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西村信夫の「マネ−・ニュ−ス・コメント」

東京マーケットの頭脳集団が送る屈指のマネー・レポート「サイバノミクス・レポート」のダイジェスト版。株式・為替・金利など主要市場を立体的なアプローチで分析、高精度の相場見通しを提供します!


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Money   News  

1999/12/23


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●西村信夫の「マネ−・ニュ−ス・コメント」 1999年12月24日号● 

☆★☆ Merry X’mas ☆★☆

Money News Comment(MNC)/Contents            No.0010
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1> ヘッジファンド最新情報 :2000年・日本への関心事は?
2> 2001年度ペイオフ解禁で保護される金融商品が拡大へ
3> 大手外銀・為替ストラテジストの相場予想
4> 東邦生命の保険金減額案が物語る「貯蓄性の保険はパス」
5> BOOKS/『デジタル・デイ・トレ−ディング』ハワ-ド・アベル著、世良敬明訳
6> 路傍のNISHI/ ペイオフと松井証券  
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@関連サイト/私が記事を執筆している雑誌「TRADER Magazine」
         (ロイタ−・ジャパン発行)のURLは、
         http://www.reuters.com/japan/magazine/ です。
         年末・年始のため更新はお休みしています。
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                     http://www.emaga.com/news/intro/mnc.html
                    http://www.pubzine.com/srchid.asp?keyword=3034
          http://mag.aru2.net/mg_lt/index.html
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●Report1/ ヘッジファンド最新情報
 2000年の最大関心事は「日本の生保の再編」
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 ひと頃、米LTCMなどの破たんで、衰退すると思われていたヘッジファ
ンドですが、実はヘッジファンド全体としては金融市場に対する影響力が
一段と強まっていること、ご存じでしょうか。

さて、ソロスファンドやタイガ−ファンド等のいわゆる「マクロ型」のファンド
も手法を変えて、株式市場、為替市場、債券市場など東京市場に対する
インパクトを与え続けているのです。

では、彼らは2000年の東京市場について、どう見ているのでしょうか?
各市場に大きな変動をもたらすだけに注目されます。

野村證券・金融研究所・投資調査部ストラテジストの宮島秀直さんによる
と、「在日・在米の大手ヘッジファンドが、2000年の日本に対して抱いて
いる関心事は、生保の再編だ」ということです。

なぜ、生保の再編なのでしょうか?

12月13日に安田生命と富国生命が業務提携を発表するなど、生保に
よる再編・統合は米国債など外貨建て資産の整理を伴うはずだとして、
「為替需給面での特殊な円高圧力になるだろう」と予想しています。

また、東京株式市場については、「今年(99年)、加熱した相場の自然
な調整から始まるのではないか」と見ているそうです。

これは、98年にEU統合で加熱した「ユ−フォリア」に対する99年の欧
州市場の反動と同じ、というわけです。つまり、「日本の情報通信関連
株など、異常人気となった金融商品に見直し売りが入るのではないか」
と見ているのです。

また、前号でお伝えしたように、年明け後に利食い売りに出ると言われ
ていますが、ヘッジファンドと取引のある米系大手投資銀行の為替エコ
ノミストは、「株安が円安を伴うものであれば、日経平均株価1万7000
円台、円相場105円以上で、再び、日本買いの仕切り直しに出る」と言
っているそうです。


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●Report2/
 2001年度ペイオフ解禁で保護される金融商品が拡大へ
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 さる12月21日、金融審議会(蔵相の諮問機関)が、2001年4月に解
禁される予定のペイオフに関する最終答申をまとめ、宮沢喜一蔵相に
答申しました。

ここでは、私たち個人の預金者にとって関係のある点について、新しく
保護対象とされた商品を中心に答申内容の変更点をチェックしておきま
しょう。

(1)普通預金、当座預金などの決済性預金は2〜3年の時限措置として
  全額保護を継続する
(2)個人向けに販売された金融債は保護される
(3)元本補てん契約をした金銭信託(貸付信託も含む)も対象となる
(4)ペイオフの際に払い戻される保証額を、元本1000万円に加え、その
  利子分を加えた金額まで、とする

金融審議会の考え方は、「基本的な貯蓄手段として国民に定着している
こと、元本保証がなされていること、債権者(お金の出し手)が特定され
転々流通しないこと」が、主な基準になっていました。今回はこの基準を
やや緩めた格好になります。

したがって、外貨預金については「為替リスクが存在する上、国民にとっ
て一般的な貯蓄手段となっているとはいえないことなど」から対象とはな
らなかったわけです。

外貨預金の為替リスクは商品特性として残るとして、国民に浸透しつつ
あることが否定された点は気になりますね。しかも、金融債、特に無記
名の割引債とどうバランスを考えたのか、が不明です。要は政治的な
配慮と言ってしまえば、それまでですが・・・。

ただ、「外国銀行在日支店については、将来的な制度のあり方として、
保険の対象とすることが望ましい」とも言っています。在日支店に対する
規制、検査、破たん処理の対応が整えばOKということでしょうか。

ちなみに、ペイオフは「1人、1金融機関」の預金について保護するもの
です。1000万円ずつ、複数の金融機関に預金すれば、10機関でも
1億円ですから、大半の日本人には直接にはペイオフは無縁(失礼!)
と言えるのではないでしょうか?
 

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●Report3/ 大手外銀・為替ストラテジストの相場予想
 ドル/円の3ヶ月後を103円、12ヶ月後を110円と予想
   =CSFB・田中氏
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 クレディ・スイス・ファ−スト・ボストン銀行、外国為替部ストラテジストの
田中泰輔さんは、2000年の相場の予想を、「ドル/円の3ヶ月後を103
円、12ヶ月後を110円と見込んでいる」と見ています。「グロ−バル為替
ウィ−クリ−」

田中さんによると、いまの円高が持続すれば、やがては緩慢な景気回復、
輸出採算の低迷、交易条件の悪化も、徐々にレ−トに響いてくるものの、
「この円高是正の経路は安定的ではない」と言います。

特に、日本の機関投資家の再編・リストラで、ここ2〜3年に積み上げられ
た外貨資産の処分が一部に残されているため、「少なくとも3月の決算ころ
までは、円高リスクを排除することはできない」。

ただ、仮に100円かそれ以上の円高になった場合には、日本当局の介入
がさらに積極的なものになる、と見ています。


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●Report4/
 東邦生命の保険金減額案が物語る「貯蓄性の保険はパス」
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 22日、破たんした東邦生命保険の保険管理人がまとめた、同社の保険
契約の保険金減額案などの破たん処理策が発表されました。

感想を一言で言えば、やはり「保険は保険商品に徹すべし」ということに尽
きるでしょう。一時払い終身保険や養老保険など貯蓄性の高い商品の保険
金は、代表的な個人保険の定期付き終身保険など保障性の高い商品と比
べて減額幅が大きくなっています。

これは、東邦生命が当初、保証していた予定利率(運用利回り)が、破たん
に伴う契約条件の変更で、従来の平均4%台後半から一律1.5%へと2.5
%以上も引き下げられるためです。

契約条件の変更後も、支給される保険金額は払込保険料を上回る見通し
と言われているので、預金で言えば元本は何とか確保できるようです。しか
し、元々、高利回りを狙ったお金だったわけですから、「他の金融商品に投
資していれば良かった・・・」という悔いが残るのはやむを得ないでしょう。

ただ、今回の処理はさらに重要な問題を私たちに投げかけているのです。
その一つが、97年に破たんした日産生命保険との「差」です。日産の予定
利率が2.75%で決着したのに対して、東邦は前述の1.5%。

もう一つは”元本”部分にも響く深刻な問題です。生保業界は保険会社が
破たんした場合に備えて、保険契約者(つまり、私たちお客)を保護する
ために「生命保険契約者保護機構」という機関に資金を積み立てていま
した。

ところが、日産生命でほとんどを使い果たし、今度の東邦邦生命の処理に
当たっては、ついに政府から多額の財政資金枠を設定してもらわなくては
埒があかなくなってしまったのです。早い話が、契約者保護と言っても、肝
心のお金が事実上、枯渇しているというわけです。

これを、私たちから見ると、どういうことになるでしょうか。本来の保証型の
商品であれば、政府も仕方なく財政資金で保護してくれる(あくまでも)可能
性があるでしょうが、貯蓄型の商品なんて、とても保護できる状況ではなく
なっている、というわけです。

もちろん、大手生保のなかには、斬新な施策で資産運用力をアップさせる
ための改革を断行している会社もあるので、一概に言えません。しかし、
保険は保険、運用なら投信などといったように、明確な区分けをしておか
ないと、思いがけない損失を被る危険があると言えます。


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●BOOKS/『デジタル・デイ・トレ−ディング』ハワ-ド・アベル著、世良敬明訳
        (定価1.900円+税、ラジオたんぱ社刊)
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 著者ハワ−ド・アベルさんは仲介執行業務を専門とするランド・ファイナ
ンシャル・サ−ビス社で、インナ−ゲ−ム部門の経営執行責任者である
と同時に、自分でタオ・パ−トナ−ズ社を経営し、積極的に株式、先物の
デイ・トレ−ドを行っている第一人者です。

常勝トレ−ダ−の思考法や心理学を解き明かした画期的な書です。アベ
ル氏は「本書には、短期型売買を中心に、チャ−トやコンピュ−タ−の具
体的な設定を含め、株の電子売買を理解するために必要なものすべてを
書き記している」としている。

米国では心理学がトレ−ドに重要な部門だという認識があり、禅、武士道、
老子など東洋思想の研究が盛んだそうで、トレ−ダ−専門の心理学者も
いるそうです。そのうち、日本でも登場することでしょうね・・・、たぶん。
 

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●路傍のNISHI/  ペイオフと松井証券    
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 本誌が11月に創刊して、早や2か月になろうとしています。今回はニュ
−スが多くて、長い記事が多くなってしまいましたので、この欄は手短にし
ましょう。

Report2のペイオフに関連したニュ−スですが、オンライン証券として知ら
れる松井証券が日米の損害保険会社と提携して「金融機関等包括補償
保険」という契約を結んだことが、20日に発表されました。

何ともむずかしそうな名前なんですが、要は同社の経営が万々が一にも
破たんして、お客から預かった株券や現金が返済不能になった場合、公
的な補償でカバ−しきれない1000万円を超える損害を、1億円を上限と
して補償しましょう、というもの。

やれ「ペイオフ延期してくれ」だの、「中小金融機関はご勘弁を」などとい
って政府や与党に泣きを入れている金融機関に、ぜひ、見習ってほしい
ものです。

何でも、「ペイオフに反対するような金融機関の株式は売却したい」と、言
っている外国人投資家も出ているそうですし、預金者としてもそんな金融
機関(非上場も含めて)に大事なお金を預けるのは止めにしたほうが良い
でしょう。

なぜかと言えば、いずれは消えていく運命にあるからです。このことは97
年以来の金融危機が如実に物語っていますから。

(では、次回は1月のお目にかかりましょう。 see you!)

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