国際情勢

JOG Wing 国際派日本人のための情報ファイル

政治・経済・外交・社会・文化などの分野において「元気な日本」を作るためのオピニオン誌です。

全て表示する >

JOG Wing(Melma!) No.0338 「金正男」追尾作戦

2001/05/21

 _/          _/  _/                      「金正男」追尾作戦
 _/          _/      _/_/_/      _/_/_/    各国情報機関監視
_/    _/    _/  _/  _/    _/  _/    _/                YoJirou
 _/  _/  _/    _/  _/    _/  _/    _/      H13.05.21 4,251部
 _/  _/      _/  _/    _/    _/_/_/         JOG Wing No.338
                                _/     国際派日本人の情報ファイル
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/   _/_/     _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 


     北朝鮮の金正日総書記の長男、金正男氏(30)とみられる男
    性ら一行が偽造旅券で入国しようとして身柄拘束され国外退去
    となった事件をめぐり、各国情報機関が一行を追尾するなど極
    秘に動いていた。男性らの動きは成田空港に向け飛び立った機
    乗地のシンガポール入国以前から把握されており、泳がせなが
    ら監視を続けた各国機関の姿が浮かび上がっている。

     情報は「米中央情報局(CIA)から寄せられた」とも、「英
    国諜報部のMI6から」ともされるが、こうした機関は事件の
    かなり前から男性らの追尾を始めていた。

     追尾の舞台は日本に移るはずだったが、正男氏とみられる男
    性らは入管で拘束され、ゲートの外には出てこなかった。身柄
    拘束された時点で各国機関による“金正男ウオッチ”も終わっ
    た。

                                     (産経新聞 05.14 抜粋)

■ 編集者・YoJirouより ■

     今回の「金正男」不法入国事件に関して、北朝鮮の次期最高
    指導者(金正日の後継者)と目される「ロイヤルファミリー」
    の一員がやるようなことではない。むしろ、近々「後継者」と
    して正式に決まってしまうと、外交上の「公式訪問」以外では
    日本に来られなくなるから「いまのうちにディズニーランドな
    どに行っておこう」と考えても不思議ではない、というような
    見解を述べる間抜けな朝鮮問題専門家、学者もいるようだが、
    「家族連れを装う」のはスパイの世界では常套手段だと言われ
    ている。

     また、最高指導者の身内にさせる工作というものもある。キ
    ューバ危機の時、アメリカのケネディ大統領がソ連と裏取引し
    てミサイル危機の収拾をはかった際、ソ連大使との交渉にもっ
    とも信頼できる人物として弟のロバート・ケネディ司法長官を
    当たらせたのは有名だ。

     そういう意味で、金正日の長男の来日目的は、日本政界大物
    との「裏取引」であったとの見方がある。

         信頼できる関係者によると、今回の訪日目的のひとつは
        日本の国会議員との面会だった。故金日成主席の時代から
        続いている金銭の絡む「取引」について話をする約束がで
        きていた。この「取引」は、金正日総書記自身が関与する
        「極めて機密性が高いもの」(関係者)で、男性が当局に拘
        束され国外退去になったことから、「取引」の内容が今後、
        表面化すれば日本の政界にも波及する可能性もありそうだ。
                                            (産経新聞 5.5)

         金正男の日程には「取引」のほかに、故金日成主席、金
        正日総書記ともに「旧知の人物」との面会も予定されてい
        た。(同上)

     上記の産経新聞では、「観光」先もディズニーランドのほか、
    「関西」にできたばかりのユニバーサルスタジオジャパン(US
    J)も入っていた、としている。

     「裏取引」は金銭がらみと述べているが、日本人拉致問題が
    らみもあったという説もある。拉致事件被害者を、「関西」の
    選挙区選出の大物政治家Nの手腕で何人か「釈放」させてみせ、
    Nの功績を作り、最近陰りの見えてきたNとその派閥の政界で
    の復権を謀る、という筋書きだ。その見返りは当然金銭だろう。

     「金正男」の旅券には昨年10月と12月の入国記録が残っ
    ていたが、公安当局の調べで、男は昨年後半の3カ月で3回不
    法入国し、うち2回が北京経由で、滞在期間は最長8日間の計
    17日間にも及んでいたことが新たに判明した(森山法相記者
    会見)。

         このように何事もなく日本に出入りしていた彼が、旅券
        審査をする前に捕まったのは、シンガポールを出発する際
        「事前通告」があったという確信を抱かせる。

         誰がこの情報を知らせたのかについては諸説紛紛として
        いる。アメリカ中央情報局(CIA)が北京から彼を追跡し、
        シンガポールの日本の公安関係者たちに知らせたという説
        が有力に広まっている。(朝鮮日報 5.6)

         米国側が情報提供の主体ならば、北朝鮮側に圧迫を加え
        るために情報力のデモを行ったという分析が出てくる。韓
        米日三国の対北朝鮮包容政策基調の変化を狙ったことであ
        ろう、との観測もでてくる。(同上)

     CIAが日本の警察当局と組んで、捜査の過程でコリアゲー
    ト人脈(チャイナゲートでもある)をあぶり出して始末するつ
    もりだったが、「日本政府が彼の身元を終わりまで隠したまま
    強制出国措置を行なったのは、提供されていた情報の策略を看
    破したためということだ」(朝鮮日報 5.6)とも考えられる
    (「 」の外は編集子)。

     これまでは、上記Nの所属する経世会(橋本派)が北朝鮮外
    交を牛耳っていたので、稚拙な偽造旅券でも堂々と入管を通過
    できた。4月の政権交代で小泉内閣が誕生したので、親中韓の
    Nなど橋本派の追い落としを謀り、CIAが今回は情報を送って
    日本の入管に摘発させたということであろう。このことは、外
    務省内の勢力地図の変化も意味しているだろう。

    (経世会・橋本派を陰で牛耳る青木参議院議員が永住外国人
    (主として在日韓国人)参政権を党議拘束してでも今国会で通
    さねば、公明党にも申し訳立たないし、党が分裂しているとい
    う悪い印象を与える、などとテレビでほざいていた (5.15)。 
    何か見え見えだ)。

    (あるラジオ番組によると、経世会・橋本派は田中角栄発案の
    ガソリン税、自動車税などの莫大な権益も牛耳っているらしい。
    当然、「聖域なき」構造改革には反対するだろう)。

     今回の事件は、特に米ブッシュ政権にとってもうひとつ大き
    な成果を上げたと言える。「ならず者国家」北朝鮮の不可解さ、
    不気味さをあらためて国際社会に強烈に印象付けることに成功
    した。これでクリントン時代の生ぬるい北朝鮮政策を転換しや
    すくなる。

     また、韓国に対しても大きな効果があった。北に大きく傾き、
    嫌米気運があがっていた韓国を目覚めさせた。アメリカの意向
    どおりだ。日本の警察としては普通考えられないほどの時間と
    アップで、犯人?「金正男」のビデオ映像や報道写真を撮影さ
    せた。それをまた、しつこいほどの放映させた。やはり大きな
    策略があったのだろう。

         韓国民の「北」を見る目がまた憂うつになっている。昨
        年六月、平壌での南北首脳会談でデビューした北朝鮮の最
        高指導者・金正日総書記の人物イメージにホッとしていた
        のに、今回、東京でデビューした長男・金正男氏の姿にが
        っかりしたからだ。韓国では成田空港の男は金正男氏と確
        信している。

         昨年の南北首脳会談をきっかけにした韓国での「金正日
        ブーム」は、同じ民族として「まともなイメージの指導者
        であってほしい」という、韓国民の深層願望を満足させた
        結果だった。

         ところが今回の金正男氏は、韓国で広く流布された父・
        金正日総書記にまつわる過去のマイナス・イメージをあら
        ためて思い出させた。「同じ民族」と思いたい韓国民にと
        っては憂うつにならざるをえない。

         成田空港でテレビカメラにキャッチされた金正男氏につ
        いて、韓国のある新聞コラムは「閑良」という言葉を使っ
        ている。辞書を引くと「ぶらぶらしながら金銭だけを浪費
        する人」とある。

         金正日総書記と平壌で抱き合った金大中大統領の対北融
        和策は、北朝鮮の「権力の実態」を無視して進められてき
        た。また国内で金正日総書記批判をはじめ「北の体制批
        判」をタブーとするような雰囲気を作ってきた。そして
        「北の変化」を強調してきた。

         今回の「金正男事件」で韓国の「金正日ブーム」は終わ
        ったといっていい。
                          (産経新聞 5.8 黒田勝弘記者 抜粋)

     「金正男」は亡命しようとしたのではないかという説もある
    が、これはまた機会があれば書くかもしれない。

購読申込・既刊閲覧: http://come.to/jogwing Mail: jog@y7.net
購読解除: http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/quit_jog.htm
Japan on the Globe 国際派日本人養成講座 http://come.to/jog 

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:1999-03-10  
最終発行日:  
発行周期:3回/週  
Score!: 89 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。