投資

西村信夫の「マネ−・ニュ−ス・コメント」

東京マーケットの頭脳集団が送る屈指のマネー・レポート「サイバノミクス・レポート」のダイジェスト版。株式・為替・金利など主要市場を立体的なアプローチで分析、高精度の相場見通しを提供します!


全て表示する >

西村信夫の「MNC」126/2002年の株式相場予想

2001/12/28

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
      ▼西村信夫の「マネ−ニュ−ス・コメント」 No.0126号▼   
      Money News Comment(MNC)Contents/ 2001/12/28
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
         ☆.。.:*・☆ 東京市場ウォーキング ☆.。.:*・☆ 

【国内株式マーケット】
 ★2002年の日本株式相場を展望する

【外国為替マーケット】 
 ★12〜24カ月では140円に達すると予想

【景気・経済ウオッチ】 
 ★年明けにも政府による「金融危機宣言」の可能性!
 ★中国の生産性上昇が日本にもたらすのは「利益」

【新刊書レビュー】
 ★『インベストメント スーパースター』ルイ・ペルス著

(お知らせ) 今年も1年、ご愛読ありがとうございました。
        新年の発行は、1月11日頃の予定です。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□本誌の登録は簡単!→→http://www.yen-dokki.com/
□関連サイト 『TRADER Magazine』(ロイタ−・ジャパン発行)
  http://about.reuters.com/japan/CityTokyo/index.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(注1)本誌は、特定の立場や意見を念頭においたものではなく、専門家
    の皆様の多様な見方や意見をご紹介する中立的なマガジンです。
(注2)取材等、諸々の要件のために、配信が遅れる場合もあります。
    あらかじめご了承下さいますようお願い致します。(編集部)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

               ▼国内株式マーケット▼
------------------------------------------------------------------

★株式ウオッチ/2002年の日本株式相場を展望する

 UFJキャピタルマ−ケッツ証券・エクイティ調査部シニアストラテジストの
近藤敬子さんは、2002年の株式相場を展望している。まず新年入り後
しばらくは海外景気に関する不安要因が残ると見ており、「これに伴って
米国株が不安定な相場展開を見せた場合、日本株にも影響がおよぶ」と
言う。年度末にかけての期間は、国内の株式需給が悪化する時期に当
たる。しかも今期の業績は全体としてきびしい内容になることが予想され、
「これは不良債権問題への懸念につながりがちだ」と言う。「これら要因
が総合的に相場に影響した場合、少なくとも春頃までは早期の政治決断
を催促するごとく売り圧力が強まる相場展開が予想される」

<TOPIXで1400台程度へ上昇も>
 春以降は、どうだろうか。近藤さんは「マクロ面では世界経済の回復、
ミクロ面ではペイオフの解禁、連結納税制度の導入などの環境変化に
促された企業サイドの構造変化といった材料を原動力に、国内株式相
場も上昇トレンドに転じてくることを期待したい」と言う。2002年の相場
における高値水準は「企業サイドの努力に加え、不良債権処理に関
する政策進展によって決まってくるだろう」としながらも、景気循環と緩
やかな構造改革の進展を前提にした場合、「TOPIXで1400ポイント台
程度までは可能だろう」と予想する。

<相場変動要因とリスク要因>
 ところで、2002年の株式相場を見る上で、大きな影響をおよぼすと
思われる要因として、次の4つを挙げている。すなわち、(1)米国株式
市場の動向、(2)国内政治の進展具合、(3)需給要因ー持ち合い解消、
外国人投資家、個人投資家の動向、(4)企業業績とその他ミクロ面で
の取り組み。また、リスク要因としては、?不良債権問題に関する政府
の対応が遅れる可能性、?年末にかけて、今回の米国株ブル相場が
構造要因ではなく、、循環トレンド上のブル相場に止まる可能性が高い
こと、の2点を挙げている。

------------------------------------------------------------------
               ▼外国為替マーケット▼  
------------------------------------------------------------------
 
★円相場/12〜24カ月では140円に達すると予想

 クレディ・スイス・ファ−スト・ボストン証券会社(CSFB)チーフ・マクロ・
ストラテジスト の田中泰輔さんは、 小泉政権の改革路線に沿って、銀行
は不良債権処理を加速し、企業倒産 は顕著に増加しているとした上で、
「深刻な景況悪化、緊縮財政と一層の 金融緩和の政策セット、当局の
明白な円安志向を受け、円ベア(円安)派 は勢いづいている」と語る。

 さらに、日本の投資家の海外資産は高水準にヘッジされ、資金の国内
還流による円高要因となる、かつてのようなリパトリエーション・ラッシュも
ない はずだと見ている。その結果、同社では6〜12カ月タームでドルの
下方リ スクを見ているものの、ドル・円相場は「この間もサポートされる」
と言う。 「12カ月後の132円をへて、12〜24カ月では140円に達する」
と予想 する。

------------------------------------------------------------------
               ▼景気・経済ウオッチ▼ 
------------------------------------------------------------------

★金融ウオッチ/年明けにも政府による「金融危機宣言」の可能性!

 UFJキャピタルマ−ケッツ証券・投資調査部長の斎藤満さんは、「不良
債権処理に無策を装っていた政府が、水面下で動き始めた感がある」と
語る。野中元幹事長が北海道で突然、「金融危機」の可能性を言い出し、
政府系金融機関の整理統合が当面、先送りされることになった。一部に
は「その前に民間金融の処理が先だ」という声が聞こえるとして、「柳沢
大臣、森金融庁長官と小泉首相との連絡が、年末近くになって密になっ
た」と言う。

<休み返上、臨戦態勢の米系ファンド>
 さらに、斎藤さんは、こう指摘する。「米系ファンドはすでに要人を足繁
く日本に送り込んでいるが、多くのファンド関係者が今年はクリスマス、
正月を返上して東京市場に駐留するとも言われる」。米国からは、日本
に対して、「金融機関も含めて、破綻処理を急べし」という圧力がかかっ
ているようだ。円安誘導し、外資が日本企業を買収するコストも下げた。
その上で、「諸々の『状況証拠』は政府の行動近し、を示唆している」と
見ている。

<事前調査と備えを怠れば、負の連鎖も>
 では、具体的な動きはどうだろうか。地方金融機関の破綻処理、再編
という形で「前兆」が出始めた。年が明けてからはゼネコン、流通、金融
機関などにおいて、影響力の大きなものを破綻処理して、市場に「ショッ
ク」を注入し、早い時期に政府は「金融危機宣言」を発する可能性が囁
かれていると言う。「これを機に、公的資金の再注入、RCC(整理回収
機構)の活用などで、一気に不良債権処理が進むとのムードを醸成し、
改革前進の『形』を演出してくるものと思われる」。これが市場で評価さ
れれば、株価はここを底に反転上昇が期待される。しかし、次のように
注意を促す。「この不良債権処理がどのように波及し、経済に影響する
か、十分な事前調査と備えなしに敢行されると、負の連鎖によるシステ
ミック・リスクを惹起する懸念もある」 

★日中貿易/中国の生産性上昇が日本にもたらすのは「利益」

 BNPパリバ証券会社・経済調査部チ−フ・エコノミストの河野龍太郎さん
は、頻繁に聞かれるようになった中国脅威論について、「自由貿易のもた
らす相互利益を無視しあたかもゼロサムゲームのようなイメージで、世界
経済を描写する」として、こう続ける。「しかし、貿易の本質は、自国で相対
的に効率的に生産できる財を輸出し、相対的に非効率にしか生産できな
い財を輸入することで、自国にも貿易相手国にも利益をもたらすことであ
る。貿易相手国が自国よりも生産性が高くても低くても、これは変らない」。
また、貿易相手国である中国の生産性上昇が日本にもたらすのは利益で
あって、損失で はない。貿易相手国の生産性上昇の結果、より安価な商
品が海外から輸入されれば、自国の経済厚生は向上する。「中国の生産
性上昇=日本の国際競争力の低下=日本の経済 厚生の低下」という考
え方は、比較優位の原則を無視した議論である、と言う。

<比較劣位産業(輸入産業)には大きな構造調整圧力>
 自由貿易は両国経済に恩恵をもたらすが、貿易が比較優位構造に変化
をもたらすため、「それぞれの国で比較劣位産業に大きな構造調整圧力
をもたらす」。貿易の結果、輸出産業(比較優位産業)となった産業では成
長産業となるが、輸入産業(比較劣位産業)においては衰退産業となる。
後者の産業では、生産の縮小に伴い 、ヒト、モノ、カネ等の投入される生
産要素は減少し、成長産業へと移動する。しかし 、比較劣位産業に投下
された資本ストックは簡単に移動できない。このため、比較劣位産業の資
本ストック所有者など固定化された特殊生産要素の所有者は大きな損失
を被るだろう。労働者についても、新たなスキルを取得するには長い時間
を要する可能性もあ る。新たなスキルが取得できず、最後まで他の産業
に移動できない労働者も存在する。

<真に脅威なのは中国ではなく、中国脅威論>
 全体で見れば貿易がそれぞれの国にもたらす利益は大きいが、「所得
分配の変化に伴う 比較劣位産業における損失がより目に付きやすい」。
おまけに痛みを受ける産業では、本業が不調であるがゆえに、政治力に
頼る。「比較劣位産業が失った利益は成長産業や消費者に移転されるに
もかかわらず(=所得分配の変化)、あたかも貿易相手国への所得移転
が行われて損失を被ったような錯覚に陥るのである」。こうして、中国脅威
論は日本経済への悪影響を挙げて、中国封じ込めといった保護主義政
策の根拠にもなっている。しかし、セーフガードの導入などの保護主義的
政策は、自分の足で立てない産業を増やし、短期的にも長期的にも日本
の経済厚生を悪化させるだけであるとして、「真に脅威なのは中国ではな
く、中国脅威論である」と言う。

------------------------------------------------------------------
                 ▼新刊書レビュー▼ 
------------------------------------------------------------------ 

★『インベストメント スーパースター』(定価2,800円+税、パンローリング)
  ルイ・ペルス著、長尾慎太郎監修、岡村 桂訳

 トレーダーのなかでも一目置かれるヘッジファンドで、特に優れた成績を
上げ続けている13名のグレート・インベスターたちに着目し、彼らの投資
戦略を浮かび上がらせている。選定の条件は次の6つ。すなわち、(1)
運用資産が10億ドル以上あること、(2)7年以上、S&P500指数を上回
っていること、(3)エレガントな銘柄選択、(4)自在にグローバルマクロを
操る、(5)絶妙なアービトラージ、(6)イベント・ドリブンへの臭覚。

一口にヘッジファンドと言っても、その運用手法は多彩だ。しかし、そこに
も共通点はある。まえがきでは、「リスクを取ってリターンを目指すという姿
勢である」として、さらにこう続ける。「誤解していただきたくないが、それは
ヘッジファンドが過度にリスクを取っているということではない。あくまでリス
クに対するリターンの比率が良好であり、各々がよく把握、理解し、コント
ロールできる場合にかぎり、積極的にリスクを取り、より高い収益を目指す
ということなのである」 

やはり、お金儲けには、基本をしっかりと勉強することが欠かせない、と
いうこと。この原則は何をするにも同じというわけだ。

   トレ−ダ−ズショップhttp://www.tradersshop.com/

See you! (^o^)  
★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★
編集長&発行人 : 西村信夫 (C)Copyright1999−2001
編集協力  : (有)サイバノミクス社(CyberNomics.Inc.)
本誌ホームページ: http://www.yen-dokki.com/
お問い合わせ等 :  nishi54@sepia.ocn.ne.jp 
------------------------------------------------------------------
配信協力: Melma!     http://www.melma.com/
       まぐまぐ  http://www.mag2.com/
       Pubzine  http://www.pubzine.com/
       E-Magazine   http://www.emaga.com/
       メルマガ天国 http://melten.com/
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□本誌「マネ−ニュ−ス・コメント」の転載・再配布・引用等の場合は事前
 に発行者まで、ご連絡ください。
-------------------------------------------------------------------
□免責事項
本誌は投資等の勧誘を目指したものではありません。投資の際の判断につい
ては、読者ご自身の自己責任においてされますようお願い致します。また本誌
は情報の提供により生じた損害につきましては一切、その責任を負いません。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:1999-12-15  
最終発行日:  
発行周期:不定期  
Score!: - 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。