国際情勢

JOG Wing 国際派日本人のための情報ファイル

政治・経済・外交・社会・文化などの分野において「元気な日本」を作るためのオピニオン誌です。

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JOG Wing No.0269 by melma!

2001/01/08

 _/          _/  _/                      何を基準に生きるか
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 _/  _/  _/    _/  _/    _/  _/    _/      H13.01.08 3,973部
 _/  _/      _/  _/    _/    _/_/_/        JOG Wing No.0269
                                _/     国際派日本人の情報ファイル
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         私は今、きわめて悲観的であると同時に、希望をもって
        います。

         これからしばらく、日本ではひどいことがたくさんおき
        るのではないでしょうか。経済的にも混乱が深まると思い
        ますし、社会の安定も損なわれるかもしれません。コメや
        皇室だけでなく、私たちがずっとかけがえのないと思って
        きたもの、手間暇をかけ心を砕いて守ってきたもの、歴史
        とか故郷とか、田畑とか山河とかが、次々だいなしになり、
        失われていく光景に立ち会わなければならないかもしれま
        せん。

         戦後五十年の間、政治も外交も、あるいは文化やコメも、
        そして日本という国を忘れてかりそめの繁栄に酔っていた
        ツケを払うことになるでしょう。
        (福田和也「日本人であるということ 日本人であること
        を見失って五十年!」(高木書房) 平成6年刊 より)

         昭和20年3月10日、中谷宇吉郎北大教授(低温科学
        の開発を先導し“雪博士”と呼ばれた。随筆家としても著
        名)は本所深川の大空襲も知らず東京へ向かっていた。青
        森、盛岡を経て、交通の混乱、列車の混雑に堪えかねた博
        士はIという駅に下車した。Iとは岩手県一ノ関であろう。
        降りしきる雪の中に宿を求めた博士は燈火管制の闇の街を
        一時間もさまよい、やっと一夜の宿にありついた。但しそ
        の宿も満員で、若い夫人の親切で家族の部屋が提供された。

         思いがけないことに、「私は先生の随分熱心な愛読者な
        んでございます」。驚く博士が四畳半の部屋を見まわせば、
        本棚に日本の古典籍や洋書など、重厚な書物がぎっしり。
        国文学専攻の宿の主人と英文科を出た夫人の蔵書だという。
        知的な夫人のゆかしい物腰、本棚が物語る上質の精神空間。
        住む人の心の奥行きと品位に、読む者も感じ入る一場面で
        ある。

         敗戦迫るこの雪の夜、博士は「日本の国力というものが、
        こういう人の知らない土地で、人に知られない姿で、幽
        (かす)かに培養されているのではないか」と思ったという。
         (産経新聞 H12.21.31 芳賀 綏氏 正論 より)

         ゆるんだ社会全体のたがを締め直すにはどうすればいい
        か。故司馬遼太郎氏は『風塵抄』(平成5年1月4日付
        「在りようを言えば」)の中で、「実直」こそを日本人の
        精神の芯ととらえ「日本人もその国家も、このむかしから
        のシンを充実したり、すこしは華麗に表現してゆく以外に、
        道がないのではないか」と書いている。
        (産経新聞 H12..12.30 より)

■ 編集者・YoJirou より ■

     読者の皆様 新年明けましておめでとうございます。本年も
    ご愛読をよろしくお願いいたします。

     昨年末から21世紀、21世紀と喧しいですが、20世紀の
    始まった1901年、明治34年はどうだったのでしょうか。
    年表から目に付いたものを拾ってみます。

     有色人種排斥など当たり前の時代でした。ライト兄弟900メ
    ートルエンジン付き初飛行。それが今や宇宙に飛び出す時代。
    マルコーニ大西洋横断無線通信成功。今や、遙か彼方の惑星か
    ら動く映像を送ってくる。レントゲンノーベル賞第1号受賞。
    今や受賞対象は遺伝子情報解読、原子核より小さい物質の解明
    レベル。当時、百年後の現在の状態を確信を持って夢想できる
    人は皆無だったでしょう。これぞまさしく隔世の感です。おそ
    らくこれほどの隔世の感はかつて人類が経験したことはなかっ
    たでしょう。同様に現在の我々も百年後の予測は不可能と思っ
    た方がよいでしょう。

     しかし、朝鮮半島、中国大陸、ロシアは当時から今に至るま
    で相変わらず日本にとって悩ましい問題ですし、これからも依
    然として悩ましいことでしょう。科学技術はさておき、人事は
    百年前以上に混乱してきていると誰もが思い始めています。そ
    の混乱の根は深く、案外当時に根ざしているのかも知れません。
    小泉八雲は言っています。

         新青年たちは旧幕時代を馬鹿にし、自分自身は西洋の卑
        俗な模倣をするのがせいぜいで浅薄で月並みな懐疑論しか
        口に出して言えぬくせに、古風な生き方を笑いものにして
        いる。祖先から受け継いだはずの高貴な愛すべき美徳の数
        々はいったい今どうなったのか。こうした資質の最良なる
        ものも単なる知的努力に変形して消費されてしまったので
        はないか。異常に過熱した学習努力の結果、判断のバラン
        スも失われ、人間の 重みも消え、人間の性格そのものも
        使い尽くされてしまったのではないか。
         (小泉八雲『日本人の微笑』 より)

         経済力におごり、生活の便利さを無限に求め、高学歴化
        などに酔い、前のめりに暴走した。浅層の学力・偏差値な
        どは問うが深層の国力に思いを至すことはなく、貧相な
        〈高学歴無教養社会〉を生んでしまった。心の錘(おもり)
        を失ったはかない漂流社会の出現である。
        (前掲 芳賀 綏氏)

         日本人が、自分たちの目で物を見て、頭で考え、そして
        足で歩きだすまで、自分たちの歴史を回復するまで、日本
        は何もすることはできないでしょう。

         しかし、日本人がこのまま滅びてしまうとは、私は思い
        ません。
      
         今、既に始まっているこの苦境のなかで、皆さんの心の
        なかに、少しずつ日本が、芽生え、育ちはじめているので
        はないか、と思います。そういう思いが、新しい日本を、
        日本人であることをはぐくんでいくと思います。それが私
        の、小さい、しかしたしかな希望です。(前掲 福田和也
        氏)

         天子より以て庶人に至るまで、一に是皆身を修るを以て
        本と為す。その本乱れて末治まる者は否ず。その厚かる可
        き者薄くして、その薄かる可き者厚きは、未だこれ有らざ
        るなり。此を本を知ると謂う。此を知の至まりと謂うなり。
        (『大学』)

     天子から庶民まで、みなわが身を修めること根本にしなけれ
    ばなりません。その根本がでたらめで、末端である国や天下が
    治まるわけがありません。自分で力を入れなければいけないこ
    とを手薄にして、手薄でも良いところがうまくいくなどという
    ことはあるわけがありません。こういうことを根本を知るとい
    い、知識の極みというのです。

     修身斉家治国平天下を見直す時代がまた来つつあるようです。
    即ち乱世です。

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