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映画館で逢いましょう

「映画との最良の出会いの場は映画館」を信条とし、劇場公開作品のREVIEW、オススメビデオ・名作映画のご紹介、その他特集記事を月一回お届けする映画批評月刊誌です。

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映画館で逢いましょう 第229号 【 サンダーバード 】【 リディック 】

2004/08/29

─映画の真価は、映画館でこそ問われるべき───────────────
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< 紅パパの 映画館で逢いましょう >  vol.229(2004. 8.29)

発行者:映画館鑑賞推進委員長 紅乃ちゃんのパパ

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ネタバレ無添加のREVIEWを心がけております。
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==contents==
1.本日の上映作品
  【 サンダーバード 】
  【 リディック 】
2.徒然なるままに・・・編集後記
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1.本日の上映作品
【 サンダーバード 】
 原題:THUNDER BIRDS
 製作:2004年 アメリカ映画 95分

 私的作品評価 ☆☆   /国際救助隊より子供達が大活躍の夏休み映画 
     (☆20点★10点 ☆☆☆が標準ライン)

●作品紹介
おなじみのオープニングテーマ、人形劇、男の子心をくすぐるメカニックで昭
和40年代前後の子供達の心を鷲掴みにし、今なお根強いファンを持つイギリ
ス製作のテレビドラマをハリウッドが実写映画化。監督は、恐らく観客の多く
が同じであるように、オリジナルにほとんど思い入れの無いジョナサン・フレ
イクス監督は、メカニカルなこだわりはオリジナルファンを尊重しつつ、子供
向け映画として、思い切りよく割り切り、幅広い年齢層をターゲットに定めて
いる。オリジナルをこよなく愛するファンを納得させつつ、新たな世代のサン
ダーバードファンを生み出すことができるか、21世紀に蘇えった伝説の作品
の行く末を劇場で確かめよう。

●作品データ―
監督:ジョナサン・フレイクス 脚本:ウィリアム・オズボーン/マイケル・
マッカラーズ 撮影:ブレンダン・ガルヴィン 音楽:ハンス・ジマー 出演
:ブラディ・コルベット/ビル・パクストン/ソフィア・マイルズ(フロム・
ヘル)/ベン・キングスレー(シンドラーのリスト)(ガンジー)

●REVIEW
オリジナル版【サンダーバード】は、子供の頃何度か観たことはあるものの、
昭和40年代生まれには、むしろウルトラマンや仮面ライダーにはまっていた
人が多かったのではないか。無論私も同様にウルトラマンをこよなく愛してい
た為、サンダーバードには深い思い入れはないのだが、なぜかサンダーバード
二号機のデザインには妙に惹かれるものがあり、プラモデルを買ってもらった
記憶がある。その程度のファンに劇場版サンダーバードを語る資格などないの
だろうが、なんせ今作の監督は、監督のオファーがオリジナル版を観たことす
らなかったと言うのだから、ここは遠慮なく語らせていただく。

以前、着ぐるみが伝統の日本のゴジラをCGで登場させ、ゴジラファン(私も
含め)の度肝を抜いたハリウッドが、精巧なミニチュアならではの味が魅力の
サンダーバードをCGで描くことに、今更驚く人はいないだろう。むしろ、迫
力あるサンダーバードメカの活躍を期待していた人は、今作で描かれる妙に軽
いメカたちに、非常にがっかりさせられるはずだ。確かにメカは細部まで描か
れ、美しくも華麗な動きを披露してくれるのだが、一つ一つの動作に重量感が
無いのは、巨大メカとして魅力を完全に削いでしまっている。あれだけ巨大な
二号機がまるで飛行船のようにふわふわ浮いているのに個人的に違和感を感じ
てしまった。

国際救助隊として世界中で活躍しているサンダーバード。この世界観をすでに
知っている人ならともかく、多くの観客は初めてこの作品でサンダーバードの
世界に触れているにもかかわらず、物語は、「国際救助隊であるサンダーバー
ド自身が○○される」というまるでテレビシリーズのマンネリ打破に使われる
ようなヒネリの入った展開というのも、難がある。カッコいいサンダーバード
のメカとそれを操る隊員たちに観客が思い入れを持つように仕向けることが、
第一作目の役割だと思うのだが、さすがにオリジナルに思い入れのない監督ら
しく、シリーズ化しようといった心遣いは皆無である。

物語は、【スパイキッズ】シリーズのような、完全に幼児から小学生向けと割
り切った、勧善懲悪物であり、子供達とサンダーバードを襲う悪者たちのドタ
バタは、ありえないほど子供じみた展開。夏休み子供映画と割り切れば、この
スタンスはアリだと思うのだが、やはり大人が観るにはかなり物足りない作品
であることは間違いない。30代後半以降のオリジナルファンの方は、相当な
割り切りを持って鑑賞されることをオススメする。
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【 リディック 】
 原題:THE CHRONICLES OF RIDDICK 
 製作:2004年 アメリカ映画 118分

 私的作品評価 ☆☆☆☆/銀河系の命運は最強最悪のヒーローに委ねられた
     (☆20点★10点 ☆☆☆が標準ライン)

●作品紹介
【スターウォーズ】以来のSF超大作という触れ込みで激戦の2004年夏休
み映画に参入してきた【リディック】は、SF映画ファンが待ち望んでいたケ
レン味と銀河を股に駆けた冒険に満ちた期待の作品だ。
銀河系のお尋ね者である「リディック」。本来悪の側にいる彼に、銀河系の命
運が委ねられた。果たして「リディック」は銀河系の未来を救う救世主となり
うるのか、それとも更なる悪夢を呼び込むことになるのか。いずれにせよ、全
ては「リディック」の手に握られている。
銀河系最強の犯罪者「リディック」を演じるのは、シュワルツネッガーの跡を
継ぐ男、ヴィン・ディーゼル。息もつかせぬアクションの連続、星々を股にか
けた大活劇、セット撮影にこだわることで、スペースオペラらしさを生み出す
ことに成功した特殊撮影など、見所も満載。壮大なスペースオペラには劇場の
大スクリーンが相応しい。

●作品データ―
監督/脚本:デヴィッド・トゥーヒー(ピッチ・ブラック) 撮影:ヒュー・
ジョンソン 音楽:グレアム・レヴェル 出演:ヴィン・ディーゼル(トリプ
ルX)/コルム・フィオーレ/ジュディ・デンチ/ダンディ・ニュートン

●REVIEW
これぞスペースオペラの王道を行く会心作。我々の生活の延長線上にある近未
来を描く最近のSF映画とは違う、銀河を股に駆けた壮大なB級SF映画に超
大作並みの莫大な予算を注ぎ込む男らしい無駄遣い振りも頼もしい。科学的根
拠なんて何処へやら、宇宙征服を企む悪の組織に、ヒーローが単身立ち向かう
単純明快なスペースオペラ。これぞSF映画ファンが待ち望んでいた一本だ。

主人公リディックは、指名手配中のお尋ね者。成り行き上、銀河征服を企む敵
と戦うことになったものの、リディックの本質は「悪」なので、因縁を付けて
きた相手は容赦なく瞬殺。気が向けば人助けもするから、かろうじて作中では
ヒーロー役になっているが、一歩間違えれば、リディック自身が悪役になって
しまう危うい設定も、実に魅力的。(この設定は落ちに見事に生かされていま
す)ヴィン・ディーゼルは、【トリプルX】の時も感じたのだが、人のよさそ
うな目をしている為、本来悪役が向かない俳優だ。その点【リディック】では
終始サングラスもしくは、サングラスの下も暗視が出来る白い眼という設定に
することで、その欠点も克服し、スペースオペラの新たなヒーローを誕生させ
てくれた。

CGという魔法により、どのような環境をも視覚的に生み出せるようになった
ことで飛躍的進歩を遂げたSF映画だが、【リディック】ではあえてセット撮
影にこだわりを見せている。監督はインタビューの中で「セットがあった方が
俳優も演技がしやすいし、カメラマンもアングルにこだわることが出来る」と
語っている。CG背景に見慣れた最近の映画ファンなら違和感を感じないのだ
ろうが、セット全盛のSF映画を愛するオールドファンにとっては、【リディ
ック】のような昔風のスペースオペラには、手作り感溢れるセット撮影が妙に
しっくりくるような気がする。嘘と分かっている世界だからこそ、セットのう
そ臭さが観客に想像力を働かせることを即し、より映画にのめり込める、と感
じるのは、私が古いタイプの映画ファンだからだろうか。

銀河系を征服しようとする最強の敵とリディック一人の戦いを二時間で完結さ
せようとしたのは、無理がありすぎるのも事実。サブエピソードである刑務所
脱獄シーンにウエイトを置きすぎでバランスを崩した感も否めず、脚本面での
不備は否定できない。それでも最近のSF映画が忘れている「おとぎ話」とし
て嘘が成立するスペースオペラを大スクリーンに復活させた【リディック】を
多くのSF映画ファンは歓迎してくれるはずた。

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2.徒然なるままに・・・編集後記
先日上野アメ横を歩いていたら、露天でDVDを販売している人がいました。
それは明らかに違法コピー商品で、パソコンでDVDを焼き、ジャケットをコ
ピーして発売したばかりの作品を1000円均一で販売しているのです。こん
な違法コピー商品は、買った時点で同罪と思いながら通り過ぎようとしたので
すが、先日発売したばかりの三池監督【着信アリ】が並んでいたのを観てつい
出来心で購入してしまいました。

早速自宅で観てみると、予想以上に画質も良かったのですが、映画終了直前に
突如映画が止まり、メニュー画面に戻ってしまったのです。作品がホラー映画
だけに、一緒に観ていたかみさんと娘は「これは何かの呪いかも」と大騒ぎし
ついには購入してきた私のせいだと攻め立てられました。あまりうるさいので
DVDは捨てようと思っていますが、やはり高くても正規のルートで買えと言
う映画の神様のお告げだったのでしょう。
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