文学

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風物語

2004/05/27

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      あすかマガジン  ショートの広場   VOL.2

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ショートショート「失恋博物館」
第一話

「ごめんね、拓哉君。わたし、結婚することにしたの。悪く思わないでね」
  拓哉にとっては、それは予想外の展開だった。
  そう……もちろん、涼子に会おうと誘われたとき、何かあるなとは感じていた。
  しかし、まさか、こんなことで呼び出されるとは夢にも思わなかったのだ。
「涼子、涼子、待ってくれ。行くな!頼む、戻ってくれ!」
  拓哉は涼子の手を握り、そのまま抱き締めようとした。
  だがそれを察した涼子は、その手を邪険に振り払う。
  そして、寂しそうに首を左右に振って、
「駄目よ、拓哉君。あなたがわたしを好きでいてくれることはわかっていた。
嬉しかった。でも駄目なの。わたしはあなたを愛せない。お願い、わかって」
  そう言うと、涼子は拓哉に背中を向けた。
  もう、それで十分だった。
  中学二年生の拓哉にとって、初めての恋。
  十歳年上の涼子との初恋はこうして、幕を閉じたのだった。

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創刊日:2000-11-03  
最終発行日:  
発行周期:隔週  
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