国際情勢

JOG Wing 国際派日本人のための情報ファイル

政治・経済・外交・社会・文化などの分野において「元気な日本」を作るためのオピニオン誌です。

全て表示する >

JOG Wing No.0158 by CLICK INCOME

2000/04/21


 _/          _/  _/                       シベリア紀行(2,3)
 _/          _/      _/_/_/      _/_/_/   
_/    _/    _/  _/  _/    _/  _/    _/    
 _/  _/  _/    _/  _/    _/  _/    _/      H12.04.21 3,0部
  _/  _/      _/  _/    _/    _/_/_/        JOG Wing No.0158
                                 _/     国際派日本人の情報ファイル
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/   _/_/     _/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/ 

                     東 知世子(モスクワ在住)さんより

(2)オムスクで見た芝居とオペレッタ

     こんなところまできて、またしても「三人姉妹」であった。
    本当はせっかくだから「黄金の仮面祭」で受賞した安部公房の
    「砂の女」か、三谷幸喜氏の(当て字作品を取り上げた「笑い
    の学院」というのが見たかったのだが。残念ながらスケジュー
    ルが合わず、とりあえず劇場内にあったご本人と劇場関係者の
    一緒に写っている写真を「パチリ」とさせてもらうに代えた。

     今までに、「三人姉妹」はどういうわけか4.5回見たのだ
    が、その中でも際立ったものを感じた。やはり、オムスクの役
    者が演技にかける熱意の違いと彼らの人間関係がおそらく、非
    常に円滑に行っていることが分かる。

     なぜなら、平凡な日常生活の中でも感情の機微というものが
    細やかに現れてくる戯曲だから、それが団欒の場面のごく自然
    な空気などに現れてくるのだ。

     同時に熱のこもった情のほとばしりがある気がした。やはり
    都会で金と名誉がからんだ世界では難しい現実(厳しい経済状
    況等)を、ある面、一切返上して芝居に打ちこんで生きている
    のではないか、と推測してみたりした。

     衣装もセットも小道具も使いこんだのが目に見えるくらい、
    古めかしい古典を絵に書いたような舞台に、一点異次元的に存
    在していたのが、天井から鎖のように中央に向って、集められ
    た首飾りのような蔓。その節々から小さな緑色の芽が吹き出し
    ている。その自然な背景が最後に幕のように降りてくるのだ。
    人間が絶望し、感情を失いかけたとき、静かに下りてくる自然
    という存在。

     それがシベリアの人々にとって、当たり前のものではあるけ
    れど、意識の仕方がどこか都会とは違う。もっと近く、親しく、
    それでいて敬虔に接している。そうと思うと、なんだかとても
    やさしい気持ちになった。

(3)そしてシベリアの中心へ。

     これだけで飽き足りないところが、わたしの根性のしぶとさ
    かもしれない。良くも悪くも、じっとしていられないのだ。こ
    こまで来て、シベリアの中心といわれる街に夜行一泊で行ける
    チャンスを逃すわけにはいかない、その思いで翌日さっそく鉄
    道駅を地図帳片手に探し当てる。もちろん、通行中のシベリア
    のみなさんにお世話になったのは言うまでもないが。途中、市
    場にふらっと入ってみたり、小さな商店にある品物をチェック
    してみたが、言われているほど庶民生活に物質的格差を感じな
    かった。

     むしろ、モスクワより小奇麗で、道にごみも少なく、マクド
    ナルドのようなチェーンもなく、路面電車、バス、トロリーで
    もきちんと切符売りの人がご活躍で「キセル乗車」などご法度
    な世界だし。(モスクワでは自己申告のようなものなので、払
    わない人も多い)

     地味ながら堅実に暮らしている様子で、物乞いなども少なく、
    アパートも外見的に清潔な感じがする住居が多かった。(ロシ
    ア人は外見にこだわらないので、荒れ放題のアパートも都会に
    は多い。落書きもオムスクではほとんどなかった)

     鉄道駅の前にはバスやトロリーの停留所が集まり、珍しくチ
    ェーンのフライドチキンの店もあった。しかし、地下道の汚さ
    と古めかしさには通るだけでも不気味なほどで、そんな地下の
    檻みたいな中で山のような商品をガラス越しに、ただ座って売
    っている人は本当に気が滅入るだろうと思われた。ま、この地
    下を平気で通れるのも神戸の元町高架街、「モトコーセンタ
    ー」の怪しさで鍛えたおかげともいえる。売ってるものは、あ
    そこよりは少なくとも健康的であった。(日本のように、いか
    がわしいビデオなんてここにはない!)

     夜行は思ったより早い時刻だった。現地時間で午後九時半。
    そして、九時間列車に揺られるのだが。「クーペ」という寝台
    で大体223ルーブル(890円くらいか?)。ホテルのシャ
    ワー別の部屋で260だったから、それを考えても鉄道料金は
    安いといえるだろう。

     しかも、この日の同乗者は年配のおばちゃん一人だった。普
    通定員は4人なのだが。一応、鍵も閉まるし、2段ベットの下
    であれば荷物の収納場所も自分の寝床の下を開閉して入れるこ
    とになるので、安心だ。シンプルで実用的に作られた室内、自
    分でシーツをマットレスの上と毛布の間に挟み、枕カバーをか
    ければ「ハイ、出来上がり!」(といっても不器用なわたしに
    とって、最初は困難な作業だった)

     かくして、無口なおばちゃんのお陰で長時間、熟睡すること
    ができた。
 
■編集長・伊勢雅臣より■

     シベリアの田舎町で、金も名誉も「一切返上して芝居に打ち
    こんで生きている」、そういう人生もあるのですね。

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「
  無料メールマガジン   ロシア・天井桟敷
    知られざるロシア演劇の魅力を、モスクワから最新情報を交えつつ
       初心者の方にも分かりやすく、お届けします。
         芝居を見ずにロシアは語れない!chiyoko@orc.ru
         ⇒ ご登録はこちらまで http://mail.cocode.ne.jp
」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

購読申込・既刊閲覧: http://come.to/jogwing Mail: jog@y7.net
購読解除: http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/quit_jog.htmJa
pan on the Globe 国際派日本人養成講座 http://come.to/jog JOG
 Town: 自分のホームページを無料で
    http://www.simcommunity.com/sc/jog/jog_master/main

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:1999-03-10  
最終発行日:  
発行周期:3回/週  
Score!: 89 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。