国際情勢

JOG Wing 国際派日本人のための情報ファイル

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JOG Wing No.0173 by CLICK INCOME

2000/05/26

 _/          _/  _/                      文明とは
 _/          _/      _/_/_/      _/_/_/   〜杉原千畝をめぐって〜
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 _/  _/  _/    _/  _/    _/  _/    _/      H12.05.26 3,201部
  _/  _/      _/  _/    _/    _/_/_/        JOG Wing No.0173
                                 _/     国際派日本人の情報ファイル
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     ほそかわさんより、JOG(138)「地球史探訪:届かな
    かった手紙 〜あるユダヤ人から杉原千畝へ〜」に関するお便
    りをいただきました。読者の皆さんにも大変参考になるご意見
    だと思いますので、ここに全文掲載させていただきます。

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     こんにちは、ほそかわです。杉原千畝に関する記事2本、感
    動をもって拝読しました。感想をお送りします。

    At 00/05/13 23:36, you wrote:
    > ■9.杉原とシンドラーとの違い■
    > 
    >      杉原は「日本のシンドラー」とよく呼ばれるが、両者
    >     の行為は本質的に異なる。私財をなげうって、ユダヤ人
    >     たちを助けたというシンドラーの行為は、あくまで個人
    >     的な善行である。それに対して、杉原の行為は、「日本
    >     帝国の原則」に基づいた国策に則ったものであった。そ
    >     れは、人道と国際正義にかなうものであると同時に、我
    >     が国の国益にもつながるものであった。

     特に感銘を受けたのは、この箇所です。

     これまで杉原を語る多くの人は、彼の偉業を個人的善行とい
    う範囲で見ています。いわば、杉原を「悪の帝国」における例
    外者、国家という悪に抗する個人の良心という図式を当てはめ
    て見ているのではないかと思います。しかし、レビン教授が明
    らかにしたように、杉原の行動は、彼個人の判断によるもので
    はなかった、当時の我が国の国策に則ったものだったわけです
    ね。
    
     このことが国民に、広く知られれば、戦前の我が国や、当時
    の日本人についての見直しにつながるに違いありません。
 
     一方、国際的には、今日、高揚する国際反日運動に、ユダヤ
    系人権団体が関与しているという厄介な状況があります。「南
    京=ホロコースト」というアイリス・チャンら中国系の宣伝に、
    一部のユダヤ人が乗っているのでしょう。
    
     レビン教授による映画「SUGIHARA」が、ユダヤ人を
    はじめ多くの人々に日本と日本人を再認識してもらう、よいき
    っかけとなるよう願いたいと思います。
    
     とはいえ映画の公開は2年先とか。その間に、国際的な状況
    が悪化するか、それとも好転できるか。それは私たち日本人の
    行動にかかっていると思います。

    > ■10.「文明国」とは■
    > 
    >         「世界はアメリカを文明国という。私は、世界に日
    >         本がもっと文明国だということを知らせましょう」
    
    >      杉原の言う「文明国」とは、進んだ科学技術や経済力
    >     を持つ国の事ではない。その国策が国益を追求しながら
    >     も、同時に人道と国際正義にかない、他国との共存共栄
    >     を目指す国と定義できよう。ユダヤ人の虐殺や追放を国
    >     策とした独ソは言うにおよばず、人種的理由から厄介者
    >     扱いした英米もこの点では「文明国」とは言えない。

     この一節に、西郷隆盛の言葉を連想しました。

         「文明とは道の普く行なわるるを賛称せる言にして、宮
        室の荘厳、衣服の美麗、外観の浮華を言うに非ず。
         世人の唱うるところ、何が文明やら、何が野蛮やらちっ
        とも分からぬぞ。予、曾(か)つて或る人と議論せしこと
        あり。
        『西洋は野蛮じゃ』と言いしかば、『否、文明ぞ』と言い
        争う。
        『否々、野蛮じゃ』と畳みかけしに、『何とてそれほどに
        申すにや』と推(お)せし故、『実に文明ならば未開の国
        に対しなば慈愛を本とし、懇々説諭して開明に導くべきに、
        さなくして未開蒙昧の国に対するほどむごく残忍の事を致
        し、己れを利するは野蛮じゃ』と申せしかば、その人は口
        をつぼめて言なかりきとて、笑われる」
        (「西郷南洲遺訓」より)

     西郷の生きた幕末・明治の時代と、杉原の生きた昭和戦前期
    には、数十年の隔たりがあります。この間に、我が国は「文明
    開化」をし、急速に西洋文明を摂取し、近代国家へと変貌。そ
    して、欧米列強と戦い、最後は大敗を喫しました。

     その後、多くの精神的価値が歪められてしまいましたが、戦
    前の我が国には、西洋の近代文明を超克し、東洋の道義に基く
    文明を築くという理想目標が、存在しました。その理想とは、
    力ではなく徳による政治が行なわれる文明です。覇道に対する
    王道、あるいは皇道という言葉が使われました。
    
     私は西郷と杉原の影響関係は存じませんが、西郷ら維新の世
    代が論じた「道」は、やがて教育勅語に説かれる「道」に包摂
    され、それが広く国民の規範となっていました。幕末・明治か
    ら昭和戦前期へと、日本人には、その「道」に基く文明という
    理想が、脈々と受け継がれていたのだと思います。そこには、
    道義に基いて人種平等・諸族協和・共存共栄の世界を実現した
    いという願いがあったと思います。
    
     私はそうした願いを持つ日本人の一人が、杉原千畝だったの
    だろうと思います。杉原の行動はもちろん彼の優れた人格によ
    るものです。彼の気高い精神は私たちに強い感動をもたらしま
    す。しかし、ユダヤ人を救援した日本人は、杉原一人ではなか
    ったことを、私達は知りました。レビン教授は、杉原を生んだ
    のは、「日本の風土」であったと発見しています。その「風
    土」を私たちに再認識させてくれるのが、杉原千畝の物語なの
    だと思います。

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    ほそかわ・かずひこの<オピニオン・プラザ>
    http://www.simcommunity.com/sc/jog/khosokawa
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 ■編集長・伊勢雅臣より■

     「日本は一国で独立した一文明をなす」という史観が、「国
    民の歴史」でも語られていますが、この西郷隆盛の言うような
    意味での文明であるためには、わが国は我が国独自の、しかも
    国際的に通用する理想を高く掲げていかなければなりません。

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創刊日:1999-03-10  
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