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映画館で逢いましょう

「映画との最良の出会いの場は映画館」を信条とし、劇場公開作品のREVIEW、オススメビデオ・名作映画のご紹介、その他特集記事を月一回お届けする映画批評月刊誌です。

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映画館で逢いましょう 2005年5月号 【タバコの吸い過ぎには十分注意しましょう】

2005/05/20

─まつすぐな道でさみしい  種田山頭火────────────────
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2005年 5月号  vol.240 (2005-05-01)
 
 Let's encounter it in the movie theater 【 映画館で逢いましょう 】
                タバコの吸い過ぎには十分注意しましょう号
                                    責任編集&発行者:紅乃ちゃんのパパ
                                                        (毎月1日発行)
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       http://www.geocities.jp/kurenataka/  (毎週金曜日更新)
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==contents==
1.今月の上映作品 
  【 コンスタンティン 】
2.フロド&サム ホビット村の映画座談会
  【恋愛映画で分かるあなたの恋愛偏差値】
3.紅パパ名作劇場
 CGなんかじゃこの映画の魅力は生み出せない 【トレマーズ】
4.私も買いたい! 新作DVD発売情報
5.一押し!オススメの逸品
  【 コミックス 仮面ライダーSPIRITS 】
6.徒然なるままに・・・編集後記
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1.今月の上映作品
【 コンスタンティン 】
 原題:COMSTANTINE
 製作:2005年 アメリカ映画 121分
 監督:フランシス・ローレンス
  出演:キアヌ・リーブス/レイチェル・ワイズ

 私的作品評価 ☆☆☆☆  (☆20点★10点 ☆☆☆が標準ライン)

<神と悪魔に魅入られし新たなニューヒーロー登場>

【スピード】で一躍スターダムに上り詰めたものの、一過性の人気に終わりか
けたところで【マトリックス】のネオ役を得て、再び一流スターへと返り咲い
たキアヌ・リーブス。その後の出演作には、SF映画のヒーローに定着するこ
とをあえて避け、演技力のなさを経験でカバーしようとする生真面目な努力が
ありありで、演技力が格段に上達したかは置いといて私の大好きな俳優の一人
である。今回再び、ヒーロー役を演じると聞いた時は、「早まったな」と思っ
ていたのだが、なるほどキアヌ・リーブスなりに演技力の上達に自信を持ち、
ネオより内面的に複雑なヒーローを演じられることが出来ることを証明すると
いう新たな挑戦でもあったのだろう。

キアヌ・リーブス演じる主人公ジョン・コンスタンティンは、冒頭から崖っぷ
ちでもう後がない状況。体は病に冒され死は目前にあり、死後は地獄行きが既
に決定している。せめて死後の世界を天国に変更してもらおうと、神の使者と
して悪魔祓いを続けていたが、神からは偽善者呼ばわりされてその努力も報わ
れない。絶望的な宿命から逃れられない男であるが故に、自己中心的な態度や
他者に対して思いやりのかけらもない態度がコンスタンティン自身のつらさを
感じさせ、彼が孤立するほどに観客は共感を感じる。これは脚本の巧みさもあ
るが、スマートないでたちとは裏腹に不器用さを感じさせるキアヌ・リーブス
自身が持つキャラクターが、コンスタンティンとシンクロしたお陰であろう。
善人でもあり悪人でもある、懐の深いキャラクターをキアヌ・リーブスが演じ
ることが出来たのも、前記したように、キアヌ自身が【マトリックス】以降、
あえて悪役に挑戦するなど、演技力の幅を利かせた努力の賜物であろう。(但
しまだ決して素晴らしく優れた演技が出来ていないところも、キアヌらしいの
だが)

ダークなストーリーと比べて、【コンスタンティン】の表現はホラーな視点か
らみれば非常に甘く感じてしまう。前半のスラム街での悪魔祓いの件では、同
じテーマを扱う大御所【エクソシスト】と比べても、映像に潜む恐怖や狂気と
いった表現力ではむしろ退化してしまっている。但しこれは、監督やスタッフ
の力量が及ばないと言う訳ではなく、むしろ作り手たちが、映画の年齢制限を
かけられないようにと、やむを得ず表現のブレーキを踏み続けた結果であろう
。そのフラストレーションが、地獄の描写を筆頭とした圧倒的ビジュアルシー
ンに注がれており、【コンスタンティン】は最近の超大作超常現象作品にあり
がちなオカルト映画らしからぬ、ぬるさを感じさせない。

【コンスタンティン】は悪と善が渾然一体となった主人公の物語だか、映画自
体もダークなオカルト性と一般受けするエンタテイメント性が絶妙のバランス
で組み合わさった魅力的かつ刺激的な傑作として、オカルト嫌いの方にも是非
オススメしたい。

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2.フロド&サム ホビット村の映画座談会
  【恋愛映画で分かるあなたの恋愛偏差値】

フロド:自分は精神的にタフな方だと自認していたのだが、どうも最近仕事の
ストレスのせいか、休みの日にボーとしていることが多くなった気がする。

サム:4月は映画館で三本しか観てませんしね。これじゃ映画ファンと世間様
に向っていえないでしょ。しかも観た映画が【コンスタンティン】はよしとし
ても、後が【エターナル・サンシャイン】と【ブリジット・ジョーンズ】とは
恋愛映画なんか嫌いだなんて言っていた人とは思えない恋愛映画比率ですな。

フロド:正確に言うと私は決して恋愛映画が嫌いな訳ではなく、恋愛映画とい
うのは、自分の恋愛偏差値がそのまま作品評価を大きくぶれさせる批評のし辛
いジャンルだから、批評する上では嫌いという意味で言ったまでだ。例えるな
ら、恋に恋する時期にあだち充のコミックス【タッチ】を読んで大いに燃えて
いた男が、いざ自分が異性との恋に花咲かせたならば、あの生ぬるさでは物足
りなくなるだろう。

サム:なるほど、恋や愛に対する本人の意識が、映画に対する感情を大きく変
化させると言うことですね。

フロド:私が学生時代(彼女無し)に、チョウ・ユンファの恋愛映画【誰かが
あなたを愛している】を観て、タオルが絞れるぐらい涙を流し、「これこそ最
高の恋愛映画だ」と吹聴していたのだが、かみさんと結婚してレンタル店で偶
然この映画を見かけてかみさんと観たのだが、甘ったるくご都合主義的でベタ
な展開に唖然とした自分がそこに居たのだ。同じ作品でありながら、同じ人が
観てそこまで評価が変わるのは恋愛映画ならではの特色と言えるな。

サム:もしこれを他のジャンルで例えると、ビル爆破事件の後に見た【ダイハ
ード】がひどく危険な作品に見えたり、戦場を体験した者が、子供の頃観た戦
争映画に吐き気をもよおすといったところですね。

フロド:本来ならそれほどの大事件でも起きない限り、同じ人間の作品に対す
る評価が変わることは無いのだが、なんせ恋愛感というものは、その時の状況
で180度変わるものだし、それは一人の人間の心にとってはどんな大事件に
も匹敵することと言う訳だ。だから恋愛映画を作品の完成度だけで評価するの
は非常に難しいことだと常々感じているのだよ。

サム:じゃ円満な結婚生活を送っているはずのフロド様が、最近なぜ恋愛映画
鑑賞比率を上げているんですかね。さっきの【タッチ】のたとえで言うなら、
恋愛映画を観る必要なんてないということになりますけど。

フロド:誤解を招くような発言は慎みたまえ。

サム:そう言えば、先月号も【オペラ座の怪人】と【きみに読む物語】でした
しね。【きみに読む物語】なんて、老人恋愛映画という触れ込みだったけれど
その内容は、べたべたな若者同士の少女漫画ばりの恋愛映画だったじゃないで
すか。

フロド:我が家はかみさんとも仲良くいっている(はず)だ。今回は観たい映
画がたまたま偏ったに過ぎん。ちなみに今回見た作品で言えば、【ブリジット
ジョーンズ】は、現実にはありえない、仮想恋愛物語ではありふれた内容ゆえ
に、恋愛に対して笑える大人な気持ちで観れば、中身は無いが楽しめる作品だ
が作品自体の評価は非常に低くならざるを得ない完成度だったな。逆に【エタ
ーナル・サンシャイン】は恋愛に憧れる段階では、心境が理解しきれない大人
展開であり、恋愛経験のある者にとっては痛い話であり、正に現状の恋愛感に
より評価が分かれる作品だが、完成度は非常に高く批評家筋には評価が高いも
のになるだろう。

サム:【エターナル・サンシャイン】は、【スパイダーマン】で美人か否かと
世界中で論議されたキルスティン・ダンストが非常に良かったです。すごく尻
軽な感じで、同僚と関係を持ちながら、雇い主である年配の博士に恋心を抱く
彼女に隠された秘密は、この作品で本筋以上の衝撃がありましたね。

フロド:確かに【エターナル・サンシャイン】では、主人公であるジョエルと
クレメンタインの行く末は、既に大筋読めているのだから、真の大どんでん返
しは、キルスティン・ダンストが演じるメアリーの秘密だったな。私個人とし
ては、彼女が気に入っているので弁護しておくが、【スパイダーマン】で彼女
が矢面に立たされたのは、決して彼女の魅力が足りないのではなく、監督のサ
ム・ライミに女の子を可愛く撮る素質が無いからだ。その点【エターナル・サ
ンシャイン】のミシェル・ゴンドリー監督はさすが恋愛偏差値の高さを伺わせ
る見事な手腕で、彼女の魅力を引き出しているぞ。

サム:散々えらそうなことを言った後に水をさすようですが、フロドさま自体
対して恋愛経験が豊富ではありませんが・・・。

フロド:(ギクッ)恋愛の経験は何も本人が何度も繰り返し恋愛できたから上
がるわけではないんだよ。私の場合、一人身の時も数々の恋愛映画を通じて、
しっかり恋愛の経験値を積んでいたからこそ、いまの生活があり、恋愛映画に
ついて語る知識もあるのだよ。

サム:負け惜しみにしか聞こえないのが非常に悲しいですね。

フロド:来世ではきっとモテモテ人生を送ってやるぞ。
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3.紅パパ名作劇場
CGなんかじゃこの映画の魅力は生み出せない
【トレマーズ】
 1989年 アメリカ映画 96分

監督:ロン・アンダーウッド
出演:ケビン・ベーコン/フレッド・ウォード

ネバタ州の砂漠地帯に建つ小さな町を舞台に、突然土の中から現れた謎の巨大
生物グラボイスと、陸の孤島に孤立してしまった町民たちとの地球存亡をかけ
たミクロな対決を描くB級モンスター映画の傑作。
いまなら間違いなくCGで描かれるであろう怪物グラボイスも当時はマペット
(機械で作られた実物大の人形)で描くしかなかったわけであるが、予算の関
係上何でもかんでも作れるわけはないという制約から生み出された土の中から
見せない工夫が、作中サスペンスを盛り上げる要素になっているのは見事。モ
ンスターに負けない個性的な登場人物たちも、命がかかっているにも関わらず
ユーモアを忘れない愛すべき面々であり、この手の作品にしては意外にも多く
の人が助かるのも、作り手たちのキャラクターへの愛情がひしひしと伝わって
くる。最近では【ミスティック・リバー】で演技派として名を上げた、ケビン
・ベーコンがデビューの人気にかげりが出始めた頃に出演したB級映画として
観るのも面白い。

「トレマーズ」DVD情報はこちら
  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0007VEZ26/eigakande-22
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4.私も買いたい! 新作DVD発売情報

【ミスター・インクレディブル】
                         6/15発売 定価2940円
ワーナー系列でひっそりと上映されながら、その素晴らしい出来に多くのファ
ンが涙した傑作【アイアン・ジャイアント】を生み出したジョン・ラセター監
督による最新作は、めでたく日本でも大ヒット。かつてヒーローの存在を信じ
いまでもヒーロー映画に心をときめかせている、子供の心を忘れていないお父
さんは必見。勇気付けられ、ポジティブに生きるきっかけになるかもしれない
元気の出る映画です。

DVD情報はこちら→
   http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0009DC7YU/eigakande-22
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5.一押し!オススメの逸品

コミックス 【仮面ライダーSPIRITS】 第一巻〜第七巻 現在連載中
                 原作 石ノ森章太郎  漫画 村枝賢一

特撮テレビシリーズのコミックス化は、往々にしてファンの期待を裏切ること
が多かったが、【仮面ライダーSPIRITS】は実力派漫画家村枝賢一によ
り魂のこもった仮面ライダーファン納得の傑作コミックスとして今一番面白い
連載作品の一つである。初代ライダー一号より仮面ライダースーパー1(九号
ライダー)までのエピソードを丁寧に描きながら、本編の主人公である10号
ライダー、「仮面ライダーゼクロス」のエピソードへと繋いでいく1巻〜3巻
で往年のライダーファンのハートをがっちり掴む熱いエピソードが特に必見。
「仮面ライダーゼクロス」はテレビシリーズ化されず、雑誌連載とテレビ特番
のみの登場となった幻のライダーなのだが、村枝賢一の並々ならぬ愛情と熱意
を受けた読者は、必ずや自分が子供の頃出会った大好きな仮面ライダーと同じ
ぐらいの愛情をゼクロスに抱くことになるだろう。

コミックス情報はこちら→
   http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4063490548/eigakande-22
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6.徒然なるままに・・・編集後記

5月1日発行号が随分と遅れてしまい、お詫び申し上げます。仕事が忙しいと
いう理由はございますが、それもなんだか夏が過ぎた頃には解消されそうで、
正直ほっとしております。

我が家の長男もとうとう幼稚園を卒園し、この春から小学校に通っています。
登校は、小学五年生の娘が一緒に行ってくれるので安心ですが、帰りは途中か
ら一人で帰ってくるので、非常に心配しています。と言うのも私が住む埼玉県
川口市界隈は非常に物騒なところで、犯罪発生率も高く、子供の行方不明を知
らせる放送がしょっちゅう鳴り響くようなところなんです。子供達はランドセ
ルに警報機をつけているし、子供には知らない人は全て疑えとしか教えること
が出来ないのは、正直寂しいことだと思いますね。
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      映画館をこよなく愛する紅乃ちゃんのパパがお贈りする

                 HP< 映画館で逢いましょう >  
                 http://www.geocities.jp/kurenataka/
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   ご意見・ご感想はこちらまで   kurenataka@ybb.ne.jp

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         【映画館で逢いましょう】 創刊1999年11月16日
● 発行者:紅乃ちゃんのパパ
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