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Wing-Mel No.356 今こそ望まれる“連帯”の復権

2001/06/25

 _/          _/  _/                      今こそ望まれる“連帯”の復権
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_/    _/    _/  _/  _/    _/  _/    _/                YoJirou
 _/  _/  _/    _/  _/    _/  _/    _/      H13.06.25 4,418部
 _/  _/      _/  _/    _/    _/_/_/         JOG Wing No.356
                                _/     国際派日本人の情報ファイル
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     「横着、横紙破り、横柄、横領、よこしま…などの言葉に見
    られるように元来“横”には反秩序に通ずる悪いイメージがあ
    ります。その点、秩序は“縦”とか“垂直”の感覚に結びつい
    ています。自分よりも上にあるもの(超越者)を認めることによ
    って、(社会の)秩序は保たれるのです」

     ところが、この自分よりも上にあるものを認める点において、
    近代人・現代人は必ずしも素直ではない。むしろ一貫して引き
    ずり下ろしてきた。

     「近代という時代はそもそも神の権威を否定して、その神の
    座に人間自身を据えようとしました。つまり頼るべきものは、
    神ではなく人間なのです」

     世俗化(脱宗教)あるいはヒューマニズム(人間中心主義)
    といわれる事態である。この世俗化の流れは洋の東西を問わず
    現在にまで続いている。まず重石(おもし)の一個が外れた。し
    かし歴史的に見るなら、人間の神からの独立は「国民国家(ネ
    ーションステート)」の形成と同じ出来事の裏と表であって、
    その国家との関係においていうなら、個人の上には神に代わる
    別の権威が相変わらず存在したのである。

     「ところが日本では戦後、当のナショナリズムまで否定して
    しまって、わが身を超えるものが何もないようになってしまっ
    たのです」

     別の重石も外れてしまった、いや外してしまったのである。
    “垂直”の喪失が秩序の崩壊であるとするなら、昨今の児童死
    傷事件や幼児虐待など、日本社会をおおう言いしれぬ崩壊感も、
    なんだかうなずかれる気がする。

     「甘え」とは本来、力ある者とそうでない者、全能者と無力
    者との、いってみれば垂直関係の最も幸運なあり方である。今
    こそ「甘え」の復権が望まれる。
         (産経新聞 6.18 土居健郎氏 「著書を語る」より抜粋)

■編集者・YoJirouより■

■言いしれぬ社会の崩壊感

     「甘えの構造」の著者土居健郎氏も言っているように、「昨
    今の児童死傷事件や幼児虐待など、日本社会に言いしれぬ崩壊
    感」が漂っている。これは前号・前々号で観てきたように、ア
    ノミー(無連帯)から無規範、無規範から百鬼夜行の社会へ、
    という流れに沿ったものと思われる。では、日本のアノミーの
    因って来る淵源は何であろうか。今回も小室直樹氏に沿って考
    えてみたい。

     アノミーの恐ろしさは現今日本の戦慄すべき事件の数々によ
    って誰の目にも見えるようになってきた。ひとたびアノミーの
    犯すところとなると、心身ともにまったく健全な人でも、信じ
    られぬほど凶暴に行動するようになる。

■急性アノミーとは

     アノミーの中でも特に恐ろしいのが、アメリカの政治学者デ
    ィグレィジアによって概念化された「急性アノミー(acute ano
    my)」である。この急性アノミーとはいかなるものか。

     信頼しきっていた指導者に捨てられた(と信じた)とたん、
    集団のメンバーは、たちまち信仰体系を喪失して人格も解体し
    てしまう。戦後日本はすさまじい急性アノミーからスタートし
    た。三島由紀夫の小説の中の叫び「などてすめらぎは人となり
    たまひし」である。近代日本における「天皇」は、近代ヨーロ
    ッパ諸国におけるキリスト教にあたる。日本の敗戦と天皇の人
    間宣言の致命的重大さは、今では想像もできまい。戦前の日本
    のナショナリズム、国家意識は、「天皇」と密接不可分に結び
    ついたものであった。

     敗戦と天皇の人間宣言によって発生した激烈このうえない急
    性アノミーを辛くも救ったのが、村落共同体であった。そこに
    日本人としての最後の心の拠りどころがあった。共同体におけ
    る人間結合は連帯にある。連帯によってのみアノミーは救われ
    る。しかし、経済の高度成長によってしだいに村落共同体も消
    滅していった。頂点における天皇の権威の下における連帯と、
    底辺における村落共同体の連帯の双方を失って、日本社会のア
    ノミーは極限にまで昂進した。

     天皇の権威の崩壊と村落共同体の消滅とによって、行き場を
    失った日本社会の伝統主義的共同体はどこにいってしまったの
    だろうか。これはまた次回に書く予定。

■参考■
1.小室直樹「あなたも息子に殺される」(太陽企画出版) 
   昭和57年(1982)7月刊
2.小室直樹「偏差値が日本を滅ぼす」(光文社) 
   昭和59年(1984)2月刊
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★★★★★★★★ 本誌編集長・伊勢雅臣講演会 ★★★★★★★★
「子供たちに自分の国を語れますか?〜父祖の足跡を辿りつつ〜」
日 時 平成13年7月20日(祝・金) 午後2時〜4時
ところ 大阪府神社庁会館5階
    ●大阪市中央区久太郎町4丁目渡辺6号 TEL06-6245-5741
    ●地下鉄「本町」駅下車、15番出口より徒歩1分
参加費 1,000円
主 催 日本会議大阪・国民文化研究会関西
問合せ jog@y7.net
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