がある、な
    どとどこの国の人間か分からないようなことを韓国記者に向か
    って得意げに話している。これが“教科書戦争”の日本の“司
    令塔”の実態である。“戦時”ならば、敵国側スパイかゲリラ
    と何ら変わらない者たちの運動(戦闘)であることは明白であ
    る。

■愚かなる選択眼

     韓国側はこの者たちを大いなる味方のように思っているのだ
    ろうが、とんだ食わせ物だったと気づいたときはもう遅い。こ
    の者たちのお陰で、振り上げなくてよい拳を振り上げ、下ろし
    たくても下ろせず、ずるずると“戦争”になってしまった。
    “戦争”と言っても、スパイやゲリラの戦争だから“泥沼戦”
    である。気が付いてみたらヘドロだらけになっていて、日本の
    「民衆」からは臭いと毛嫌いされ、近づいてくれない。挙げ句
    の果てには兵糧を買う金も恵んでくれなくなり、飢えに苦しむ。
    こんなことになってもこの者たちは何の責任も取らないし、冷
    酷に見放すだろう。反体制、反天皇の役に立たなければどんな
    に悲惨な状態でも見向きもしないのが、この者たちの冷血なと
    ころだ。これが見えないほど韓国は愚かなのだろうか。多分愚
    かだろう。

■勝利は誰のものか?

     「つくる会」の歴史教科書は目標の10%採用はとてもむず
    かしい情勢だ。これは、内外からの物理的、精神的圧力による
    ものであることが今回明白になった。しかし、YoJirou
    は初めから採用はとても無理だろうと思っていた。この内外の
    重圧に耐えて、あえて採用する勇気と気概のある教育委員会な
    どまずなかろうと思っていたからだ。結局は挫折したが、採用
    しようとした教育委員会もあったことの方がむしろ驚きであっ
    た。世の中には気概、気骨のある人がいるのなだなあ、と感心
    したくらいだ。今回の採用は教科書の善し悪しにはまったく関
    係ない。内外の政治的圧力の結果に過ぎない。本当はそれが許
    し難い事態なのだが。

     反対派はこれをもって“教科書戦争”に勝利したと思ってい
    ることだろう。賛成派は敗北感を持っているかも知れない。勝
    利したと思って、韓国、中国が振り上げた拳の下ろしどころを
    見つけたのなら、今回はむしろめっけものかも知れない。だが、
    彼らはそれほど淡泊ではないだろう。なにせ日本の首根っこを
    押さえておける強力な外交カードで金蔓だから。どこかでまた
    蒸し返すだろうが、今回の小泉総理や文部科学相の凛とした態
    度から、下手に手を挙げてまた収拾がつかなくなっても困ると
    ちょっとひるむようにはなったのではなかろうか。今回、一国
    の指導者の物怖じしない態度、度量、度胸がどれほど重要なも
    のかということが多くの人に分かったことだろう。

     編集者・YoJirouは長い目で見て、結局、賛成派の勝
    利だと思っている。「新しい歴史教科書」市販本は五十万部売
    れているという。その中の半数以上の人が確実に読んだとして、
    この教科書のどこが、内外であんなに暴れまくるほど悪いのか
    さっぱり分からないことだろう。何故こんな教科書に猛反発を
    するのかと思う人の方が大半であろう。反発の魂胆を見透かし
    てしまう。嫌韓、嫌中、嫌反対派になる(だからこそ市販本は
    公正取引に違反すると必死で訴訟を起こした沖縄かどこかのお
    馬鹿な大学教授がいたのだ。他の教科書は市販本にしても売れ
    ないだろう)。市販本を読まなくても反対派の嫌らしさ、執拗
    さにうんざりしている大人しく、賢明な日本の「民衆」は黙っ
    て刺す。十年後に見れば、本年を持って思潮の流れは大きく賛
    成派の志向へと変わっていることであろう。「YoJirouの法
    則」は変わらない!

    「つくる会」の功績や大であった。まだまだ戦いは続くでしょ
    うが、ご苦労さまでした。さあ、次は「靖国戦争」だ!

【関連】
『嫌中・嫌韓ムードに火が点くぞ!』 YoJirou JOG Wing No.372
(H13.07.30)
http://www.melma.com/mag/56/m00000256/a00000378.html
『教科書をダシに戦争ごっこ』 YoJirou  JOG Wing No.369
(H13.07.23)
http://www.melma.com/mag/56/m00000256/a00000375.html
『教科書問題決着?』 YoJirou JOG Wing No.366 (H13.07.16)
http://www.melma.com/mag/56/m00000256/a00000372.html
『小泉新総裁 朝日 ≒ 朝○日● の報道』 YoJirou JOG Wing No.330
(H13.04.30)
http://www.melma.com/mag/56/m00000256/a00000336.html
============================================================
★★★ 書籍版「国際派日本人養成講座」第3巻発売中 ★★★
・「一つ屋根」の理想を掲げて
   歴史の中の共同体、奉公の人、公と私と、現代と共同体、、、
・全員に電子ブック版総集編をプレセント
・A5判218ページ 定価1,000円(税込み)+送料他210円〜
・千年紀書房 http://www.myciz.net/mmbook/jog.htm
============================================================
-----------------------------------------------------------
購読申込・既刊閲覧: http://come.to/jogwing Mail: jog@y7.net
購読解除: http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/quit_jog.htm
Japan on the Globe 国際派日本人養成講座 http://come.to/jog 
-----------------------------------------------------------

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:1999-03-10  
最終発行日:  
発行周期:3回/週  
Score!: 90 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。