国際情勢

JOG Wing 国際派日本人のための情報ファイル

政治・経済・外交・社会・文化などの分野において「元気な日本」を作るためのオピニオン誌です。

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JOG Wing No.0299 by melma!

2001/03/05

 _/          _/  _/                      「えひめ丸」沈没事件に関連して
 _/          _/      _/_/_/      _/_/_/                   YoJirou
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 _/  _/  _/    _/  _/    _/  _/    _/      H13.03.05 4,092部
 _/  _/      _/  _/    _/    _/_/_/         JOG Wing No.299
                                _/     国際派日本人の情報ファイル
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     目下、日米関係全般を巡る雰囲気が、険悪なものになりつつ
    ある。ジョージ・W・ブッシュ・ジュニア大統領麾下(きか)の
    共和党政権は、「対日同盟関係重視」を対外政策方針として打
    ち出していたはずであるけれども、政権発足後の一カ月、その
    方針を具体的なものにしようという動きは、続発する突発事件
    によって足踏みを余儀なくされている。

     そして、その突発事件の最たるものが、愛媛県立宇和島水産
    高校実習船「えひめ丸」が米国海軍原子力潜水艦に追突された
    結果、沈没した事故であるのは、あらためて指摘するまでもな
    い。無論、これらの突発事件は、軒並み米軍内部の軍律の弛緩
    (しかん)が招いたものであるから、我が国が然るべき謝罪と補
    償を求めるのは、当然のことである。

     我が国は、米国の「同盟国」であっても「属国」の類(たぐ
    い)ではないから、そのような当然の要求は、何の躊躇(ちゅう
    ちょ)もなく行うべきである。むしろ、そのような独立国家と
    して当然の振る舞いをすることは、対米同盟関係の実質性を担
    保していく上では、長期的には益になるものであろう。

     しかし、その一方で、懸念されるべきは、「えひめ丸」に乗
    り合わせ遭難した人々に対する同情に便乗する形で、専(もっ
    ぱ)ら「被害者としての感情」のみに寄り掛って現下の問題を
    語ろうとする雰囲気があるということである。私は、国内にお
    ける事故であればともかく、対外関係が絡んだ事故への対応に
    際して、「土下座して謝罪せよ」といった「赤裸々な感情」を
    紛れ込ませるのは、危険なことであると考えている。このよう
    な「赤裸々な感情」の表明は、必ずや不毛な「感情の応酬」に
    結び付く。

     少なくとも、米国政府は既に公式に謝罪し、その後の対応も
    誠実に進める旨、表明しているのであるから、我が国としても、
    その対応の如何(いかん)を注意深く見守るのが賢明である。
    「えひめ丸」事故は不幸な出来事であったけれども、日米同盟
    関係の基底が崩されるのは、それ以上の災厄(さいやく)を意味
    する。
                     (産経新聞 2.28  櫻田淳氏『正論』より)

■ 編集者・YoJirouより ■

     今回の「えひめ丸の事故」は単なる「事故」ではなさそうだ。
    きわめて「故意」に近い「事故」である。今後とも日本のマス
    コミや政府はこの事故の検証、追及をしていく責任があろう。

     それをしても真相がすべて明らかになる可能性はないだろう
    が、現在明らかになった情報だけでも十分「疑念を持つにた
    る」ものである。近くに船舶が存在していることが分かった上
    で、同乗民間人へのサービスを優先させてしまった結果だと推
    測できるような材料が多すぎる。恐らく、「えひめ丸」の存在
    を知った上で、「びっくりさせてやろう」とあえて近くに浮上
    させるつもりが失敗したのではなかろうかと編集子などは思っ
    ている。そもそも訓練海域から数カイリ離れた海域でこのよう
    な「緊急浮上」を行なった行為そのものが何よりの過ちであっ
    た。

     今回の日本の報道でも事故を起した米軍に対する批判は通り
    一遍であり、報道の多くを日本政府への批判という形に変えて
    しまっている。本気で日本としての怒りをアメリカに伝える大
    切な役割をマスコミは果たしていない。これが日米逆の立場の
    事故であれば、今頃アメリカのマスコミは日本を「袋叩き」に
    しているはずで、米国の世論もタダではすまないであろう。ま
    してや、相手が中国や韓国、北朝鮮だったら想像するだにおぞ
    ましいことになっているだろう。日本の世論はアメリカへの批
    判もさることながら、むしろ日本政府への批判、森首相叩きに
    なっているのは情けないことだ。

     また日本の新聞をはじめとするマスコミは事故を事故として
    アメリカの責任を徹底追及するという腰を据えた冷静な姿勢が
    見られない。潜水艦艦長が被害者の前に出て謝罪しないことを
    追及したり、被害者の親が言う「艦長は土下座をしろ」という
    言葉を大きく取り上げたりと感情的な報道に偏りがちである。

     これはまさしく中国や韓国がよくする事実追及よりも日本の
    謝罪を執拗に求める姿勢と裏腹である。日本人は相手が謝れば、
    まあ許してやるかになるかも知れないが、中国や韓国が謝罪を
    執拗に求めてくるのは謝罪自体が目的でないのは明白である。

     「いつも書くことだが、謝るということは、同時に金を出す
    ということなのだ。口で謝るだけで済む国際関係など、ほとん
    どないとみていいだろう。だから謝ったら補償の金が高くなる
    し、謝りたくても、金がないか、出ない場合が多いから、人は
    めったに謝らないし、謝れないのである。そういう世界的に普
    遍的な真理(同時に心理)というものを、日本人はよく理解しな
    い」とは曾野綾子氏が常に言っている(産経新聞 2.28)こと
    だ。

     案の定、出た。

    「謝罪要求は偽善的」米紙、えひめ丸事故

     米「ワシントン・ポスト」紙は27日、「我々は十分謝っ
    た」と題するコラムを掲載した。「日本側の絶え間ない謝罪要
    求」は従軍慰安婦や南京大虐殺に関し、日本が十分に謝罪して
    いないことを考えれば「大いなる偽善のにおいがする」との批
    判を展開している。

     コラムでは、「衝突事故は悲劇だ。行方不明者の家族は何を
    言っても、何を要求しても許される」とした上で、「その他の
    日本人、例えば新聞の論説委員や日和見主義の政治家は、権利
    以上の謝罪を要求している」と批判。

     また、「日米文化の違いもあるかもしれないが、米国はアフ
    リカ諸国や米国先住民など、過去被害を与えた人々に謝罪をし
    てきたが、日本は、従軍慰安婦や南京大虐殺に関し、十分な謝
    罪していない」とし、今回の日本からの謝罪要求は「大いなる
    偽善のにおいがする」と指摘している。

     さらに、日本では今回の事故が、沖縄での米兵の犯罪や、海
    兵隊中将による中傷メール問題などと一緒に捉ええられている
    と紹介し、「衝突はあくまで事故であり、(日本の新聞社が)そ
    このところを理解しているのか疑問だ」と安全保障問題と性質
    が異なることを主張している。

     最後に、「アメリカ人全員がすまなかったと思っている」
    「沈没したえひめ丸、亡くなったと見られる9人に対しておわ
    びする」と繰り返した上で、「我々は第2次世界大戦以降、日
    本の安全を保障し、国の復興を支援し、固い同盟関係を築いて
    きた仲でもあるのだ」と締めくくっている。(CNN2.28)

     ついでに言うと、ワシントンポスト紙は権威ある新聞として
    アメリカの地方紙にもよく転載されるそうだ。このコラムも地
    方紙にかなり出ているとか。

     ここで非常に問題なのは、ワシントンポストのコラムでは
    「20万人の従軍慰安婦」(approximately 200,000 Asian wom
    en were forced to become thesex slaves of the Japanese m
    ilitary during World War II) とか、「日本軍による10万
    人〜35万人の市民の殺戮、四肢切断、強姦の南京大虐殺(コ
    ラムではRape on Nanking と言っている)」(anywhere from 1
    00,000 to350,000 Chinese civilians were slaughtered, mut
    ilated and raped by theJapanese Imperial Army) というよ
    うなことを何の注釈もなく事実として書いていることである。
    アイリス・チャンなどの反日通俗ゾッキ本からの知識だろう。

     これを見て中国、韓国への御注進派はほくそ笑むであろうが、
    普通の日本人には憂うべき悲しいことである。これは非常事態
    と言えるような場面に常に顔を出してくる問題である。熾烈な
    国際関係では当然相手はそれを利用する。国を売る日本の御注
    進派は「だから謝罪をしろと言うのだ」と自国攻撃に回って嬉
    々とする(この種の日本人はどうして自国を攻撃するときは生
    き生きとするのだろうか)。これがどれだけ日本の国益を損な
    っていることだろう。異常国家日本だ。戦争に負けるとは悲し
    いことだ。努力して正常な日本が復興するのは後百年はかかる
    だろう。それまで日本が日本として保てばの話だが。

         「独シュピーゲル誌は「象徴的な屈辱」(19日号)で事
        故が歴史的舞台の近くで起きたことを伝え、ロシアのヴレ
        ーミヤ・ノーボスチェイ紙も「米海軍は日本人に真珠湾の
        復讐をした」との(不謹慎な)見出しを掲げた」
                                            (産経新聞2.27)

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