国際情勢

JOG Wing 国際派日本人のための情報ファイル

政治・経済・外交・社会・文化などの分野において「元気な日本」を作るためのオピニオン誌です。

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JOG Wing No.0314 by melma!

2001/04/02

 _/          _/  _/                      右するか、左するか? 
 _/          _/      _/_/_/      _/_/_/     北朝鮮報道
_/    _/    _/  _/  _/    _/  _/    _/                 YoJirou
 _/  _/  _/    _/  _/    _/  _/    _/      H13.04.02 4,150部
 _/  _/      _/  _/    _/    _/_/_/         JOG Wing No.314
                                _/     国際派日本人の情報ファイル
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         朝鮮半島の南北首脳会談をめぐる手ばなしの礼賛報道か
        ら九カ月が過ぎた。
         朝鮮半島情勢は今また転換点を迎えている。「海洋勢力
        (米国、日本、西欧)の側に立つのか、大陸勢力(中国やロ
        シアなど)の側に戻るのかを決定付ける過程にある」(産
        経新聞 3.27 「月刊朝鮮」編集長 趙 甲済氏 『正論』)
        という鋭い指摘もある。

         「いま氷山が溶けだした」と興奮した社説をのせた新聞
        があり、「感動のあまり涙がでました」と叫んだテレビの
        キャスターもいた。そうして韓国はご機嫌うかがいの“太
        陽政策”をすすめ、日本は度重なるコメ援助をつづけた。
        (産経新聞 3.17『産経抄』)

     まだ記憶に新しいこの時期に、ちょっと南北首脳会談に関わ
    るマスコミ報道を振り返っておこう。どのマスコミがどう対応
    したかあらためて分かって面白いかもしれない。多数紙を取り
    扱う余裕はないので、対照的な朝日新聞と産経新聞を取り上げ
    てみよう。

     まずは、朝日新聞から

         南北首脳会談――いま氷山が溶けだした (H12.6.14 
        『社説』より抜粋)

         半世紀余りの朝鮮半島の分断の歴史を乗り越えて、韓国
        と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の首脳が和解と統一、
        緊張緩和と平和、離散家族の相互訪問、経済協力、北朝鮮
        の金正日総書記のソウル訪問など5項目にわたる南北共同
        宣言に署名した。画期的合意を南北の人々とともに喜びた
        い。

         共同宣言でとりわけ注目すべきは、「統一のための連
        邦」の方向に向かって進むことを、双方が確認したことで
        あろう。

         東西冷戦の崩壊後も、冷戦構造はこの半島の上に巨大な
        氷山のように居座り続けた。

         しかし不動にも見えた氷山が、南北首脳の会談で溶けだ
        そうとしている。歴史は動く。永遠に変わらぬものはない、
        ということを改めて実感させられる。

         これに続く一連の首脳会談を通じ、首脳同士の個人的な
        信頼関係が築かれ、合意をもたらした。トップ同士の直接
        対話の重要さが感じられる。

         今回の合意によって、朝鮮半島を取り巻く情勢は大きく
        変わろうとしている。

         私たちはこうした現実をしっかり認識する必要がある。
        当面、日朝交渉をいかに進めるかを考えなければならない。

         南北の和解の進展や国際関係の変化に応じて、北朝鮮と
        の正常化交渉の打開をめざして一層努力すべきだろう。交
        渉を進めなければ、解決の光は見えてこない。

     それにしても、「不動に見えた氷山」とは情けない表現であ
    る。あれが不動に見えたとは視野の狭い、深度のない、思い込
    みの見方である。しかも、それが単純に南北首脳会談で溶けだ
    そうとしているとは、まことに底の浅い見解だ。戦後五十余年
    朝日は何を見てきたのだろう。

     「歴史は動く。永遠に変わらぬものはない、ということを改
    めて実感させられる」。反日的朝日新聞も動く、永遠に変わら
    ぬものはない。まったく逆転するということもあり得る。戦前、
    戦後の大逆転からまたもや反転することも大いにあり得るだろ
    う。その点、朝日は節操というものを感じさせない新聞だから
    変わるとなれば早いだろう。。

     次に産経新聞を見よう

         注意深く「変化」見据えたい (H12.6.11『主張』より抜
        粋)

         半世紀以上にわたる南北の分断、対立以来、初めての歴
        史的会談である。朝鮮半島は1950年代の朝鮮戦争から
        最近の北朝鮮にかかわる核疑惑、弾道ミサイル発射にいた
        るまで、国際的な紛争地域として厄介視されてきた。やっ
        と開催される首脳会談が、南北和解のきっかけになること
        を期待したい。

         最大の関心は北朝鮮の変化である。これまで拒否し続け
        てきた韓国との首脳会談に応じた背景は何か。韓国が期待
        するように韓国との和解、交流・協力そして平和共存に踏
        み切るのかどうか。大韓航空機空中爆破テロ(1987年)
        をはじめとする、国際社会に敵対するようなこれまでの外
        部世界に対する闘争姿勢を改めるのかどうか。

         金正日総書記は独裁者特有の「神秘性」へのこだわりか、
        あるいは敵に手の内を見せないゲリラ外交のせいか、その
        胸の内は明らかでない。それだけに今回、意外な提案など
        国際社会を驚かせるような対応も考えられる。

         日本としては北朝鮮がやっと動き出したわけだから、そ
        の真意を見極めたうえで対応すればいい。あわてることは
        ない。「バスに乗り遅れるな」論は禁物である。

     ここで、南北首脳会談後の、北朝鮮の動きを見てみよう。

    ・北朝鮮の金正日総書記は59歳の誕生日を迎えたが、誕生日
      を祝う同国のメディアなどは相変わらず「軍事優先」や「金
      正日将軍中心の団結」を繰り返し強調している。

    ・「敬愛する金正日同志は独創的な軍事優先政治で人民の社会
      主義赤旗進軍を勝利へと導いている」とし、「軍事優先政治
      は軍重視思想を今の現実的条件に合わせたわれわれ式の新た
      な政治方式である」と強調している。

    ・ 日本人が北朝鮮に拉致され、生死不明になって、来年で四
       半世紀、25年となる。それなのに解決のめどすら立って
       いない。思い余った60歳代後半・70歳代の親達らが肉
       親救出のためにアメリカにお願いに行くありさま。

    ・金正日政権が米本土に届く大陸間弾道弾を所有していること
      は確実。日本に届くノドン中距離ミサイル約百基が実戦配備
      されていることは新聞でも報道され、秘密ではない。このミ
      サイルを迎撃するミサイル装置は米軍にも存在しない。

    ・北が変化したかどうかの判断基準は、(1)金正日への個人神
      格化が減少したか。(2)制度として需要と供給に基づく市場
      経済の導入、並びに農業の請負制を導入したか。(3)韓国の
      併呑政策(赤化統一)を放棄したかどうかであるが、現在の金
      正日政権には変化の兆しすら見えない。(佐藤勝巳氏)

    ・「悲願である民族統一への展望が開けた」と沸き立った韓国
      の熱気が冷え込み、世論の対北友好ムードが後退し、北朝鮮
      にかかわる問題について韓国民が冷静な見方をし、それを言
      動に表すようになったころから、北朝鮮の主張に合わない韓
      国内の世論や意見に難癖をつけて非難を加えるようになった。

    ・平壌で韓国側訪問団と会う北朝鮮側家族が、ことあるごとに
      「金正日将軍さまの恩恵」などと金総書記をたたえることに
      韓国側家族はへきえきしシラけている。

    ・北は3月13日開催の南北閣僚級会談を当日になって不参加
      を通告してきた。

    ・北朝鮮から韓国に亡命した男性が昨年、北に残った妻を韓国
      に呼ぼうとして中朝国境に行ったところ、北朝鮮当局に連行
      され公開処刑された。

    ・金大中韓国大統領は、ミサイル問題について「北朝鮮が米朝
      核合意を守り、ミサイル(開発)を完全に放棄して韓国への軍
      事挑発をしないことが信じられるようになれば、われわれも
      北朝鮮に合理的な経済支援ができる」と述べ、ミサイル開発
      の疑惑解消が対北支援の条件の一つである考えを示した。

    ・金大中政権の北朝鮮に対する「太陽政策」について「北朝鮮
      に資本主義改革と経済解放を導入することで南北統一を狙う
      韓国の吸収政策」と断言し、「反統一的である」と北朝鮮側
      は厳しく批判した。

    ・趙成台韓国国防相は国会答弁で「北の軍事的脅威は現存して
      おり、北が韓国に対する軍事戦略を修正する明確な措置を取
      っていない現時点では(北を主敵(仮想敵)としていること
      の)変更は適切ではない」と答えた。

    ・北朝鮮は「わが方は対話にも戦争にも準備は整っている。敵
      の強硬には超強硬で応じ、火を放つ者を百倍千倍の火で制す
      る」と強調した。

    ・「南北ドリールチームで祖国統一の機運盛り上がり」とのお
      囃子入りだった世界卓球選手権出場予定が北朝鮮の一方的出
      場停止通告でご破算になった。

    ・韓国赤十字社は4月上旬に開催される予定だった第4回南北
      赤十字会談を3月26日、ソウルで開くよう提案した。しか
      し、北朝鮮側からは何の回答もなし。会談開催は不可能にな
      った。

     これらを見るだけでも、北朝鮮体制がいかにいかがわしいも
    のであるかが分かるだろう。これに対して、最初から一貫した
    主張を続けているのが産経新聞である。

         われわれは機会あるごとに指摘してきたが、南北間の対
        話進展を評価するにやぶさかではないものの、首脳会談後
        も朝鮮半島の基本的情勢には何らの変化もないという冷厳
        な事実を見誤る愚は避けるべきである。まして日本との関
        係では、日本人七件十人の拉致疑惑、テポドン発射、北工
        作船の日本領海侵犯など、国の主権にかかわる重大な問題
        について、北朝鮮側は何ひとつ誠意ある姿勢を示してはい
        ないのだ。

         北朝鮮を国際社会の舞台に引き出し、国際常識の通じる
        国への転換を求めていくこと自体は結構だろう。だが、対
        北外交で「バスに乗り遅れるな」意識は禁物であり、国と
        しての対応を誤るおそれがある。 (産経新聞 H12.7.19
        『主張』)

         したがって日本がバスに乗るのが遅れるのは当然だし、
        遅れても構わない。いや場合によっては最後になってもい
        い。それを恐れる必要は全くない。(産経新聞 H12.10.23
         『主張』)

     朝日新聞はこういう点には目をつむり、読者の目に極力触れ
    ないようにして、早く日朝友好関係を築き、バラ色の南北統一
    を目指せ、という態度で一貫しているようである。これは一昔
    以上前に何だろうとバラ色の社会主義を目指せと旗を振った朝
    日新聞(当時は朝日だけではなかったが)の名残であり、冷戦
    終結後の新しい目標なのだろう。「バラ色の社会主義」の実態
    はその後はどうなったか、多くの人が近年体験したことである。
    今後の歴史もその延長線上を動いて行くことだろう。北朝鮮の
    崩壊は案外早いかも知れない。

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