国際情勢

JOG Wing 国際派日本人のための情報ファイル

政治・経済・外交・社会・文化などの分野において「元気な日本」を作るためのオピニオン誌です。

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JOG Wing No.0182 by CLICK INCOME

2000/06/16

 _/          _/  _/                      憲法改正を求めて
 _/          _/      _/_/_/      _/_/_/    (上)分水嶺に立つ
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 _/  _/  _/    _/  _/    _/  _/    _/      H12.06.16 3,277部
  _/  _/      _/  _/    _/    _/_/_/        JOG Wing No.0182
                                 _/     国際派日本人の情報ファイル
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          ほそかわ・かずひこさんからの投稿

◆日本国憲法は苦慮の末に受容

     戦後日本の国家体制は、すべて日本国憲法に基いて組織・経
    営されています。国会も内閣も裁判所も地方自治体も、なにも
    かも。また、この憲法に基いて世界各国と条約も結んでいます。
    これは、社会常識です。そして、歴史的現実です。

     にもかかわらず、今日なお現行憲法の無効否認論を唱える人
    がいます。少数意見ではありますが、この主張は、日本国憲法
    の制定時からある主張です。

     この意見には一理あると、私は思います。占領下の憲法改正
    は国際法に違反しています。GHQによる秘密裏の改正案作成
    は帝国憲法違反です。また武力的脅迫をもって日本国政府に押
    し付けられたという事実があります。

     しかし、いかなる制定の事情があろうとも、現行憲法は、形
    式的には、天皇が改正を発議し、帝国議会が議決し、天皇が裁
    可して公布したものです。

     憲法の「上諭」に曰く、「朕は、日本国民の総意に基いて、
    新日本建設の礎が、定まるに至つたことを、深くよろこび、枢
    密顧問の諮詢及び帝国憲法第七十三条による帝国議会の議決を
    経た帝国憲法の改正を裁可し、ここにこれを公布せしめる」

     もちろん公布文書には、御名御璽と各大臣の副署があります。
    形式的には、正当であり合法です。

     このことを無視して、現行憲法の無効否認論を主張するのは、
    憲法を裁可・公布した天皇の権限と権威を否定することになる
    と思います。そして一点へのこだわりによって、歴史的現実を
    見失うと思います。

     GHQ製憲法案を受け入れざるを得なかったのは、敗戦と軍
    事占領という事態において、天皇のご一身を守るためでした。
    天皇を処刑あるいは退位から守り、国体を護持するための苦慮
    の末の決断でした。しかも、粗製・翻訳憲法を、自らの意思で
    制定したかのように振舞わざるを得なかった、昭和天皇の苦悩
    と指導層の悲涙に思いを致さねばならないと思います。

     日本国憲法は有効であり、まぎれもない現行法であるという
    ことを確認したうえで、何を為すべきかを考えたいと思います。

◆なすべき課題は、改正である

     マッカーサーによる憲法は、占領基本法というべきものでし
    た。それは占領政策を徹底し、日本を弱体化を進めるための装
    置でした。
    
     国体を護持するために、これを受け入れた日本の指導層は、
    限りない悔しさの中で、祖国の再建を誓ったことでしょう。そ
    の先輩の決意を受け継ぐならば、為すべきことは、憲法改正で
    す。

     私は、我が国は独立回復後に即、憲法を改正すべきであった
    という考えです。それができずに半世紀近く過ぎて来たことに、
    今日の日本の危機の原因の過半があると思います。

     現行憲法は、日本が自壊・滅亡するように仕組んだ「亡国憲
    法」です。その結果が、制定後半世紀を経て、あらゆる面に噴
    き出ています。日本の家庭・社会・国家を崩壊から救うために、
    憲法改正の早期実現が必要です。

     敗戦後、昭和27年4月28日に我が国は独立を回復しまし
    た。しかし、主権のすべてを回復し得たのではありません。こ
    れは憲法第9条(国防への規制)と日米安保条約(片務条約)
    の問題だけを言っているのではありません。

     憲法改正権は主権の一部を構成します。占領下に制定された
    憲法を改正しない国民は、主権意識を喪失した国民です。憲法
    を改正して初めて、日本国民は全面的に主権を回復し得たこと
    になると、私は考えます。

     これは日本国民自身の問題であって、アメリカのせいでもソ
    連のせいでもありません。自らが決めるべき課題です。そして
    自ら決められる課題です。

◆憲法破棄論にひそむ危険性

     ところで、憲法改正論の一部に、憲法は改正ではなく破棄す
    べしという意見があります。無効否認論にも通じる意見ですが、
    センセーショナルな主張なので、現状に強い不満をもつ人々の
    一部には、インパクトがあるでしょう。

     しかし、憲法はその条文に、改正の手続きを定めています。
    その条文を無視して、憲法を破棄するというのは、実質的なク
    ーデタか政治革命です。仮に議会による議決という形式を取っ
    たとしても、武力による裏付けなしには政権の維持は不可能で
    す。この方法は、明治以来の我が国の伝統である立憲議会制民
    主主義を否定するものです。

     憲法破棄論者には、戦前の5・15事件、2・26事件等や、
    昭和45年11月の三島事件(自衛隊員に憲法改正を目指す決
    起を呼びかけて失敗・自決)への思い入れがあるのでしょうか。

     左翼であれ右翼であれ、一部の武装政治勢力による奪権は、
    反対派のゼネスト・蜂起あるいは外国軍の介入を受けると、内
    乱ないし戦争となります。仮に、それに勝利しえたとしても、
    武力によって実現した政体は、武力の暴走に陥りやすい。また、
    国際的な孤立を招きやすい。その前に、株価の暴落と経済的制
    裁に直面して政権を維持できなくなるでしょう。

     私は、憲法改正はあくまで、現行法の民主主義的手続きに従
    って、実行するのでなければならないと考えます。それは大多
    数の国民と国際社会の常識です。

◆改正する主体は、国民である

     すべてのものには寿命があります。しかし、憲法の寿命は、
    ある日突然終わるという性格のものではありません。誰かが憲
    法を停止するか、改正するかです。つまり行為の主体が存在し
    なければなりません。

     憲法停止というのは、クーデター・革命・外国軍の占領の場
    合が考えられます。あるいは、大災害等による非常事態での緊
    急措置です。

     これに対し、憲法改正というのは、国民の意思による決定で
    す。改正する主体は、日本国民です。特定の武装政治勢力や、
    侵攻してきた外国軍ではありません。あくまで国民多数の意思
    によってのみ改正は行なわれなければなりません。

     トインビーは主著「歴史の研究」で次のように述べています。

         すべての国家は衰退するが、その原因は必ずしも不可逆
        的なものではない。しかし一番致命的な要因は、国家が自
        己決定ができなくなることだ。 

     この賢哲の言葉にならって言えば、「憲法を自ら決めるとい
    う自己決定ができない国民は、衰退する」。日本の再生は、自
    ら憲法を改正し、自己の運命を切り開く意志をもった国民多数
    の出現によってのみ可能です。

◆憲法放置は前例がある

     憲法を改正するか、放置するか。
     憲法放置によって、亡国を招いた前例が、我が国にはありま
    す。

     大日本帝国憲法は、明治の先人が苦心の末につくりあげた憲
    法でした。しかし、昭和に入って、国際情勢が変化し、また世
    代交代が進む中で、憲法は欠陥を示すにいたりました。

     「統帥権の独立」という憲法の急所を突いた軍部は、昭和5
    年以降、統帥権干犯問題・天皇機関説攻撃をきっかけとして、
    台頭しました。昭和の軍人は、明治天皇の遺勅に反して、政治
    に介入しました。憲法の問題点を認識した人々も、神聖視され
    た欽定憲法の改正は、言い出し得ませんでした。

     帝国憲法には、首相とか内閣総理大臣という言葉が一言もな
    く、また政党政治を予想したものでもありませんでした。政府
    や議会は、軍部の暴走を抑えることができませんでした。その
    結果、シナとの紛争は泥沼化し、その果てに、我が国は無謀な
    大戦争に突入し、敗北を喫しました。ニ百万の同胞の死と、膨
    大な財の破壊・損失をもたらす大破局でした。

     翻って、戦後の日本国憲法は、最初から欠陥そのものの粗悪
    な輸入品です。これを放置して、国が正しく進むわけは無いの
    です。日本は、一度、憲法の欠陥による破局を体験しているの
    です。私たちはこの失敗に学び、欠陥憲法の放置は、新たな亡
    国に至ることに気付くべきだと思います。
 
◆歴史的な分水嶺

     私たちは、今、歴史的な岐路に立っています。

     それはあたかも「分水嶺」のようなものです。例えば日本で
    は、水は日本海にそそぐか、太平洋に向かうか、その分水嶺で
    決まってしまいます。分水嶺を一旦下がってしまったら、水の
    流れは、後戻りができないのです。そこが単純な分岐点と違う
    点です。分岐点なら、間違ったと気づけば元に戻ることができ
    ます。分水嶺は、二度と引き返せない分かれ目です。そこから
    先は、決まった方向に進んでゆくのみです。

     私は憲法改正は、日本の再生・繁栄への道、憲法放置は、日
    本の崩壊・滅亡への道と考えるのです。

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    ほそかわ・かずひこの<オピニオン・プラザ>
    http://www.simcommunity.com/sc/jog/khosokawa
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a. JOG(141) Common Sense: 仮設憲法、急造成功
http://www.melma.com/mag/15/m00000115/a00000070.html
 今週末までに、新憲法の概案を作れ、、、マッカーサーは、なぜ
そんなに急がせたのか?

■編集長・伊勢雅臣より■

     ほそかわさんの「憲法改正を求めて」、3回に分割して毎週
    金曜日にお送りします。「日本の再生は、自ら憲法を改正し、
    自己の運命を切り開く意志をもった国民多数の出現によっての
    み可能です。」という言葉が胸を打ちます。

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