国際情勢

JOG Wing 国際派日本人のための情報ファイル

政治・経済・外交・社会・文化などの分野において「元気な日本」を作るためのオピニオン誌です。

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JOG Wing No.0118 by CLICK INCOME

2000/01/19


 _/          _/  _/                       文化防衛のアピール
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 _/  _/  _/    _/  _/    _/  _/    _/      H12.01.19 2,952部
  _/  _/      _/  _/    _/    _/_/_/        JOG Wing No.0118
                                 _/     国際派日本人の情報ファイル
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              ほそかわ・かずひこさんよりの投稿

    「国際反日運動から何を守るか」という年越しの論題です。私
    は[JOG Wing 12/20号]で、竹本忠雄・筑波大名誉教授による
    「文化防衛」のアピールを紹介しました。これに関連して[同
    1/14号]で「心理的防衛」という観点から「守る」ということ
    について考えてみました。今回は「何を」守るかについて、ま
    ず竹本氏の訴えに耳を傾けてみたいと思います。
    (過去の記事は、http://come.to/jogwing で発行日から閲覧
    できます。)

◆反日包囲網

     アイリス・チャンの『ザ・レイプ・オブ・南京』を皮切りに、
    国際反日運動が活発化しています。竹本氏は現状を次のように
    表現します。「『ABCD包囲網』にも似た露骨な反日活動に、
    いま、我々は締め付けられている」と。

     既に紹介しましたように、これに対抗する動きも起こってい
    ます。竹本氏は、「かつて前例をみない国際間の思想の火力
    戦」が、幕を切って落とそうとしていると述べています。そし
    て、「これを機会に、いったい我々は、何を守ろうとしている
    のか、この本質を考えてみなければなるまい」と問いかけてい
    ます。

     氏の文章は詩的で含蓄が深く、多少解説が必要かと思います。
    そこで私なりの解釈を加えながら紹介させていただくことをお
    許しください。

◆目指すのは、国家の崩壊か

     国際反日運動が最大の争点としているのは、南京事件です。
    この事件をめぐる論争について、竹本氏は次のように言います。
    「通常、我々は守るべきものは『歴史的真実』だと思っている。
    つまるところ、虐殺の有無、ひどい場合には、殺しの数の競り
    に帰するような」。

     事件をめぐる議論は、「大虐殺」は事実か、「虐殺」があっ
    たとすればその数はどれくらいかが、中心となっています。こ
    の議論において真実を明らかにすることの重要性は、論を待ち
    ません。そして相手が事実認識を争っている点に関しては、学
    術的な反論をもって打ち破ればよいわけです。

     「しかし」と竹本氏は問いを発します。「アイリス・チャン
    と、彼女を擁立する反日諸勢力の攻撃目標は、・・・国家原理
    −−道徳の崩壊を喧伝しているのではないか」。

     問題はここだと思います。私の理解で言えば、反日勢力は、
    もともと事実認識を争っているのではなく、事実でないことは
    承知で事件を捏造し、政治的なプロパガンダを行っている。そ
    の目標は、日本という国を成り立たせてきた原理、日本人の道
    徳を打ち倒し、日本という国家そのものを崩壊させることでは
    ないか。そうであれば私たちは、それに応じた対応方針を取ら
    ねばなりません。これまでは、相手の意図の認識に、甘さがあ
    ったのではないでしょうか。

     その結果でありましょう。日本は「これまで、この空前の国
    際間思想戦で連敗を喫してきた」と竹本氏は見るのです。たと
    えば、日本国政府が事実確認すらせずに「謝罪」「反省」を述
    べ、国際社会での立場を自ら貶めてきたことなど、まさに国家
    的な敗北でしょう。

◆守るべきものとしての「文化」

     なぜこうなってきたのでしょうか。竹本氏は、その理由を
    「みずから何物かを信じなくなっていたためではないのか」と
    問うています。

    「この何物かとは何かといえば、つまるところ『文化』である。
    日本は、ある段階でその道統がキレたがゆえに、己を守りきれ
    ないのだ」と。

     ここでキーワードの「文化」という言葉が出されます。竹本
    氏は、国際反日運動に抗して守るべきものは、「文化」である
    と言うのです。

    「敵勢が挙(こぞ)って言い立てることは、お前たちは『ホロ
    コースト』をやったということである。なぜ、ひとこと、これ
    に対して『かようなものを許す、我に文化体系なし』と言えな
    いのか」

     日本の文化は、中東やドイツの伝統を受け継いだ、ナチスの
    「ホロコースト(ユダヤ人大虐殺)」とは、全く無縁です。日
    本の文化は、「和」の文化です。人と人、人と自然が調和した
    姿をめざす文化です。日本の国は、天皇が民を「おおみたか
    ら」と呼んで大切にし、諸国・諸民族が共存共栄する「八紘一
    宇」の理想社会を目指してきた国です。そしてこの国と文化の
    中核には、古代から今日まで一貫して、天皇が存在しています。

     ところが竹本氏は、次のように問います。「この文化体系の
    要をなすものこそ天皇であると、胸を張って言うだけの信念が
    我に欠け、ゆえに『天皇の陰謀』によって世界侵略と大虐殺は
    行われたとする彼の主張に国民的に抵抗し得ないのではなかろ
    うか」。

◆謀略を跳ね返す信念

    『天皇の陰謀』とは、デヴィッド・バーガミニの著書の邦題
    (原題は、"The Imperial Conspiracy")でもあります。バー
    ガミニは、1940年代にエドガー・スノーが喧伝した「田中
    上奏文」と「南京大虐殺」を、1970年代に再び世界に知ら
    しめました。さらに彼は、天皇は野望に満ちた世界征服の計画
    書「田中上奏文」を承認した、その計画に基く「南京大虐殺」
    の究極の命令者、そして戦争と虐殺の最高責任者は、天皇にあ
    るという主張をしたのです。
    (学生時代の私は本書に衝撃を受け、真に受けていました……
    トホホ)

     バーガミニの著書は、誤謬と偏見に満ちたもので、今日欧米
    のまともな歴史学者は誰も取り上げないようです。ところが、
    この著書に全面的に依拠して登場したのが、かのアイリス・チ
    ャンなのです。

     バーガミニやチャンは、単に日本人を糾弾しているのではな
    く、その中心である天皇を断罪しようとしています。彼らは、
    昭和天皇を、ヒトラーのようなファシストに仕立て上げていま
    す。このことは、民族の中心、国民の象徴を侮辱することによ
    って、日本人全体を踏みにじり、自壊させようとするものでし
    ょう。

     こうした悪辣(あくらつ)な謀略宣伝に対し、日本人は「国
    民的に抵抗し得ない」でいます。それはなぜでしょうか。竹本
    氏は、「信念」が欠けていたのではないかと問います。つまり、
    日本には、ユダヤ人絶滅計画に比せられるような「大虐殺」を
    行う伝統など無い、と自信と誇りを持って言う「信念」が欠け
    ていたのではないか、と問うているのです。

◆取り戻すべきもの、それは愛

     大虐殺など「そんな事実はあり得ないんだと、清明率直に信
    じ、敢然と言い切る…だけの、ほとんど信仰に近いような自国
    文化への愛を取り戻すこと」が「重要なのではあるまいか」と、
    竹本氏は呼びかけています。

     実際、バーガミニやチャンが描くような事例を、日本の文化
    に見出すことはできません。これに対し、シナでは、『史記』
    で項羽が20万人を生き埋めにして殺戮する話に描かれている
    ように、歴代の皇帝や反逆者は大殺戮を繰り返してきました。
    南京でも中国人自身によって、「大虐殺」が数度繰り返されて
    きたと伝えられます。

     ところが、多くの日本人は、他者から「大虐殺だ」「ホロコ
    ーストだ」などと決め付けられると、日本では「そんな事実は
    あり得ないんだ」と言い切ることができなくなっています。そ
    れは、言うまでもなく、戦後、戦勝国による「戦争犯罪情報宣
    伝計画」(War Guilt Information Program)や東京裁判によ
    って、一方的な断罪史観を刷り込まれたためです。

     こうした認識をもって、南京事件をめぐる論議を見直すなら、
    問題はもはや単なる事実認識の論争ではないことは明らかです。
    国際反日勢力は、日本の文化とその要である天皇を責めなじり
    ます。そして、日本国と日本国民統合の象徴である天皇を、誹
    謗中傷し貶めることによって、日本人の精神を徹底的に打ち砕
    こうとしていると見られます。

     これに対抗するには、いかにすべきか。「自国文化への愛を
    取り戻すこと」が重要ではないか、と竹本氏は呼びかけていま
    す。「自国文化への愛」とは、何でしょうか。それは、自分の
    祖先への愛であり、また日本の文化をつくってくれた無数の先
    人への愛でもあるでしょう。またそれは、日本文化を象徴する
    天皇への敬愛でもあるでしょう。

     私たちは、こうした「自国文化への愛」をもって、いわれな
    き攻撃から、日本の文化と、その象徴を守る意志を持つべきで
    はないでしょうか。その意志を持たねば、もはや私たちは、国
    際社会で私たち自身を守り得ないところに立たされているので
    す。

◆「文化」の防衛〜論から戦へ

     中国はチベットに侵略して、チベットの文化を破壊し、現在
    まで約120万人を虐殺、「民族浄化」を推し進めていると見
    られます。「南京大虐殺」の捏造大宣伝は、こうした現実から
    世界の目をそむけさせるためのカムフラージュかも知れません。
    また、国際反日運動の推進は、日本を弱体化し、また日米を離
    反させ、アジア太平洋地域に覇権を築こうとする、中国共産党
    の戦略の一環とも考えられます。

     活発化する国際反日運動に対して、日本人の「抵抗運動」が
    始まっています。竹本氏は、言います。

    「日本人のアイデンティティを守る、文化を守る戦い、すなわ
    ち、日本文化防衛戦に、いま、我々は臨んでいるのである」と。

     そして、このアピールの最後に、竹本氏は、次のように述べ
    ています。

    「西暦2000年は、憂国忌30周年である。『文化防衛論』
    を唱えて三島由紀夫は死んだ。いま論から戦への時代が始まろ
    うとしている。そのための最初の国際的抵抗組織がいまこそ必
    要とされているのだ……

     歴代天皇が『まこと』と『むすび』ひとすじを心がけてこら
    れたこと、それをもって日本文化の根底とされたことを考える
    ならば、この精神を裏切って日本はない……反日国際集団が策
    略と分断をもってくるならば、我々はこれをこえる理念をもっ
    て対さねばならない」と。

     竹本氏の「文化」という概念は、三島由紀夫の所論を受け継
    ぐ概念でありましょう。そこで、次に三島の『文化防衛論』と
    は、何を訴えたものだったのか、振り返ってみたいと思います。

参考資料
(1)竹本忠雄著「『背徳者』はどっちかー日本文化防衛戦を勝ち抜け」
  (雑誌『正論』平成12年1月号)


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      ほそかわ・かずひこの<オピニオン・プラザ>
      http://www.simcommunity.com/sc/jog/khosokawa
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■編集長・伊勢雅臣より■

     南京事件は、歴史事実に関する論争だけというではなく、文
    化の戦いとして、我々日本人自身の理想が問われているのです
    ね。

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  • 名無しさん2007/09/05

    バーガミニの「天皇の陰謀」は、偏見に基づたものではないです。彼は日本生まれで、シナより日本人を好んだ人間でした。そう書いてあります。一度読んでみれば分かります。