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JOG Wing 国際派日本人のための情報ファイル

政治・経済・外交・社会・文化などの分野において「元気な日本」を作るためのオピニオン誌です。

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JOG Wing No.00149by CLICK INCOME

2000/03/31


 _/          _/  _/                      日本の「公」と「私」第7回
 _/          _/      _/_/_/      _/_/_/    21世紀へのメッセージ
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 _/  _/  _/    _/  _/    _/  _/    _/      H12.03. 3,076部
  _/  _/      _/  _/    _/    _/_/_/        JOG Wing No.0149
                                 _/     国際派日本人の情報ファイル
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      第1回 公は「大きい家」 
      第2回 「公の体現者」 
      第3回 「天皇と公民」の来歴
      第4回 明治における「公と私」 
      第5回 「公」を衰弱させる憲法
      第6回 「私民社会」の危機
    ★ 第7回 21世紀へのメッセージ
      第8回 地球的視野の公民教育を

     ほそかわです。第7回をお送りします。ここで視点を変えて、
    世界の中の日本という構図で、日本の国柄と「公と私」を考え
    てみたいと思います。

◆「世界は一家、人類みな兄弟」

     これまで見てきたように、日本の国柄の特徴は、天皇を中心
    とした家族的共同体を基盤としている点にあります。

     古代には世界の多くの地域でこうした共同体的国家が存在し
    ました。しかし、ごく早い時期に、そうした国家は消滅してき
    ました。ギリシャ、ゲルマン、シナ…… 日本は、世界で唯一、
    古代から連綿として続く王朝を持つ国となっています。

     戦後、わが国では、そうしたわが国の比類ない特徴がおおい
    隠されてきました。そのことが、「公」の精神の衰弱の大きな
    原因となっていると考えられます。このまま現在のように、天
    皇の存在を回避し、「公」の精神が後退してゆけば、いよいよ
    日本は本来の姿を失ってゆくでしょう。それとともに、日本の
    社会は混迷・混乱に陥っていくでしょう。この傾向を押し止め、
    日本の国柄を守ることは、日本を愛する人々の共通の課題だと
    思います。

     また、日本の国体が貴重であるのは、ただ単に日本民族にと
    ってのみではありません。人類全体にとって、今後ますます貴
    重なものとなると思われます。

     「世界は一家、人類はみな兄弟」という言葉があります。素
    朴・単純な思想のようではあります。しかし、人類はその発生
    をさかのぼれば、最初はある一つの世代から、繁殖・増加して
    きたはずです。

     最初の世代が一対の男女であるのか、あるいは複数の群れで
    あるのかはわかりませんが、いずれにせよ、彼等、つまり私た
    ち人類の祖先の第一世代が持っていたDNAは、現在、60億
    の人類の一人一人に受け継がれているでしょう。つまり、生物
    学的また人類学的に言って、人類は一つの家族、みな兄弟とい
    う思想は、正しいはずです。

     単純に原点に戻れば、人類は、互いを家族・同胞と認め、結
    び合い、この地球で共に生きることが可能でしょう。

     ここで、人間の本来あるべき家族的な結合をよく象徴するも
    のが、日本の国体であると私は思うのです。

     古代の日本においては、さまざまな人種・民族・文化が日本
    列島に移入・居住し、それらが長い年月を経て、一つの日本民
    族を形成してきたのでしょう。

     この過程には、戦いもさまざまあったでしょうが、それ以上
    に、親和的・融合的に民族が形成されてきたと考えられます。
    その理由は、たとえば、日本の神話には他の神話に比べて、戦
    いの話が目だって少ないこと、また、各地の神社や霊廟が破壊
    されずに尊重・保存されてきたことなどが挙げられます。

     そして、対立・闘争よりも親和・融合を重んじてきた結果、
    日本の古代社会は、擬制家族的な一大共同体を形成するように
    なったと考えられるのです。

     ここで、古代の日本を現在の地球に比し、また古代日本の居
    住民を現在の人類に比すならば、過去に日本で起こったことは、
    これから人類が人種・民族・文化等を超えて、一つの地球共同
    体となりうる可能性を、事実として、示していると、私は考え
    ます。

     そこには、何か現代の科学では、割り切れないような、原理
    があるはずです。人間が共存共栄し、また自然と共生してゆけ
    る原理が。

     それゆえに、私は、日本の国柄は、単に日本国民にとっての
    み価値があるのではなく、人類社会において、いわば「公」的
    な価値のあるものだと思います。そして、わが国において「
    公」の精神を復興し、また日本の国体を守ることは、私たち日
    本人の単なる「私」的課題ではなく、地球人類のための「公」
    的課題でもあると、私は考えるのです。

◆「八紘一宇」、「四海同胞」

     わが国は、神武天皇の建国伝承以来、「八紘一宇」という状
    態を理想として来ました。「八紘一宇」とは、天の下が一つの
    屋根の下にある状態、つまり今日的に言えば、世界が一家であ
    る状態を意味します。

     現在、2月11日は、「建国記念の日」として祝われていま
    す。この日は、神武天皇が初代天皇に即位し、日本国を建国さ
    れた日とされています。「日本書紀」は、この建国の年を紀元
    前660年としています。

     この年を紀元とした暦があり、本年は皇紀2660年にあた
    ります。キリスト教による西暦が2000年であるのに対し、
    わが国は、さらに古い年代の暦を持っているのです。

     記紀の神話によれば、神武天皇は、高天原から日本に降臨し
    た皇孫ニニギノミコトの曽孫とされます。神武天皇は、当時の
    我が国では、氏族が割拠し、対立抗争していたのを見て、皇
    祖・天照大神の理想とする国を作ろうと考え、九州の日向(ひ
    ゅうが)から東征して大和に入り、奈良の橿原(かしはら)の
    地で、初代天皇に即位したとされます。(12)

     その際、神武天皇は、日本建国の理念を高らかに謳(うた)
    い上げたとされます。その理念は、「橿原建都の詔」に示され
    ています。

     詔(みことのり)に曰く、「上はすなわち乾霊(あまつか
    み)の国を授けたまふ徳(うつくしび)に答へ、下はすなわち
    皇孫(すめみま)正しきを養ひたまふ心(みこころ)を弘めむ。
    然して後に六合(りくごう)をかねて以て都を開き、八紘(は
    っこう)を掩(おお)ひて宇(いえ)と為(せ)むこと、また
    可(よ)からずや」と。

     すなわち、「天の神の御神徳にこたえ、また子孫に至るまで
    正義を養う心を広めよう。そして、国中を一つにして都を開き、
    天の下をおおって一つの家となすことは、なんと良いことでは
    ないか」という意味と解されます。

     この詔は、神の道に基づく道義国家の建設を、日本の建国の
    理念とすることを、宣言したものと言えましょう。

     そのキーワードが、「八紘一宇」です。「八紘一宇」という
    言葉は、英語では Universal brotherhood (世界同胞主義)
    と訳されます。戦前のわが国の外交文書で公式に、この用語が
    使われました。「世界は一家、人類みな兄弟」という考えがよ
    く表現されています。「八紘一宇」は侵略のスローガンだと錯
    覚していた人もいるでしょうが、「八紘一宇」が、侵略主義と
    は無縁の概念だったことは、かの東京裁判においても(!)、
    認められているのです。

     記紀が描く日本国は、こうした高い理想をもって始まった国
    です。
    
     このことが歴史的事実であるかどうかは別として、日本人は、
    少なくとも千数百年以上もの長い間、そのように信じてきまし
    た。そして、その理想のもとに、わが国では、天皇を中心とし
    た家族的共同体を基盤とした国家が築かれ、「公と私」の構造
    と倫理が形成されました。

     それは、聖徳太子による十七条憲法にも表され、各時代へ経
    て受け継がれ、幕末の危機において再生し、変革の原動力とも
    なりました。明治維新において掲げられた「五箇条の御誓文」
    や「教育勅語」などもまた、神武天皇の肇国(ちょうこく)の
    精神を受け継いで、明治天皇が発せられたものでした。

     ちなみに明治天皇の御製にも、この建国以来の理想が歌われ
    ています。

      四方の海 みな同胞(はらから)と思ふ世に
       など波風の 立ち騒ぐらむ

     世界の人々を同胞(=兄弟)と思う「四海同胞」とは、「八
    紘一宇」の理想を、別の言葉で表したものでしょう。それは、
    すなわち「世界は一家、人類みな兄弟」の思想です。わが国に
    伝わるこの理想は、来るべき地球共同体の建設の理念と言えま
    しょう。しかも、これは単なる理想ではなく、そのモデルが、
    現存しているのです。この日本の国体として。

◆「世紀の人」 アインシュタインのメッセージ

     こうした日本の国体は、いわば「世界遺産」です。しかも、
    生きた遺産です。存亡の危機にあって、人類がこれから同胞
    愛・人類愛を持って調和・共生できるかどうかは、この日本の
    国体の価値を、まず日本人が、ついで人類が再発見できるかど
    うかに、多くかかっていると、私は思います。

     こうした日本の国体が地球共同体の実現に向けて、かけがえ
    のない価値のあるものであることを、深く直感したのが、アル
    バート・アインシュタインでしょう。

     アインシュタインは、先ごろタイム誌によって「世紀の人
    (The Personof the Century)」つまり、20世紀を最もよく
    代表する人に選ばれました。(13)

     彼は、まさにこの「科学とテクノロジーの世紀」を象徴する
    人物です。今世紀最高の天才と評価されています。彼の相対性
    理論は、物理学だけでなく、世界観・文化・芸術などにまで、
    広汎な影響を与えました。

     それとともに、彼は、世界大戦・民族大虐殺などを経験した
    20世紀の人類に対し、宇宙を創造した神を前にして、謙虚で
    あるべきことを語りつづけた人物でもありました。人類絶滅の
    武器・核兵器は、彼の理論が現実になったものであり、アイン
    シュタインは痛切な思いで、核廃絶による世界平和を訴えまし
    た。また、一人の亡命ユダヤ人として、彼は人間の尊厳を求め
    ました。まさに、「世紀の人」に選ばれるにふさわしい人物で
    す。

     ここに、20世紀を最もよく代表する人物の言葉があります。

         近代日本の発展ほど、世界を驚かせたものはない。一系
        の天皇を戴いていることが今日の日本をあらしめたのであ
        る。私はこのような尊い国が世界の一箇所くらいなくては
        ならないと考えていた。

         世界の未来は進むだけ進み、その間、いく度か争いは繰
        り返され、最後の戦いに疲れる時が来る。その時、人類は
        真実の平和を求めて、世界の盟主をあげねばならぬ。

         この世界の盟主なるものは、武力や金力ではなく、あら
        ゆる国の歴史を抜き超えた、最も古くまた尊い家系でなく
        てはならぬ。

         世界の文化はアジアに始まってアジアに還る。それはア
        ジアの高峰、日本に立ち戻らねばならない。我々は神に感
        謝する。我々に日本という尊い国を造っておいてくれた事
        を(14)

     この言葉は、今世紀を最もよく代表する人物から、21世紀
    を生きる地球人類に送られたメッセージとも言えましょう。

     わが国で「公」の精神を復興し、また国体を守ることは、日
    本人の単なる「私」的課題ではなく、地球人類のための「公」
    的課題でもあると、私が考えるゆえんです。

     次回をもって、まとめといたします。

参考資料
(12)出雲井晶著「教科書が教えない神武天皇」(扶桑社)
(13)「TIME」(December 31, 1999)
(14)雑誌 「改造」(大正12年)
      大正11年11月18日、博士初来日、伊勢神宮参拝の際の言葉

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    ほそかわ・かずひこの<オピニオン・プラザ>
    http://www.simcommunity.com/sc/jog/khosokawa
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■編集長・伊勢雅臣より■

     「八紘一宇」という日本の建国の理想が、「世界遺産」だと
    いうほそかわさんの主張から、誇りだけでなく、使命感・責任
    感を燃え立たせる青少年が出てくることを切に願います。

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  • ぐふ2006/08/30

    いろいろありますが、ここなんか参考になります。



    http://deutsch.c.u-tokyo.ac.jp/~nakazawa/others/asahi-einstein.htm

  • ぐふ2006/08/30

    そのアインシュタインメッセージというのは最近は捏造説の法が圧倒的に優位です。

    そもそも、そのアインシュタインメッセージが掲載されているという改造11月号第三刷の現物というのが発見されてませんし。