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JOG Wing 国際派日本人のための情報ファイル

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JOG Wing(Melma!) No.0352 社会の溶解を防ぐもの

2001/06/18

 _/          _/  _/                      社会の溶解を防ぐもの
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_/    _/    _/  _/  _/    _/  _/    _/                YoJirou
 _/  _/  _/    _/  _/    _/  _/    _/      H13.06.18 4,372部
 _/  _/      _/  _/    _/    _/_/_/         JOG Wing No.352
                                _/     国際派日本人の情報ファイル
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     大阪府高槻市の公園で耳などを切り取られた子犬4匹が見つ
    かった事件で、子犬を保護し、容疑者不詳のまま動物愛護法違
    反容疑で高槻署に告発状を提出する。保護した甲斐さんは「抵
    抗できない子犬を一方的に虐待しており、あまりにむごい。告
    発で犯人が逮捕されることを願う」と話している。告発状によ
    ると、犯人は大阪府高槻市の淀川河川敷にある三島江公園で、
    生後間もない子犬4匹の耳や前足の指などを鋭利な刃物で切り
    落とすなど傷付けた。(産経新聞 6.5)

     埼玉県警狭山署は12日、小学三年の男子児童を絞め殺そう
    としたとして、殺人未遂の疑いで同県狭山市に住む作業員の少
    年(16)を逮捕した。
     調べでは少年は5日夕、狭山市内の市営団地一階のエレベー
    ター付近で、近くに住む小三の男児(8)の首を布のようなもの
    で絞めて殺そうとした疑い。
     男児が気を失ったため、少年は首を絞めるのをやめたという。
    男児は失神状態となったが、意識を回復して自宅に戻った後、
    病院に一時入院。回復に二週間かかるという。 男児は友達が
    住む市営団地に遊びに行くため、一階でエレベーターを待って
    いたところを後ろから襲われた。男児は少年のことを知らない
    という。(産経新聞 6.13)

     12日午前7時35分ごろ、福岡県前原市三雲の市道で、近
    くの怡土小学校の三年生女子児童(8)が、登校中に男にひざを
    けられた上、右ほおを平手で殴られた後、突き倒され、右手に
    軽いけがをした。通報を受けた前原署が、傷害の疑いで、近所
    に住む無職の男(47)を逮捕した。同校では集団登校をしてい
    るが、事件当時、女子児童は集合場所に一番先に着き、友達を
    待っていたという。(産経新聞 6.13)

     高久博満容疑者(26)は5月28日午後3時ごろ、さいたま市
    内の小学2年の女子児童(7)に小学校近くの同市内の路上で、
    実際に勤務する同校教師の名前を挙げ、「会いに行くから学校
    までの道を教えて」と言って自分の車に乗せて誘拐。粘着テー
    プで手足を縛り、わいせつな行為をした後、約30分後に解放
    した疑い。犯行に使った教師の名前は、同校の別の女児から聞
    き出したという。(各紙 6.15)

     宅間守容疑者は「十人では足りないので三十人は殺そうと思
    った」と供述している。捜査本部は宅間容疑者が自分の犯行や
    量刑を十分認識して無差別殺害に及んだとみて調べを進めてい
    る。調べに対し「付属池田小はエリート校で、インテリの子供
    を大勢殺せば確実に死刑になると思った」と話し、人数につい
    ては「元妻にこんな男と結婚していたと思わせるには、十人で
    は足りないので三十人は殺そうと思った」と供述したという。
    (各紙 6.15)

■編集者・YoJirouより■

前号
亡国の予兆? アノミー蔓延
YoJirou H13.06.11  JOG Wing No.349
http://www.melma.com/mag/56/m00000256/a00000355.html

     前号の、アノミーから、無規範、社会の溶解、百鬼夜行へと
    行く過程を防ぎ得るものが何かあるだろうか、引き続き、小室
    直樹氏に沿って考えてみよう。

■権威の確立

     前号で考察したように、権威とは正統性の創造のことをいう。
    すなわち、何が正しく、何が正しくないか、権威がこれを決め
    る。この権威としてもっとも重要なものは幼児期における父親
    である。家庭において父親の権威が、子供の幼児期に、確立さ
    れていなかったら、教育は破滅だ。父親は是非善悪を教えるの
    ではない、決めるのである。「決める」と「教える」の違いは
    決定的に重大である。これを誤れば、たちまち家庭は阿鼻叫喚
    の地獄と化す。「教える」ということは、家庭の外で既に定め
    られていることを、家庭内に持ち込むということである。「決
    める」というのは、家庭独自の是非善悪を、父が主体的に決め
    ることである。ここで注意すべきは、「決める」と「教える」
    の違いは、子供の受けとめ方のことである。第三者が見たとき、
    どう見えるかということは関係ない。子供が意識的、無意識的
    にこれは「父が決めた」んだと体得すれば、これで十分に権威
    が確立される。父としては「世間とはそういうものだと教えて
    やったんだ」と思っていても、子供の受けとめ方が、「父が決
    めた」んだと思えればよいのだ。

     また、「父」とは父の存在感をいうのであって、生物的な父
    が存在するかどうかとは直接関係ない。父が死亡等でいない家
    庭であっても、母が代わって、「お前のお父さんは立派な方だ
    ったんだよ」と父親を崇拝して教育する場合などは、かえって
    父親の存在感は大きくなることもある。その場合、生物的父親
    は存在しなくても、父の権威は確立される。

     正統性の創造=是非善悪の決定という意味での権威の確立こ
    そが、教育の根幹である。

■ノブレス・オブリッジ

     権威ある父親が、正統性を創造するとき、それはいかなるも
    のであらねばならないか。是非善悪は何によって決められるべ
    きであろうか。

     それは、ノブレス・オブリッジ(noblesse oblige 優者の責
    任)の原則を基に決められなければならない。これが、もうひ
    とつの教育の要諦である。これあってこそ、社会は有効に機能
    し、教育もまた有効になる。

     ノブレス・オブリッジに基づく教育とは、要するに子供を教
    育するときは、おまえは他人とは違うんだ、優れているんだ、
    だから、他人よりは重大な責任があるんだぞ、と教育するとい
    うことである。欧米にはまだ厳然としてこのノブレス・オブリ
    ッジに基づく教育が生きていると言われる。明治維新をもたら
    した下級武士の教育がまさにこれであったことが、吉田松陰な
    どの伝記を読めば分かる。

     昨今教育界に蔓延している「人権」「人権教育」「同和教
    育」がこれと真っ向対抗するものでなければ幸いである。

■自分は何か違う、と思いたい

     差別はいけない、偉い人も、偉くない人もいない、みんな平
    等、民主主義、人の上に立つ天皇は不要(天皇につながる、日
    の丸、君が代反対)等々、平々坦々、子供は、「選ばれた者」
    であるというプライドも持ちえず、いわんや優者の責任(ノブ
    レス・オブリッジ)など感じ得ないし、感じてはいけない。こ
    れほど子供を倫理的に疎外するものはない。この倫理的疎外に
    よって、青少年は、倫理的に死ぬ。規範はこういう若者にとっ
    てもはや無意味である。

     子供は何につけそれぞれ「選ばれた者」でありたい。これは
    勉学に関してだけのことではないのだが、今はかろうじて勉学
    を通じてだけしか「選ばれた者」になり得ない。まったく差別
    化できない世の中になってしまった。がちがちに差別・区別禁
    止である。勉学のできない子供の立つ瀬がない時代である。勉
    学のできる子供もカラッとした爽快感は持てず、閉塞感に閉じ
    籠められている(勉学で「選ばれた者」になっても何か後ろめ
    たさを感じさせられる)。暴走族や麻薬、他人の殺傷で、他と
    は違う歪んだ「エリート」「選民」になれる?!

     この急性アノミー(acute anomy)のよってきたる淵源につ
    いてはまた次回に書く予定。

■参考■
1.小室直樹「あなたも息子に殺される」(太陽企画出版) 昭和57年(1982)
7月刊
2.小室直樹「偏差値が日本を滅ぼす」(光文社) 昭和59年(198
4)2月刊

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