国際情勢

JOG Wing 国際派日本人のための情報ファイル

政治・経済・外交・社会・文化などの分野において「元気な日本」を作るためのオピニオン誌です。

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JOG Wing No.0152 by CLICK INCOME

2000/04/07


 _/          _/  _/                      日本の「公」と「私」第8回
 _/          _/      _/_/_/      _/_/_/     地球的視野の公民教育を
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 _/  _/  _/    _/  _/    _/  _/    _/      H12.04.07 3,090部
  _/  _/      _/  _/    _/    _/_/_/        JOG Wing No.0152
                                 _/     国際派日本人の情報ファイル
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      第1回 公は「大きい家」 
      第2回 「公の体現者」 
      第3回 「天皇と公民」の来歴
      第4回 明治における「公と私」 
      第5回 「公」を衰弱させる憲法
      第6回 「私民社会」の危機
      第7回 21世紀へのメッセージ
    ★ 第8回 地球的視野の公民教育を

     ほそかわです。拙稿「日本の公と私」にお付き合いいただき、
    有難うございます。最後に、これまでの所論を踏まえ、一つの
    提案をしたいと思います。

◆天皇の存在を踏まえた公民教育を

     わが国の公共性・公共精神の低下のなかで、わが国の歴史と
    伝統、そして国体の人類的価値を踏まえ、私たちは、何を行う
    べきでしょうか。 私は、日本の「公と私」の伝統に基いて、
    「公」の精神の復興を進めることだと思います。

     復興のための具体的な方策の一つは、教育の建て直しです。
    家庭でのしつけ、学校での歴史教育や「心」の教育、道徳教育、
    地域の大人が参加する社会教育などが、改革の重要な課題です。
    子供たちをなんとかしなくてはという努力が、大人の意識改革
    となります。「国民参加の教育改革」は、青少年ともに、大人
    自身が変わってゆくく改革です。

     改革の課題のなかで、学校での教育内容については、これま
    で弱かった、家族の意識、国家と国民の意識の育成に重点を置
    く必要があります。

     この内容について、私は、「公と私」の問題を柱の一つとし
    て、内容を構成すべきだと思います。具体的には、「天皇の存
    在を踏まえた公民教育」を行うことを提案します。それが、日
    本人が公共性、公共精神を取り戻すために、有効かつ不可欠の
    方法だと思います。

◆「私民」ではなく「公民」を育てよう

    「公民」という言葉は、かろうじて現代にも生きています。公
    民館とか公民権など、学校教育の教科名にも使われてはいます。
    しかし、積極的な概念としては、ほとんど使われていません。
    市民や住民などとの違いも意識されていないようです。

     「公民」とは文部省によって、「国民としての意識と社会貢
    献の意志を持つ者」と定義されています。つまり、単なる国民
    ではなく、国家や公共のために貢献する意志を持った国民です。

     ちなみに「市民」という言葉は、現行憲法には存在しません。
    憲法に書かれているのは、「国民」です(people の訳語とし
    て)。

     現代日本では、国民から、公利公益に尽くす「公民」が減り、
    私利私益を追求する「私民」が急速に増えつつあるといえます。
    「公僕」である「公務員」が「公」の精神を失い、一方、「市
    民」という名の「私民」が跋扈(ばっこ)しています。そして
    「私民ジュニア」が全国に量産されています。そのことが、さ
    まざまな危機を生み出しており、日本再生の道が求められてい
    ます。

     再生の道−−それは「公」の精神を取り戻すことです。その
    ために、まず現行憲法を踏まえた公民教育の実現をめざそうと
    いうのが、私の意見です。ポイントは、天皇の存在とご公務に
    ついて教えることです。

◆現状は憲法違反の疑いがある

     小学・中学には、社会や道徳の教科はあります。高校には、
    「公民」という教科もあります。しかし、道徳教育は、軽んじ
    られており、とりわけわが国の伝統的な「公と私」については、
    否定的な形でしか教えられていません。「天皇と公民」の歴史
    については、教えられていません。日本の「公」は天皇と切り
    離せませんから、天皇の存在についてふれない「道徳教育」
    「公民教育」では、「公民」としての国民を育成することはで
    きません。国家・公共の意識の薄い「私民」を生みだすばかり
    です。

     そもそも現行憲法は、「象徴天皇制」を規定しています。こ
    のことは、世界的に見て、非常に顕著な特徴です。憲法が制定
    されたころは、どの解説書も新憲法の特徴は、象徴天皇制を含
    む四大原則としていました。残りの3つは、「主権在民」「平
    和主義」「基本的人権の尊重」です。それがいつのまにか、三
    原則にされてしまっています。そして、学校教育では、ほとん
    ど天皇について教えられていないのです。

     私は、こうした現状は、憲法違反の疑いがあると考えます。
    日本国憲法は前文よりさらに前に、天皇の「…帝国憲法の改正
    を裁可し、ここにこれを公布せしめる」という言葉と署名・押
    印があります。それは、なぜなのか。第1章に、なぜ天皇が規
    定されているのか。天皇が日本国の象徴にして、日本国民統合
    の象徴とされているのはなぜか。象徴とは何か。国民の総意に
    基くとともに、世襲のものとされているのはなぜか。天皇と国
    民、そして自己とのつながりは、何かーー これらについての
    教育が、当然行わなければなりません。これを、怠っているこ
    とは、違憲の疑いがあると私は、考える者です。

◆日本の再生と地球の未来のために、新しい教育を

     現行憲法と教育基本法の下でも、天皇の存在を踏まえた教育
    は可能です。いや憲法の規定にそうならば、当然、実行されね
    ばならないと、私は考えます。

     天皇の存在を踏まえた教育は、さしあたりこれまでの「民
    主・平和・人権・環境」などの教育と、同程度の比重をもって
    行うとよいでしょう。前者の教育を適当な程度に行うことによ
    って、後者の教育も、新しい公民教育として、再生されます。

     天皇の存在を踏まえた新しい公民教育では、天皇の存在とご
    公務の一端を、具体的に教えます。
    
     天皇は現行憲法において、「日本国の象徴」にして「日本国
    民統合の象徴」と、規定されています。天皇陛下は、その規定
    に従って、象徴としての役割を果たすため、様々なご公務をさ
    れています。それを話やビデオ等によって、伝えるのです。

      たとえば、天皇皇后両陛下は、平成2年の雲仙・普賢岳噴
    火や、平成7年の阪神淡路大震災の際には、危険をも顧みず被
    災地を訪れて、被災者の方々を励まされました。こうした行動
    が、多くの人々を力づけ、復興の希望と活力を生み出しました。

     また、ご公務の中には、人々の食生活や地球の環境保全に関
    することもあります。すなわち、天皇は、皇居で自ら田植えや
    稲刈りをして米作りし、五穀豊穣を祈っておられます。また、
    毎年行われる「全国植樹祭」に出席し、苗木の植樹や、木の播
    種をし、森林を育て、自然を守ることもされています。

     こうしたご公務には、人々の感想や証言があり、また記録映
    像があります。

     ご公務の一端を教えることによって、天皇の存在と、国民と
    の関係が明瞭になります。また、国旗・国歌の意義、和歌など
    の国文学、社会福祉、国際協調・国際親善などに関してもおい
    ても、同様にすることでそれぞれの意義を深く学ぶことができ
    ます。

     このような教育によって、わが国の国柄と伝統・文化への理
    解が深まり、生きた公民教育が実現できるでしょう。これは同
    時に、よりよい歴史教育、「心」の教育、環境教育ともなり、
    また、よりよい国際貢献の教育ともなります。(15)

     こうした新しい公民教育は、日本の「公」の精神を復興させ
    るに違いありません。そして、日本が自壊の危機から立ち直り、
    さらにわが国とわが国民が、地球と人類というより大きな「
    公」に貢献することができるようになる道だと思います。

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     8回にわたって日本の「公と私」を考え、最後に一つの提案
    を致しました。現状とはかけ離れた意見とお感じの方も多いで
    しょう。もちろん、どこでも、すぐできるものではないかも知
    れません。しかし、目標を設定すれば、方策はいろいろ湧いて
    くるもの。心を向けて、動き出せば、自ずと道は開けてゆくだ
    ろう、と思います。

     浅学未熟の私見、試案ではありますが、皆様のご意見、ご提
    案などお聞かせいただければ、うれしく思います。

参考資料
(15)家庭・学校・団体向けの資料・補助教材の例

 ・出雲井晶著「教科書が教えない日本の神話」(扶桑社)
 ・同上「教科書が教えない神武天皇」(扶桑社)        
 ・「天皇陛下のお話」(日本会議)    上記は小学高学年以上
 ・ビデオ「天皇陛下とブラジル」(同上) 
 ・ビデオ「奉祝の灯〜天皇陛下御即位十年をお祝いして」(明成社)
                                            上記は中学生以上

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    ほそかわ・かずひこの<オピニオン・プラザ>
    http://www.simcommunity.com/sc/jog/khosokawa
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■編集長・伊勢雅臣より■

     ほそかわさんの提案に従えば、日本の公民思想の原点である
    皇室のご存在、ご活動から、「民主・平和・人権・環境」など
    の理想にも、我が国の歴史と文化に根ざした生命力を与えられ
    るのではないか、と希望が湧いてきました。ほそかわさん、大
    力作、ありがとうございました。

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