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JOG Wing 国際派日本人のための情報ファイル

政治・経済・外交・社会・文化などの分野において「元気な日本」を作るためのオピニオン誌です。

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Wing-Mel No.360 伝統的共同体の行方

2001/07/02

 _/          _/  _/                      伝統的共同体の行方
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_/    _/    _/  _/  _/    _/  _/    _/                YoJirou
 _/  _/  _/    _/  _/    _/  _/    _/      H13.07.02 4,407部
 _/  _/      _/  _/    _/    _/_/_/         JOG Wing No.360
                                _/     国際派日本人の情報ファイル
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     「最近、夜八時以降の東京の電車に乗ると、一両に三人くら
    いは明らかに薬(麻薬、覚醒剤)を使っていると思われる者が
    乗っていて不気味である、と数年ぶりにアメリカから日本に帰
    ってきた知人が言っている。日本も“犯罪臨調”でも立ち上げ
    て、本腰で治安の維持に当たらなければ大変な事態なるだろう。
    戦前の経済不況には帰るべき故郷、田舎があったが、最近の不
    況には帰るべき故郷がない」
    (政治評論家森田実氏。車の中で聞いたあるラジオ番組での発
    言なので正確な記録ではない)。

     飼い犬が脚を縛られたり切断されたりして虐殺される事件が、
    札幌市北区と隣の石狩市で相次いでいる。4月以降で12件を
    数え、札幌北署が器物損壊と動物愛護法違反などの疑いで捜査。
    手口や発生場所が近いことなどから、同一犯の可能性もあると
    みている。 調べでは、札幌市北区新琴似3条7丁目の公園の
    排水溝で19日、中型犬の腐乱死がいが見つかった。後ろ脚が
    ビニール製のひもで縛られ、殴られた跡があった。同区内の飼
    い犬で、11日に遺失届が出されていた。同じ公園では、8日
    にも前脚と後ろ脚を切断された飼い犬の死がいが見つかってい
    た。(asahi.com)

     産まれたばかりの女の子をポリ袋に入れ、用水路に投げ捨て
    たとして、殺人未遂の疑いで埼玉県警羽生署に逮捕された羽生
    市の主婦、寺西幸江容疑者(26)。不幸中の幸いで、女の子
    は無事保護されたが、一歩間違えば、痛ましい殺人事件に。
    “鬼母”周辺を取材すると、近所との交流もほとんどなく、自
    宅に引きこもりがちだったという。赤ちゃんは病院に入院中だ
    が、けがもなく元気そのものだという。そんなわが子を容赦な
    く、用水路にポイ捨てした“鬼畜”ともいえる動機について、
    同署で厳しく追及する方針だ。(夕刊フジ6.20)

     大阪教育大付属池田小学校で児童ら23人が殺傷された事件
    で、宅間守容疑者(37)が池田署の捜査本部の調べに対し、
    同小を狙った理由について「小学生なら大勢殺せると思った」
    と供述していることが23日、わかった。「20人くらい殺す
    という目標を達成するため、刺す相手を探して教室を次々と移
    動した」とも話している。(読売新聞 6.23)

     兵庫の資産家老夫婦殺害 孫の21歳男逮捕
     兵庫県加古川市の無職、松本敏幸さん(83)と妻、せつゑさ
    ん(81)の夫婦が自宅で殺害された事件で、兵庫県警は強盗殺
    人の疑いで、加古川市別府町本町、孫の無職、松本知恭容疑者
    (21)を逮捕した。調べでは、知恭容疑者は18日夜、松本さ
    んの頭を殴って殺害し、せつゑさんの首を手で絞めて殺した疑
    い。知恭容疑者は「松本さんの自宅から盗み出した預金通帳の
    印鑑を探しているうちに見つかり、殺してしまった」と供述し
    ているという。(産経新聞 6.22)

     26日午後7時50分ごろ、東京都渋谷区神宮前の表参道通
    りで、東京都豊島区のフリーター、阿部雅さん(26)が知人
    の女性(17)と明治通り方向に歩いていたところ、後から来
    た男性2人組に刃物のようなもので腕や足など5、6カ所刺さ
    れて、全治1カ月の重傷を負った。現場は若者などでいつもに
    ぎわっている場所で、突然の惨事に一時は大騒ぎとなった。調
    べによると、阿部さんと女性が原宿駅近くのレストランで食事
    をした後、表参道を歩いていると、いきなり男たちが後ろから、
    無言のままで切り付けてきたという。犯人2人は、メッタ刺し
    にした阿部さんが倒れると、原宿駅方向へと走って逃げた。
    阿部さんと女性の2人とも、男たちに心当たりはないという。
    男の1人は20代と思われ、黄色のしま模様のTシャツにベー
    ジュのチノパン姿だった。(夕刊フジ 6.27)

     28日午前8時半ごろ、札幌市中央区南16条西6丁目の高
    校の中庭で、首のないハトの死がいを同校職員が発見し札幌・
    南署に届けた。同署の調べでは、24日にも、同校近くの路地
    で首のない三羽のハトの死がいが見つかっており、同署は何者
    かが首を切って捨てた可能性があるとみて、鳥獣保護・狩猟法
    違反の疑いで調べている。(産経 web 夕刊 6.28)

     警察庁によると、列車内や駅構内で発生した殺人などの凶悪
    犯罪は、平成8年が37件だったのに対し、昨年は54件。傷
    害・暴行などは1306件が2377件と激増の一途をたどっ
    ている。安全であるはずの公共の場がもはやそうではない。
    (夕刊フジ 6.28)

■編集者・YoJirouより■

■アノミー蔓延

     JOG Wing No.345の「社会崩壊」歯止めなし (H13.06.04)で
    以下のようなことを書いた。
    http://www.melma.com/mag/56/m00000256/a00000351.html

         ソビエト連邦崩壊の7年も前に「ソビエト帝国の崩壊」
        (光文社)でソ連崩壊を予言した異色の学者小室直樹氏が、
        当時 (「ソビエト帝国の崩壊」出版前後)、ある雑誌に
        ソ連ルポを書いていたのを鮮明に覚えている(その雑誌は
        保存しているはずだが二十年近くも前になるので簡単には
        探せないのが残念)。

         当時のソ連を旅行すると、目を抉(えぐ)られたり、耳
        を切られた猫をよく見かけたそうだ。これを見た小室氏は
        「ソ連は崩壊する」と書いていた。目を抉られた猫は、青
        少年の無規範、無連帯、アノミー蔓延の証拠だったのだ。
        これこそが亡国の前兆だったのだ。当時は、また小室氏の
        大言壮語だ程度にしか思えなかった(反ソ的人間でさえそ
        んなに簡単にソ連が崩壊するとは夢想だにできない時代だ
        った)。いまの日本では、虐待された動物や幼児を見るの
        が珍しくなくなっている。亡国の兆しでなければよいのだ
        が。

     最近の報道でもこの感を一層強くする事件が目立つのは、偶
    然ではなかろう。

■伝統主義的共同体の行方

     天皇の権威の崩壊と村落共同体の消滅とによって、行き場を
    失った日本社会の伝統主義的共同体はどこにいってしまったの
    だろうか。

     戦前の日本人の大多数は、村落という共同体から会社という
    機能集団に出稼ぎに行ったようなものだった。出稼ぎであるか
    ら、会社は金をもらうところであり、嫌になれば、転職したり、
    退職して「田舎に帰って百姓をする」ことも十分に可能だった。
    共同体は田舎にあって、会社にはなかった。人々は生活のチャ
    ンスを二つ持っていた。

     ところが、戦後、天皇の権威を頂点とする日本国という共同
    体と、底辺における村落共同体という二つの重要な共同体の崩
    壊が始まった。高度成長によってほとんど一掃されてしまった。
    人々は共同体を失った結果、安住の地をも求めて、さまよいつ
    いに会社の中にそれを見出す。日本では会社という機能集団の
    中に共同体が入り込んでしまった。こうして会社という機能集
    団は共同体の性格も併せ持つことになった。
    
     会社という機能集団はもともと利潤追求を目的とするのであ
    って、社員の冠婚葬祭に慶意、弔意を表したりするのは、本来
    は共同体の行為である。家族手当、社員の福祉施設なども共同
    体の延長である。外国人から見れば奇異なものだったようだ。
    しかし、日本がバブルで経済強国になり、逆にアメリカが不況
    にあえぎ始めて、日本の強さは、日本式経営にあると注目され、
    模倣されたときもあった。

■会社共同体の斜陽

     しかし、やがて日本のバブルははじけ、長期の不況に日本が
    あえぎ始めるとともに、こんどは逆にアメリカが好調になった。
    日本何するものぞ、日本的経営くそ食らえ、グローバリゼーシ
    ョン、インターナショナライゼイションだ。会社は機能集団と
    して利潤追求に徹すべし、リストラだ。無駄は徹底的に排せ、
    社員福祉、家族手当などに金がかけられるか。実績が示せない
    者は去れ、無駄飯食いは去れ、馘だ。馘より何より会社自体が
    国際競争力に晒されて、風前の灯火。共同体どころではない。
    しかし、社員には帰る故郷はない。あっても故郷はもはや受け
    入れられる包容力、基盤は費えてしまった。

     少しカリカチュアライズし過ぎだが、こういったところが現
    在の日本の社会状況であろうか。共同体よどこへ行く?、連帯
    よどこにある? 話はまたアノミーへと戻っていく。

    「連帯の中にいなければ、人間は人間としての生活を営めない。
    連帯こそ人間生活の基礎だ。連帯からはずされると、人間は身
    の置き場がなくなってしまい、混乱の極に達する。それがアノ
    ミーだ」(デュルケーム)

     これをもろに受けるのが青少年だが、激烈になると青少年に
    止まらないのが恐ろしいところだ。

■参考■
1.小室直樹「あなたも息子に殺される」(太陽企画出版) 昭和57年(1982)
7月刊
2.小室直樹「偏差値が日本を滅ぼす」(光文社) 昭和59年(1984)2月刊
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