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映画館で逢いましょう

「映画との最良の出会いの場は映画館」を信条とし、劇場公開作品のREVIEW、オススメビデオ・名作映画のご紹介、その他特集記事を月一回お届けする映画批評月刊誌です。

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映画館で逢いましょう 第225号 【 シルミド 】

2004/07/23

─映画の真価は、映画館でこそ問われるべき───────────────
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< 紅パパの 映画館で逢いましょう >  vol.224(2004. 7.23)

発行者:映画館鑑賞推進委員長 紅乃ちゃんのパパ

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==contents==
1.本日の上映作品
  【 シルミド 】
2.映画館で逢えなかった作品は、ビデオでチェック!
  【 時をかける少女 】
  【 麻雀放浪記 】
3.徒然なるままに・・・編集後記
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1.本日の上映作品
【 シルミド/SILMIDO 】
 製作:2003年 韓国映画 135分

 私的作品評価 ☆☆   /歴史の闇に葬られた悲しき真実に涙せよ
     (☆20点★10点 ☆☆☆が標準ライン)

●作品紹介
1968年韓国政府は、北朝鮮との対立に終止符を打つべく金日成暗殺計画を
秘密裏に進めていた。指令を受けた軍は、シルミド島に死刑囚ら31人を招集
、暗殺を成功させる為の特殊工作員としての訓練は三年に渡り行われた。とこ
ろがその間に対北政策は大きく話し合いによる解決へと傾き、ついには金日成
暗殺部が存在するという事実が、隠蔽すべき危険な存在となってしまう。
実際に起こったシルミド事件を脚色し、男たちが織り成すドラマとして成立さ
せた力技は、やや賛否が分かれる所。お涙頂戴の友情ドラマとしてみれば、そ
れなりに楽しめるのだが、事実に基づいたドキュメンタリー風の味付けはほと
んどないので、これがシルミド事件の真実だと思うのはかなり危険だろう。

●作品データ―
監督:カン・ウソク 脚本:キム・ヒジェ 撮影:キム・ソンボク 出演 カ
ン・ソンギ/ソル・ギョング/チョン・ジェヨン/イム・ウォニ

●REVIEW
どのようなとんでもない事件であろうとも、「史実に基づいて映画化した」と
言う言葉は何よりも説得力を持つ。【シルミド】で描かれる金日成暗殺計画と
その顛末は、映画の中でしかありえないようなとんでもない物語であるが、事
実なのだからこその重みにどこか欠けているように終始感じてしまった。

【シルミド】で最も欠落している点は、一癖も二癖もありそうな死刑囚や無期
懲役者を集めた部隊にも関わらす、個性的で愛すべきキャラクターを生み出せ
切れない脚本の弱さだろう。俳優陣は極めて個性的な面々を揃えているにも関
わらず一人一人のエピソードが、あまりに貧弱な為、観客側の「感情移入した
い欲求」が空回りしてしまっている。思い入れの深いキャラクターが戦争とい
う名の下に無慈悲に犠牲になるところが、戦争映画の悲劇を最も際立たせる要
素であるのだから、この欠落は致命的だ。

個人的にひどく違和感を覚えたのが、シルミド事件の犠牲者となった男たちの
非人道的行動に対して正当化してしまう傲慢さだ。一般市民を盾にとって、自
らの行動を貫く為に犠牲も厭わない主人公たちにも呆れるが、人質を盾に取ら
れても一向にひるまず攻撃命令を出す韓国軍にも驚かされる。大事の前の小事
という一言で片付けられる時代なのかもしれないが、その感覚には寒気を感じ
させられた。
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2.映画館で逢えなかった作品は、ビデオでチェック!
【 時をかける少女 】
 私的作品評価 ☆☆☆★
 1983年 日本映画 104分
 監督:大林宣彦 出演:原田知世

原田知世の名を世に知らしめた学園SFドラマの傑作。タイムパラドックス物
としては、よく出来た作品で、初期角川映画の中でも特出した出来であり、テ
レビで再三放映されているので、観た人も多いことだろう。改めて見ると原田
知世の演技は、お世辞にも上手いとは言えないものの、可愛いだけではない、
どこか一緒にいたくなるような親近感を持った雰囲気が実に魅力的だ。何度も
時間を逆転してしまうという筒井作品らしい発想が、上手に映像化されている
のは、原田知世の魅力を引き出した大林監督のお手柄である。
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【 麻雀放浪記 】
 私的作品評価 ☆☆☆☆☆
 1984年 日本映画 109分
 監督:和田誠 原作:阿佐田哲也 出演:真田広之/大竹しのぶ/鹿賀丈二
名作駄作と作品を集中的に作り続け邦画の一時代を築き上げた角川映画が生み
出した最大の傑作は【麻雀放浪記】であるという点では私は誰にも譲らない。
ギャンブルの本質を見事についた脚本、阿佐田哲也の原作から飛び出したかの
ようなキャラクターを演じきった俳優陣、戦後間もない焼け野原となった東京
を作り上げた完璧なセットと美しいモノクロ映像。和田誠は、これが初監督作
品とは思えない素晴らしい演出と構成力を披露している。
憎めないヤクザ者ドサ健を演じた鹿賀丈二も素晴らしいが、この映画を影で支
えているのは、人買い出目徳を高品格に尽きる。高品格の抑えた演技、自らの
業を見つめ、危険なギャンブルに身を投じる姿に男を感じる。麻雀に興味が無
くとも、【麻雀放浪記】だけは、日本人として観るべきだ。
脇役ながら、
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3.徒然なるままに・・・編集後記
映画を観てキャラクターになりきってしまう。こんな幸せなことはない。息子
は【スパイダーマン2】を観た後、どうやら大きな責任を感じたのか、スパイ
ダーマンになりきってしまったようだ。あの楳図かずおの漫画「まことちゃん
」のグワシと同じ指の形で、手首から見えない糸を出している息子は6歳の身
でありながら、映画館の階段6段跳びをやってのけて危うくひっくり返るとこ
ろだった。男の子と言うのは、身に覚えがあることとは言え本当に危険である

先週突如インターネットに繋がらなくなり、ヤフーのサポートに聞いた結果、
モデムの故障ということで交換するまで、ネットお休みとなってしまった。そ
の間に【スパイダーマン2】と【ハリーポッターとアズカバンの囚人】を観た
のだが、書くタイミングが若干ズレそうである。子供が夏休みに突入し、一人
で映画に行くのがかなり難しくなってきたのが、今夏の悩みである。

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         【映画館で逢いましょう】 創刊1999年11月16日
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