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Wing-Mel No.363 イデオローグの復活

2001/07/09

 _/          _/  _/                      イデオローグの復活
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_/    _/    _/  _/  _/    _/  _/    _/                YoJirou
 _/  _/  _/    _/  _/    _/  _/    _/      H13.07.09 4,424部
 _/  _/      _/  _/    _/    _/_/_/         JOG Wing No.363
                                _/     国際派日本人の情報ファイル
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    ▼フランスの作家カミュが『異邦人』で人生の不合理と矛盾相
    克を描いたのは1942年のことだった。主人公は母親の死に
    も涙をみせず、情婦と戯れたり、喜劇映画に腹を抱えたりする。
    殺人もまた「太陽のせいだ」などとうそぶくばかりである。

    ▼ようするに「すべてはどうでもいいこと」という“不条理の
    哲学”の披歴が世間を驚かせた。しかしそういう動機も目的も
    意図もない人間の行為が、さして不思議ともされない社会にな
    っている。難しい時代がきているのである。
                                        (産経抄 6.30 より)

■編集者・YoJirouより■

■イデオロギーの終焉?

     左翼イデオロギーが人々の間(特に若者の間)から完全に魅
    力を失って久しくなった。何と言ってもソ連崩壊の影響が大き
    い。それとともに、左翼イデオロギーに出口を求めてきた若者
    のアノミーは、行き場を失い、無イデオロギーの暴力に結集し
    ているのが現在の状況であろう。しかし、若者は理想を求める。
    永年、イデオロギー無き状態に放置されていることはできない。
    イデオロギーこそは、若者にとって、生活必需品の一つなのだ。
    いまその生みの苦悩の中をのたうちまわっているのが若者かも
    しれない。若者とはいつの世でもそういうものであった。

■イデオロギーの復活?

     では、イデオロギー無き現代の若者に、再びイデオロギーが
    帰ってくるとしたら、どんなものになるだろうか。

     それは三島由紀夫だろうと、小室直樹氏は予言している。

     マルキシズムは破綻した。再び青年の心を捉えることはでき
    ない。従来の右翼思想はすっかり古色蒼然たるものになってし
    まった。虚妄の戦後デモクラシーには若者を惹きつける力はな
    い。若者を惹きつけられないより根本的な理由は、これらの思
    想はいずれも、戦後日本の急性アノミーとの対決を回避してい
    るからである。

     この急性アノミーは、前々号で述べたように、敗戦と天皇の
    人間宣言によって発生したものであったが、三島由紀夫のみが、
    『英霊の声』において、これとの対決をみごとに成し遂げた。
    急性アノミー批判としての明確な解答を出したのは、彼一人で
    ある。

■最後のイデオローグ

     かくて、日本において強烈なイデオロギー性を主張しうるの
    は三島一人となり、青少年に信頼されうるイデオローグとして
    も、彼しか残されていないようになった。

     例えば、三島の思想と行動が新左翼の青年に与えた衝撃は大
    きかった。超過激新左翼の指導者の一人だった滝田修など、思
    わず「やられた、三島に遅れをとって残念だ」と叫んだという。
    新左翼イデオロギー全盛期においてすら、こうであった。左翼
    イデオロギーがすっかり色褪せて、三島由紀夫のみがただ一人
    のイデオローグとして復活した時、青年にいかなる影響を与え
    るか。

     凶暴極まりないアノミーが三島イズムと結合する時、どうな
    るか。

     これは読者の練習問題として残すと、小室氏は解答を避けて
    いる。小室氏がこれを言ったのは二十年前である。当時もうす
    でに「凶暴極まりないアノミー」と言っているが、これは先見
    の明であって、今から見れば、まだまだ穏やかなものだった。
    それが二十年経って誰の目にも「凶暴極まりないアノミー」が
    見えるようなってしまった昨今である。小室氏の宿題に答えら
    れる人はいるか。

■三島由紀夫の復活?

     三島由紀夫自決から早や三十年が過ぎた。何事もなく過ぎた。
    もう過去の人だ、と思われるかもしれない。

     幕末尊皇攘夷派の志士に広く読まれ、大きな影響を与えた、
    頼山陽の『日本外史』が世に出たのが、文政10年(1827)。明
    治維新の41年前である。尊皇討幕論に大きな影響を与えた浅
    見絅斎の『靖献遺言講義』が世に出たのが、元禄2年(1689)。
    何と明治維新の179年前である。時代も違う、情報のスピー
    ドも違うとはいえ、人の心をじわりと変えるものは、世の中の
    行き詰まりと、それに感応する心と、それを支える精神的支柱
    である。その支柱に三島由紀夫が復活しないとは誰にも言えな
    い。

    三島由紀夫氏の死を思う JOG Wing No.0253
    YoJirou H12.11.25
    http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000013290

■参考■
1.小室直樹「あなたも息子に殺される」(太陽企画出版) 昭和57年(1982)
7月刊
2.小室直樹「偏差値が日本を滅ぼす」(光文社) 昭和59年(1984) 2月刊

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★★★★★★★★ 本誌編集長・伊勢雅臣講演会 ★★★★★★★★
「子供たちに自分の国を語れますか?〜父祖の足跡を辿りつつ〜」
日 時 平成13年7月20日(祝・金) 午後2時〜4時
ところ 大阪府神社庁会館5階
    ●大阪市中央区久太郎町4丁目渡辺6号 TEL06-6245-5741
    ●地下鉄「本町」駅下車、15番出口より徒歩1分
参加費 1,000円
主 催 日本会議大阪・国民文化研究会関西
問合せ jog@y7.net
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